リストラ天国 ~失業・解雇から身を守りましょう~
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久しぶりに有効求人倍率と完全失業率の長期データを上げておきます。1963年から2019年までの総務省統計局長期データを引っ張り出し、見やすくグラフ化しました。
有効求人倍率は元データに年間平均値がありますので、それを利用しますが、完全失業率は、月ごとのデータしかみつからなかったので、その年の1月のデータ(年間平均とは違う)を元にしています。
有効求人倍率は、職安で仕事を探しに来た人に、どれだけの求人数があるかという値で、その割合が高いほど求人難(売り手市場)で、低いと求職する人は多くても求人がない状態(買い手市場)となります。
これらのデータは全国平均ですが、大都会ほど求人は多くあり、地方へ行くと求人が少ないという傾向があります。
完全失業率は、失業中で働く意欲があり、職安へ行き、求職の申し込みをしている人の数を全労働者で割った割合です。ただこれにはいろいろと問題があり、単に失業保険をもらうために、働く気はないけど「表向き仕事を探している」人達が失業者に含まれ、逆に仕事をしたいが、民間職業紹介を利用するなど、様々な理由で職安で求職をしていない人達の数は含まれないなどがあります。
それらはともかく、他に求人倍率や失業率を求める方法はないので、この大本営、いえ総務省発表のデータを使うしかありません。
1960年代から1970年代のいわゆる高度成長期は、失業率も有効求人倍率も現在よりずっと低く、現在以上に人手不足が慢性化していますが、同時に求人もそれほど増えない状態が続きます。いわゆるパート・アルバイト以外は終身雇用が当たり前で、転職市場というのがない時代です。
ところが1973年以降、不安定な中東情勢の影響を受け、2度に渡るオイルショックで求人倍率が下がり、失業率が高まるという相反関係が顕著に出現します。
一般的に失業者が減ると、逆に有効求人倍率は上がります。そのことは1980年代後半のバブル景気で求人が活発化し失業率が下がり、求人倍率は上がることになりますが、その直後1990年代に入ると、再び失業率が上がり、求人倍率は下がることになります。
バブル崩壊後の不況が収まりきらない2000年頃には今度はITバブル崩壊が起きて失業率が5%を越えるという状態になりました。そのことがその後長く異常事態として尾を引くことになる就職氷河期世代の誕生です。
ようやく不況の最悪状態を抜け出せた2007年には今度はアメリカ発のリーマンショックに見舞われ、再び構造不況に突入します。
政治の世界では、その日本経済が最悪のタイミングだった2009年に、国民の不満が爆発し、何でも良いから政治を変えてみようと民主党政権が誕生し、ようやく雇用の悪化を食い止めることができました。
いえ、別に民主党政権の人達が頑張って立て直したというのではなく、バブル崩壊以降、悪夢の自民党政権が終わったことで、ようやく負の遺産の精算と、古い価値観、凝り固まっていた利権などしがらみから少しだけ脱却ができたのかなと思います。
その民主党政権も東日本大震災での原発事故処理や、沖縄基地移転問題でケチをつけ、あえなく崩壊しましたが、好転に転じ始めたあとの漁夫の利を得たのが自民党の現政権ということです。
ま、政治的な話しは、それぞれの信条や利権も複雑に絡み合って人それぞれですから、深くは書きませんが、過去最悪だった雇用状況を好転させ、また年間3万人を超えていた自殺者が顕著に減ったのが、民主党政権に交代してからの2010年頃で、偶然だったかも知れませんが、政権交代によって成し遂げられた数少ない成果と実績と言えます。
それらを考えると、他の先進国と同様、定期的な政権交代は、経済を活性化させる意味合いで必要なのかも知れません。
あとは、東京オリンピック後の景気落ち込みがどのぐらいの規模で、その不況期間がいつまで続くかというのが今後の興味ポイントで、もし就職や転職を考えているのなら、できるだけ早く決めちゃうのが良さそうです。
【関連リンク】
866 失業率とか雇用状況
807 労働人口と非労働人口推移と完全失業率
705 有効求人倍率と完全失業率から推測する未来
498 失業率推移ではなく失業者数推移でみると
446 失業率統計の話し
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先月には「雇用と働き方が変化したこの30年 2019/7/13(土)」という記事を書きましたが、働き方と同様に、会社の辞め方も最近は大きく変わってきています。
まず正社員とアルバイトでは辞め方にも違いがありそうですが、それにしても会社を辞めたいけど「自分からは言い出せずに困っている」「辞めたいと言ったら強く引き留められ、それでも辞めると言ったら脅された」とか、いろんなパターンが起きているようです。
現在は人手不足で、仕事を求める人より、求人案件のほうが多く、いわゆる売り手市場の状態です。
国が発表しているひとりの求職者に対し、何件の求人案件があるかという有効求人倍率(全国)ではリーマンショック後の2009年(自民党麻生首相政権)では0.47(ひとりの求職者に対し0.47件の求人)と低かったのが、2018年は1.61と大きく増やしています。
もっとも仕事の案件が多いからといっても、職種や条件、地域などにミスマッチが起きますので、実際の感覚とはまた違ったものとなるでしょう。
それに上記の有効求人倍率のデータは、職安に寄せられた求人数と、仕事を探しに来た求職者(そのうちの多くは失業保険をもらうためであり、本当に職を求めているかどうかは不明)の数がベースで、最近ではずっと増えているであろう、求人広告や転職サイトだけで就職活動や求人活動をしているものは含まれていません。
そうした売り手市場の中で、雇われる側は、より良い条件の仕事に変わりたい(転職)という要望が多く出てきます。
逆に雇う側(企業)は、せっかく雇って教育してきたのに、簡単に辞められたら、後任探し(求人活動)と入社後の教育にコストもかかるので、なんとか、場合によっては脅してでも引き留めたいということになります。
そこで出てきた新しいビジネスが、テレビでも盛んに紹介されてきましたが「退職代行サービス」です。
初めて聞いたときに「なんと、つまらない」と思ったのですが、そうした第三者の力を借りないと、自分の進路や要望が伝えられない人が実際いるわけで、それはそれで社会で役立っているのなら、なにも問題はありません。
でも本当のところは、仕事(会社)を辞める場合は、両者とも納得ずくで、円満におこなわれるのが望ましいことは言うまでもありません。
知人の経験談では、世の中は広そうで案外狭く、退職して再就職した会社が、しばらくしてから前に勤めていた会社と合併をしたということもあります。
私自身の経験でも、二度目に転職したところが、しばらく経ってから、前に勤務していた会社のグループ企業と事業統合したというケースでした。
つまり、退職後も、そのキャリア(勤務経験や交友関係など)はいつまでもつながっていくし、もし前職を辞めるときに、悪い評判や噂を残していくと、あとで恥をかいたり、昇進に影響がでる可能性もあります。
そんなバカな!と思うかもしれませんが、人が選ぶ仕事って、転職してもやはり慣れ親しんだ仕事(職種)や業界を選びがちになるものですし、まったく畑違いの会社の会社と思っていても、これだけボーダレスで多角化が当たり前の時代だと、どこでどうつながっていくか先が読めません。
そうすると、その業界内で事業再編が繰り返して行われると、いつの間にか元いた会社に戻っていたということも十分にあり得るのです。
同じ会社でなくても、業界内の交友関係で「あの人は前職でこうだった」みたいな話しが出たり、転職先に前職時代の先輩や後輩が転職してくることもあります。
そのように、意外なところでつながっていくものですから、退職時には、他人の力を借りるような辞め方や、例え嫌みを言われても、返す刀で罵詈雑言を言い残し、後ろ足で砂をかけるような真似はせず、いろいろと不満はあっても、表面上は笑顔で円満に去って行くのがお勧めです。
あと、雇う側にも一言書いておくと、一度「辞めたい」と申し出てきた人は、一度は説得して引き留められたとしても、また1年持たず、すぐに辞めたい病がぶり返すのが人の習性です。それは確実です。強引な引き留めは遺恨を残すだけなので、ほどほどにしておきましょう。
お互いに険悪なムードになる前に、辞めたい人から同じ失敗を繰り返さないよう本音でヒアリングをして、「あれだけよくしてやったのに、恩知らず!」とか「どれだけの教育費がかかっていると思ってんだ!」とか、いちいちつまらない不満や文句は言わず、「残念だけど次でも頑張ってね」と、気持ちよく送り出してあげるべきです。
すでにこういう会社もあります。
「会社を辞めたい? どうぞ辞めてください」(NHK)
英語で同窓生を意味する「アルムナイ」ということばが企業の間で広まっています。ビジネスでは「退職した人たち」を指します。企業のなかにはこの「アルムナイ=退職した人たち」と関係を持ち続け、自社のビジネスや優秀な人材の獲得につなげていこうという動きが出てきています。(中略)転職が増え、人材の獲得競争が激しくなっている中では、これまでのやり方にこだわらず、“辞めたあとも会社の仲間”だという考えが重要になってくるのではと感じました。 |
【関連リンク】
1255 独身を通すという生き方
1215 定年退職後の再就職はどうする
1141 リタイアメント
947 不法解雇や退職勧奨を強要された時に打つ手
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国会では働き方改革の話しと言えば、「裁量労働制の職種拡大」というテーマが主ですが、それはさておき、今回はすでに導入されてからかなり時間が経っている限定正社員についての話しです。
限定正社員とは、働く地域限定の(1)勤務地限定正社員、仕事内容が限定される(2)職務限定正社員、そして勤務時間を限定する(3)勤務時間限定正社員の3つが主な限定条件となっています。
まだ大手や中堅企業ぐらいしか取り入れられていない制度ですが、働き方改革の旗の下、また人手不足で採用が困難になってくる中小企業にも今後は普及していきそうです。
限定正社員制度を取り入れている企業の中では、(2)の職務限定を取り入れているのが9割を占めていて、次に(1)の勤務地限定が4割程度、(3)の勤務時間限定は1~2割ということです。(※複数の限定を取り入れている企業があるので合計すると10割を超える)
本来こうした限定正社員は、多様な働き方を推進し、期間が決まっていた非正規雇用から、期間の定めのない正規社員への転換を図ることと、従来のゼネラリスト志向が強い正社員採用から、スペシャリスト的な働き方をしたい人の採用を促して労働生産性を上げていこうとする目的があります。
しかし現実的に職務限定で多そうなのは、小売店などの販売員やレジ係、工場の作業員など、従来はパートやアルバイトに任せていた単純軽作業の業務のようです。
つまり従来大量にパートやアルバイトの非正規労働者を採用していた大手企業は、国の方針に逆らうわけにはいかず、かと言って企業にとっては人件費の負担は大きく、それをうまくかわすため、その人達を正社員化する代わりに、無限定の正社員と給与、職務、時間などの条件によって格差を設けるために作られた制度って感じがします。
したがって業績不振などによってスーパーなど小売店や工場を閉鎖したときに、容易に解雇して閉鎖がしやすい(職務や地域が変わってしまう)手法をとっているように見えます。
それら、限定正社員の解雇については、まだほとんど判例がないので不明ですが、一般的に考えて限定がない正社員よりは解雇できない要件が少なく比較的容易に解雇ができることになるでしょう。
国もこうした従来非正規雇用だった労働者の正規化をなにがなんでも推進する法整備を進めていますので、現在の大企業だけでなく、やがては中小企業においても、限定社員向けの就業規則制定や、給与制度など様々な対応がこれから求められていくことになりそうです。
多くのパート、アルバイト、契約社員を使っている(使わざるを得ない)企業は、今後、労基局や職安から様々な正社員化への圧力がかかりそうで、覚悟しておいた方が良さそうです。
これに対して、遅れがちなのが、派遣労働者の正規社員化です。
「雇い止め・派遣切り」 リーマン氷河期世代を直撃する(BUSINESS INSIDER)
2018年問題と言われていますが、2013年に改正された労働契約法により、同一勤務で5年経過すると常用雇用とみなされる問題です。
もっとも派遣を無期雇用の社員の代わりに使おうとすること自体、間違った使い方をしているとも言えますが、派遣労働者側にとってその多くの人が仕方なく派遣で働いている「不本意派遣」ではなく、派遣という働き方を好んで選んでいるにかかわらず、せっかく慣れている仕事なのに、仕事を奪われてしまうという事態を引き起こします。
厚生労働省「就業形態の多様化に関する総合実態調査2010年」の調査では、非正規社員に非正規雇用を選んだ理由を聞いて、不本意雇用と思える「正社員として働ける先がなかった」と答えた人は22.5%で、それよりも多かったのは「自分の都合の良い時間で働けるから」38.8%、「家計の補助、学費を得たかった」33.2%、「通勤時間が短い」25.2%、「家事と両立」24.5%となっています。
平成29年の総務省「労働力調査」では非正規雇用者の不本意雇用は14.3%となっています。
派遣労働者に限っての調査(2013年日本人材派遣協会)では、派遣労働者の15.1%が正社員を希望(≒不本意雇用)となっていますが、いずれも少数派と言えます。
もっとも大きくマスコミが取り上げるのは、好んで非正規雇用で生き生きと働いている人ではなく、社会により強いインパクトがあり、取材する安定した正規社員のマスコミ関係者が優越感に浸れる「不本意で派遣」+「5年を前に派遣切りに遭った」という人ばかりなので、派遣労働者はそうした人が主流なのか?って世間に誤解を与えてしまいます。いつものことですけどね。
この2018年問題では、リーマンショック直後の2008年「年越し派遣村」のようなものがまたできるのじゃないか?っていう報道がありましたが、過去の「派遣村」に派遣労働者で派遣切りに遭った人がどのぐらいいたのか知っていてそういうことを言っているのでしょうかね?
少なくともテレビに映し出されていた人達のほとんどは、取材のためにホームレスをかき集めてきたとしか思えない男性高齢者ばかりだったように見受けられますし、現地へ手伝いに行った当時日本新党の田中康夫氏も語っていました。
一種バラエティ番組と似たようなもので、そうした派遣村は主催者のパフォーマンスであり、売名行為に乗っかっているに過ぎません。主催者代表はその後テレビなどに引っ張りだこで、まんまと成功したわけですけどね。
【関連リンク】
1068 個人事業主の中でもフリーランスとしての働き方
1055 働き方と社会構造
1010 不本意な非正規雇用とその実態
944 派遣法改正について様々な見解
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この6月にも似た記事を書いていますが、大切なことは二度言うを実践してみます。単にネタ切れということもできます。
一般的に新卒者を含まない求職者に対する求人数の割合を有効求人倍率といいますが、ここのところの人手不足もあり、その有効求人倍率が上がってきています。
2016年度は1.36倍で、(職安の中で)ひとりの求職者に対して1.36件の求人があるということです。
余談ですが、すでに職安へ求人を出すという会社も、職安で職を見つけるという人もそれほどは多くないと思うので、もう少し違うやり方(民間の職業紹介や転職サイト、求人誌などを巻き込んで)を考えた方が良さそうに思いますが、過去の統計との整合性などの問題もあり、なかなか実行はされません。
それはさておき、この有効求人倍率1.36倍は1990年のバブル時代の1.40にかなり近い数値で、高度成長期1973年の1.76には遠く及びませんが、バブル終焉から25年でもっとも高い数値となっています。
そして最近の月間の統計値を見ると、2017年6月の有効求人倍率は1.5となっていて、瞬間風速ながらバブル時代を上回っていて、このまま変わらなければ2017年の年間統計でも1.40を上回る勢いです。
有効求人倍率が上がることは労働者側(求人側)にとっては職を選ぶ範囲が拡がって良いことですが、その中身についてよく見てみないと楽観的に喜んでいるだけではいけません。
まず、年齢や性別によっても有効求人倍率は違ってきます。
法律では年齢や性別で求人上差別してはいけないことになっていて、求人広告に条件で年齢や性別を載せることは少なくなってきましたが、最終的に採用するかどうかは求人側の判断にまかされるわけですので、当然その差はハッキリと出てきます。
例えば、求人倍率を見ても10代、20代の若い人には3~4倍の求人があるのに対して、50歳以上は現在でも1.0を下回る求人しかありません。女性も中途入社組の場合、パートなら複数あるけれど、正社員の求人はなかなか見つからないという話しもよく聞きます。
次に業種や職種によって人が集まらず、求人が膨れ上がるという例は、90年代のバブル時代には3K(危険、汚い、きつい)という言い方で、ガテン系の仕事などをやり玉に挙げていましたが、今の時代はそれが福祉系(医療、介護)の仕事や販売系、飲食系の仕事へと拡大しているという感じです。
有効求人倍率が増えたという理由には景気が上向きになったからという政府広報の説明を信じるより、人口の5%を占めている団塊世代がここ2~3年で65歳を超え、その多くの人が一斉に仕事をリタイアし、全体の求職者数が減ったという事実も忘れてはいけません。
特にこれからは超高齢化社会を迎えるので、今までなら若者のアルバイトや主婦のパートでしのいでいた軽作業等の業務を高齢者にもできるような工夫が必要になってくるのでしょう。
今はコンビニやスーパーへ行っても、レストランでも居酒屋、ガソリンスタンド、宅配便でも結構な高齢者が働いていたりするのを目にします。
今はまだ少ないコールセンターや、遊園地のサポートスタッフなどへも高齢者が進出するのは時間の問題かも知れませんね。
【関連リンク】
1133 有効求人倍率がバブル時並みとは
866 失業率とか雇用状況
807 労働人口と非労働人口推移と完全失業率
705 有効求人倍率と完全失業率から推測する未来
498 失業率推移ではなく失業者数推移でみると
446 失業率統計の話し
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20代の頃から40代までは人の採用(登録)面接することが多く、トータルすればざっと数百名は面接をしてきました。
また複数の人材紹介会社を通じて転職した経験から、採用と登録の面接を受ける経験もトータルすれば10数回経験しています。
そうした面接する側、される側の両方の経験が豊富にありますので、そうした場面には慣れていて、達人というレベルに達しているかはともかく、そのノウハウは相当にたまっています。
採用面接は時代とともに変わってきているか?というと、実のところあまり変わらないというのが実感です。
例えば職務経歴書の書き方は、数十年前から大きく変わり、控えめに事実だけを箇条書きにするものから、最近は目立つが勝ちとばかりに、実力よりかなり盛った派手で豪勢な経歴書を書くことが普通になってきていたりします。
しかし、いかにも盛りすぎで「オレ様」風のものも多く見られ、そういうのには辟易します。
履歴書に書く内容は、数十年前とほとんど変わらず、逆に国籍本籍、家族などのことを書く欄がなくなったりとシンプルになってきています。
面接は基本的にはそうした履歴書と職務経歴書を見ながら、それに対して確認や質問をするというのが一般的です。なので、あまり変わりようがないのですね。
◇ ◇ ◇ ◇ ◇
過去に採用面接で採用側として面接をおこなった際、逆に面接を受けた際の出来事をいくつか書いておきます。
面接官をやっていたとき、履歴書の趣味の欄に「読書」と書いてあったので、当然読書家なのだろうと思って「今はなにの本を読んでいますか?」って当たり前の質問をしたところ、若い男性応募者はすぐには答えられず、しばらくジーと考えた後「少年ジャンプ」って答えた人がいました。
別に少年ジャンプを読むことがいけないというわけではありませんが、「趣味は読書」って書いた以上、最近読んだ(漫画以外の文芸作品やビジネス書など)本のタイトル、著者、感想ぐらいはスラスラ言えるようにしておいてもらいたいものです。
◇ ◇ ◇ ◇ ◇
暑い夏の日の面接は特に女性にとってはたいへんです。せっかくバッチリ決めてきたメイクが汗で流れ、その汗をハンカチで拭くと目の周りを真っ黒にしていたお化粧がさらにグジャグジャとなり、、、
男女に関係なく、面接の約束の時間に遅れそうになって、慌てて走ってきたりすれば、髪の毛もグジャグジャ、面接中に玉のような汗が流れ続けて、「この人どこか体調が悪い?」って印象しか残りません。
それと暑いと、つい手に持っている汗ふき用のハンカチでパタパタとあおぎたくなります。面接中にずっとせわしなくパタパタとやっている人がいましたが、エアコンが効いたオフィスの中で、これは印象が悪いです。本人は無意識でやっているのでしょう。
暑い夏場や雨降り、強風の日の面接では、早めに面接場に着き、近くのドトール(事前に調べておく)とかで涼みつつアイスコーヒーでも飲んで身だしなみを整え、気持ちを落ち着かせます。
早く着き過ぎて失敗することはありませんし、バスや電車が少々遅れても焦ることもありません。私なら30分前には着くように家を出ます。
面接の最後に、「なにか聞いておきたいことはありますか?」って、逆質問できる機会を作ってあげることが多かったのですが、経験では半分ぐらいの人は「なにもなし」です。
質問が何もないと、「この人は就職しようとする会社に少しでも興味を持っているのかな?」って思ってしまいます。せっかく自己PRができるチャンスなので、「むむ、この人できる!」って面接官に思わせるような質問の二つや三つは事前に準備しておくのが当たり前でしょう。
但し面接官が聞かれたくない質問や答えられないような質問をしては逆効果になります。
例えば「同族経営のようですがなにか問題はありませんか?」とか、「求人広告で貴社をよく見かけますが退職者は多いのでしょうか?」とか、聞いちゃダメです。
そして無理に急ごしらえしたような、くだらない質問が返ってくることがあります。
例えば「社員数は何人ですか?」とか、「会社の設立はいつですか?」とか。女性に多いのは、何の事業をやっているかも知らずに(調べもせずに)、求人広告だけを見て応募してやってくる人もたまにいます。お互い時間の無駄ですからそういうのはやめてもらいたいものです。
いずれにしても採用面接を受ける会社のホームページぐらいは、穴が開くほど見て、先にチェックしておきましょう。私は応募した会社のサイトを見ていて、明らかな記載ミスの箇所を2箇所見つけ、それを面接が終わった後に面接官の人に知らせておきました(その会社は採用合格でした)。
そういう「質問もない」「ちょっと調べればわかることを聞く」「応募する会社のことを何も知らない」など、事前に準備もせず、少しばかりの手間を惜しむような人は採用しても自分本位で、会社のためにはならないと判断せざるを得ません。
◇ ◇ ◇ ◇ ◇
私が面接を受ける際に失敗したことと、うまくいった経験を書いておきます。
受けた企業は小さなベンチャー企業で、事業の提携先としてインドのシステム開発会社があるということは事前に調べて知っていました。
しかしまさか、いきなりその提携先企業の社長(インド人)と電話で面接を受けてくれと言われたときには焦りました。
電話での面接はもちろん英語で、ビジネス英会話から20年近く離れていたこともあり、ほとんど話しがかみ合いませんでした。
あとでわかったのですが、その提携先のインドの会社が自社のサービスを広く日本で展開するために、提携先の日本の会社から求人を出したようです。
さすがにそこまでは事前に考えも及びませんでしたし、紹介会社の担当者からも聞いていませんでした。この面接は大失敗でした。
次に成功例と言っても別に自慢でもなく、採用に携わっている人間なら当たり前にやってることだと思います。
面接を受ける会社の社長や役員達と、自分が過去に知り合った人達となにかつながりがないかと調べたり、共通の趣味などがないか、できる限り事前に調査します。
偶然に私が過去の仕事でよく知っていた人と、これから受ける会社の社長とは同じ外資系企業の出身ということがわかり、社長との面談時にその知人の名前を出して以前たいへんお世話になったという話しをしたら、社長もよく知っている人で、昔の同僚のことを懐かしそうに語ってくれて話が弾みました。そのような共通の友人の関係が面接官(この場合は社長)と作れたら有効、技あり、いや一本勝ちです。
もちろん偶然ばかりを期待してはいけませんが、知り合いの知り合いぐらいまではうまく利用すれば、かなりの確率でなんらかの接点が見つかるものです。
それだけに、会社を辞める際には上司、同僚、部下はもちろん、取引があった関係者には丁重に今までお世話になったとお礼のメールなどを送り、綺麗に辞めるべきです。それがその後の再就職や新しい仕事で生きてきます。
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