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1Q84 (BOOK2、BOOK3) 村上春樹
本名が青豆という変わった名前のスポーツジムトレーナーの女性と、天吾という作家志望の予備校教師の男性が交互にストーリーが展開していきます。BOOK3からはそれに青豆や天吾と関わってくる牛河という異様な元弁護士の裏世界の調査・情報屋がそれに加わってきます。
 
ストーリーについては多くの場所で語られているので、詳しくは書きませんが、1Q84とはバブル時代がまもなく最高潮に華開こうとする1984年の数カ月間に起こる現実とパラで進行している特殊な別の世界の話しです。村上春樹の特長であるクラッシック音楽やロックなど、古めの曲がいつもバックグラウンドに流れていることを感じられる作品です。
 
1984年といえば、そこには携帯電話もなければ、長引く不況の陰もなく、お金を得るのにさほど苦労することもなく、やろうと思えばなんだってできるいい時代で、そういう時代を反映しているとも言えます。
 
山梨県に拠点を置くオーム真理教を彷彿させるカルト教団や、NHK視聴料金集金人の跋扈、ドメスティックバイオレンス被害者の駆け込み寺、そしてしばしば登場する性的な場面。子供からお年寄りまで万人が観るテレビ放送向けではなく、「ノルウェーの森」が映倫PG12指定ですから、こちらは観る人をもう少し選ぶR15指定ぐらいの映画向けの作品と言う感じです。映画化されるとしてもまだだいぶんと先のことでしょうけどね。
 
ただ、最後があっけなく、今まで溜めてきたワクワク感はそこで一気に消えてなくなってしまうのがあまりにも残念です。続編があるのかどうかは知りませんが、エピローグがあってもよさそうな感じがしました。
 
 
海炭市叙景  佐藤泰志
海に三方を囲まれた佐藤氏の故郷函館市をメインとし、また多くの炭坑跡を抱える北海道の寂れた地域をミックスした架空の街で暮らす市井の人々の出来事を短編化した小説です。バブルも華やかしき20年ほど前に書かれた小説ですが、映画化されこの12月から公開のようです。それに合わせた形でこの小説も注目されるようになったのでしょう。
 
それぞれの短編は独立したものですが、主人公はそれぞれになにか問題を抱えたまま、決して解決もすることはなく、突然に終わってしまうというもので、なにか新鮮さを感じさせます。
 
この小説はTwitterで書店員さんがお勧めの本だったので買ってみたのですが、私が積極的に手に取るような本ではなく、今までにあまり読んだことがないジャンルなのでそのように思ったのかもしれません。
 
著者の佐藤泰志氏は6作品を書き、1990年に41歳で妻子を残したまま自殺をした方で、この作品が遺作となるようです。この作品の中からも、なにか現状から抜け出せなくてもがきながらも、あきらめの境地に達しているというやるせなさ、はかなさというのが感じ取れますが、自死の理由はわかりません。また映画がレンタルDVDになれば観てみたいなと思います。
 
 
乱暴と待機  本谷有希子
う~ん、この本も書店員お勧め本として載っていたので買ってみた本ですが、何が言いたいのか、何を求めているのか、なにを提起しようとしているのかがさっぱりわからないストーリーですが、この小説も浅野忠信、美波、小池栄子等の出演で映画化され、2010年10月に公開されていたと言うことです。知りませんでした。
 
作者の本谷有希子氏は今年32歳で、女優、劇作家であり劇団も主宰しているということなので、多才な方だと思いますが、おそらく私の年代には馴染みがないものの、きっと若い人達を中心に特定の根強いファン層がいるのでしょう。
 
ストーリーは、安アパートで生活する変わったカップルが住んでいて、よく理由がわからないが男が女に復讐をするためにその方法を考えていたり、女はひたすらその復讐をジッと待っていたり。男は両親が起こした昔の交通事故で足が不自由だけど、今は保健所に勤務していて、ペットの殺処分の仕事をやっている。その職場の後輩とそのグラマラスな彼女がその不思議なカップルと絡んでくるが、待つ女とグラマラスな彼女は元同級生だったりして。
 
私には意味不明だらけだけど、今の高校生や大学生、20代ぐらいの人には、なにか共感を感じることがあるのでしょう。私でももっと読み込めばわかるのかな?とも思いますが、他にも一生かかっても読めない多くの本が待っているので、この本を繰り返して読む価値があるとも思えず感想もここまでです。映画も浅野忠信や小池栄子には興味あるものの観たいとは思いません。 
 


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