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心に雹の降りしきる (双葉文庫) 香納諒一

2011年刊、2014年文庫刊のハードボイルドタッチの警察ミステリー小説です。この作家さんの本を読むのはこれが初めてです。

作家デビューは28年前の1990年で、現在55歳、ハードボイルド系の警察小説がお得意の分野と言うことです。

主人公は県警の刑事で、7年前に行方不明となった幼児の事件を担当しましたが未解決のままで、しかも金持ちの被害者家族から情報提供の懸賞金を奪う目的で、偽情報を使うなど、悪事にも手を染め、現在もそれを気に病んでいます。

行方不明の幼児が着ていた服と似た服がフリーマーケットで見つかったという父親からの通報で、それを見つけた探偵に会いますが、その後その探偵は「こんな偶然があるのか」という言葉を残して殺害されてしまいます。

その後、県知事の汚職や、暴力団組織の暗躍など多くの事件が起き、次々と関係者が殺されていき、途中で誰が誰だかよくわからなかったりしてややこしい限りです。

ハードボイルドタッチと言っても、時には懸賞金詐欺にも応じる弱い性格の刑事で、人間味があると言えばそういうことになります。

舞台は地方都市ですが、地方でこれだけ関連した殺人事件が次々起きれば、日本中を揺るがす大事件となりそうで、ちょっと違和感があります。

ネタバレになっちゃいますが、最後には誰もがあきらめていた行方不明の少女が無事救い出される展開にちょっとホッとします。

★☆☆

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人のセックスを笑うな (河出文庫) 山崎ナオコーラ

2004年に作家としてデビューしたときの最初の小説です。この作品でいきなり芥川賞の候補にあがりましたが、残念ながらデビュー1作目での受賞とはならず、その後も作品が4回芥川賞候補となりながら、いずれも落選中です。

ナオコーラとはユニークなペンネームですが、単に本名の直子に好きなコーラをくっつけただけというシンプルでかつ書店に並ぶと目立ちやすいネーミングです。山崎直子じゃ、若い人向けにPRするには地味すぎますものね。

2008年には井口奈己監督で映画化されました。主演は松山ケンイチ、永作博美です。主人公は小説の設定では19歳ですが、松山ケンイチは当時23歳ですから、そう無理はなかったのでしょうね。

主人公の男性は19歳の絵画の専門学校の学生、ヒロインは既婚で39歳、その専門学校の教師で売れない画家という年の差がある恋愛小説です。

ま、題名が売れる要素を持っていて、中身はというと、、、ちょっと甘く切ない夢見る乙女の想像を文字にしてみたらこんなのができましたって感じかな。

いや決してつまらなくはないですよ。それなりに楽しめましたが、心に残るような話しかって言えば、携帯小説のように暇つぶしに読んですっとそのまま通り過ぎていくような小説でした。

★☆☆

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人類資金7 (講談社文庫) 福井晴敏

たいへん長い小説で、2013年から書き下ろしで順次発刊されてきましたが、その最終巻(第7巻)です。2年前の2016年に一気に1~6巻まで読みましたが、最後の7巻だけ手に入れるのが遅れてしまいました。

2月前半の読書と感想、書評 2016/2/17(水)
「人類資金 (講談社文庫) 1・2・3・4・5・6巻 福井晴敏」

1~6巻は200ページ程度の薄い文庫でしたが、この7巻だけはそれまでの3冊分以上の700ページを超えるやたらと分厚い文庫です。

また2013年には、阪本順治監督、佐藤浩市主演で映画も制作されていて、これで全巻読んだことでもあるので、機会があれば作品も見たいと思っています。

戦後すぐから噂が多くあったM資金をめぐる話しですが、何度も出ては消え、消えてはまた蘇るを繰り返してきました。

曰く、「フィリピンを占領したときに財宝を集めて日本へ送り隠されている」「フィリピンを奪還したアメリカのマッカーサー司令官が躍起になって探したが見つからなかった」「戦後の復興にこのM資金が密かに使われた」などなど。

この小説では、そのM資金を管理、運用する日本とアメリカの財団が、それぞれの思惑と、そろそろ表に出して人類に役立てようとする日本人と、それを阻止するアメリカ人、M資金詐欺を糧としている詐欺師、遠巻きに財産を保護する防衛省、裏の世界に通ずる日本最大の暴力団組織などが入り乱れての欺し合い、裏切り、血縁、清算、投資など多くの要素がぶち込まれています。

最終的にはこのM資金はタイトルにあるように、人類のために使われるべきとして、まずはアジアの最貧国と言われている国の通信インフラの構築と国民ひとりひとりが世界とつながるためのタブレットを配布するなどに使われることになります。

そうした壮大な物語で、読み終わった後には、ふぅと、大きなため息をつくことになります。

★★★

著者別読書感想(福井晴敏)

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噂 (新潮文庫) 荻原浩

2001年刊、2006年に文庫化された、1997年にデビューした著者の比較的初期の頃の作品です。

年齢が同年代と言うこともあり、作風が気に入り、好きな作家さんで、「オロロ畑でつかまえて」の頃から文庫化された小説はほとんど読んでいますが、この作品は漏れていました。

著者の作品には「なかよし小鳩組」などコミカルな作品も多いのですが、逆に若年性アルツハイマーを描いた「明日の記憶」などシリアスな小説も多くあります。

この小説は、売らんがために創出したクチコミで顧客の商品を売りたい広告会社の社員と、猟奇殺人を追う刑事が主人公のシリアスな小説です。

この本が書かれた当時は、まだネットの普及もそれほどではなく、ようやく携帯電話が高校生にも普及してきた時代ですが、いまのネット社会に普通にあるクチコミの拡散手法や欺瞞的なステルス・マーケティングのような話題がバンバン出てきて、先を見る目があるので驚きです。

10年ぐらい前に書かれた犯罪小説を読むと、どうしても内容に古さを感じてしまいますが、この小説ではそれが感じられず、よく考えられた小説です。

★★★

著者別読書感想(荻原浩)

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