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帰ってきたヒトラー (河出文庫)(上)(下) ティムール・ヴェルメシュ

2012年に発表された風刺小説で、日本語版は2014年に単行本、2016年に文庫版が発刊されています。またこれを原作とした映画が2015年に制作され、日本では今年2016年に上映されていました。見ていませんけど。

話しは2011年に公園近くで目覚めたヒトラーが、時代の変化に驚きつつも、理想とする国家作りに着手するため過去の経験を生かしながら現代のドイツでドタバタと活躍していく真面目なコメディです。

もちろん現代ならではの皮肉も豊富で、2015年には100万人以上の難民を受け入れたドイツですから、この当時から街の至るところでヒトラーの嫌いな外国人を見かけるようになってきた状況を憂います。

またプロパガンダが大成功を収めたベルリンオリンピックをそのまま踏襲した北京オリンピックという話し、ユダヤ人迫害の後、ドイツにはユダヤ人が少数になったことは自分の成果だと誇ります。

話しはずっとヒトラーの一人称で語られ、しかも心の中での発言が主となっています。もっと他の方法がなかったのか、この作家さんの限界なのか、ちょっと残念な感じ。

日本でも「君の名は。」などタイムスリップものは相変わらずウケがいいようで、何年か前のテレビドラマ(原作はコミック)「JIN-仁」や、古いけど米原子力空母が太平洋戦争時代にタイムスリップする映画「ファイナル・カウントダウン」、やはり同設定で海自のイージス艦が太平洋戦争に蘇るコミックの「ジパング」など、そうしたものの数は星の数ほどありそうです。

それらの中でもやはり古典とも言えるのはH・G・ウエルズの「タイムマシン」ですが、安易に時代や歴史的な登場人物を設定しやすいことから現代においては過剰なほどよく使われます。

アメリカの新大統領や英国のEC離脱など、オーストリアでも僅差で敗れましたが極右政党が伸ばしていたりと、世の中は外国人排除や民族、宗教、文化の排他的風潮が強まってきています。

そうした絶妙といえるタイミングに、風刺でコミカルな内容とはいえ、ドイツ帝国最高!アーリア人種は別格!ドイツへの移民政策反対!軍備拡張!というヒトラー礼賛の1930~40年当時の風潮と世界中が似てきていることに少し怖さを感じるような小説でした。

★★☆


  ∟ ∟ ∟ ∟ ∟ ∟ ∟ ∟

ストーリー・セラー (幻冬舎文庫) 有川浩

阪急電車」や「植物図鑑」などがヒットして、すっかり売れっ子作家になった著者の2010年単行本、2015年文庫化されたミステリアスなラブストーリーという表現がいいのかどうかわかりませんが、ひとつの夫婦をモチーフにして、その双方からみた二つの裏表の中編をライトに描いた作品です。

最近の小説家というのは単に創造で文章を書けばいいと言うのではなく、いろいろとテクニックや工夫が必要そうで、たいへんなお仕事です。

SideAでは、主人公は小説好きな会社員の男性視点で、趣味で小説を書いている女性と知り合い、その後結婚、その妻の書いた小説がやがて売れ出していくが、同時に周囲からのねたみや中傷も増え、神経がまいってしまいやがて不治の病を発病、死期が迫っていくという物語。

SideBは、逆に作家になった妻の視点から書いた作品で、書きためていた小説の最初の読者であり最大の理解者であった夫が交通事故で入院。事故の怪我はたいしたことがなかったものの、同時に悪性腫瘍が発見されて死期が迫るという物語。

なかなかこうしたお互いを尊敬し合い、ツーカーの仲の夫婦というのは理想的でしょうが、あり得なそうで、なにか嫌みな感じが漂います。あまりにも作りすぎって感じで。

実際にはほとんどであろうドロドロした下心やあきらめ満載の夫婦関係の中で、どうやって折り合いをつけていくかという物語のほうがリアルで読んでいてもスッと入ってくるのだけど、若い未婚の人向けにはこうした夢をもたせる話しのほうがウケるのかも知れません。

★★☆


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7割は課長にさえなれません 終身雇用の幻想 (PHP新書) 城 繁幸

若者はなぜ3年で辞めるのか?」(2006年)、「3年で辞めた若者はどこへ行ったのか」(2008年)などを書いた著者の2010年の新書です。発刊は6年前ですが、経済状況、雇用状況も当時から変化はなく、内容に古臭さは感じられません。

大筋を書くと、今の社会、特に会社の雇用の仕組みは戦後まもなく高度成長時代に向くよう作られたもので、今の低成長時代の若者や働きたい女性にとっては不利益な仕組みとなっているので、改善しなければならないというのが著者の主張です。

特に既得権益と言える正社員の特権をなくして、今で言うところの非正規雇用、パートや契約社員、派遣社員といった会社と正社員に都合がいい調整弁的な役割を排し、同一労働同一賃金を初めとし、雇用の流動性を高めていくという具体的な提言がされています。

著者は東大卒、富士通に入社して人事部へ配属という、エリートとして完璧な就職をし、階級の最上位を歩いてきた方ですので、皮肉ではなく、なかなか下々の都合や事情までは理解できていない面はあろうかと思いますが、実際にはこうした方が例え机上論であっても、正論を言うと政治家も耳を貸すしかなくなっていくのでしょう。

わかりやすく、地方都市での様々な人の雇用について、現在のパターンと、201X年に正社員の雇用特権廃止を目玉にした雇用関連制度の改正がおこなわれた場合のパターンとが書かれていますが、低成長というか成長もしない人口減社会において、同一労働同一賃金という社会主義的な政策で実際にはうまくいくとはとても思えず、一筋縄ではいかないなかなか難しい問題です。

もちろん今現在の雇用環境が正しいとは言いませんが、企業も生き残りを賭けて現行法律の下で(往々にはみ出ていますが)最適解を模索して作り上げてきた今のシステムを覆してしまうのは、これまた大きなリスクと混乱を伴うでしょう。

つまり、現行に閉塞感を感じているのでなにかしなくちゃいけない、っていう使命感を高ぶらせる効果はあるかもしれませんが、それが正しいかどうかについては個人個人また違うのではないかなと考えてしまいました。でも話の中身は決して悪くないです。

★★☆

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家族八景 (新潮文庫) 筒井康隆

1972年(文庫は1975年)の短編集作品で、「七瀬ふたたび」(1975年)と「エディプスの恋人」(1977年)の「七瀬シリーズ」で七瀬三部作の最初の作品です。

七瀬ふたたび」とともに、過去何度もテレビドラマ化されていますので、そちらで知っている人も多いのではないでしょうか。

主人公の七瀬とは派遣で働く住み込みの家政婦で、短編の作品ごとにひとつの家庭の話しとなっていて、タイトルにある通り、8つの家族の物語です。

その主人公七瀬は人の心が読めるいわゆるエスパーで、それぞれの家庭の中に入ることで、家族の中にある根深い問題を知ることになります。

だからと言って、事態を好転するように努力をしたりそう仕向けるわけではなく、逆にそうした特殊なチカラを持っていることを隠すために興味がないフリをしたりと、いま思えば単なる覗き趣味の嫌な性格です。

70年代ってそうした他人のドロドロした部分に興味はあるけど、干渉はしたくないという、そういう身勝手が当たり前の時代だったのでしょうかね。よくわかりません。

市原悦子主演の「家政婦は見た!」シリーズは、その後1983年からスタート(2008年終了)していますから、同様によそのうちの内情がみんな気にかかるっていう1億総覗き病だったのかも知れません。

短編はそれぞれ「無風地帯」「澱の呪縛」「青春讃歌」「水蜜桃」「紅蓮菩薩」「芝生は緑」「日曜画家」「亡母渇仰」とタイトルが付けられています。

1970年頃に書かれた作品ということもあり、現代とはだいぶんと生活の様子が違うだろうと思って読み始めましたが、こと家族というか家庭の姿というのはこの40~50年経過したあとでも、ほとんどなにも変わっていないんだなということがわかって意外でした。

もっとも住み込みの家政婦を雇えるというのは、当時も今も特定の富裕層だけで、私を含め下々の生活者とは縁遠いのですけどね。

★☆☆


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