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慈悲深い死 (二見文庫―ザ・ミステリ・コレクション) ローレンス・ブロック

ニューヨークが舞台のアル中探偵マット・スカダーシリーズ7作目の作品で1990年に翻訳版が出た作品です。

2012年に同シリーズ17作目「償いの報酬」が出た後はもう次はないかなと思っていますが、過去にさかのぼってまだ読んでいなかった本をぼちぼちと探しているところです。

この作品では自身のアルコール中毒から苦心して抜け出すためにもがき苦しむ様子が描かれ、新しい恋人ができたり、さらにこのシリーズの後半で欠かせなくなる、友人でありよき理解者のミック・バルーとこの作品の中で知り合うことになります。パーカーのスペンサーシリーズで言えばホークのような存在です。

あらすじは、女優を目指しニューヨークで一人で住んでいた娘が3ヶ月前に行方不明となり、その父親がインディアナ州から出てきて娘を捜して欲しいとスカダーに頼みます。

そして着手金千ドルをもらい捜査を始めますが、まったく手がかりがつかめないでいます。

一方断酒を継続するためのAA集会(アルコール中毒者の会合)でいかにもケチな犯罪者風の青年と知り合うこととなり、来週にも自分の告白を聞いて欲しいと頼まれますが、翌週になっても男は現れず、嫌な予感がしてアパートを訪ねるとそこでその青年の死体を発見します。

このまったく関係がない二つの事件を追いかけ、ふとしたことがきっかけで、それまで行き詰まっていた二つの事件の捜査が一気に進展していきます。

シリーズの他の作品を読んでいなくとも、これ単独でも十分におもしろく読めそうですが、やはり過去から引きずっているアルコール依存になった原因などは知っていた上で読むほうがよりいっそう楽しめるでしょう。

著者別読書感想(ローレンス・ブロック)

  ◇   ◇   ◇   ◇   ◇

港町食堂 (新潮文庫) 奥田英朗

この著者の作品は過去文庫化されている小説はだいたい読んでいますが、これは珍しい?っていうか、たぶん初めての紀行エッセイ集で2005年刊(文庫は2008年刊)です。

旅先は、すべて新潮社がセッティングし、同行の編集者やカメラマンがお世話してくれるあご・足・枕つきの優雅な旅で、訪れる場所、そして港町独特のおいしい魚料理を食べる店まで出版社におまかせというご大尽ぶりで、なんのご褒美?っていうぐらいのうらやましさ満載の紀行集です。

人気が出てきてそのうちに大きな賞をとりそうな(このエッセイ連載中に直木賞受賞)作家先生に、講談社(デビュー作他多数)や文藝春秋(直木賞受賞作品他多数)に大きく差をつけられ、遅ればせながらも新潮社で書いてもらおうための接待攻勢か?って思わなくもありません。

それにしては船の中では同行者と相部屋の二等部屋だったりして不満?タラタラのところもあったりしますが。

行き先は高知土佐清水、長崎五島列島、宮城牡鹿半島、韓国釜山、新潟佐渡、礼文島となっています。テーマが港町ですので、船に乗ってその目的地へ入ることにこだわっています。

そういえばNHKの番組「ブラタモリ」で、長崎を訪れたタモリが「長崎のような港町は、船が着く場所が表玄関で、こうした港町へは船で来るのが正統な訪れ方」って言ってましたっけね。よくわかっていらっしゃる。

その中でも宮城県牡鹿半島編では、震災前の石巻、金華山、女川の美しい風景の描写が出てきて当時を偲ばせます。また女川港へ向かう船からは、巨大な女川原発が見え、その原発設置の恩恵として女川に建てられていた豪華な近代的な公共ビル群を淡々と「女川住人の選択」と書いてあるのが、それから6年後に町の8割の建物が津波でなくなってしまうことをなにか暗示していたかのようです。

著者別読書感想(奥田英朗)

  ◇   ◇   ◇   ◇   ◇

グランド・フィナーレ (講談社文庫) 阿部和重

2005年の芥川賞を受賞した「グランド・フィナーレ」をはじめ、「馬小屋の乙女」「新宿ヨドバシカメラ」「20世紀」の計4編を収めた短編集です。

芥川賞受賞ということから新人作家か?と思ってしまいますが、あにはからんや受賞したときはすでにデビュー後10年以上が経っていました。デビュー作品は1994年発刊「アメリカの夜」で、その作品含め何度か芥川賞候補になっていました。

この著者の作品を読むのはこれが最初ですが、評判になっている「ピストルズ」(2010年)を探していて見つからなかったので、この作品を先に買ってきて読みました。

芥川賞の候補は純文学作品ということですが、最近の同賞の小説はどうも若者の感性と流行を追いすぎているものが多くて、どうもいけません。中高年者にとってはということですが。

というか、ストーリーは単純明快なものが一応ちゃんとあるのですが、それで結局何が言いたかったの?書きたかったの?主題や意図は何?なにかを暗示している?ってところが私にはよくわかりません。モブ・ノリオの「介護入門」もそんな感じで、芥川賞ってそんなのばっかり。

ストーリーは映画制作会社に勤め、妻と子がいる主人公の男性が、自分の中のロリコン性癖に目覚め、仕事で知り合った小学生の少女と付き合い、アルバイト感覚の少女をロリコン誌へ紹介して小金を稼いだりしています。

しかし自分でも少女や自分の娘の裸の写真を撮ってためていたことが妻に知られることになり、離婚裁判で接近禁止命令がでて、結果仕事も辞めざるを得なくなり、地方にある実家でブラブラしています。

そうした中で、旧友に頼まれたボランティアの仕事が、少女が演じる舞台の演技指導。だからなんだっていうのよ?ロリコンには避けようとしても避けられない宿命があるとでも言いたいのだろうか?他の3作品も似たり寄ったりで、結論というかよくわからないぞー。あ~気持ち悪い。

  ◇   ◇   ◇   ◇   ◇

リア家の人々 (新潮文庫) 橋本治

シェークスピアの有名な悲劇「リア王」をモチーフにしたもので、昭和の時代の一家の日常を描くという手法をとった小説です。

私は「リア王」を読んだことがありませが、ざっくり要約すれば「長女と次女に国を譲ったのち2人に事実上追い出されたリア王が、末娘の力を借りて2人と戦うも敗れてしまう。」(wikipedia)っていう17世紀初頭に書かれた小説です。

こうした古典には必ず善悪がハッキリと区別されていて、通常は善良な人が悪役に責め続けられて涙を誘うような仕様となっています。そして最後には立場が逆転して善良な人が勝利を収め、勧善懲悪で終わるってのが通例ですが、上記の要約のとおり、このリア王は敗北しハッピーエンドではありません。だから悲劇と言われているわけですね。

この小説では特に善悪があるわけではなく、また父親が娘に追い出されてしまうわけではありません。

旧文部省勤めから関連団体へ天下りしている父親と3人の娘、それに東京の学校へ進みたいという親戚の甥を預かっている家族です。妻は早くに亡くし、娘達が順番に嫁いでいき、やがてはひとりぼっちになっていくだろう年老いた男の姿を、懐かしの昭和史を散りばめながら描かれています。

戦前文部省に勤めていたことから、終戦後に公職追放されて生活が苦境に陥ったものの、それ以外は順風満帆な上流エリート家庭というのは、出てくる人みんなが傲慢で、ふてぶてしく、身勝手でどうにも好きになれず、従って感情移入もまったくできません。

また後半は当時の政治状況や学園紛争の話しが続き、小説の本質とはまったく関係のないところで話しが長々と展開していくのも無駄のような気がします。

同様にリア王をモチーフとした作品として、黒澤明監督の「」(1985年)があります。こちらは3人姉妹から3人の兄弟へと変更されていて戦国時代に合わせて悲劇をうまく表しています。

上映されたのは今から30年も前で、当時映画館へ見に行った記憶がありますが、家族の愛憎ということしか、いまいちその内容がよくつかめていませんでした。こちらは今度もう一度機会があればゆっくりとみてみたいものです。

著者別読書感想(橋本治)

  ◇   ◇   ◇   ◇   ◇

知の逆転 (NHK出版新書 395) ジェームズ・ワトソン他

2012年に発刊された知の巨人達へのインタビューがまとめられた本です。インタビュアーは元NHKディレクターでサイエンスライターの吉成真由美氏です。

第1章から第6章まで各章ごとに著名な6人に対し、アメリカ大好きサイコー!ってな感じのよく事前に勉強したインタビュアーが素人にもわかりやすい質問をしてくれます。

「日本のグローバル化」や「太平洋戦争」、「福島原発事故」など、日本に関係ある話題も随所に散りばめていますので、読んでいても難しくて遙か遠い話しばかりではないので救われます。でもしっかりと読み進めていくにはそれなりに頭は使います。

頭を使うのはたいへん結構なことなのではありますが、私の場合、寝る前の1時間ぐらいを読書時間に充てているわけで、そうするとこの新書を読み始めると、速攻で睡魔に襲われてしまい、一向に先へ進まないと言う日々が何日も続きました。

ホテルに置いてある聖書のように、なにか眠気を誘う効果が秘められている気がします。いや読むとタメになりそうないいことがいっぱい書いてはあることは間違いないのですけどね。

第1章「文明の崩壊」は世界の文明発達に差ができた理由に迫った『文庫 銃・病原菌・鉄』の著者で進化生物学者ジャレド・ダイアモンド。

第2章「帝国主義の終わり」は50年以上マサチューセッツ工科大学に在籍し「現代言語学の父」と称されるノーム・チョムスキー。

第3章「柔らかな脳」のオリバー・サックスは映画になった『レナードの朝』の原作者であり神経学者。

第4章「なぜ福島にロボットを送れなかったか」は「AI人工知能の父」と呼ばれているマービン・ミンスキー。

第5章「サイバー戦線異状あり」のトム・レイトンは元MIT の応用数学教授でアカマイ・テクノロジーズの創業者。

第6章「人間はロジックより感情に支配される」は分子物理学者で、DNAの二重らせん構造を明らかにしたノーベル賞受賞者のジェームズ・ワトソン

それぞれにタメになる話しが盛りだくさんで、それらをあげていてはきりがないので省略しますが、これを読んだからビジネスや人生に役立つとかってものではありません。

頭のいい人がどういう思考性向を持っているのか、どういう人生を歩んできたのか、ブレークスルーはなんだったのかなど、これから生きていく上で、なにかひとつやふたつヒントになりそうなことがあるかも?って、あまり期待はせずに軽い気持ちで読むのがいいでしょう。


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