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とせい (中公文庫) 今野敏

著者は大学在学中の1978年に作家デビュー、その後はサラリーマン生活を送るもすぐに辞めて作家と、大学時代から始めた空手に専念というちょっと変わった経歴の持ち主です。著書の多くは警察事件ものですが、サイキックやSF的な小説もあります。

著者の作品で私が過去に読んだ4冊「隠蔽捜査」「朱夏―警視庁強行犯係・樋口顕」「ビート―警視庁強行犯係・樋口顕」「リオ―警視庁強行犯係・樋口顕」はいずれも警察小説です。

今回のこの小説は警察モノではなく、タイトルからもわかるようにヤクザ稼業を描いたもので、ストーリーはひょんなことからつぶれかかっている総合出版社の経営をすることになった弱小ヤクザ組織が、獅子奮迅の働きで出版社を蘇らせていくという、ま、ありきたりと言えばそのような内容です。

ヤクザが介護ヘルパーとして老人ホームで働いたり、ヤクザのイメージアップのために広告代理店が関わったりするコメディタッチのこの手の小説がすでにあり、こうした内容はもはや珍しくもありませんが、確かに出版社とヤクザ稼業とは案外相性がよいのかも知れません。

つまり週刊誌グラビアに使う元有名アイドルの「脱がせ屋」、関西のヤクザ同士の抗争裏話、ブラックな芸能プロ所属のタレントへのインタビューなど、出版社が望むものをヤクザがコネと脅しを使って紹介することで、うまく手に入れられそうです。素人っぽいちょっと安易な考えではありますが。

小説では、他に出版社の再生と並行して、本来のヤクザ稼業である技術力はあるけど需要が減少して運転資金を闇金から借りていた倒産間際の町工場の高利貸しトラブル解決や、同業者がフロント企業を通じて合法的なしのぎ稼業の販売ノルマに汲々している姿など、コミカルに書かれています。

なお、この「とせい」の続編?と言える「阿岐本組任侠シリーズ」として「任侠学園」(2007年)、「任侠病院」(2011年)がすでに発刊されています。タイトルを見ればすぐにピンときますが、この作品と同様、ヤクザが学校や病院の経営を立て直すっていう感じなのだろうと思います。


アルケミスト―夢を旅した少年 (角川文庫―角川文庫ソフィア) パウロ・コエーリョ

著者はブラジルの作家で、この本は1988年に発表され、世界中に拡がった有名な小説です。原題はポルトガル語で「O Alquimista」。アルケミストとは直訳すれば錬金術師という意味です。

特になにも事前情報なしにしばらく読むと、主人公は少年で、これは「星の王子さま」のような児童文学書なのかな?と思いましたが、どうもそうではなさそうです。

ストーリーは、牧師になるため神学校に通っていたスペインはアンダルシア地方の少年が、「旅をしてもっといろんなところをみてみたい」と親の反対を押し切り、あちこちを旅する羊飼いになります。

そしてある廃れた教会で野宿していると、二日続けて同じ夢を見ます。その夢のことをジプシーの老女に夢診断してもらうと、ピラミッドの近くで宝物を発見すると予言され、飼っていた羊を売って渡航費を作り、単身海を渡りアフリカへ向かいます。

しかしピラミッドのある街へ行くにはサハラ砂漠を横断して行かねばならず(上陸したのは西海岸モロッコ付近?)、その旅のガイド役を探していたところ、地元の少年に有り金全部を奪われてしまうことに。

お金をなくしたために、商売で身を立て、その他いろいろなことがありつつ、お金を作り、当初の予定通りにピラミッドへ向かう途中の砂漠のオアシスで、タイトルにもある錬金術師と出会い、そこでまた様々な試練を乗り越えピラミッドへたどり着くという物語。

「大切なのはお金ではない」とか「希望を持ち努力することは成功につながる」や、「前兆を知りそれをを逃すな」など教訓めいた話しが盛りだくさんあって、道理で世界中でベストセラーになった訳です。


銀二貫 (幻冬舎時代小説文庫)  高田 郁

私とは年齢で2歳違いの著者が時代小説家としてデビューしたのは2008年の短編集「出世花」で、まもなく50歳になろうかという時ですから20代でデビューする作家も多い昨今では結構遅咲きだった方です。

この小説は2009年に単行本、2010年に文庫化された小説で、江戸時代に大坂にあった寒天問屋の商人の話しです。知りませんでしたが、昨年2014年にはNHK総合テレビの木曜時代劇枠でドラマが放送されたそうです。

脱藩して流浪中の侍の父とその子(主人公)が大坂の街を歩いていたとき、子供の目の前で父親が敵討ちに遭って斬られてしまい、そこを通りがかった寒天問屋の主に銀二貫で救われます。

父親は亡くなり、他に身寄りがなかったため、救った大坂商人の主が面倒を見ることとなり、商人(あきんど)魂を叩き込まれ、様々な辛苦を乗り越えて成長していく姿を描いています。

タイトルの銀二貫とは、父親が斬られた際に、寒天問屋の主人が焼けた天満宮へ寄進するために持っていたお金で、機転を利かせてそれを父親を斬った侍に渡すことで、子供を救うために使いました。

その父親を斬った侍に渡った銀二貫が終盤でなにに使われることになったのか判明することになりますが、それはこの本を読んだ人だけのお楽しみと言うことで。

なにか、2002年の直木賞に輝いた山本一力著「あかね空」をちょっと思い出しました。「あかね空」は江戸に出てきた京都の豆腐職人とその息子達の話しですが、どちらも関西の職人と、商売が前面に出ていて、苦労はいとわず、他人には優しく、絶望状態の中からでも、信念を曲げずに努力していくと報われるという、文科省が喜びそうな健康的サクセスストーリーです。


ふがいない僕は空を見た (新潮文庫) 窪美澄

本作品は2010年に発刊され、第24回山本周五郎賞を受賞し、2011年の第8回本屋大賞では第2位に輝いた作品です。また2012年にはタナダユキ監督、永山絢斗、田畑智子らの主演で映画化もされています、見てませんが。

内容はそれぞれに主人公が変わる連作短編集となっていて、「ミクマリ」、「世界ヲ覆フ蜘蛛ノ糸」、「2035年のオーガズム」、「セイタカアワダチソウの空」、「花粉・受粉」の5編からなっています。

テーマは恋愛と不倫というか、ちょっとややこしい関係になっていて、短編だから読み進めると徐々にそれがほぐれていくって感じ。

ま、コスプレにはまる主婦とか、ネットで噂が広まるとかの現代的なテーマと、主人公の母親が昔ながらの自宅で助産師の仕事をしているという設定など、話し的には登場人物が面白く割り振られているなぁって感じ。

でもなにか淡々としすぎていて、ちょっと物足りないと感じてしまうのは、他の多くの小説の余計なまでに強い刺激に慣れてしまったからかも。


ゲイルズバーグの春を愛す (ハヤカワ文庫 FT 26) ジャック・フィニイ

この小説は短編として発表されたものを集め、1960年に発刊された作品で、収録作品は「ゲイルズバーグの春を愛す」(I Love Galesburg in the Spring-Time)、「悪の魔力」(Love, Your Magic Spell is Everwhere)、「クルーエット夫妻の家」(Where the Cluetts Are)、「おい、こっちをむけ!」(Hey, Look At Me!)、「もう一人の大統領候補」(A Possible Candidate for the Presidency)、「独房ファンタジア」(Prison Legend)、「時に境界なし」(Time Has No Boundaries)、「大胆不敵な気球乗り」(The Intrepid Aeronaut)、「コイン・コレクション」(The Coin Collector)、「愛の手紙」(The Love Letter)の10編です。

選んでそうなっているわけではなく、短編を読むと、なぜかその後も続いてしまいます。短編はあまり好きではないのですけどね。好きではない理由は、雑誌や週刊誌の誌面の都合上、決められた文字数で短編の1話完結型にしたいがためってケースが多く、それだと似たようなストーリー展開になり、週刊誌のコラムと変わらないじゃん、って思うようなものが多いから。

こちらの古い作品は特にそういう週刊誌の連載という事情があってのことではなさそうで、ボリュームもそれぞれに違っていますが、でもやっぱり著者が昔住んでいた場所が舞台となっていて、コラムにしても良さそうな雰囲気は漂っています。

タイトルにもなっている最初の作品の「ゲイルズバーグ」はアメリカ合衆国の中西部に位置するイリノイ州の北西部ノックス郡に実在する人口3万人ほどの街で起きた出来事の物語です。

最初は南北戦争の激戦地で、リンカーンがおこなった演説でも有名な「ゲティスバーグ」と勘違いしてました。そうしたタイトル名だったので、最初は南北戦争にまつわるような話かなぁって思っていましたが、全然違いました。この街は、著者が昔住んだことがある街のようです。

O・ヘンリ」や「サキ」など、こうした短編集で、発刊後何十年も読み継がれていく小説というのは、他にはない特別なものがあって、大きな外れはないですね。


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