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オリーヴ・キタリッジの生活 (ハヤカワepi文庫) エリザベス・ストラウト

2009年にピューリッツァー賞 フィクション部門を受賞した連作短篇集で、アメリカでは2008年刊、翻訳版は2010年(文庫は2012年)に発刊されています。

作品に収められているのは「薬局」「上げ潮」「ピアノ弾き」「小さな破裂」「飢える」「別の道」「冬のコンサート」「チューリップ」「旅のバスケット」「瓶の中の船」「セキュリティ」「犯人」「川」の13作品。

最初の「薬局」では主人公は40代でしたが、最後の「川」では70代になっています。特に有名ではない普通の田舎に住むアメリカ人の女性が、結婚して、子供ができて、その子供が成長し巣立っていき、夫が先に亡くなってしまい、、、という連作になっています。

さて読んでみたものの、そういうものなのか、それとも翻訳がまずいのか、主婦の井戸端会議のような話しが細かすぎて中身がさっぱり頭に入ってこないのです。

近所の人や教え子(主人公は学校教師)など登場人物も多い上に、アメリカの田舎の文化、生活習慣などが違うこともありなにを言っているのかさっぱりわからなくなってしまいます。

気が散りがちな満員の通勤電車の中ではなく、落ち着いたところでじっくり読めば良かったのかもしれませんが、こうした細かな神経をもつ女性の感性に共感を持ち同調しなければ理解できそうもない小説はちょっと無理かなぁ、、、

★☆☆


  ∟ ∟ ∟ ∟ ∟ ∟ ∟ ∟

年金の教室―負担を分配する時代へ (PHP新書) 高山憲之

少し古い2000年発刊の年金の新書ですが、基本的な構造は変わっていないので、問題ありません。

著者の考えは、年金の基礎支給部分を年金目的に限定した消費税にして、それで賄うことで、減少を続ける働く人達の年金負担を下げ、また年金逃れをする人をなくし、公平に、世代間の格差をなくそうという、もっともな理論を展開してきた人です。

様々なシミュレーションを元にして現在の年金制度とこれからとるべき方策を比べ、また世界の他の国の制度も参考にして、わかりやすく?理路整然と説明されています。

ただいかんせん、それでなくともややこしい年金制度の仕組みと数字が複雑に合わさって、専門家にとっては「なんでこれがわからないの?」という感じでしょうけど、読み始めるとすぐにあくびの連続で、読み終わるまでに結構かかってしまいました。集中して読めばおそらく2時間ぐらいもかからずに読めてしまう分量だと思いますが、、、

私が読んだ版は2002年版で、少々古いものですが、同書にも記載されていますが、最新の情報などはWebサイトに上がっていますので、併用して読むのが良いかも知れません。

高山オンライン

年金の現状と今後の課題(2015年9月26日プレゼンデータ PDF)

★★☆


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0.5ミリ (幻冬舎文庫) 安藤桃子

2011年刊の小説ですが、著者は元々映画監督で、この小説も2014年には実父の奥田瑛二が製作総指揮、自らは監督で、主演は実妹の安藤サクラを起用し映画化されています。

自らの介護経験を元にした内容で、主人公の女性は、介護ヘルパーとして派遣されている家庭で、その家族から「もう長くはないので、最後のお願い」と頼まれ、会社の規則に背いて認知症が進む老人の添い寝をすることになります。

しかしその老人の力があまりにも強くて、暴れたために火事を引き起こしてしまい、ヘルパーの仕事もそれまで住んでいた家も失ってしまうことになります。元々根無し草のような生活だったようですが。

その後、街に出てひとりきりの老人や、万引きしているところを見つけてはその弱みにつけ込み、その家に押しかけて、介護ヘルパー的な同居生活を始めます。

そういう展開はドラマや映画としては面白いのかも知れないけど、いきなり美少女がタイムスリップしたり、主人公の前に都合良く政府機関の重要情報に簡単にアクセスができちゃうニートのハッカーが現れたりするみたいな、ちょっと常識的にありえなさそう。

タイトルの0.5ミリは、人のささいな、0.5ミリぐらいの小さな心の積み重ねが、社会を動かすことになると、老人が日記に書いていたことからの抜粋と思われます。つまりそうした小さなことや思いの積み重ねが人間関係や社会に大きな影響を与えていくのだよということかな。

あとこの文庫には「クジラの葬式」という短編も入っています。

こちらは老人の話という共通点はあるものの、ガラリと変わって謎深い老人の生と死を扱ったショートストーリー。私はどちらかと言えば、こちらの話しのほうが好きでした。

★☆☆


  ∟ ∟ ∟ ∟ ∟ ∟ ∟ ∟

恋文の技術 (ポプラ文庫)  森見登美彦

京都大学出身の作家と言えば、古くから井上靖、大岡昇平、小松左京、高木彬光、隆慶一郎、和久峻三など大御所が並び立ちますが、最近でも万城目学、平野啓一郎、我孫子武丸、綾辻行人、貴志祐介など売れっ子作家さんがズラリといて、早稲田大学ほどではないにしても、なかなかの文筆学閥ができそうな勢いがあります。

もちろん「夜は短し歩けよ乙女」や「太陽の塔」など京都を舞台にした作品がある著者もそのひとりです。

この作品は2009年に単行本、2011年に文庫化された小説で、中身はすべて書簡(手紙)のスタイルをとっています。

主人公は京都の大学院生で、クラゲの研究のため人里離れた能登の研究室へ送られますが、それを機に手紙の奥義をマスターし、いずれは恋文マスターになろうかと、友人や先輩、妹などと手紙のやりとりを始めます。

そう言えばもう「文通」とか「恋文」って言葉は現代においては死語になっていますが、恥ずかしながら、私も暇だった高校生時代には何人かと文通をしていたことをふと思い出しました。もう40年以上前のことです。

もしいま丁重なお手紙をもらったとしても、正直言うと迷惑なだけで、手紙で返事を返さなければならないと考えただけで暗澹たる気になります。

割とそうした手紙に慣れている中高年の私でもそうですから、今の10代、20代の人でちゃんとした手紙を手書きで書いたことがある人って少ないのではないのかなぁって思ったり。

物語は能登の日常の風景やら、友人との思い出など、さすがにプロの作家が書く手紙だけあって、面白くそして情景豊かに綴られています。

キーボードに慣れてしまった人にとって、手書きの文章というのは大層ホネで、漢字もなかなか思い出せなかったりするものです。そしてこの手書き風の文章は、著者がパソコンでキーを打って書いたのだろうなぁって思うと、ちょっと不合理を感じたりもします。

★★☆

著者別読書感想(森見登美彦)


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