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1604
マクドナルドの定番メニューのビッグマックは私も好きで、中高生(70年代)の頃は行くと必ず注文していた気がします。

その頃にはハンバーガーのメニューが、ハンバーガーとチーズバーガー、ビッグマック、フィレオフィッシュの4種類しかなく、その中から選ぶとすると自ずとビッグマックになりました。

テリヤキバーガー(1989年~)やメガマック(2007年~)などが登場したのはずっとあとのことです。

その最初からある定番メニューのビッグマックを元にした経済指標というのがあり「ビッグマック指数」と呼ばれています。

なぜそういうことをするかと言うと、世界中でほぼ共通した材料で最終消費者に提供されているので、その価格を調べるとその国の購買力がわかり、さらにその国の対ドル為替レートとビッグマック価格との比較をすることで、その国の為替通貨が他国と比べて高いのか安いのかがわかるとされています。

そのビッグマック指数は、有名な英国のエコノミスト誌で年2回発表されています。まもなく今年の1月分が発表されますが、諸般の事情?から先に昨年2020年7月版から見てみます。

   Country ドル換算 Bigmac指数    Country ドル換算 Bigmac指数
01 Venezuela 8.35 47.73 30 Qatar 3.57 -36.81
02 Switzerland 7.04 24.68 31 Japan 3.55 -37.21
03 Norway 6.30 11.54 32 Sri Lanka 3.51 -37.90
04 Sweden 6.20 9.65 33 China 3.46 -38.82
05 United States 5.65 0.00 34 Poland 3.44 -39.16
06 Canada 5.31 -5.96 35 Colombia 3.37 -40.34
07 Israel 5.16 -8.60 36 Guatemala 3.36 -40.58
08 Uruguay 5.11 -9.49 37 Peru 3.26 -42.21
09 Euro area 5.02 -11.11 38 Mexico 3.18 -43.74
10 Australia 4.79 -15.17 39 Jordan 3.00 -46.83
11 New Zealand 4.76 -15.70 40 Vietnam 3.00 -46.97
12 Britain 4.75 -15.92 41 Oman 2.99 -47.14
13 Denmark 4.74 -16.04 42 Hungary 2.94 -47.88
14 Brazil 4.36 -22.78 43 Moldova 2.89 -48.81
15 Singapore 4.31 -23.68 44 Philippines 2.82 -50.08
16 Kuwait 4.16 -26.45 45 Egypt 2.71 -52.00
17 Czech Republic 4.08 -27.74 46 Hong Kong 2.70 -52.18
18 United Arab 4.02 -28.93 47 Taiwan 2.57 -54.57
19 South Korea 4.00 -29.23 48 India 2.55 -54.93
20 Bahrain 3.98 -29.58 49 Romania 2.53 -55.20
21 Argentina 3.94 -30.18 50 Ukraine 2.39 -57.74
22 Chile 3.94 -30.30 51 Malaysia 2.36 -58.15
23 Thailand 3.90 -30.95 52 Indonesia 2.34 -58.55
24 Costa Rica 3.84 -32.10 53 Turkey 2.34 -58.65
25 Croatia 3.75 -33.61 54 Azerbaijan 2.32 -58.85
26 Saudi Arabia 3.73 -33.94 55 South Africa 2.28 -59.56
27 Honduras 3.66 -35.15 56 Russia 2.27 -59.87
28 Nicaragua 3.64 -35.65 57 Lebanon 1.68 -70.23
29 Pakistan 3.60 -36.28

ブルーのアメリカを基準点0.00として、アメリカよりもビッグマックが高いのはベネズエラなど4カ国のみです。そういう意味ではアメリカの好景気を反映してか、アメリカドルは強いということが言えます。

ユーロ圏やオーストラリアはアメリカ基準と近くビッグマック指数はそれぞれ-11.11と-15.17です。ビッグマックの値段が相対的に高く、国民の購買力がそれなりに高いと言えます。また為替も比較的適正基準にあると言えます。

韓国は-29.23、タイは-30.95、サウジアラビアは-33.94で、中間的な購買力と言えそうです。

日本はと言うと、-37.21で全体57カ国の31番目、アメリカより安い国では26番目で、いわゆる先進国の中では後方(低額)に位置しています。この順番は、長期的には年々下がっています。

日本より安く提供されているのが、中国-38.82、メキシコ-43.74、台湾-54.57、インド-54.93、ロシア-59.87など。

このビッグマック指数が低い(マイナスが大きい)と、それだけモノを買う購買力が低く、例えば、日本人がスイスへ旅行し、ビッグマックを買おうとすると、日本で買う約2倍の価格を支払わないといけないので、「高いなぁ~」と思うことになります。もちろんビッグマックだけが特別に高いのではなく、日常的、標準的にそう感じることになります。

もし「一物一価の法則」からすれば、時間はかかるでしょうけど日本のビッグマック価格がアメリカと同水準に向かおうとしますので、もしアメリカのビッグマック価格と同じになったとしたら、今の為替水準のままならおよそ160%の値上げ(390円から624円)をすることになります。

値上げは、原材料価格の高騰や人件費、家賃の上昇、いわゆる物価上昇で起きる(おこなわれる)ことがほとんどです。つまりインフレの到来です。昨年は食料品等の値上げラッシュの1年でしたが、今年も4月には多くの商品やサービスの価格が上がります。

もうひとつの為替はこの時点では対ドル109円ですが、ビッグマック指数で為替を算出すると1ドルは69円ぐらいが適正ということになります。もしそれに向かえば無茶苦茶な円高で、原油など輸入業者はいいでしょうけど、輸出産業は壊滅的です。

円安から円高に向かう可能性もないわけではありませんが、それよりはインフレによってビッグマック指数が動く可能性のほうが高いというのが現状の見立てです。

こうした国際的な経済指標からも、近いうちには日本の購買力の低下、ひいては経済力の弱体化とインフレがやってくることが予想されます。海外旅行へ出掛けるのなら早い方が良さそうです。

【関連リンク】
1569 ポストコロナの日本経済は
1544 コロナ禍で零細企業は生き残れるか
1360 縮小経済と進むべき道

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1603
漂砂のうたう (集英社文庫) 木内昇

著者は出版社勤務後、フリーで編集やライターをされた後、2004年には小説でメジャーデビューしました。

今回著者の小説を読むのは初めてですが、名前から男性とばかり思っていましたが、「昇」はノボリと読み、女性の作家さんでした。

2011年に、本著で直木賞を受賞されて一気に有名になりましたが、1年に1~2作の主として時代物小説を出されています。

なかなか味のあるタイトルですが、このタイトルだけでは中身は想像ができません。

主人公は、武士の家系に次男として生まれ、厳しく育てられたものの、徳川幕府が倒れ江戸時代が終わり御一新で主君に仕えるしか能がなかった武士が苦境に陥っている時代に、家を飛び出して今は根津の遊郭で客引きの仕事をしている男です。

根津の遊郭は、吉原ほどの規模はなく、格も落ちますが、そうした場所でまったく生きる意欲もなくした若い男が、武士の出を隠しながら、その日暮らしの生活を送っています。

小説では、その時代の遊郭のしきたりや遊女の話が満載で、「御事紙」とか「敵娼(あいかた)」「蹴転(けころ)」など、知らない言葉もよく出てきます。

昔だったら、わからない言葉が出てきても、話の流れをつかむのに影響なければ読み飛ばしていくのですが、最近は暇なので(笑)、そのたびにスマホで検索しながら読み進めました。

こうした古いしきたりや、言葉を普通に使いこなして小説に仕立てるというのも、しっかりした知識がないとなかなか難しいと思いますが、著者は私よりも10歳若い方で、当然ながら遊郭のことはまったく知らない世代なので、よくよく勉強されているのだと思います。

主人公以外の脇役、遊郭で生まれ育ったベテランで有能な先輩客引きや、妙に絡んでくる若い噺家が魅力的で、面白い内容に仕上がっています。

★★☆

 ∟ ∟ ∟ ∟ ∟ ∟ ∟ ∟ ∟ ∟ ∟ ∟

ツリーハウス (文春文庫) 角田光代

産経新聞に連載されたあと、2010年に単行本、2013年に文庫化された大河ドラマ的な3世代にわたる長編小説です。

いきなり主人公のひとり、33歳の無職プータローが、自宅で祖父の泰三が亡くなっているところを発見するところから始まり、つかみはバッチリというところでしょう。

ほとんどなにも語ってくれなかった祖父と祖母のことを急に知りたくなり、祖母に二人が若い頃に出会ったという満州・新京(現在の中華人民共和国吉林省長春市)へ旅行しようと提案します。

そこから、物語の時代は、現在と昭和時代とを行ったり来たりします。ちょっと混乱しがちです。

そこで、感想ではなく、今回は主な登場人物と、相関図を書いてみました。読む前に相関図だけでもあればずっと読みやすかったのですが、頭のいい人が揃っている編集部は無知な読者には優しくないのです。

【主要な登場人物相関図】


【登場人物(ネタバレも含まれます)】

①藤代泰三 長野県出身次男。主人公のひとり。昭和15年満州開拓団に応募。引き上げ後ヤエと東京で中華料理店を始める

②田川ヤエ 静岡県出身。東京のバーで男に誘われ満州へ渡るが男は来ない。満州・新京のバー勤め中に保田、泰三と出会う

③保田 泰三の友人。満州映画協会の脚本家。召集されて戦死。応召前に一度だけヤエと関係し光一郎が産まれる

④光一郎 ヤエと保田の子。満州で出生、幼少時、満州からの引き揚げ船上で死亡

⑤洋二郎 泰三の長男。満州で出生後すぐに死亡

⑥慎之輔 泰三の次男。主人公のひとり。満州で出生後日本に帰国。漫画家を目指すが芽が出ず家業の中華料理屋を継ぐ

⑦文江 有名大学卒。新宿騒動の時、慎之輔と知り合い、在学中にデキちゃった婚

⑧太二郎 泰三の三男。大学を出て高校教師を勤めるも、トラブルに巻き込まれ懲戒解雇。その後実家で引きこもり

⑨今日子 泰三の長女。まともな家庭を作ると啖呵を切って結婚するも失敗。実家へ戻りその後ゴールデン街で小料理屋を開店

⑩基三郎 泰三の四男。高校生時代に学生運動に関わり自殺

⑪基樹 慎之輔の長男。大学を中退して海外放浪生活

⑫良嗣 慎之輔の次男。主人公のひとり。泰三の臨終を最初に発見。大学卒業後食品輸入業者勤務するも退職し3年無職。33歳

⑬早苗 慎之輔の長女。ラーメン店で働く陽一と結婚し、家業の手伝い

⑭陽一 ラーメン店で修行中。早苗と結婚し、ラーメン店を開こうと考えている

感想は、めちゃ、面白かったです。

時代背景が、満州開拓団、日中・日ソ戦、引き揚げ船、闇市、テレビ放送開始、高度成長、淀橋浄水場跡地の新宿高層ビル街、漫画ブーム、学生運動、新宿騒乱、浅間山荘事件、日航ハイジャック事件、新宿バス放火事件、ファミコン、オーム真理教ブーム、阪神淡路大震災、地下鉄サリン事件、バブル景気、地上げ、コギャルと、主人公達の周囲でそれらの出来事が繰り広げられます。

個人的には、すぐ身近なところで「新宿バス放火事件」と「オーム真理教ブーム」と「地下鉄サリン事件」を経験しているので、その印象は強く残っています。

祖父と祖母の若い頃から、そのバラバラでどうしようもない開けっぴろげな一家が、どのようにして家族を築いてきたのかという苦難の三代にわたる歴史が面白く読めます。

引き揚げ船で小さな子供が亡くなったり、非常に優秀な四男が高校生で謎の自殺をしたりと暗いことも多いのですが、そうしたことも全体として湿っぽくはなく、それらを乗り越えていく生命力を感じます。

★★★

著者別読書感想(角田光代)

 ∟ ∟ ∟ ∟ ∟ ∟ ∟ ∟ ∟ ∟ ∟ ∟

嗤う伊右衛門 (中公文庫) 京極夏彦

1997年に単行本が発刊され、その後文庫化された長編怪談小説です。元になった怪談は「東海道四谷怪談」です。そう、お岩さんの物語でしたが、本書ではかなり内容は変えられています。

先日読んだ直木賞受賞作の「後巷説百物語」(2003年)に、主要なところで登場している魅力ある一種の詐欺師的な人物「小股潜りの又市」が出ています。

主人公は、浪人武士の伊右衛門で、無口で実直、食うために木工の内職などして質素に暮らしています。

一般的な四谷怪談では、婿養子の伊右衛門が浮気、重婚をすることで、妻のお岩さんが発狂して死に、幽霊となって伊右衛門の元に出てくるわけですが、本書での伊右衛門は同じく婿養子に入りますが愛妻家です。

また四谷怪談では愛人を正妻に迎えたいため邪魔になった妻のお岩に毒薬を飲ませて顔が崩れますが、本書では伊右衛門と結婚する前にすでに顔が崩れています。その理由は最後の方で出てきます。

その二人の間をもったのが又市ですが、主人公の上司である与力が策謀を巡らし、お岩と別れさせ、自分の妊娠している愛人を伊右衛門の後添えとして押しつけられます。

この悪役の与力が、金も知恵も権力もあり、なかなか最近まれに見る非道さで、ある意味魅力ある悪漢です。

とにかく家には何人もの妾を置きつつ、町でいい女がいれば誘拐をしてでも思いを遂げたり、仕事の役もお金の力で先輩を追い越し成り上がっていく徹底ぶりです。

伊右衛門とお岩の関係はどうなるのか?悪漢与力との対決は?無口で感情を表に出さない古式然とした侍の伊右衛門が果たして嗤うのか?など、物語はクライマックスへ進んでいきます。

元ネタが恐ろしい恨みつらみの怪談ですが、こちらは理屈抜きな面妖なことは起きず、まったく違う展開になります。これもスッキリして面白いかも。

後巷説百物語では中心的に大活躍した小股潜りの又市ですが、本書では伊右衛門の聞き役の立場を超えず、脇役に過ぎなかったのはちょっと意外でした。

この江戸時代の怪談を元にして新解釈を加えて小説化したシリーズは、「復讐奇談安積沼」を元にした「覘き小平次」、「番町皿屋敷」を元にした「数えずの井戸」と続いています。

★★☆

著者別読書感想(京極夏彦)

 ∟ ∟ ∟ ∟ ∟ ∟ ∟ ∟ ∟ ∟ ∟ ∟

ジェームズ・ボンドは来ない (角川文庫) 松岡圭祐

2014年に単行本、2015年に文庫化された、瀬戸内海に浮かぶ直島で実際に起きた出来事を一部仮名にして創作されたノンフィクション小説です。

直島というと、ベネッセが「直島文化村構想」で芸術の拠点として様々な施設を作り投資していることで有名ですが、それと並行して2002年に「007シリーズ 赤い刺青の男」という小説が出版されたことで、その小説のクライマックスの舞台となる直島で「007映画のロケがおこなわれる!かも?」というドタバタがありました。

そのロケの誘致運動が主体の話しですが、タイトルからもわかるように、もちろん現在までロケがおこなわれたことはありませんし、その007を主人公とする原作者イアン・フレミング以外の小説が映画化されたという話しもありません。

でも当時はどこで間違ったか、直島町と観光組合が始めた誘致活動が、やがては香川県にまで拡がり、署名活動やボンドガールコンテスト、『007「赤い刺青の男」記念館』の設営、香川県の副知事が訪米し、007シリーズの版権を管理する映画プロダクションへ訪問するなど滑稽なぐらい盛り上がっていきます。

しかし冷静に考えると、007の小説と映画の関係はなく、ジェームス/ボンドを主人公にした小説を出す権利は与えても、それは映画化しないという条件が付いています。

また版権など複雑な権利関係からして、この直島をはじめ日本各地が舞台となる007小説が映画になることは不可能ということに気がつきます。

すったもんだで、やがてその熱病も冷めていきますが、最後には思いもかけない嬉しいプレゼントが届きます。それは読んでから(あるいは直島の『007「赤い刺青の男」記念館』へ行って見て)のお楽しみです。

本文中にも当時の新聞記事やイベントの様子などの写真が挿入され、ドキュメントのようですが、主人公の女子高生など、体裁は青春小説という感じで、中途半端にどっちつかずになってしまったのが残念です。

★☆☆

著者別読書感想(松岡圭祐)

 ∟ ∟ ∟ ∟ ∟ ∟ ∟ ∟ ∟ ∟ ∟ ∟

自動車保険金は出ないのがフツー (幻冬舎新書) 加茂隆康

著者は交通事故専門の弁護士をおこなっている方で、それだけに過去の実例を豊富に経験されています。

ちょっと自慢たらしかったり、盛ってるなぁーっていう箇所が鼻につきますが、それでもここで語られている損害保険会社との激しい攻防については参考になります。

タイトルから想像できるように、交通事故で被害者になった場合、どこまでが補償されるか(要は医療費など含めいくらもらえるか)は、通常加害者または被害者が加入している損害保険会社(共済含む)と被害者が直接話して決まります。

当然ですが、損保側は「できるだけ支払いたくない」というのが、利益を追求する企業の本質ですから、たいていの場合、被害者側にとっては納得がいかない結果に落ち着きます。

被害者と思っていても、通常クルマ同士の事故の場合は過失割合というのがあり、その過失割合を被害者側に想定よりも大きくすることで補償額が減らされ、さらに神経系やむち打ち症のような長期間長引く怪我などの場合には、どこまで補償するのかでよく揉めるそうです。

通常知らない怪我をした場合の入通院の慰謝料についても、自賠責基準と、任意保険基準、弁護士会基準と3通りがあり、その金額差はかなり大きく、なにも言わない(知らない)と一番低い自賠責基準でしれっと通知が来るそうです。

つまり任意保険をできるだけ使わずに自賠責だけで収めようと損保会社(共済も)は収めようとあれこれ手を使って被害者を攻めてきます。自賠責の範囲で収まれば損保の持ち出しはありませんからね。

善良な人なら、「社会的にも尊敬を集めている有数の大手企業の損保会社(共済も)が、そんな加入者に対して冷酷なことなどするワケがない」と思っていますが、過去に何度も「不払い」で新聞沙汰になっている通り、損保は「水に落ちた犬は打て」を地でいきます。

もちろん水に落ちたのは交通事故の被害者で、それを騙しすかし、被害者が素人とみると、大企業の総力をあげて保険金を出し渋ってくるという話しが満載でとても役に立ちます。

もっとも、こういう目に遭わないで生涯が終えられるのが一番ですが、事故に遭ってから読んでいては遅いでしょう。

そう言えば、自動車保険ではありませんが、昨年、自宅の窓ガラスを交換したときに、共済(火災保険)と交渉したことを思い出しました。

窓ガラスの熱割れで火災保険は使えるか?

半端な共済が、いかに頼りにならないか、加入者に冷たいかがよくわかった事案でした。

★★☆

【関連リンク】
 12月後半 錨を上げよ(1)出航篇(2)座礁篇(3)漂流篇(4)抜錨篇
 12月前半 しゃばけ、深海のアトム(上)(下) 、ノモンハンの夏、玻璃の天
 11月後半 海の見える理髪店、ダナエ、それまでの明日、死の接吻



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1601
毎年恒例の自己中で選ぶ「昨年読んだ中でのベスト書籍」大賞の発表です。

通常の賞がその年か前年に発刊されたばかりの新しい書籍が対象になることが多いのに対し、あくまでこの1年間に私が読んだ書籍からの選考となります。したがって何十年も前の古い本も含んでいます。

って言うか、新刊本、しかも単行本はほとんど買わないので(著者さんの印税にはあまり貢献できていません)、いずれも数年前の書籍(文庫か新書)がメインです。古くても新書とはこれ如何に。新刊でも古典と呼ぶが如しです、、、

一昨年の2020年に読んだ書籍は計105冊(94作品)で、そのうち「新書・エッセイ・ビジネス・ノンフィクション」が29作品(30冊)、「海外小説」は14作品(19冊)、「国内小説」は、51作品(56冊)でした。1作品で上下巻とかありますので冊数と作品数は違います。

完全にリタイア後の昨年2021年に読んだ全書籍は計112冊(93作品)でした。作品数は2020年から1作品減ですが、冊数は7冊の増加となりました。リタイア後、しかもコロナ禍で自宅にこもっている時間が多かった割にはあまり伸びずです。

「武田信玄」と「錨を上げよ」が1作品で各4巻、「オリジン」が3巻、「クリフトン年代記」の5部から7部や、「王妃マリー・アントワネット」、「黄砂の籠城」などの10作品が各2巻と、1作品で複数巻(冊)の書籍が昨年は多かったので作品数は減っても冊数が増えた理由です。

比較的よく読書をした2019年は115冊(108作品)でしたので、それとは3冊(15作品)及びませんでしたが、ここ10年間ではそれに次ぐ冊数となりました。

2019年は今と違ってまだ仕事をしていましたが、読書量からすると、どれだけ暇だったんだ?って感じです。

それはともかく、「新書・エッセイ・ビジネス・ノンフィクション」は22作品(22冊)で前年から7作品減(8冊減)、「海外小説」は13作品(21冊)で前年比で1作品減(3冊増)、「国内小説」は、58作品(69冊)で前年比で7作品増(13冊増)となりました。

大雑把に言えば、新書、エッセイ等が減り、海外小説は横ばい、増えたのは国内小説で、その国内小説では作品数も増えましたが冊数がより大きく増加しました。やはり仕事を引退すると、ビジネス書やハウツー本を読まなくなってしまいます。

それでは部門ごとに大賞の発表です。

  ◇   ◇   ◇

「新書・エッセイ・ビジネス・ノンフィクション」部門は22作品読みましたが、その中から大賞候補は、

生きて帰ってきた男 小熊英二
カラー版 宇宙を読む 谷口義明
無人島に生きる十六人 須川邦彦
桶川ストーカー殺人事件 清水潔
獄中記 煉獄篇 ジェフリー・アーチャー
官報複合体 牧野洋

の6作品です。どれも選りすぐりの面白さで、選ぶのが毎年苦労するのがこの部門です。

その中から大賞は、、、、、、

無人島に生きる十六人 須川邦彦著

に決定です!パチパチパチ・・

読書感想は、
7月前半の読書と感想。書評(無人島に生きる十六人)2021/7/14(水)

このノンフィクションは今から120年前の明治32年(1899年)に海洋漁業調査中の日本の帆船が、ハワイから日本へ向かう時に嵐に遭いミッドウェー近海で難破し、木が1本もない珊瑚礁でできた平らな小さな無人島に流れ着きます。

優れたリーダー(船長)がいて、生き抜くために様々な工夫と、お互いが助け合い、約4ヶ月後に偶然近くを通った日本船に救助されるまでの実話が元になっています。

映画にでもなっていれば、この出来事は有名になっていたでしょうけど、ほとんどの日本人には知られていないことだと思います。

もうひとつ、特別にどうしても大賞を与えたいのが、

カラー版 宇宙を読む 谷口義明著

読書感想は、上記「無人島に生きる十六人」と同じ

7月前半の読書と感想。書評(宇宙を読む) 2021/7/14(水)

これは壮大で夢のある科学(天文学)の話しで、数値や事象など理解できない面もありましたが、晴れた夜空を見上げる度にこの本に掲載されていた美しいカラー写真や、宇宙の謎を解き明かそうとする科学者の奮闘が思い浮かびます。

小さなお子さんや彼女がそばにいて、雑談しながら星を見上げ、本に書かれていたネタ(「あのミルキーウェー(天の川銀河)の中には太陽のような明るい恒星が2000億個以上もあるんだよ~それだけあれば地球とそっくりな環境の星もありそうだね」とか)をしてあげると、もう尊敬されること間違いなしです。

ただ、未来ある子供や彼女には、いくら本書に書かれていても、「あと50億年もすればついに太陽が燃え尽きて、地球も滅亡するんだけどねぇ、、」など、暗くなる話しはしないようにしましょう。

  ◇   ◇   ◇

次に「海外小説」部門は13作品の中から大賞候補作品は下記の7作品です。

剣より強し クリフトン年代記 第5部(上)(下) ジェフリー・アーチャー
機は熟せり クリフトン年代記 第6部(上)(下) ジェフリー・アーチャー
永遠に残るは クリフトン年代記 第7部(上)(下) ジェフリー・アーチャー
運命のコイン(上)(下) ジェフリー・アーチャー
そして誰もいなくなった アガサ・クリスティー
死の接吻 アイラ・レヴィン
オリジン(上)(中)(下) ダン・ブラウン

大賞は、、、、

そして誰もいなくなった アガサ・クリスティー著

読書感想は、
2月後半の読書と感想、書評(そして誰もいなくなった) 2021/2/27(土)

古典の名作の部類ですけど、さすがに82年前(1939年)に発刊されたこの作品を上回るミステリーはそうそう現れないでしょう。名前だけはよく知っていながら、読んだのは(たぶん)初めてです。

昨年は、ジェフリー・アーチャー著の本が多かったですが、この著者の小説は当たり外れがないというか、どれもたいへん面白く、自ずと大賞候補に多く上がってきます。

クリフトン年代記は、1部から7部までの大河小説的に長く、登場人物達の過去に起きた対立や曰くを思い出すのがたいへんでしたが、どれもドキドキのスリルがあり面白かったです。

ただ初期の頃の「ケインとアベル」が私にとってはあまりに衝撃的でしたので、それと比べると、ストーリーのつくりかたが大枠では似ているので、インパクトは薄れてしまっています。

ダン・ブラウンの小説は、「ラングドンシリーズ」他、長編小説はすべて読んでいますが、今回の「オリジン」も古い宗教と新しいAI技術とをうまく融合させ、世界中の宗教家を震撼させるような壮大なストーリーで、とても楽しく読めました。

  ◇   ◇   ◇

最後にもっとも作品数が多い「国内小説」部門は、58作品の中から大賞候補作は、下記の10作品に絞りました。

シャーロック・ホームズ対伊藤博文 松岡圭祐
それまでの明日 原りょう
王妃マリー・アントワネット(上)(下) 遠藤周作
黄砂の籠城(上)(下) 松岡圭祐
沖で待つ 絲山秋子
家守 歌野晶午
海の見える理髪店 荻原浩
後巷説百物語 京極夏彦
地のはてから(上)(下) 乃南アサ
風に舞いあがるビニールシート 森絵都

この中から大賞は、、、、

後巷説百物語 京極夏彦著

に決定です!!おめでとうございます~パチパチパチ・・

読書感想は、
10月前半の読書と感想、書評(後巷説百物語)2021/10/16(土)

1冊で800ページもある連作5篇の中篇小説集ですが、魅力ある小悪党の「小股潜りの又市」が活躍し、それが粋で奇想天外、タイトルからするとなにかおどろおどろしそうで怖そうですが、実は楽しく面白く読ませます。

この巷説百物語シリーズはいくつか出ていますが、その以外で評判が良い著者の同種の小説も読みたくなり、怪談シリーズの「嗤う伊右衛門」と「覘き小平次」はすでに購入済みです。

残念ながら大賞には少し及びませんでしたが、次点は下記の2作品です。

黄砂の籠城(上)(下) 松岡圭祐著
地のはてから(上)(下) 乃南アサ著

読書感想は、
6月後半の読書と感想、書評(黄砂の籠城) 2021/6/30(水)
8月前半の読書と感想、書評(地のはてから) 2021/8/14(土)

どちらの作品も、現代ではなく、明治や大正時代の話しです。こうした近代に分類される時代の話しは学校ではほとんど習った記憶がなく、知識を得るにはこうした小説を読んだり、テレビでドキュメンタリーを見たりするしかありません。

特に「黄砂の籠城」は実際に起きた有名な事件を元に、実在する人物の名前を使ったノンフィクションに近い小説で、多くの日本人が知らなかったことが多く登場します。

昨年のリス天読書大賞を受賞した熊谷達也著「邂逅の森」も、似たような近代の時代に生きるマタギの主人公を深く描いた小説でしたが、個人的にはそういう割と最近のことなのに、知らなかったことがわかる小説が好きなんだと思います。

以上、各部門、年間ベスト大賞受賞おめでとうございました。

今年もよい本に巡り会えますように!

【関連リンク】
1500 リス天管理人が2020年に読んだベスト書籍
1295 リス天管理人が2019年に読んだベスト書籍
1295 リス天管理人が2018年に読んだベスト書籍
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1600
明けましておめでとうございます。今年もよろしくお願いします。

狙ったわけではなく、日記はちょうど1600回の節目のスタートとなりました。いやめでたい。

リタイア後の読書生活はどうなるかな?と思っていましたが、ほぼ現役時代から変わらないペースで読んでいます。

リタイア後なら時間がいっぱいあってもっと読める?と思いましたが、あれこれやること、やりたいことはそれなりにあり読書に割ける時間は現役時代と変わらないということです。

違うのは、ビジネス書を読むことはかなり減りました。そりゃそうです。

でも最新のテクノロジーや、ビジネス手法などからあまり疎くなってしまうのも怖いので、時々は少し遅れてでもそうした書籍を読みたいと思っています。

さて、今年も読書感想からスタートです。


錨を上げよ(1)出航篇 (幻冬舎文庫) (2)座礁篇 (3)漂流篇 (4)抜錨篇 百田尚樹

2010年に単行本、2019年に文庫化された長編青春小説です。青春というのは、著者自身が経験してきたことを主人公に重ね合わせた少年から青年にかけての成長物語です。

文庫4冊で計1500ページを超えるかなりの長編ですが、シンプルな一人称だけの話しなので一気に読めます。

この小説が書かれたのは、2006年に「永遠の0」でメジャーデビューするずっと前の1985年頃、著者の29歳の頃だったそうです。多彩な人ですが、若い頃から創作力と文才はあったのですね。

著者は私よりも1歳年上の同年代、しかも同じ頃に同じ京都にある大学(大学は違いますが)へ通っていたということで、大学生時代の風俗やバンカラな描写はたいへん懐かしく感じます。

そう言えば五木寛之氏の「青春の門」でも大学時代の様々な出来事が主要な小説のテーマになっていましたが、時代背景や主人公の性格が全然違うとは言え、なんとなくそれを思い浮かべました。

京都の大学生活を描いた小説と言えば、時代は違いますが、万城目学著の「鴨川ホルモー」や、森見登美彦氏の小説にも時々出てきます。

大学生ではないですが、京都のバンカラな風土を描いていた花村萬月著の「百万遍 古都恋情」が面白かったです。

今でこそ大学授業料はとんでもなく高騰していますが、当時(1970年代)はまだ国立で年間10万円台、私立でも15~30万円と破格でした。ただ著者が通った同志社は突出して高かった記憶があります。

学費が比較的安かったことで、本書でも出てきますが、将来の展望が見えず、大学8回生など留年をしている人は多かった時代です。

著者やこの主人公が通っていた同志社や学連の巣窟京都大学と違って私が行っていた大学は学生運動とはまったく縁がないところだった(本書にも出てくるキャンディーズを学園祭に呼んだ学校)のと、4年間ずっとアルバイトに明け暮れていたので、小説に出てくる学生運動家との接点はありませんでした。

ただ、バイト先で一緒に働いていた某大学の学生が、明治政府の最高権力者を祀る神社の爆弾放火事件に関係していたということで、警察が家にまで聞きに(調べに?)来たことはありました。

さて、本書の内容ですが、(1)出航篇は、主人公は3人兄弟(ずっと後にもうひとり弟が生まれて4人兄弟)の長男で、大阪の淀川近くの貧しい家で育ちます。勉強はさっぱりですが腕力と度胸だけあって喧嘩にはめっぽう強い典型的な不良少年です。

そしてさすがに中卒では将来困るだろうと、偏差値が低い商業高校へ進学しますが、そこは勉強ができない不良の吹きだまりで、学校側は生徒会と応援団と組み、生徒を規則と権力と暴力でがんじがらめにするという今ではすぐに問題となりそうな校風で、主人公は何度も事件を起こして謹慎処分を喰らい、4年をかけてようやく卒業することになります。

また在学中にバイクの免許を取り、中古バイクを買って夏休みに行き当たりばったりのツーリングをしますが、途中でバイクを盗まれたり、逆に暴走族のたまり場へ行き、他人のバイクを盗んだり、東京のぼったくりバーで呼び込みのアルバイトをしたりと、もうハチャメチャです。

(2)座礁篇では、高校卒業後に大阪のスーパーへ就職し、アパートでひとり住まいを始めます。

しかし根っからの遅刻クセや、気に入らない上司との軋轢、さらにスーパーにアルバイトに来ていた女子大生への一方的な恋愛感情が破綻(ほぼストーカー)したこともあり3ヶ月で辞めてしまいます。

その後、遠回りしたもののアルバイトをしながら大学を目指そうと猛勉強を開始し、東大は落ちますが、関西私大の雄、同志社大に合格し入学することになります。

大学ではまだ60年代の学生運動の残り火がある中で、文系サークルに加入しますが、そこの上級生の女性に一方的に惚れてしまい、今なら十分ストーカー規制法に抵触しそうな行動から、散々な目に遭います。懲りない主人公です。

主人公の中学生の頃から何度も惚れて討ち死にしている女性に対する強烈な思い込みとその行動は、当時だからまだ許されますが、とにかく自己中で勝手なものですが、あくまで小説ですから仕方ないですね。

(3)漂流篇では、大学を途中で投げ出し、あてもないまま東京へ向かい、野宿をしながら様々なアルバイトをして糊口をしのぎます。

その中で、長く続いたのがレコード販売会社で、クラシックレコードの販売で才能を発揮し、新たに輸入版販売を手がけます。

しかしそこでも女性関係でトラブり、仕事をキッパリ辞めてテレビで見た北海道の漁業へ飛び込みます。

そこでは未経験ということもありまともな仕事にはありつけず、声がかかったのはソ連領に入ってウニを採るリスクは高いが一攫千金の特攻隊漁船で、そこで地力を付け自ら船を調達し、船長となってぼろ儲けの仕事を始めます。

(4)抜錨篇は、大阪で一目惚れで結婚し、テレビの放送作家の仕事を始めますが、あるとき妻の浮気を目の当たりにし離婚、そして風俗店の店長と共にタイへ渡り女性を日本へ送り込む仕事や、タイ人の元恋人を連れ戻しにやってきた日本人とヤクザの騒動に巻き込まれていきます。

まったくとんでもないストーリーです。以上

★★☆

著者別読書感想(百田尚樹)

【関連リンク】
 12月前半 しゃばけ、深海のアトム(上)(下) 、ノモンハンの夏、玻璃の天
 11月後半 海の見える理髪店、ダナエ、それまでの明日、死の接吻
 11月前半 風に舞いあがるビニールシート、探偵刑事、桶川ストーカー殺人事件、白い声

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1596
しゃばけ(新潮文庫) 畠中恵

著者は1959年生まれということで私とほぼ同年代です。数多くの小説を出されていますが、読むのは今回が初めてです。

本著は実質的なメジャーデビュー作ですが、2001年に単行本、2004年に文庫化された小説で、日本ファンタジーノベル大賞の優秀賞を受賞しています。

その後もこの「しゃばけシリーズ」が2021年から毎年1巻ずつ、2021年には20作品目の「もういちど」まで続いています。

ファンタジーと言うと、私のもっとも苦手なジャンルですが、できるだけ好き嫌いを言わず、「精霊の守り人」や「英雄の書」「光の帝国 常野物語」「陰陽師」「妖星伝」など、頑張って読んでいます。

本著が面白かったのは、時代は江戸時代、主人公は身体が弱い大店の若旦那で、隔世遺伝?で妖怪が見えて話しができる上、亡くなった祖母の依頼で妖怪達が自分を守ってくれる存在という変わった主人公の話しです。

もちろんファンタジーですからリアリティなどクソ食らえですが、江戸の夜は現代と比べるとそれはそれは真っ暗闇の世界ですから、日本独自の奇怪な妖怪とは相性が良さそうです。

ともかく、パッと読んでサッと忘れてしまうのがファンタジーで、映画で見た「ハリーポッターシリーズ」ももうほとんど忘却の彼方です。それで良いのがファンタジーでしょう。

★★☆

 ∟ ∟ ∟ ∟ ∟ ∟ ∟ ∟ ∟ ∟ ∟ ∟

深海のアトム (上)(下) (角川文庫) 服部真澄

2014年に単行本、2017年に文庫化された長編小説です。

日本の東北地域を日本の特別な自治地域「陸滸国(リアス)」として、そこで暮らしている少年が主人公のひとりで、政治と大企業の癒着、エネルギー問題(原発誘致)、漁業の衰退がこの地域で様々起きています。

別の主人公、アメリカで鉱物や微生物を研究している日本人学者はこの陸滸国の出身で、陸滸国の海洋学者とともに一発逆転の放射性元素の処理技術を作り上げていくという流れです。

そして東北、リアスとくれば起きるのが大地震であり、大津波であり、原発事故です。

少年は鉱山トンネルの中で落盤事故に遭い、少年の姉は漁船に乗っている時に避けられない大津波に遭い、登場人物の多くがこの大地震や津波に襲われるシーンは迫力のあるシーンとなっています。

ともかく、サイエンスとサスペンス、それにエンタメなどがギュッと詰まった内容で、ひと言で説明は難しいです。

★★☆

著者別読書感想(服部真澄)

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ノモンハンの夏 (文春文庫) 半藤一利

今年2021年に亡くなられた著者の1998年のノンフィクション作品で、2001年に文庫化されています。

司馬遼太郎氏が最後に書くつもりで共に取材を進めてきた中、司馬氏が1996年に亡くなったあとにその思いを継ぐつもりで書かれた作品です。

ノモンハン事件と言えば、太平洋戦争前に、日本軍とソ連軍が戦い、大きな損害を受けたという簡単な知識しかもっていませんでした。

実際は満州国とモンゴルの国境の一部が明確になっていなかったことから、互いの都合が良い国境ラインを守るため「相手が侵略してきた」と双方の軍が激突したわけです。

しかも満州は日本が、モンゴルはソ連がそれぞれの国の防衛を担っていて、厳密に言えば代理戦争ということになります。

事件が起きたのは1939年のことで、三宅坂にある陸軍参謀本部とその満州の出先機関である関東軍参謀部とで、不明瞭だった満州とモンゴル国境線の取り扱いについて意見が割れます。

モンゴルの背後にいる極東ソ連軍など恐るるに足らずとなめきっていた関東軍エリート幹部達が、国境付近にいるソ連軍を追い払おうと暴走気味に戦端を開きます。

最初のうちは調子が良かったものの、ドイツと不可侵条約を締結することでソ連の西側に憂いがなくなり、スターリンの指示を受け近代兵器を大量に極東地域に投入したソ連軍に関東軍がコテンパンにやられてしまうという国境紛争です。

タイミング的には、中国との戦争が泥沼状態に入り込み、英国や米国との関係が悪化、しからばとヒットラー率いるドイツと同盟交渉をしますが、陸軍と海軍で意見が割れ、さらに英国大好きで陸海軍の最高責任者でもある天皇陛下への説得もままならず、陸軍参謀本部は混乱の極みに陥っている時期でした。

その結果、能なしで危なくなると自分たちはとっとと逃げ出す最高幹部達に命令された最前線の哀れな兵士達はソ連軍の近代兵器に蹂躙され、日本軍だけで7千人以上の戦死者(ソ連軍は9千人以上の戦死者)を出すことになります。

「その地に重要な資源が埋まっているとか石油が出るとかでもなく、目印になるような木も1本もなく、ただ広いだけの寒冷地域の草原で、国境線がわずか数キロあっちだこっちだと言って殺し合いすることの無意味」という感想は確かにその通りに思います。

でも威勢の良いところを見せて、新たな勲章を胸に飾りたいエリート国粋主義者にはそれが許せなかったのでしょう。

本著では、実名で戦後までのうのうと生き続けたノモンハン事件の首謀者の参謀などをバッサリと斬り捨て、陸軍組織や幹部達の愚かな一面をさらし、さらにその反省がまったく生かされることなく、太平洋戦争でも繰り返すことを辛辣に書いています。

★★☆

著者別読書感想(半藤一利)

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玻璃の天 (文春文庫) 北村薫

以前、昭和初期の帝都で起きる推理小説シリーズ、「ベッキーさんシリーズ」では、直木賞を受賞した3作目の「鷺と雪」を読んでいます。

2013年12月後半の読書(鷺と雪)

本著は、2007年に単行本、2009年に文庫化されたそのシリーズ第2作目で、「幻の橋」「想夫恋」「玻璃の天」の中篇3作が収録されています。

現在の明仁上皇、当時の第一皇男子(皇太子)が誕生した1933年頃の東京が時代背景で、主人公は大企業の令嬢と自家用車の運転手(別宮、愛称ベッキー)のコンビです。

同時期に読んだ半藤一利著「ノモンハンの夏」のノモンハン事件が起きたのが1939年ですから、その6年前という、日本では軍部勢力が拡大し続け、民主主義的なことが徐々に抑圧されつつある時期です。

そうした時代ですが、財閥系大企業社長令嬢として上流階級にいる主人公が、自家用車の女性運転手とともに、女学校の同級生の家の悩み事や、駆け落ち騒動、新築祝いに招待された先での転落事故に首を突っ込んで推理し解決していくという内容です。

所々に出てくる銀座の町並みや三越百貨店ビル天井のステンドグラス、資生堂パーラーのクロケットなど、まだ戦災に遭う前の平和な時代が偲ばれます。

そうしたまだ私も生まれてはいない時代ですが、なにかしら懐かしい日本の都市の原風景が頭の中でイメージできて楽しいです。

★★☆

著者別読書感想(北村薫)

【関連リンク】
 11月後半 海の見える理髪店、ダナエ、それまでの明日、死の接吻
 11月前半 風に舞いあがるビニールシート、探偵刑事、桶川ストーカー殺人事件、白い声
 10月後半の読書 沖で待つ、瑕疵借り、熊野古道殺人事件、東京消滅、最後の命


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