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関係者の方にはたいへん失礼なのですが、ちょっと古いですが下記の記事には思わず笑ってしまいました。

ハローワークの非正規職員の相談員ら 大量雇い止め」(東京新聞 2013/3/22)
雇用の安定を目指すはずのハローワーク(公共職業安定所)で、相談員などとして全国で働く非正規職員のうち、約一割に当たる二千二百人が、この三月末で職を失う。突然「雇い止め」を告げられた職員たちは、業務で失業者の相談に乗りつつ、自らも勤務時間外や休暇に職を探す事態となっている。四月以降、窓口が混乱しないか懸念する声も上がる。

「紺屋の白袴」、いや、「医者の不養生」、いや「易者身の上知らず」、いや、「鍛冶屋の竹火箸」、いや、「灯台下暗し」は違うか、「驕る平家は久しからず」、いやもっと違うか、「月満つれば則ちかく」は言い過ぎだし、「遼東の豕」は全然ダメダメで、とにもかくにも例えを悶々としながら考えてみたけれど、どうにも適当なものが出てこず、余計に変なストレスが溜まってしまいました。

つまり、人々が職を求めてやってくるハローワークで、職を与えるために働いていた(非正規雇用の)職員が、リーマンショックや東日本大震災以降、急速にその人員が増やされ続けてきたそうですが、それらが一段落して、一気に縮小されることになり、職を失ったという構図です。一種の雇い止めってところでしょうか。

国は「非正規雇用者の雇い止めはけしからん!」ということで、この4月1日から改正した労働契約法が施行されましたが、これは今年4月1日から始まり5年後の2018年にようやく影響する法律ですから、それの施行前に慌てて雇い止めをしたというわけではなさそうですが、それを疑いたくもなる絶妙のタイミングです。

改正された労働契約法で非正規社員は幸せになれるのか

前政権の「コンクリートから人へ」から、新政権の「人からコンクリートへ」の政策転換を現場がさっそく実行したというか、限界集落寸前の地域が多そうな東北に、広くて快適なフル規格道路や、役に立つか怪しい巨大な防波堤や、新たに山を切り開いて作る住宅代替地や、今度こそ津波に負けない立派な公共施設などを、復興の名の下で次々建設を進める代わりに、民間企業より早く、そして着々と役所のリストラ(と言っても正式な公務員以外の)を進めたということなのでしょう。

実はハローワークにそれほど多くの非正規職員が勤務しているとは知りませんでした。どれほど多いかというと、2012年度ハローワークの職員全体は全国に31,765名、そのうち非正規雇用の職員が20,176名といいますから全体のなんと64%にのぼります。

私が職安で仕事を探すふりをしつつ(職安にはロクな仕事がなかったので、民間を重点に求職活動をやっていました)、失業保険の給付を受けていたのは、もう10年以上も前になりますが、そこで応対した人はどこからみても普通の、上から目線で傲慢な口の利き方をする、しかも要領の悪い公務員と映りましたが、もしかするとその人も非正規雇用の人だったのかもしれません。少なくとも総合受付に座り、来所者には見向きもせず、内輪同士でペチャペチャと喋ってばかりいたおばさん達はそうだったのかも知れません。

当然所長をはじめ、奥の方で暇そうにいつも新聞や雑誌を読んでいる管理職は、全員が正規雇用職員でしょうから、今の割合から言っても通常の忙しく窓口に出て応対している人や、丁寧に端末操作のアドバイスをしてくれる人などは、全員が非正規職員なのでしょう。

今回2,200名が3月末で雇い止めされ、新たな補充がないと仮定してもまだ18,000人が残るわけで、全国437カ所の職安(出張所は除く)で割ると、一カ所の職業安定所には平均で41名もの非正規雇用職員がいる勘定になります。

なにか、平均で70人ちょっとの職安の中で途方もなく多いような気がします。職安を民営化し効率をあげ機械化できるところをしていけば、おそらくその半数で今よりも高サービス、高付加価値が失業者に提供できるでしょう。英国なんかは何年も前にそうやって成果をあげています。

そしてハローワークのような場所で非正規職員であっても、数ヶ月間も働いていると、(人にもよりますが)おそらくその態度は「重要な公務をしている俺様と、失業したあわれな奴ら」という差別感あふれる錯覚をして、態度や口の利き方が徐々に横柄となり、謙虚さが失われていく人もいるでしょう。普通に見掛けます。

今回雇い止めされるのはわずか非正規職員の1割程度なので、役所側も辞めてもらう人と、残す人とを意図的に選別しているでしょう。そうすると非正規職員同士でも微妙な空気が流れていたでしょう。その選別は同じ仕事をしていれば、正規職員のお気に入りとそうでない人で判断されることになるのが普通だからです。

つまり役所を雇い止めされる人は、役所のような大甘な職場でも通用しなかった人という烙印が押されるわけです。そういう人達が、紹介する側から紹介してもらう側の逆の立場となり、仕事を探すことになりますからたいへんなことです。

ハローワークの中にいれば、その限界を痛いほどよく知っていますので、おそらくその時は古巣のハロワではなく、民間の紹介会社などを頼ることになるのでしょうけど、役所を雇い止めされた人を喜んで採用する企業があるとは思えず、厳しい民間企業の現実を知ることになるでしょう。

また非正規職員のたった1割が削減されるだけなのに、ハローワークの現場はというと、おそらく正規職員よりも真面目に働いてきた非正規職員を失うことで、パニックに陥っているようです。

職安の現場の正規職員からは自分たちの仕事の効率の悪さを棚に上げ、「減員分は業務の簡素化などで対応する」職場が回るかどうか。利用者に迷惑を掛けるかもしれない」(東京新聞)とあらかじめ予防線を張るのに懸命です。いや、ホント笑わせてくれます。


 【関連リンク】
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