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桑潟幸一准教授のスタイリッシュな生活 (文春文庫)
現役近畿大学教授でありながら作家との二足のわらじを履いている著者の2011年単行本、2013年には文庫化されています。
またシリーズ化され続編の「黄色い水着の謎 桑潟幸一准教授のスタイリッシュな生活2
著者の作品を読むのは今回が初めてですが、過去の作品には1994年に芥川賞を受賞した「石の来歴
そしてこの作品は2012年に「妄想捜査~桑潟幸一准教授のスタイリッシュな生活
自らが大学教授と言うことで、舞台は勝手知ったる大学の職場風景ですが、ジャンルは推理小説で、本書には「呪われた研究室」、「盗まれた手紙」、「森娘の秘密」の連作中編3作品が収められています。
主人公が自ら降りかかる難問を次々解決していくよくある話しかと思っていたら、思いっきり裏切られて、主人公に降りかかる謎や難問を、教え子の文芸サークルに所属する女生徒が解決をしてくれるという珍しいパターンで、意外性があってその点は面白いですね。
ただ、ドタバタコメディ的な要素が多く、推理小説としてはそれなりに面白いのですが、その周囲というか設定があまりにもふざけすぎていて、ホームレス女子大生とか、准教授の手取り給料が10万円とか、千葉の田舎の偏差値の低い大学を笑いものにしているとか、ちょっとどうかなと思いますね。
★☆☆
◇著者別読書感想(奥泉光)
∟ ∟ ∟ ∟ ∟ ∟ ∟ ∟
深泥丘奇談 (角川文庫)
館シリーズなどが有名な京都在住の推理小説の作家さんで、2008年に単行本、2011年と2014年に文庫化された作品です。
続編の「深泥丘奇談・続
京都市内に長く住んでいると京都市内北部にある「深泥ケ池(みどろがいけ)」という沼のような池のことを知らない人はいないと思いますが、とかく怪奇現象やその筋の噂が絶えない場所で有名なところです。
何度か地元の新聞にも載りましたが「タクシーが深泥ガ池で女性を乗せて、京大病院までというので走っていたら、いつの間にか消えていた」とか、「深泥が池の近くを走行中に白い服を着た女性が前に飛び出してきて轢いてしまったが、降りてて見ると誰もいなかった」とか。
これらの事故?事件?は、ちゃんと警察にも届けられていて、その警察発表が新聞に掲載されていて、単なる噂や都市伝説の域を超えたものとしてよく知られています。
そうした深泥ケ池をもじった「深泥丘」という地名にある不思議な病院を舞台にして、主人公の作家(著者?)が遭遇する様々な怪奇現象や不思議な人達との話しがコミカルに連作短編で書かれています。
ホラー小説のジャンルに入るのでしょうけど、特にこれといってゾッとするようなわけでもなく、なにかちょっと中途半端な感じです。
★☆☆
◇著者別読書感想(綾辻行人)
∟ ∟ ∟ ∟ ∟ ∟ ∟ ∟
他人を攻撃せずにはいられない人 (PHP新書)
著者は1961年生まれで現在は京都大学の非常勤講師でもある精神科医で、BS日テレの「久米書店」に登場したとき、「精神医学界のエリカ様」を名乗っていたぐらいのユニークな方です。
他にも同様の多くの著書がありますが、本作品は2013年刊の新書です。
目次は、
第1章 「攻撃欲の強い人」とは
第2章 どんなふうに壊していくのか
第3章 なぜ抵抗できなくなるのか
第4章 どうしてこんなことをするのか
第5章 どんな人が影響を受けるのか
第6章 処方箋―かわし方、逃げ方、自分の守り方
事例を元にした「こんな攻撃方をされる」とか「こんな人がいる」といった内容で、読んでいてもあまり実感はなく、「そう言えばあの時の上司がこういうタイプだったかなぁ」とかふと嫌なことを思い出すぐらいで、あまり参考にはならないかな。
こうした文章で書かれたものではなく、著者の講演会みたいなところで、著書に出てくる事例を話し言葉で聞くと現実味があっていいのかも知れません。
文章だとなにか違う世界で起きていることのようにしか思えなくて。
しかし悪意があって攻撃する人ばかりではなく、自分を守るため、自分の精神を落ち着かせるため、自分の考え方を正当化するために、他人や友人、部下、同僚を結果的に攻撃してしまうという怖さはこの本でよくわかります。
個人的にはこうした攻撃的に出る人は、余裕や自信のなさから出てくるもので、下手に相手をすればややこしくなるだけなので、完全無視をするのに限ります。
誰とどう付き合うかは最低限自分で選択できる権利でもありますので、そうしたちょっと変な人と関わり合いを持つことは、仕事でもなければできるだけ避けたいものです。
★★☆
∟ ∟ ∟ ∟ ∟ ∟ ∟ ∟
日の名残り (ハヤカワepi文庫)
2005年の小説「わたしを離さないで
また1993年にはジェームズ・アイヴォリー監督、アンソニー・ホプキンス主演で映画
小説は1956年の「現在」と、第二次大戦前、1920~1930年代の「回想」」とを行き交います。
主人公は父親の時代から名門家の屋敷に住み込みで執事として働いている男性です。
戦前の世界問題に揺れる大英帝国の上流階級の中で仕事をしてきた主人公は、しっかり者の女給長との間に淡い恋愛感情を感じながらも、世界が大きく変わりゆく中で、自分の仕事に専念するあまり、恋を成就させることはできません。
時代がすっかり変わり、没落していく英国貴族の代わりにアメリカ人富豪が屋敷の主となり、様々な変化にもうまく対応していきますが、ずっと以前に結婚をして辞めていった女給長から手紙をもらい、また一緒に働けないものかと考えます。
新しいアメリカ人の主人がしばらく休みを与えてくれて、しかもその頃まだ珍しかった高級自家用車で旅行してくればという提案を受けて、その元女給長が住む街へと旅に出掛けます。
その旅の途中で出会う様々な階級の人や、庶民達の政治談義などを持ち前の知識やテクニックでそつなくこなし、英国の田舎町をのんびりと旅をする風景がとてもよく書かれています。
そしてようやく念願の人と再会を果たしますが、その結果はここには書いてはいけないでしょう。
★★☆
◇著者別読書感想(カズオ・イシグロ)
【関連リンク】
5月後半の読書 楽園の蝶、英雄の書(上)(下)、男性漂流、ザ・ロード
5月前半の読書 オリーヴ・キタリッジの生活、年金の教室―負担を分配する時代へ、0.5ミリ、恋文の技術
4月後半の読書 放浪記、しない生活 煩悩を静める108のお稽古、名もなき毒、青春の彷徨
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1030
楽園の蝶
「ジョーカー・ゲーム
時代は上記「ジョーカー・ゲーム」とほぼ同じ時代、1940年代初頭で、日本が傀儡政権を樹立して実効支配している満州が舞台となっています。
主人公は東京の大学在学中に左翼運動に染まってしまい、まともな就職先がなく、逃げるように満州へやってきた新米の脚本家で、謎多き甘粕正彦が率いる満州映画協会に入ることになります。
甘粕正彦は実在した人物で、Wikipediaによると「日本の陸軍軍人。陸軍憲兵大尉時代に甘粕事件を起こしたことで有名。
短期の服役後、日本を離れて満州に渡り、関東軍の特務工作を行い、満州国建設に一役買う。満洲映画協会理事長を務め、終戦直後、服毒自殺した。」とあるように、日本陸軍ともつながり、満州国を裏で支えていたとされる人物です。
物語はその実在する満州国、満州映画協会、甘粕正彦氏を絡め、またペスト菌を研究していた731部隊の石井四郎関東軍防疫給水部長も登場するなど、フィクションに史実を織り交ぜながら満州国の行方とその中で生きる人達を描いています。
ただ、物語として面白いか?というと、どうも著者の他の作品とは違って起承転結がはっきりしていなくて、スカッとするような終わり方ではなく、ダラダラとした始まりからいつの間には終わってしまったという不安げな感じで、読後感想が書きにくい。
タイトルに使われている「楽園」も「蝶」も、イマイチ本筋とは関係が薄く、タイトルにも疑問が残ります。
★☆☆
◇著者別読書感想(柳広司)
∟ ∟ ∟ ∟ ∟ ∟ ∟ ∟
英雄の書(上)(下) (新潮文庫)
毎日新聞夕刊で2007年から連載されていた長編小説で、2009年に単行本、2012年に文庫版が出ています。
そして2015年には続編とも言える「悲嘆の門
著者の作品としては珍しくいわゆる「指輪物語
多くのミステリー、サスペンス小説を手掛けている著者の作品を期待するとまったく違いますから注意です。
中学生の女の子が、殺人を犯して行方不明になってしまった兄を捜し、本の精霊達に導かれ、架空の異次元の世界に乗り込むというオッサンが読むには少々無理がある内容です。読み始めてからそういう話しだと気がついた私が悪いのですが、、、
文庫では上下巻ありますが、その約半分を使って、想像上の世界の理屈や決まり事が延々語られていて退屈きわまりない感じです。
おそらく映像化を期待しているのだと思われ、それならパッと見せれば済むようなことも文字にすると長々とその説明を書かなければならず、読み進めて行くには相当の忍耐が必要です。
新聞小説は、長さや1回当たりの文字数までがある程度決められているので、それに合わせるため、得てして冗長な感じになります。つまり素早い展開とかはなく、行動にいちいち必ず説明がつきます。
何度か読むのを途中で辞めようかと思いましたが、たまたまじっくりと読書できる時間がたんまりとあったので、一気に飛ばしながら読みました。
あーつまらなかった。損した気分です。(個人的な感想です)
★☆☆
◇著者別読書感想(宮部みゆき)
∟ ∟ ∟ ∟ ∟ ∟ ∟ ∟
男性漂流 男たちは何におびえているか (講談社+α新書)
2015年発刊の新書で、日曜日の夕方にBS日テレでやっている「久米書店」で紹介されていたのを観ての購入です。
「久米書店」では、新書の著者をゲストに招き、その中身について久米宏と壇蜜が深く?掘り下げていくという読書好きにはたまらない番組です。
著者はアメリカの大学を卒業後、新聞社に入社して記者として勤務。その後独立してジャーナリストを生業とされている方で年齢は御歳50歳です。
新聞記者時代から興味を持っていたという男性の結婚観から始まって、男性側の婚活事情や、仕事、親の介護、子育てなどに悩む男性を追いかけてインタビューをしたものをまとめたものです。
すべて仮名での登場なので、どこまでホントの話し?って勘ぐりたくもなりますが、想像で書くのだったらもっと面白く書けるでしょうからほとんどは事実に近いことなのでしょう。
もっとも、この本で取り上げられている男性が世の中の男性の平均像というわけではなく、ある種特殊な方々ばかりが取り上げられていると思って間違いないでしょう。
ただその特殊な人達がこれからさらに増えていくことで、数年後か十数年後にはもう特殊といえないレベルにまでなってくるかもという警告にはなっています。
各章立てはこんな感じです。
第1章 結婚がこわい(婚活圧力と生涯未婚ラベリング)
第2章 育児がこわい(仮面イクメンの告白)
第3章 介護がこわい(「ケアメン」―男性の介護時代)
第4章 老いがこわい(若返りで家庭崩壊の危機)
第5章 仕事がこわい(増える中年男性の非正規)
まぁ流行語を散りばめていて、いかにも新書らしい感じです。
読みやすく、理解しやすいのはいいのですが、ニュースとかをちゃんと見ていれば予想されることが淡々と書かれているだけで、心に残ったり響いたりすることがなく、「あ、そうなのね」ぐらいで終わってしまうのがちょっと残念です。
★☆☆
∟ ∟ ∟ ∟ ∟ ∟ ∟ ∟
ザ・ロード (ハヤカワepi文庫)
2006年に発刊された長編小説で、2009年には映画
この作品はいわゆる終末期モノで、地球に核戦争?のような終末期が訪れ、文明や都市は破壊しくつされ、ほとんどの生物は死に絶えています。
主人公がどのようにして生き延びていたのか?、なぜこのような事態が起きたのか?などはまったく明らかにされていませんが、とにかく生き残った者同士、生死を賭けたサバイバルゲームが展開されていきます。
生き残っている人の多くは食料を求め凶暴化し、一部は食人化しています。そうした中で、核の冬?のせいか寒くなった地域からひたすら暖かな南へと向かってアメリカ大陸を歩いていく父親と幼い子の親子の情愛がたっぷりなロードストーリーです。
襲ってくる凶暴な集団たちと闘ったり、打ち壊された家の中に隠されている食料品を知恵を絞って探し出したり、難破船から水や食料を引き上げたりと、マッドマックスを彷彿とさせるようなロストワールド的な世界が描かれています。
また日本の安いドラマによく出てくるような、子供がやたらと賢くて大人顔負けの活躍をするようなものではなく、現実に親にすがるしかなく、また親の背中を見て少しずつ育っていき、時には我が儘をいう普通の子供が描かれているのにも好感が持てます。
息子を守るため、また親が死んだ後でも危険な事態に対応ができ生き残れるようにとサバイバルを教えつつ、愛情深く寄り添っていく父親の姿がとても魅力的で、最後はハッピーエンドとは言えませんが、かと言って後味の悪い終わり方でもなく、よい終結だと思います。ぜひ映画も見てみたいですね。
★★★
【関連リンク】
5月前半の読書 オリーヴ・キタリッジの生活、年金の教室―負担を分配する時代へ、0.5ミリ、恋文の技術
4月後半の読書 放浪記、しない生活 煩悩を静める108のお稽古、名もなき毒、青春の彷徨
4月前半の読書 三十光年の星たち(上・下)、だから日本はズレている、珈琲屋の人々、新・日本の七不思議
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1026
オリーヴ・キタリッジの生活 (ハヤカワepi文庫)
2009年にピューリッツァー賞 フィクション部門を受賞した連作短篇集で、アメリカでは2008年刊、翻訳版は2010年(文庫は2012年)に発刊されています。
作品に収められているのは「薬局」「上げ潮」「ピアノ弾き」「小さな破裂」「飢える」「別の道」「冬のコンサート」「チューリップ」「旅のバスケット」「瓶の中の船」「セキュリティ」「犯人」「川」の13作品。
最初の「薬局」では主人公は40代でしたが、最後の「川」では70代になっています。特に有名ではない普通の田舎に住むアメリカ人の女性が、結婚して、子供ができて、その子供が成長し巣立っていき、夫が先に亡くなってしまい、、、という連作になっています。
さて読んでみたものの、そういうものなのか、それとも翻訳がまずいのか、主婦の井戸端会議のような話しが細かすぎて中身がさっぱり頭に入ってこないのです。
近所の人や教え子(主人公は学校教師)など登場人物も多い上に、アメリカの田舎の文化、生活習慣などが違うこともありなにを言っているのかさっぱりわからなくなってしまいます。
気が散りがちな満員の通勤電車の中ではなく、落ち着いたところでじっくり読めば良かったのかもしれませんが、こうした細かな神経をもつ女性の感性に共感を持ち同調しなければ理解できそうもない小説はちょっと無理かなぁ、、、
★☆☆
∟ ∟ ∟ ∟ ∟ ∟ ∟ ∟
年金の教室―負担を分配する時代へ (PHP新書)
少し古い2000年発刊の年金の新書ですが、基本的な構造は変わっていないので、問題ありません。
著者の考えは、年金の基礎支給部分を年金目的に限定した消費税にして、それで賄うことで、減少を続ける働く人達の年金負担を下げ、また年金逃れをする人をなくし、公平に、世代間の格差をなくそうという、もっともな理論を展開してきた人です。
様々なシミュレーションを元にして現在の年金制度とこれからとるべき方策を比べ、また世界の他の国の制度も参考にして、わかりやすく?理路整然と説明されています。
ただいかんせん、それでなくともややこしい年金制度の仕組みと数字が複雑に合わさって、専門家にとっては「なんでこれがわからないの?」という感じでしょうけど、読み始めるとすぐにあくびの連続で、読み終わるまでに結構かかってしまいました。集中して読めばおそらく2時間ぐらいもかからずに読めてしまう分量だと思いますが、、、
私が読んだ版は2002年版で、少々古いものですが、同書にも記載されていますが、最新の情報などはWebサイトに上がっていますので、併用して読むのが良いかも知れません。
高山オンライン
年金の現状と今後の課題(2015年9月26日プレゼンデータ PDF)
★★☆
∟ ∟ ∟ ∟ ∟ ∟ ∟ ∟
0.5ミリ (幻冬舎文庫)
2011年刊の小説ですが、著者は元々映画監督で、この小説も2014年には実父の奥田瑛二が製作総指揮、自らは監督で、主演は実妹の安藤サクラを起用し映画化
自らの介護経験を元にした内容で、主人公の女性は、介護ヘルパーとして派遣されている家庭で、その家族から「もう長くはないので、最後のお願い」と頼まれ、会社の規則に背いて認知症が進む老人の添い寝をすることになります。
しかしその老人の力があまりにも強くて、暴れたために火事を引き起こしてしまい、ヘルパーの仕事もそれまで住んでいた家も失ってしまうことになります。元々根無し草のような生活だったようですが。
その後、街に出てひとりきりの老人や、万引きしているところを見つけてはその弱みにつけ込み、その家に押しかけて、介護ヘルパー的な同居生活を始めます。
そういう展開はドラマや映画としては面白いのかも知れないけど、いきなり美少女がタイムスリップしたり、主人公の前に都合良く政府機関の重要情報に簡単にアクセスができちゃうニートのハッカーが現れたりするみたいな、ちょっと常識的にありえなさそう。
タイトルの0.5ミリは、人のささいな、0.5ミリぐらいの小さな心の積み重ねが、社会を動かすことになると、老人が日記に書いていたことからの抜粋と思われます。つまりそうした小さなことや思いの積み重ねが人間関係や社会に大きな影響を与えていくのだよということかな。
あとこの文庫には「クジラの葬式」という短編も入っています。
こちらは老人の話という共通点はあるものの、ガラリと変わって謎深い老人の生と死を扱ったショートストーリー。私はどちらかと言えば、こちらの話しのほうが好きでした。
★☆☆
∟ ∟ ∟ ∟ ∟ ∟ ∟ ∟
恋文の技術 (ポプラ文庫)
京都大学出身の作家と言えば、古くから井上靖、大岡昇平、小松左京、高木彬光、隆慶一郎、和久峻三など大御所が並び立ちますが、最近でも万城目学、平野啓一郎、我孫子武丸、綾辻行人、貴志祐介など売れっ子作家さんがズラリといて、早稲田大学ほどではないにしても、なかなかの文筆学閥ができそうな勢いがあります。
もちろん「夜は短し歩けよ乙女
この作品は2009年に単行本、2011年に文庫化された小説で、中身はすべて書簡(手紙)のスタイルをとっています。
主人公は京都の大学院生で、クラゲの研究のため人里離れた能登の研究室へ送られますが、それを機に手紙の奥義をマスターし、いずれは恋文マスターになろうかと、友人や先輩、妹などと手紙のやりとりを始めます。
そう言えばもう「文通」とか「恋文」って言葉は現代においては死語になっていますが、恥ずかしながら、私も暇だった高校生時代には何人かと文通をしていたことをふと思い出しました。もう40年以上前のことです。
もしいま丁重なお手紙をもらったとしても、正直言うと迷惑なだけで、手紙で返事を返さなければならないと考えただけで暗澹たる気になります。
割とそうした手紙に慣れている中高年の私でもそうですから、今の10代、20代の人でちゃんとした手紙を手書きで書いたことがある人って少ないのではないのかなぁって思ったり。
物語は能登の日常の風景やら、友人との思い出など、さすがにプロの作家が書く手紙だけあって、面白くそして情景豊かに綴られています。
キーボードに慣れてしまった人にとって、手書きの文章というのは大層ホネで、漢字もなかなか思い出せなかったりするものです。そしてこの手書き風の文章は、著者がパソコンでキーを打って書いたのだろうなぁって思うと、ちょっと不合理を感じたりもします。
★★☆
◇著者別読書感想(森見登美彦)
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1021
放浪記 (新潮文庫)
著者は明治、大正、昭和とめまぐるしく変化する日本を生きて、多くの詩や小説を残してきました。その中の代表作とも言える本書は最初1930年(昭和5年)に単行本が発刊され、その後何度か改版、新装され続け、現在に至っています。
発刊当時は第1次世界大戦後で軍事国家が支配しつつある日本で、婚約者に裏切られながら、貧困の中で、必死にもがいて生きていく筆者の日記を元としています。
2012年に亡くなった森光子が亡くなる寸前まで帝劇等の舞台で演じていたのがこの作品の演劇で、2015年からは仲間由紀恵が跡を継ぎ主人公役を演じています。ちなみに演劇の中で注目される「でんぐり返し」の場面は、本書では出てきません。
本作品は小説ではなく、日記を本にしていますので、日付とその時々の様子や筆者の考えなどが赤裸々と言うか遠慮会釈なく、この時代の女性にしてはいたって明るく奔放な様子が書かれていて、読む者を引きつけていきます。
ただ、時代が時代だけに、この頃の女性の労働環境や、貧しい地方から東京へ出てきた苦労などは、今からは想像できないぐらいに違っていて、そうしたことを理解しながら読むのにはちょっとした想像力なども必要です。
こうした明治から大正時代の実録職業婦人の記録は、ほとんどないでしょうから、歴史的な価値はもちろんのこと、研究論文の参考図書としても十分利用できそうです。
ただ、一読者として読むのには、日記が書かれている日が飛び飛びで、次々出てくる内容の関連性がわかりにくく、また小説ではないのでストーリーが一気通貫してはなく、その当時の時代背景の説明もないので、それを理解して読み進めていくのは結構つらいものがありました。
自分で日記を書いてもたぶんそうなるでしょうけど、「旅をした」とか「就職した」とか、大きな変化があったときは細かに書いても、日々淡々と過ぎてしまうと何ヶ月もすっぽりその部分は抜け落ちることになります。
あの大きな関東大震災が起きた時も、本書では震災の数日後にちょっと触れられているだけで、それよりも日々の生活がたいへんって感じの書き方でした。ちょっと肩すかしをされたような感じです。
★★☆
∟ ∟ ∟ ∟ ∟ ∟ ∟ ∟
しない生活 煩悩を静める108のお稽古 (幻冬舎新書)
2014年に刊行された新書で、30代の現役の若いご住職が書いた仏教的生き方の知恵みたいな感じの本です。
章立ては5つからなり、合計108つの「しない」が書かれています。というか108つのエッセイと言ったほうがいいかも知れません。その5つの章は、「つながりすぎない」、「イライラしない」「言い訳しない」、「せかさない」、「比べない」です。
以前読んだことがある仏教の教えについてわかりやすく解説したひろさちや氏の「仏教に学ぶ八十八の智恵」(1983年刊)とも共通するところがあるなぁと思いながら108つの煩悩?を一気に読み進めました。
中では53番の「ネットを断って一人に立ち返ることこそ、最高の安息」はちまたでもよく言われていることですが、現代のネット依存に対してあらためて考えさせられる内容です。
「つながり過剰に情が縛られたら己を見失う。つながり過剰にその恐れを感じて、犀の角のように孤独に歩むように」は経集の自由訳からですが、名言です
若い著者ですので仕方がないのですが、文章の中に「トホホ・・・」とか「にっこり」というネットでよく使われているスラングががやたらと使われていたりして、ちょっと幻滅。
そこまでして若い人の流行に合わせなくてもいいのではないかな。読んでいてなんだか痛々しく感じてしまいます。本来なら編集者が遠慮なくスパッとつまらない意味のない言葉はカットしてしかるべきことですが、編集者の毅然とした力も最近は弱まっているのでしょうかね。
★☆☆
∟ ∟ ∟ ∟ ∟ ∟ ∟ ∟
名もなき毒 (文春文庫)
「誰か―Somebody
2013年には前作とともに連続テレビドラマ化がされて放映されました。主人公役には著者の指名で小泉孝太郎だったそうです。
宮部氏ぐらいの大物にもなるとドラマの主人公役が指名できるのですね。そういうのはプロに任せておいたほうがいいと思うのですが、映画「模倣犯
そしてこのシリーズは、すでに第3弾として「ペテロの葬列
2013年6月前半の読書 「誰か―Somebody (文春文庫)」 宮部みゆき
主人公の杉村三郎は弱小出版社で児童書などの編集の仕事をしていましたが、その時に偶然知り合い恋仲になった女性が大企業オーナーの娘で、結婚をする条件に父親の大企業へ転職することを約束させられ、オーナーの義父直轄の広報室勤務という、いわゆる世間的には逆玉の男という変わった設定になっています。
今回の活躍の場は、大きくふたつあり、ひとつは主人公が勤めている広報室でバイトとして働いていたエキセントリックな女性を解雇したことで起きる様々な問題。
もうひとつが、上記の解雇した女性の職歴等を調べている中で、偶然知り合った女子高生とその母親が、当時世間を騒がしている連続青酸カリ毒物事件の被害者遺族だったことから、その事件の真相にも関わっていくことになります。
また並行して住宅地の土壌汚染や建築材のシックハウス問題も出てきたりしてお腹いっぱいになりそうな盛りだくさんの内容です。
そしてクライマックスでは主人公の子供が危機一髪のスリリングな展開が待ち受けていますが、安っぽいテレビドラマじゃあるまいし、原作で果たしてここまでする必要があったのかはちょっと不自然な感じもします。
★★☆
◇著者別読書感想(宮部みゆき)
∟ ∟ ∟ ∟ ∟ ∟ ∟ ∟
青春の彷徨
2012年に発刊された「青春の彷徨」「幻想の断崖」「めぐり来る春」の3編の中編小説が収録された単行本です。発刊から4年が経ちましたが、文庫化はされないのかな?
「青春の彷徨」の主人公は東大へ通う大学生で、学生運動が盛んで、普通の家に下宿をするという時代ですから1960代後半頃の話しでしょうか。
その下宿先というのが、家の1階で書店を営む、夫を病気で亡くした女性と、その子供の女子高生の二人住まいの家です。
主人公は女子高生に勉強を教えたり、映画を見に行ったりと仲良くなっていきますが、夏休みを終えて下宿に戻ると娘は軽井沢の友人の別荘へ出掛けていて、艶めかしい夫人と一線を越えてしまいます。
ま、それだけの話しなのですが、やがてはその関係が娘にも気づかれてしまい、、、とよくあるパターンで、それが「青春の彷徨」かと言えば、えらく時代的で大げさなと思わなくもありません。
「幻想の断崖」は小学校の教員の主人公が、夏休みの嵐の夜に上野発の夜行列車で金沢、能登半島へ向かいます。そこで知り合った訳ありの女子大生と高校生の姉妹。
旅から戻ってから話しを聞くと、姉妹は大金持ちの事業家の娘で、父親が愛人を作ったことで母親が自殺し、それを許さない女子高生の妹が登校拒否となってしまったことを知ります。
教師の端くれとということで、その一家というか妹を立ち直らせるために、様々な協力をすることになりますが、特に盛り上がることもなく、不幸中の幸いでハッピーエンドっていう感じ。どうもまとも過ぎて、あと一癖二癖の工夫が足りないような気がします。
「めぐり来る春」では国語の高校教師が公園で知り合った子連れの女性の離婚騒動に巻き込まれていくという話しで、その離婚係争中の旦那の暴力的性格と、女性が経営している飲み屋の客で女性に横恋慕する男がストーカーさながらで、薄気味悪いったらありません。
私の夢にまで出てきてうなされましたので(笑)、たぶんその異常的行動が真に迫っていたのではないかと思っています。
あとがきを読むと、65歳になって初めて書いた小説ということで、なるほど、ベテラン小説家のように、いかにも読者を引きつけるテクニックや緻密なプロットはないものの、素人は素人らしく、素直に淡々と書かれた話しだなって感じは受けました。このまま文庫化もされずに埋もれてしまうのはなにか惜しい気もします。
★☆☆
【関連リンク】
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三十光年の星たち(上)(下) (新潮文庫)
多くの作品を残す著者の2011年に単行本発刊、2013年に文庫化された長編小説です。
1年に数冊は著者の作品を手に取りますが、まだまだ数多くの作品が未読なので、それらは老後の楽しみにしています。
この長編小説は、2010年に毎日新聞に連載されていた小説で、無難な仕上がりという感じです。
著者はこうした新聞連載が割とお好きなようで、「ドナウの旅人
今まで読んだ著者の21作品の中では、自伝的なライフワーク作品「流転の海
「流転の海シリーズ」については、
「4月前半の読書と感想、書評 2014/4/16(水)」
に少し書いています。
さて、こちらの小説の主人公は親からは勘当され、一緒に商売をしていた恋人には逃げられ、商売の借金だけが残り、半ば自暴自棄に陥っている30歳の男性です。主人公が住んでいるのは京都の中心街にほど近い長屋になっている古いアパートです。
商売でお金を借りていた同じ長屋に住む老人に、借金が予定通りに返せなくなったことを正直に伝えにいきますが、借金を棒引きする代わりに運転手役を頼まれ、一緒に借金の取り立てに行くことになります。
その後は急展開して、老人の過去を知り、自分の今までの生き方、考え方が誤りだったことを教えられ、その老人がやってきたこと、これからやろうとしていることを手伝い、そして跡を継ぐ決意をします。
30歳まで散々な人生をおくってきた主人公が、貧困の中からの一発逆転人生というのはまずありませんが、そこは創造と楽観な小説の世界。主人公は資産家の老人に気に入られ成長していきます。
ちょっと話しが巧くいきすぎるかなとも思いますが、人生なんてそんなものかも知れません。チャンスをうまくつかめるか、見逃さないかという、分水嶺に立つことはよくあることです。
この著者の小説の中には、本題とはあまり関係のない、様々な雑学的な珍しい雑学的な話しが盛り込まれています。
この作品でも、料理の話し、陶芸や染色の話し、人工林の話しなど、別にすぐに役立つわけではないけれど、知っているとそれだけで人生にちょっとだけ深みが増すような知識が得られます。そうしたことも宮本文学を読む楽しみのひとつでしょう。
★★☆
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だから日本はズレている (新潮新書 566)
著者は1985年生まれの作家、評論家ということで、報道ステーション始め、多くのテレビ番組にコメンテーターやゲストとして出演している若手論客という感じでしょう。
本書は2014年に発刊後、10万部を超える大ヒットとなり、若者の代弁者という立場?で、社会への不満、不条理、若者には理解しがたいオジサン文化や既得権益をわかりやすく論理的に説明をしています。
この本を出したときはまだ「20代の社会学者」ということで話題性がありましたが、現在はもう三十路で、これからが一番脂がのったの働き盛りでもあり、この人の真価が問われていくところでしょう。若くして著名になると、社会から注目される期間が長いだけに結構つらいものがありそうです。
学者としてまっとうな研究職に進んでいくのか、薄っぺらな評論家という名の電波芸者に成り下がっていくのか、それとも名誉欲と金儲けが巧い社会運動家として生きていくのか、後がないオジサンからすればどうでもいいですが、温かく見守っていきたいと思います。
目次をあげておくと、「リーダー」なんていらない、「クール・ジャパン」を誰も知らない、「ポエム」じゃ国は変えられない、「テクノロジー」だけで未来は来ない、「ソーシャル」に期待しすぎるな、「就活カースト」からは逃れられない、「新社会人」の悪口を言うな、「ノマド」はただの脱サラである、やっぱり「学歴」は大切だ、「若者」に社会は変えられない、闘わなくても「革命」は起こせる、このままでは「2040年の日本」はこうなる、と、ありふれてはいるものの、気になるワードを散りばめた、こんな感じ。
中でもしつこく書いてある、いかにもスマホも使いこなせていないオジサン達が無理やり考えたようなパナソニックのスマート家電とそのマーケティング戦略のバカバカしさ、昔から大企業・有名企業ばかりに群がたがる就活生の習性とそれを評価し認める社会など、面白おかしく世の中の不思議と不条理を取り上げています。
へぇ~って思ったのは知らなかったのですが、「日本の若者は格差を感じていない」の項に書かれています。
それは「欧米の国の若者と違って日本の若者は日本社会で生きることにそれほど不満を持っていない」ということ。
これは「国民生活に関する世論調査」のデータで、20代の若者は「今の生活に満足している」が78.4%に達しているとのこと。マスメディアは刺激的なタイトルをつけていつも逆の発信をしていますので多くの人はそれに惑わされているかも知れません。
私も気がついたらもう高齢者の仲間入り寸前のところまできています。こうした若者の実態を若者側から聞くことも少なくなっているので、たいへん勉強になります。
この著者、若いのに老成したところもあり、個人的にはまだまだ不満なところは多くありますが、案外いいセンいっていると思います。
このままメディアの軽いノリのオジサン方にいいように持ち上げられ、大金と名声をつかまされ、寝る間も惜しむ生活に翻弄されるようなことがなく、純粋に社会学や哲学の深淵を静かに学び、時には本を書き、時にはテレビに出てきてチクリと刺すという生活をおくり、やがては社会に影響を与えるような大物、鶴見俊輔氏のような評論家になってもらいたいものです。
★★☆
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珈琲屋の人々 (双葉文庫)
殺人の前科を持ち8年間の服役を終え出所した後、亡くなった父親の喫茶店の跡を継いでマスターをやっている36歳の宗田行介が主人公です。
その喫茶店の名前は「珈琲屋」で、そこに集まってくる人々が1話ごとに変わっていく連作短編集です。
初出は「小説推理」に掲載されたもので、単行本としては2009年、文庫は2012年に刊行されています。
この作品には「初恋」「シャツのぬくもり」「心を忘れた少女」「すきま風」「九年前のけじめ」「手切金」「再恋」の7編が納められており、その後、続編として「珈琲屋の人々 ちっぽけな恋
主人公の幼なじみで、元恋人だった女性がいったんは結婚したものの、離婚して実家に戻っていて、毎日のようにこの店へやってきます。この脛に疵を持つ二人の大人の恋がどのように収斂していくのかというのも、楽しみとなっています。
舞台は8割以上ちっぽけな珈琲屋の中で終始しますので、きっと安上がりなテレビドラマに向くだろうなと思っていたら、すでに2014年4月にNHK BSプレミアムでドラマが放送されていました。
主人公のマスター役に高橋克典、その他木村多江、八嶋智人、壇蜜などが出演していますが、原作とはだいぶんと内容が変わっているようです。
著者は今年66歳、団塊世代に属する人で、作家デビューは18年前の1998年ということですが、作品を読むのは今回が最初です。作品には今回の現代小説や、時代小説もあり、今後いくつかは読んでみたいと思っています。
★★☆
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新・日本の七不思議 (創元推理文庫)
著者の実質のデビュー作でもある「邪馬台国はどこですか?
2011年8月前半の読書「邪馬台国はどこですか?」
2013年10月後半の読書「新・世界の七不思議」
上記の「早乙女静香シリーズ」は、いずれも面白く、登場人物の話しに引き込まれるように読めました。ただいずれも短編集でライトな雑学の範囲を超えるには至りませんでしたが。
今回の謎解きをおこなうのは、下記の7つです。( )は私の一言あらすじです。
「原日本人の不思議」(日本人はどこからやって来た?日本語のルーツは?)
「邪馬台国の不思議」(皆既日食が起きたため、卑弥呼が亡くなった?)
「万葉集の不思議」(飛鳥時代の歌人、柿本人麻呂は実在しなかった?)
「空海の不思議」(空海は日本人ではなかった?)
「本能寺の変の不思議」(能の敦盛を好んだ織田信長は予定通り50年で幕を閉じた?)
「写楽の不思議」(写楽は誰か?わずか10ヶ月で消えた理由)
「真珠湾攻撃の不思議」(
残念ながら前2作からすれば、全体に新鮮味とパワー不足がゆがめませんが、「原日本人」や「空海」についての謎は、ミステリーとしても十分読み応えがあります。前にも書いたけど、そうしたテーマでもう少し深掘りした歴史ミステリー小説も読みたいものです。
また本作に含まれる「邪馬台国」や「本能寺の変」については前作の延長戦みたいなところがありますので、前作を読んでからこの短編を読むことをお勧めします。
★★☆
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