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小説 上杉鷹山 (人物文庫)(上)(下) 童門 冬二

1983年に初出、その後文庫化された著者の代表作とも言える名著の誉れ高い作品です。

1961年にJ・F・ケネディが大統領になったとき、日本人記者がインタビューで「日本人で尊敬する人は?」と質問した時に「上杉鷹山」と答えたことは有名な話しで、その頃上杉鷹山を知る日本人はインタビューした記者を含め、ほとんどいませんでした。

なぜアメリカ大統領が上杉鷹山を知っていたかというと、1908年に内村鑑三が英語で書いた「Representative Men of Japan」(代表的日本人)を読んでいたということのようです。

「なせばなる、なさねばならぬ、なにごとも・・・」は私が小学生の頃に担任の先生から何度も聞かされた言葉ですが、その「為せば成る為さねば成らぬ何事も成らぬは人の為さぬなりけり」と家臣に対して詠んだ言葉です。

米沢藩の上杉というから当然上杉謙信を祖とする上杉景勝の子孫と思いきや、鷹山は九州の武家の次男で養子として米沢にやってきた外様です。

そのせいで財政破綻をして重税に疲弊した民衆が逃げ出すような状態から、思い切った改革をしようとしても、最初は米沢藩を牛耳っていた藩の重役達に徹底的に邪魔をされて反抗されます。

しかし、あきらめずにわずかでも改革に賛同してくれる今まで冷や水を飲まされていた有能な藩士を味方に付け、藩を潤すためのアイデアをひとつひとつ実行していきます。

また自らも質素な生活に努め、城内の空き地にも桑を植えたり売るための鯉を飼ったりして、後に山本五十六の言葉として有名になる「やってみせ、言って聞かせて、させてみせ、 ほめてやらねば、人は動かじ」の元となる「してみせて、言ってきかせて、させてみる」を200年前に実行して使っています。

そうした若くして米沢藩主となり、数々の妨害をうけながらも古い慣習や悪習を廃して、見事に米沢藩を蘇らせた希代稀な真の政治家の伝記です。

★★★

  ∟ ∟ ∟ ∟ ∟ ∟ ∟ ∟

秋霧の街 私立探偵 神山健介 (祥伝社文庫) 柴田哲孝

2012年に単行本、2014年に文庫化された「私立探偵・神山健介シリーズ」第4弾です。過去には「渇いた夏」(2008年)、「早春の化石」(2010年)、「冬蛾」(2011年)と夏、春、冬ときて最後?の秋です。

なぜ「?」かというと、この作品のあとに、東日本大震災にまつわる事件を描いた「漂流者たち」(2013年)がすでに加わりましたので、四季の4部作を超えて続いているからです。

前3作はすでに読みましたが、いずれもなかなか面白く、このシリーズがもっと長く続くといいなぁと思っています。

今までは主人公が移り住んだ福島周辺が舞台だったのが、今回は新潟と少し離れます。

新潟を舞台としたハードボイルド小説では佐々木譲氏の「北帰行」が思い出されますが、ロシアの闇組織、中古車の海外輸出業者など、似通った場面があり、新潟ってそういう街なの?ってちょっとイメージが変わってしまいそうです。

それはともかく、今までにない派手な銃撃戦や暴力が展開されて、このシリーズはちょっとそういうはちゃめちゃなハードボイルドではなかったはずなのにという気がしないでもありません。

シリーズ続編の「漂流者たち」は主人公が住む福島で大きな被害がでた東日本大震災に関連した内容となっているそうで、それに期待したいところです。

★☆☆

著者別読書感想(柴田哲孝)

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結婚は人生の墓場か? (集英社文庫) 姫野カオルコ

2007年に「ああ正妻」というタイトルで単行本が発刊され、2010年に上記のように改題されて文庫版が出ました。

文庫本のタイトルのほうがはるかにインパクトがでかいですね。ただ最初タイトルを見て「これってエッセイ?」って思いつつ買いましたが、ちゃんとした長編の小説でした。

すでに結婚している若い男性編集者と老作家が織りなす様々な夫婦を描いたコミカル小説です。

山の手のお嬢様育ちで、お金に苦労はしたくないという唯一の目的で、容姿などにはこだわらず、高学歴、大企業勤務の旦那を早々に捕まえて、専業主婦に収まり、子供を大学まで一貫の私立幼稚園に入れて満足する女性が登場しますが、こうした女性はデフォルメしてあるとはいえ、決して珍しくないような気がします。

私の周辺にもそういう夫婦はかなりいそうな感じで、団塊ジュニア世代に多い気がします。

ま、男性にしても、誰もがうらやむような美人を妻に迎えられて、その本当の目的が収入だけだったとしても、それで幸せを感じられるのならいいのかも知れません。

女性側も下手にハンサムな旦那を捕まえてもすぐに浮気されたり、仕事で失敗して収入が途絶えたりすることを避けるには、浮気しそうもない、平凡で真面目な旦那を若いうちに捕まえるに越したことはないでしょう。

結婚したいけどできないていう女性の多くは、若くて自分を高く売れる時代に「もっといい男はいないのか?」「もっと高収入でリッチな男は?」「家柄がよく財産を持っている男は?」なんて夢を見ている間にどんどん年を取ってしまい、結局は安売りせざるを得なかったり、バーゲンセールしても買い手が見つからなかったりするものです。

結婚が墓場がどうかは、本人の考え方ひとつでどうにでもなりますが、それ故に、他人が人の結婚生活を見て、あーだこーだというものではありません。

しかし今の世の中、専業主婦を願う女性には厳しい世の中と言わざるを得ません。ひとつ教訓があるとすれば、結婚相手の両親が健康で、しかもそれなりに財産や家持ちであることが、配偶者の人となりよりも重要な時代になってきているのかなってこの小説を読みながらちょっと感じたり。

★☆☆

著者別読書感想(姫野カオルコ)

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史上最強の内閣 (小学館文庫) 室積光

著者は1955年生まれということで私とも近いだけに考え方も割りと似通っているかなと初めて読んでみます。

この著者、元々は俳優としてご活躍で「3年B組金八先生シリーズ(1979~1998年)」や「マー姉ちゃん(1979年)」など多くのドラマや映画に出演されています。知らなかった、、、。

作家としてのデビューは2001年の小説「都立水商」で、その作品はその後にコミック化、ドラマ化されています。

本作品は2010年単行本、2013年に文庫化された小説です。続編の「史上最強の大臣」も2013年に発刊されています。

ストーリーは、日本の経済封鎖措置などにより、北朝鮮が核ミサイルを日本に向けて発射しそうな事態に陥りますが、日本の内閣総理大臣はこの非常時においてリリーフ登板してもらう「最強内閣」を京都から呼び寄せることを決意するところから始まります。

そんな無茶な~と思いますが、多くの日本人が心の中で思っている現在の政治や政治家への不信感、中国、韓国などの対日感情問題、北朝鮮との不平等な関係など、この最強内閣が本音のところをズバズバと突いていき、未来を切り開いていくところが痛快と言うしかありません。

ディズニーランド好きな北の将軍様の長男を日本で捕まえ、その後は自由に国内で遊ばせておき、奪還するために送り込まれた工作員を懐柔し肉体派アイドルとして芸能界デビューさせるとか、はちゃめちゃぶりが際だっていますが、北のあの調子に乗っかってまともに相手をすることのバカらしさがよく伝わってきます。

結果的に怒った北朝鮮は核ミサイルを日本に向けてぶっ放すわけですが、、、その後の処理はどうぞお読みになってください。

★★☆

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