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パナソニックが吸収した三洋電機の白物家電部門を中国の大手家電メーカーハイアールに売却することが決まりました

売却するのは三洋電機の事業のうちパナソニックとかぶる洗濯機、冷蔵庫の製造部門で従業員2千名もハイアールへ移ることになります。すでに三洋電機の半導体は米国オン・セミコンダクターへ、小型モーターは日本電産への売却が決まっていて、残りの電池、カーナビ、調理器具、デジカメ、業務用空冷機器などはそのままパナソニックに残ることになります。ただ残ると言ってもブランドや技術は残るものの従業員は先日報道されたように1万数千人規模で三洋電機(とグループ会社)の従業員が解雇されるようです。

パナソニックとしては、三洋電機の得意分野だった蓄電池や太陽電池が手に入れれば、あとはそれほど興味がなかったとも思えますが、意外と海外ではSANYOブランドがソニーやパナソニック以上に強い地域もあって、デジカメに至っては多くのメーカーにOEMで提供していたり、お米からパンを作るホームベーカリーゴパンは納期が何ヶ月待ちという大ヒット商品だったりと、地味に堅実な製品をもっています。もちろんそのあたりはちゃっかりとパナソニックが手に入れています。

一方中国のハイアールはと言うと、以前から日本へ低価格の家電製品を売り込んでいますが、その壁はなかなか突破できていません。中国企業ですから中国国内やアジア、欧米へ販路を拡大すれば、別に日本なんか相手にしなくてもいいように思いますが、中国企業には「世界一目の肥えた消費者がいる日本で成功すれば世界で大成功する」という方程式があり、また多くの事業家は先進国日本で成功したいという夢を持っているそうで、家電に限らず次から次へと日本をターゲットとしたビジネスが展開されています。

そして今後はサンヨーブランドを使って日本での販売が可能となりますので、日本のユーザーも従来より違和感なく、ハイアールの製品を購入してくれるという期待を寄せているのでしょう。しかし実際は日本の工場で働く人達の労働条件や給与水準などが、中国の経営者からするととても受け入れられないように思えますので、今後の工場海外移転や給料の大幅な引き下げなど雇用不安が気になるところです。

20110803.jpg私自身は三洋電機の製品は、10年ほど前に動画の撮れるデジカメを買ったのと、もっとずっと前にエアコンを1台購入したことがあるぐらいで、あまり縁はありません。

いち早く日本でドラム式洗濯機を出してきたとき、ちょうど自宅の洗濯機が壊れて候補に挙がりましたが、洗濯機の大きさが合わず、また価格も高めであきらめました。デジカメは電池の消耗が激しく、すぐに電池切れを起こしてしまい、ほとんど使い物になりませんでした。

結構有名な話しですが一般的によく使われている「デジカメ」と言う言葉は三洋電機が商標権を持っていて、基本的には他のメーカーは使えません。それぐらいデジカメは三洋電機のお得意分野だったのです。

あぁ、書いているうちに思い出しましたが、まだ小学生の頃(1960年代後半)、初めて家にやってきたカラーテレビが三洋(薔薇シリーズ)でした。薔薇が描かれた大きな絵皿が一緒に付いてきて、それをテレビの上に飾ってあったのが印象に残っています。まだリモコンはついてなくチャンネルを回すタイプです。当時としてはサラリーマンの給料3~4カ月分ぐらいはしたのではと思います。それまでの白黒テレビとは違い、どっしりとした大きな家具調テレビで感激した記憶があります。

やがて表からは消えてなくなってしまうでしょうが、三洋電機というユニークなメーカーがあったと言うことは決して忘れません。

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515
6月の終わりにパナソニックが吸収した相手の三洋電機の社員1万数千人のリストラをおこなうことがスクープされ大きな衝撃を受けましたが、大手製造業ばかりではなく、様々な業界で大規模なリストラや希望退職、雇い止めが続いています。そして感覚がもう麻痺してくるぐらいに日常的におこなわれるようです。

下記に5~7月中旬までの新聞等で公開された情報をピックアップしましたが、特にリストラや早期退職の企業にとってはあまり表に出したくない情報は公表の義務のある上場会社だけが中心で、規模は大きくても公開義務のない非上場企業は不明なので、ここに上がっているのは氷山の一角だと思っていいです。

そして今後の傾向としては、まだ当分のあいだ景気が回復する要素がまったく見あたらず、今後ますます悪い方へいくのは間違いなく、来年の春以降はいったいどうなるのか考えただけで末恐ろしい気がします。

監査法人の中でビッグ4の一角を占めるトーマツが全社員の約8%(440名)をリストラすることや、精密プレス加工のサンコーが全社員の25%(130名)、75年前の創業以来一度も解雇をしてこなかった優等生のリコーまでもが3年間でグループの社員の10%(1万人)をリストラすると発表しています。

比較的安定した職と見られている公認会計士や会計士補が多いトーマツのリストラは、私のようになんの資格も特技もない人間にとっては驚き以外のなにものでもありませんし、ずっとリストラはおこなわないと言ってきたパナソニックが堰を切ったように大量リストラを始めたり、同様にリコーなども従来かの慣行などどこ吹く風とばかりで、この流れは留まることはないのでしょう。

7月12日 トーマツ、希望退職者440人募集、監査報酬の収入低迷
7月12日 サンコー希望退職130人、30歳以上対象、従業員給与5%減
7月11日 横河電、希望退職150人募集に185人応募
7月10日 採用内定416人、震災で取り消し、121事業所で
7月5日 TIS、正社員の5%の400人、早期希望退職を募集
6月30日 リコー3年間でグループ全体の約1割にあたる1万人の従業員を削減する方針
6月28日 パナソニック:傘下の三洋従業員1万数千人削減へ
6月7日 東洋建設、早期退職で66人削減
6月7日 生保営業職員、3年ぶり減少、ピーク時の5割強に、銀行窓販拡大など影響
6月1日 市光工業、早期退職募集130人
5月31日 ユニヘアー、希望退職400人募集
5月24日 ミヤチシステムズ、希望退職40人募集、社員の3割、収益環境厳しく
5月18日 EJHD子会社、希望退職60人募集 震災で受注減少
5月17日 マツダ、技能系採用51人
4月28日 ホンダ、埼玉製作所で期間従業員600人を雇い止め

一方、業界によっては採用を増やしたり、新たな求人をおこなうところもあります。リストラや希望退職とは違いこちらは企業としては誇らしくPR効果もあるので、上場・非上場問わず積極的に公表します。なのでリストラの記事より数が多いから景気は明るくなった?と勘違いしてはいけません。

求人の話題で目に付くのは下記には数が多すぎて挙げませんでしたが、外国人の求人が急増していることです。これは中国を含む東南アジアへの工場移転、インド、中東への販路拡大などが大手企業だけでなく中小企業へも急速に進んでいる影響だと思われます。日本にいる優秀な外国人を採用し、日本のノウハウを学び、それを国に持ち帰ってリーダーとして活躍してもらいたいと甘~い希望を持っている中小企業が多そうです。ホントに優秀な人ならノウハウだけ学んで帰国すればあとは自分で事業始めちゃいますよ。

自動車製造関連は上記のように正社員や期間工の削減がある一方で、期間従業員の大量募集をおこなっているメーカーも出てきています。これは国内向けの製品はダメだけど、輸出向けは、クルマも部品も好調でという明暗が分かれているせいだと思われます。

それ以外では、下記に挙げたように工場労働者やコールセンターのような派遣、請負、契約社員という非正規社員の募集が目立ちます。まともな正社員求人では、特定の技術または専門職か、営業・販売職、あとは介護・福祉と言ったところでしょう。いずれにしても中高年者には無理っぽい仕事ばかりです。

意外に思ったのは、バイオ、ケミカル系企業の積極採用ぶりです。一般的に化学工業と言えば元々は繊維産業だったところが多いのですが、この業界は80年代には一旦成熟してしまい、その後はあまりパッとしませんでした。ところが、次世代エネルギー関連や、基礎研究が実を結んだ次世代素材などで新興国ではすぐに真似ができない製品を生み出し、国内需要と言うより世界に向けた販売が好調のようです。

東レは先日ボーイング社から全日空へ初めて納入された次世代新型旅客機の胴体や翼を軽量なカーボン素材で作り提供しましたが、今後様々な分野でその応用が期待できます。電気化学工業はLEDやリチウムイオン電池で、三菱ケミカルは太陽電池素材や医薬品など、繊維・化学品の専門商社として有名な蝶理はアジア向けの貿易部門がいずれも好調とのことです。

化学以外の業界においても、下記の事業は例え非正規社員でも増やそうとしているところは、少なくとも景気は悪くないと考えられます。現在就職活動中であるならば、どうせ狙うならばそういう業界を優先して当たるべきでしょう。もちろん逆を張って、競争相手が少ない不景気分野や、この先どうなるかわからない原子力関連へ行くというのもあるのかもしれません。

いずれにしてもこれから働くと言うことは、国内向けの仕事ではなく、広大で人口の多いアジア(東南アジアから中東まで)を向いて仕事をすることが必須となり、語学はもちろんのこと、どんな環境でも生活していけるたくましさと、文化や商習慣の違う相手とすぐにうち解けられる明るさ大らかさ、そして図々しさなどが求められます。

高度成長時代というか明治時代から長く続いた勤勉であることや、会社への忠誠心が高いこと、マニュアル通りにキチンと素早くできることが、現在の職業人としての評価基準ではないということはハッキリしてきたようです。私はちょうどその端境期の人間ですが、そのアジアの潮流に本格的に巻き込まれる前に、早く引退したいと思っているのですが、どうもスピードが速くて逃げられそうもありません。

6月29日 電気化学工業、中央研究所の人員倍増、20億円投じ改築・新設備
6月29日 セントラル自、期間従業員、被災者ら50人採用、増産に備え
6月25日 期間従業員採用、マツダも400人
6月24日 CATV各社、顧客対応要員増やす
6月24日 日産、世界販売9.9%増、今期計画、期間従業員1000人追加
6月23日 デンソー、期間従業員750人を採用
6月23日 テクノ・ライン、製造業向け請負事業を強化
6月21日 高知市にコールセンター、セントメディア、当初30人雇用へ
6月21日 自動車大手、期間従業員の採用再開、トヨタ2000人、増産に備え
6月22日 愛媛の企業、宮城にコールセンター、9月にも新設―被災者、最大300人雇用
6月20日 富士通ゼネラル、家庭用エアコン、住宅メーカーへ販売強化、営業員3割増
6月20日 三菱化学がワークシェア、最大100人の雇用創出
6月20日 採用、8割の業種で拡大、来春大卒、東レは7割増計画
6月20日 流通・外食の来春新卒採用、大卒28%増
6月16日 ホンダ、期間従業員1000人採用-6月下旬から国内生産正常化
6月10日 綜合臨床HD、臨床心理士採用を拡大、製薬の需要増受け4年後6倍の300人に
6月9日 独ボッシュ、自動車部門1万人増員-アジア・太平洋で技術職中心
6月9日 トスネット、沿岸被災地で事業強化
6月7日 関東自動車、被災者中心100人採用、岩手工場、期間従業員で
6月6日 日本医療事務センター、訪問ヘルパー、年100人育成
6月3日 ベルシステム24、コールセンター増強
6月2日 医療機器のベアーメディック西日本の営業体制拡充、九州に拠点、大阪は増員
5月28日 英バークレイズ、日本で投資銀部門4割増員
5月19日 ロボストラクト、LED販売強化-ベテラン技術者採用
5月12日 日立キャピタル、戦略事業強化へ人員集中
5月10日 京葉銀、来春の採用計画、110人に拡大方針
5月9日 事務職採用を13年ぶり復活、蝶理、総合職も倍増

■まとめ

【特に景気が悪そうな業界】
監査法人、自動車製造(正社員)、電気機器(国内向け)、システムインテグレーター、建設、コンサルタント

【積極採用の業界】
化学、自動車製造、自動車部品(非正規社員)、メディカル、人材派遣・業務請負(アウトソーシング)・警備、金融投資、商社、節電・エコ関連


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505
私が退職して失業保険のお世話になったのは、いまから10年ほど前のことで、それから何度か改正(改悪?)があり、給付金の期間や金額等に変更がありました。そこで2011年6月現在の失業保険の給付についてメモっておきます。ちなみに私は退職するとき、期日を選ぶことはできず、後でわかったことですが、ちょっとしたことで損したなぁって悔やんだことがありました。

なお、このブログ(日記)やサイト全体に言えることですが、ここに書いてあることは参考程度(かなり端折っていたり情報が古くなっているもの、記載に誤りがあるかも知れません)にしていただき、最新で正確な情報は各地域の労働局や居住地の職安(ハローワーク)で尋ねるか、厚生労働省のホームページにて調べていただき、むやみにここに書かれている内容を信用しないでください。またこの日記の筆者(私)は、それらによって損害やトラブル等が起きても、一切責任は負いません。

まず、失業給付は、会社都合で退職する場合は最低6カ月間以上、自己都合で辞めるときには1年間以上雇用保険に加入していることが条件となります。また2年前の改正で、派遣社員等の雇い止めによる失業者救済のため、離職日(退職日)以前の1年間に通算して6ヶ月以上雇用保険に加入していれば受給資格要件を満たすようになりました。

一般のサラリーマンだと、会社と本人が雇用保険を負担して支払っていますが、通常は給料から天引きされていますので、自分が支払ってきたという実感はあまりないかもしれません。給与明細では「雇用保険」とか「保険その他」で毎月引かれているはずです。

零細企業の中には、雇用保険や社会保険(健康保険、厚生年金保険)の会社負担分が支払えず、本人の給料からは天引きしておきながら、収めていなかった(滞納していた)というひどいケースが過去に何度かニュースになりました。万一そういう場合でも、給与明細書等や給与振込先の通帳で保険金が天引きされていたことが証明できれば、問題なく手続は可能だと思います。それよりもそのような企業は損害賠償で訴えることも考えてもいいかもしれません。

次に会社を退職するときには、大きく分けて(1)本人都合(自己都合)と(2)会社都合の二通りがあります。懲戒解雇など本人の重大な過失等で解雇になった場合は今回除外します。倒産や会社閉鎖で解雇やリストラにより退職するときは通常(2)会社都合です。ただしそれを正式な書面(離職証明書)に記載がないと職安で認めてくれない場合がありますので、退職時に会社に「会社都合」であることを確認しておく必要があります。

また(1)(2)のどちらか曖昧な時は、できるだけ(2)の会社都合にしてもらいましょう。(1)と(2)では給付される期間や金額、支給開始日が大きく違い、当然会社都合退職のほうが失業者には手厚くカバーされます。しかし会社が雇用助成金等をもらっているような場合は、(2)の会社都合退職者を出すと、助成金が打ち切られたり、今後しばらくもらえなくなりますので、会社としては(1)本人都合退職としたいと思っているかもしれないので注意が必要です。

前述したように失業保険の給付金や給付される期間は一律ではありません。

(A)「本人都合」退職か、「会社都合」退職かにより給付開始時期、給付金額、給付期間が変わる
(B)「年齢」と「給与額」により失業保険でもらえる日額(基本手当日額)が変動する
(C)「年齢」と「勤務(雇用保険加入)年数」により給付期間が変動する


(A)「本人都合」退職か、「会社都合」退職か
会社都合で退職した場合、会社から送られてくる離職証明書に会社都合であることが書かれています。それを持って職安へ行き手続をすれば、受給説明会への参加等を経て、待機期間ののち、おおよそ20~30日後ぐらいに最初の給付が受けられます。支払は月1回で通常は銀行振り込みです。

もし本人都合や懲戒解雇の場合は、離職証明書を職安へ提出し手続きするのは同じですが、待機期間+3カ月後にしか給付されず、実質退職後約4カ月近く経ってからしか保険が給付されません。自己都合で辞めるなら次の仕事を決めてからでないと、生活は厳しいものとなります。

また(B)の基本手当日額、(C)給付日数にも本人都合か会社都合かによって変わってきますので、会社都合退職にしてもらうメリットはかなり大きくなります。

(B)年齢と平均月給
退職前6カ月間に支払われていた給与(賞与など臨時のものは除き残業代は含む)を180で割り、賃金日額を計算します。離職証明書にも給与金額が書かれていますが、念のためそれが正しいかを知っておくために給与明細を取っておくのが賢明です。

その賃金日額の50~80%(60歳~64歳については45%~80%)が基本手当日額で、給付される元となるものです。さらにそれらの日額には上限と下限があります。50~80%のように幅があるのは賃金日額が低い人ほど給付される割合が多くなるようになっているからです。
c2cdfe3b.jpg
基本手当日額の算出サンプル
40歳勤続19年で6カ月の平均月給40万円の人(会社都合退職)
40万円×6カ月=240万円
240万円÷180日=13,333円(賃金日額)→6,666円(50%)

45歳勤続20年で6カ月の平均月給50万円の人(会社都合退職)
50万円×6カ月=300万円
300万円÷180日=16,666円(賃金日額)→7,685円→7,505円(上限でカット)

これが実際に給付される基本手当日額となります。直前6カ月間の給料額と5歳刻みの年齢によって変わってきます。年齢による差は下記の給付期間にも関わってきますので、その開きはさらに大きくなります。

(C)勤務(雇用保険加入)期間
会社都合で退職した場合は、所定給付日数は「被保険者であった期間(≒勤続年数)」と「年齢」で決まります。

例えば、会社都合で退職した場合(懲戒解雇除く)
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上記の通り給付期間は勤続期間や年齢で5年ごとに変化します。60歳未満であれば退職日を延ばすだけで給付総額が大きく変わる場合があるので注意が必要です。

44歳19年勤続、基本手当日額上限として6,825円×240日=1,638,000円(最大もらえる金額)
45歳20年勤続、基本手当日額上限として7,505円×330日=2,476,650円(同上)
 その差838,650円(均すと毎月7~8万円の差)

もし44歳19年勤続だとすると、あと数カ月退職日を遅らせて、45歳と勤続20年に達することができれば、給付総額が最大80万円以上も変わってくることがわかります。リストラにおいて退職時期を自分の都合でうまく変えられるかどうかという問題はありますが。

なお、自己都合や定年、契約期間満了で退職した場合の所定給付期間は年齢に関係なく下記の通りです。やはり会社都合で辞めるのと大きな差があります。
204f82f4.jpg

あと、給付を受けられるのは、原則として退職した日の翌日から1年間となります。退職後しばらく骨休めとばかり退職金で海外旅行などへ出掛け、長期間遊び回る人もいるでしょうけれど、失業保険をフルにもらいたい人は、できるだけ早く離職証明書を取得し、すぐに職安へ行き手続をおこなった方が良さそうです。中には会社へ督促しないといつまで経っても離職証明書を送ってくれないというケースもあります。

その他にも、個別延長給付、再就職手当、教育訓練給付、高年齢雇用継続給付などの制度がありますが、対象者や条件、居住地域が限られたりしますので、詳細は職安にて調べてください。

あと失業期間中に公共職業訓練を組み合わせることで、給付制限(給付期間の制限など)を解除することができます。例えばの例ですが120日間の給付期間中に、公共職業訓練所で120日の講習を受けると、その講習期間中も別途失業給付がおこなわれ、トータルで最大240日間の失業給付がもらえることがあります。

但し人気のコースなどはいつも満員でタイムリーに受けたいコースを受けることは難しく、私も以前申し込もうと聞くと半年先でないと空いていないような状況でした。1日でも早く本来の勤労収入を得るため、再就職活動に集中するか、それとも一旦引いて(もちろん訓練中に再就職活動をおこなっても構わないのですがどちらも中途半端になりがちです)、職業訓練を一通り受けてから再就職活動をおこなうかを決断する必要があります。

なお、上記の各データは2011年6月1日現在のもので、間違い箇所があれば訂正致しますが、それ以降に変更があっても修正・更新は致しません。



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500
長引く不況とデフレに加え、東日本大震災の影響もあり、この半年の雇用情勢がどのように変化するのか気になるところです。

5月末現在ではまだ3月までの集計しかわかっていませんが、3月の完全失業数は2万人増えて304万人、完全失業率は4.6%と前月と横ばいです。

また私が雇用情勢にもっとも役立つと思っている有効求人倍率はわずかに上昇し0.63倍となっています。そして季節調整値では、就業者数は5983万人と前月と比べて46万人減少しています。(数値は総務省統計局より)。

この統計では、有効求人倍率以外は集計が間に合わなかったということで、震災被害の大きかった岩手、宮城、福島の東北3県を含まない数値です。

労働人口のうち15~65歳で就業中または就職活動もおこなっている人を除いた、例えば学生や専業主婦、家事手伝いなどの非労働力人口は前月から46万人も増え4278万人となりました。

この増加した46万人は、本当は職に就きたいものの一旦就職活動を控えている人ではないのかと恐れています。

完全失業者は2万人増にとどまったが、就業者数は46万人も減少した。これをどうみるか?

 1)長期失業状態で仕事探しをあきらめた・・・○
 2)高齢や病気のため職探しをやめてリタイヤまたは療養中・・・△
 3)仕事を辞めて学校へ通うようになった・・・×
 4)完全失業中だが、職安がそれを認めてくれなくなった・・・◎
  ※◎大いにあり ○ありそう △少しは ×ない

つまり長期間失業したままで、失業保険の給付も終了してしまった人に対して、全国の職安が「あなたは本気で仕事を探していないので完全失業者と認められない」と決めつけると、完全失業者から除外されてしまいまい、非労働力人口に入ってしまうことになります。

このようにして職安、厚生労働省側の意向により完全失業者の数はいくらでも意図的に調整することができます。

同様に本来は正社員での就労を希望していても、なかなか就職先が決まらず、仕方なく日々の生活費を得るために、パート労働をしながら就職先を探すことになっても、この人は統計上は失業者ではなく就業者とカウントされてしまうのも変な話しです。

国や政治家の意向としては「失業者の増加」という景気動向にとって影響のある都合が悪い数字を出すことは極力避けたいでしょうし、上意下達が原則のお役所では、上(国や県)からの指示があれば、下(県や市町村)は成績を競うように数字を作っていく(民間では粉飾とも言う)ことに邁進するということはよく知られています。

これが非労働力人口が実態として46万人も増えているのに、完全失業者は2万人しか増えていないというカラクリではないかと思われます。

もし仮に46万人全員が本当は失業者だとすれば、失業率は5.8%と一気に跳ね上がってしまいます。事実は統計よりももっと厳しいと思っておいたほうがよさそうです。

失業すると一時的には多くの場合失業保険がもらえますが、それだけでは不足だったり、失業期間が長引くと貯金を取り崩し、または借金をして生活費をまかなうことになります。

同時に住宅ローンの返済が滞り、やむなく売却しても借金だけが残ってしまったり、子供の学費や生活費そのものに不足したりしてしまう人が出てきます。

4人家族で子供は公立中学生と私立高校生で、妻は専業主婦とした場合、世帯主が失業した後いったいどのぐらいのお金が必要かシミュレーションしてみます。

10年以上勤務した先を会社都合で退職した年収(手取り)650万円の46歳サラリーマン。
家族は妻(専業主婦)、私立高校生、公立中学生各1名。
自宅(30年ローン)、自動車保有。

■収入
失業保険:日額7700円×330日=2,541,000円(ほぼ上限で1年間もらい続けられた場合)
早期退職金:3,000,000円(会社によってさらに多い場合も逆に少ない場合もあります)
合計:5,541,000円

■支出(年間)
生活費(水道光熱費、保険、通信費含む):月25万円×12カ月=3,000,000円
住宅ローン(均等払い):14万円×12カ月=1,680,000円
教育費(公立中1、私立高1の授業料その他):600,000円
社会保険料(国民年金、国民健保):55,000円×12カ月=660,000円
住民税:100,000円
その他税金(固定資産税等):60,000円
自動車維持費(燃料、保険、税金、整備と車検の1/2含む):240,000円
再就職活動費:60,000円
自宅保守、修繕費:100,000円
その他雑費:100,000円
合計:6,600,000円


退職金を含め、また失業保険のほぼ最高額を満額1年間もらったとしても、収支は1年間で約106万円のマイナスです。もし1年以内に再就職ができないと、失業保険が終了後は収入ゼロとなり、節約してもこれだけの費用(月平均55万円)がのしかかってくることになります。

もちろんそれまでには専業主婦だった妻がパートに出たり、前年収入がなければ翌年の住民税が減額されたり、確定申告により支払ってき税金の還付があることになりますが、それらですべて埋められるようなものではありません。

年収(手取り)650万円で働いていた時に生活が赤字にならなかったのは、会社と折半で天引きされていた社会保険料と、月々按分されて天引きされていた住民税が、いきなり夫婦の2名分の国民年金・国民健保を毎月支払うことになり、さらに住民税は一括で請求がやってきます。

また再就職活動にかかる費用(何度も通う職安や面接に行く交通費などは、それまで通勤定期で麻痺しているので、この費用はバカになりません)などが新たに増えることになりますから要注意です。

このサンプルの場合、貯蓄がどれほどあるか、生命保険を途中で解約して現金化できるか、自動車を手放すことができるか(地域によっては車がないと生活や就職活動ができないところもあります)、子供が私立から公立へ転校させられるか、最悪は自宅を手放してローンを全額返済できるかという選択肢があります。

現状では完全失業者のうち約4割の人(121万人)が1年以上の長期失業者となっています(2010年労働力調査)。つまり、比較的再就職が容易な特殊技能者や若年層以外は、いったん失業すると1年以上長期失業となる覚悟が必要なのです。

話は変わり「生活保護制度」というのは誰でもが知っている通り、一定の生活困窮者に対して憲法25条に定められている「最低限度の文化的生活が送れるよう」に自治体が税金から支給されるものです。

各自治体によってその資格要件が少し違っていたりもしますが、人や家族構成によっては年金生活者よりも、あるいは安いパート労働をするよりも多額のお金が受けとれ、中には感心できませんが「このままずっと働けない病気でいよう」と考える人もいるようです。

と言っても、支給されるのは元は税金ですから、受給の資格審査のハードルはそこそこ高そうです。しかし脅しや相手(役人側)のちょっとしたミスや弱みにつけ込み、強硬な態度で交渉に臨むと、意外とスムーズに支払われたりするところも、いかにもお役所仕事っぽいところがあるようです。

支払うお役人様にとっては自分のお金ではないので「弱者に対しては徹底して高圧的な態度で」、逆に「面倒そうな相手には円満な態度で」と、ちゃんとした小役人の行動基本原則が決まっています。

「将来は生活保護で生活できるので、いま年金なんか支払わなくてもいいや」と考えるフリーターや個人事業主が多いと聞きますが、もしそうなれば、自動的に天引きされてしまい選択の余地がないサラリーマンを含む、真面目に年金を毎月払い続けている人達はまったくバカをみることになります。

それじゃいけないと言うことで、政治の世界では年金改革が急がれていますが、どうも政治家の議論の方向性を見ていると「年金は今後引き上げる消費税でまかない、今まで支払ってきた年金は基本チャラにしてしまおう」という支払ってこなかった人を救済していこうという流れです。

その年金改革の理由は「少子化と高齢化が同時に進み、もらう人が多すぎて、従来の若い人が高齢者を支えるとする年金制度は完全に破綻、年金をもらう高齢者にも、消費税として年金財源を支払ってもらう」ということです。

そのようなまったく不公正な仕組みであっても、羊のようにおとなしく飼い慣らされたサラリーマンや元サラリーマンは、決して文句を言わないし過激な行動にも出ないという確信があるからでしょう。

次に、生活保護とは別に、失業して借金(住宅ローンなど)が返せなくなってしまった時に考える手段として「自己破産」があります。

ま、あまり格好いいことではないので、最終的な手段となりますが、少なくとも「博打や遊興費のためサラ金で借りまくり」とかではない限り(博打癖、浪費癖のある人は認められないケースあり)、弁護士に相談すれば費用はかかりますが、誰でも申請可能で、決定されれば借金はほとんど消えてなくなります。

自己破産したからと言っても、納税徴収の強制執行とは違い、テレビやパソコンなどすべての私物が押収されてしまうわけではなく、不動産など数百万円以上する高級品でない限り、通常は家電製品、家具などはそのままで生活には影響はありません。

ただお金がなくて自己破産するというのに、代理人(弁護士)への報酬支払いのために約50万円ほど費用がかかるというのは、なんとも奇妙なな仕組みです。

つまり自己破産したけりゃ必死でお金を貯めろということですが、住宅ローンの借金ともなれば借金残高が何千万円というケースもありますから、ま、仕方がないでしょう。

住宅ローンを抱えたまま自己破産をすると、裁判所が競売にかけ、成立すればその住宅からは出て行かなくてはいけません。自己破産してから住宅を競売にかけられると、思わぬ低価格で落札されてしまうことがあるのと、不動産を持ったまま破産手続をおこなうと余計に数十万円の予納金が発生します。

なので、できれば破産する前に「任意売却」をしてしまい(通常の不動産売却と同じ)、少しでも高く売り、破産する前に賃貸住宅への引っ越しを済ませておくというのが望ましいようです。

これも時代なのでしょう、任意売却を専門にしている不動産会社が急速に増えています。よくない例えですが「腐臭あるところにはハイエナが集まる」といいますから、もし任意売却をおこなうときは、甘い誘いに簡単に乗らず、債権を持つ銀行などとよく相談し、信頼できる不動産会社を選ぶのがよさそうです。

ただ、もし借金が住宅ローンだけであれば、すぐには自己破産を考えず、まずはローンを組んでいる銀行に相談するのが一番いいでしょう。

銀行も自己破産されて住宅ローンが不良債権化するより、少し譲歩しても確実に返済してもらうほうがいいに決まっています。

交渉次第ではローン期間を延長して月々の返済額を下げたり、一時的に利子分を免除して元金返済だけ(それだけで毎月の返済額は半減したりする場合あり)で済ませたりと、特別に融通を利かせてくれる場合があります。中にはビジネスライクで交渉に応じない銀行もあるでしょうけれど、相談してみるのはタダですから。

自己破産のデメリットは、しばらくのあいだ「新たなローンが組めない」「クレジットカードが作れない」などがあります。

ネット社会、クレジット社会の中でクレジットカードが作れないというのは、ちょっと痛いかもしれませんが、破産はクレジットカード会社のブラックリストに載るのと同じ事ですから自業自得で仕方がありません。

その他では一部の仕事(職業)や資格の一時停止や、郵便物の検閲等がありますが、ほとんどの人の場合は、さほど影響はないでしょう。

その他は自己破産したからといってあまり変わることはなく、就職の際に履歴書にわざわざ書く必要もなければ、勤務先に伝える必要さえありませんので、通常は他人や会社に破産したことが知られることはありません。

ただし官報には記載されますので、意識して調査された場合や、有名人の場合は、バレることがあります。

有名人が自己破産をする場合、その多くは事業の失敗か、家族や知人の連帯保証人になったことによるものです。その後も活躍されている方や、既に故人となられた方も含めて例を挙げると小林繁(元プロ野球選手)、加藤哲郎(元プロ野球選手)、香川伸行(元プロ野球選手)、岸部シロー(俳優)、大場久美子(女優)、藤田まこと(俳優)、TOSHI(歌手)、畠山みどり(歌手)、林葉直子(元棋士)、浜田幸一(元国会議員)、ジャンボ尾崎(プロゴルファー)などです。

自己破産は別に犯罪ではありませんので(債権者に損害や迷惑をかけることは事実ですが)、別にそのこと自体を気にする必要はありません。

私も経験したことのあるリストラによる失業ですが(幸い半年程度で再就職できたので自宅の売却や自己破産しなくて済みました)、当時のITバブル崩壊後の2002年と比べても、今の雇用環境はずっと厳しいと思います。

もし住宅ローンなどの借金があり、失業する可能性があるのなら、万一のことを考えて、できるだけ多くの預金をしておくのは最低限必要なことでしょう。一度贅沢な暮らしに慣れてしまうと、なかなかそれから抜け出せません。

日頃から「身の丈にあった、身の丈以下の」生活を心掛け、衝動買いをなくすため、現金は持ち歩かず、年会費の高いカードは整理し、外食や外での飲酒、付き合いも極力控えるという生活パターンを作っておくのをお勧めします。そのことによって家族との会話が増えていいこともあります。

また「自分は大丈夫」と思い込む(信じ込む)のではなく「もし会社が突然倒産したら」、「どこかに買収されたら」、「もし震災で操業不能になったら」と考えて、普段から突然失業してしまう想定をしておくことも必要だろうと思います。もはや終身雇用はあり得ないというのが最近のトレンドです。

ちまたのリストラ本には「自分の価値を高めよう」「資格をとって転職や再就職を有利に」とか書かれていますが、それらが世の中の人全部に当てはまるとは到底思えません。もし突然失業してもすぐにお誘いが来て再就職できる人や、家業の一員として加わることができる人であればなんの心配もありません。

しかし今の世の中を見ると、そうでない人のほうが絶対に多いと思われるのです。また付け焼き刃的に資格をとっても、それには年齢相応の実務経験がなければ、買い手市場の企業はなかなかそれを認めてくれません。

もし突然失業した場合、会社都合なら1カ月後から失業保険がもらえますが、それを含めて、最低でも1年間は、無職のまま住宅ローンや子供の教育費、各種税金、社会保険料、生活費等を支払い続けていくことができる計画は必要でしょう。今では上述の通り1年以内に再就職ができる可能性は決して高くはありません。

私自身、今では50代半ばに入り、転職は相当に難しく考えてもいませんが、「もし」「万一」のケースをいくつか考えておくことで、少しは気が楽になります。あと数年で子供達全員が学校から巣立ち、成人しますので、そこまではなんとか、持ちこたえて、親としての役目をしっかりと果たしていこうと思っています。 

※この日記は2002年3月にスタートし、その間何度か中断もありましたが、お陰様で500回に達しました。継続は力なりと言いますが、自分の日記としてただ思いついたことや読後感想などをつらつらと書いてきました。いつまで続くかわかりませんが、金も力も名声もない、一庶民の声なき声を発信し続けられれば、自己満足ではありますが、いつかなにかのお役に立てるのではと思っています。お読みいただいた方には深く御礼申し上げます。
 

      

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デフレの正体 経済は「人口の波」で動くで、GDP前年比や人口構成率など比率や平均でみる経済はおかしな事になるということで、失業者についても実数で見てみることにしました。
 
一般的にいう失業者と、総務省「労働力調査」に出てくる完全失業者の定義は少し違っていて、完全失業者というのは、15歳以上で、①仕事に就いていない ②仕事があればすぐに就くことができる ③仕事を探しているの3点が同時に必須となります。例えば月末に1時間だけアルバイトして給料をもらった場合や、無給でも家業を手伝っていたという場合は、完全失業者にカウントされません。
 
その他にも学生や主婦(主夫)、家事手伝い(家業ではなく)、引退した高齢者、ニート、引きこもりなども完全失業者ではありませんが、実際には本当は仕事がしたいけど、なかなか仕事が見つからず、仕方なく家事手伝いや引退した人、ボランティア活動をしている人などもいると思われますので、実際には「完全失業者」<「一般的に言う失業者」となります。
 
そして完全失業者に認定されている人の中には、退職金や同居人の収入で当分(あるいはずっと)働かなくてもいいのだけれど、失業保険がもらえるので、一応働く気があり職を探しているフリをしている人も含まれますし、逆に、正社員で働きたくてずっと探しているけれど決まらず、やむにやまれず時々パートタイムの仕事に行く人は失業者としては認定してもらえないことになるわけです。
 
もうひとつ突き詰めて考えると一般論となりますが、世帯主や単身で暮らしている人の失業と、世帯主のところに同居(普通の家族)や居候している人の失業とでは、その重みは違います。つまり一家の世帯主が失業すると、一般的にその扶養者である同居人(家族)にも大きな影響を及ぼすこととなりますし、同居人が世帯主よりより多く稼いでいるというケースは比較的稀(もしそうであれば世帯主を変更する)でしょう。
 
下のグラフは1968年からの完全失業者数(毎年1月の実数)ですが、①世帯主+単身者 ②その他(同居家屋等)で分けています。①は青か赤 ②は茶色です。ここで特に大事なのは①です。緑の折れ線グラフは完全失業者率です。
(グラフはクリックで拡大)
shitsugyousya2.jpg
 
これでなにがわかるかと言うと、世帯主(+単身者)と、その他(同居人)の完全失業者数の推移(動き)はほぼ同様に見えますが必ずしも一致していないことと、完全失業者率(折れ線グラフ)とも同様に動きが一致していないことです。
 
まず世帯主(+単身者)(青か赤)の失業者が一番少なかったのは1970年、高度成長期まっただ中で大阪万博の開催された年です。つまり生産年齢人口は毎年増加しつつ、さらに失業者は少なく、企業は人手不足だったでしょうけれど、国民の所得は増える一方で国としては最高の時代だったと思われます。
 
そしてバブルが弾けた1990年代前半、いったんは下がった失業者数ですが、1994年から急激に増加していきます。この頃にバブル崩壊以外になにが起きたかと言えば、生産年齢人口(15歳~64歳人口)の減少が始まったわけですが、それは前年比プラス成長が当たり前だった日本の国内消費量が、反転し前年比マイナスへと転換しはじめる時期と重なります。
 
そして世帯主(+単身者)の完全失業者数が2002年(赤色)にピークの150万人を超えることになります。この年の数年前から企業ではリストラの嵐が吹き荒れた時期でした。しかし2007年~2008年頃に向けて今度は世帯主(+単身者)の失業者数が一気に減っていきます。これは中国を筆頭とし東南アジア向けの輸出が絶好調となり、国内需要の恩恵はないものの、大きな仕事は順調に増えてきていた時期と重なります。
 
しかしその輸出に頼っていた景気浮上も2008年9月に起きたリーマンショックが、日本に少し遅れて波及することで、再び2009年以降世帯主の失業者数が増えていきます。2011年1月では136万人の世帯主(+単身者)の失業者数となりますが、過去最高を記録した2002年の153万人には及びません。しかしこの9年間のあいだに生産年齢人口はおよそ500万人ぐらい減っている中での失業者数の増加ですから、根はかなり深いと思われます。
 
1986年のように完全失業者は増えているのに失業率が下がっているのは、団塊ジュニアと思われる新たな労働人口が急増したためで、2010年の完全失業者数は減っているのに完全失業率は前年と変わらない5.1%となったのは新たな労働人口より、はるかに多くのリタイヤ(退職者等)が出たことによります。つまり完全失業率の分母の労働者人口に大きな変化が起きたときにこの差が現れます。
 
生産年齢人口が増えていく中での失業者の増加は、いずれ生産年齢人口が増える購買力によって、景気がよくなり、それによって失業者が減っていくことが考えられますが、逆に生産年齢人口が減っていく中での失業者増は、さらに景気を冷やしていく結果となります。それは否応なく国内需要が減っていく中で、世帯主が失業することで、その世帯では極限まで出費を押さえるようになりますから当然です。
 
さらに、この東日本大震災です。
 
この震災により被災地復興のため多額の国家財政の出動が必要となります。ただそれに使われるのは特定の地域のインフラなどの公共工事であったり、住宅整備であったりするので、特定の企業とその従業員には恩恵がありますが、その他多くの国民にはほとんど恩恵は及びません。
 
しかも使われるのは国中から集めた税金と国債という借金ですので、被災者と同様に多くの国民は、失われた20年と言われてきた今まで以上の窮乏と雇用危機を堪え忍ばなくてはなりません。
 
すでに震災を理由としたリストラや採用取り消しが増えていると報道がありましたが、新たな復興のための労働力需要と、全国的な景気低迷による失業者数とを比べると後者が断然多くなるのは明らかです。もし現在求職中であれば、数カ月後にやってくる大不況が襲ってくる前に、えり好みはせず、1日でも早く仕事に就くことが大切だと思います。
 



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