リストラ天国 ~失業・解雇から身を守りましょう~
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蛇行する川のほとり (集英社文庫)
同著作は2002年に初出、2007年に文庫化された小説です。恩田陸氏の小説は過去に14作品を読んでいますが、どの作品も取り上げるテーマが固定していなく、創造性が豊かで、読んでいてグイグイと引き込まれる内容にはいつも驚かされます。
恩田氏の小説は意外と映画化された作品は少なく「木曜組曲
また主人公が中高生だったりするので、そのような心理描写を表現できる演技力に優れた若い役者がなかなかいないということもあるかも知れません。その点大人のミステリーだった「木曜組曲
この「蛇行する川のほとり」は人気作品の「六番目の小夜子
。最初はそうとは知らずに買ってきて、読み始めてから50半ばのジジイが読んで面白いのかな?と疑いながら読み進めていくと、高校生にしては知的で気が利き出来過ぎの人達ばかりで、ありえねぇと思いつつも結構面白く読ませていただきました。
あらすじは、蛇行する川のほとりに立つ古い家にまつわる話しです、以上。ミステリーなので内容を書くわけにはいかないので、、、しかし出来過ぎの高校生ばかりと思っていたら、小学生の頃にはもっと出来過ぎだったとはいやはや最後に驚かされてしまいます。
◇著者別読書感想(恩田陸)
◇ ◇ ◇ ◇ ◇
盗まれた貴婦人〔ハヤカワ・ミステリ文庫〕
私立探偵スペンサーシリーズ38作目の作品で、日本ではこの作品と遺作となる39作目の「春嵐
この小説にはいつもお馴染みの相棒ホークやその他友人のガンマンが登場してこない珍しい作品です。それだけに派手なアクションシーンはないかと思っていたら、いきなりプロの傭兵らに命を狙われることになり、二度も死にかけます。
愛犬パールの直感や、偶然が重なり怪我もなく助かるところはかなりご都合主義のところがありますが、主人公ですから仕方がありませせん。
いつもならホークやヴィニーなど腕のいい相棒に背中を守られて読者も安心して読めるのですが、今回は州警察のヒーリィ、ボストン市警のマーティン・クワーク、フランク・ベルソンや検察にいるお友達の助けを借りながら、基本自己解決で頑張ります。
それは私立探偵としてのプライドをめちゃくちゃにされたことによります。
美術館から盗まれた小鳥と貴婦人を描いた絵画を取り戻すため、美術館の顧問を務める大学教授から、犯人から要求があった金と絵画の受け渡し時の護衛を引き受けたスペンサーですが、なすすべもなく目の前で教授は爆殺されてしまいます。
殺された教授の周辺を調べていくと、教授自身のスキャンダルや保険金、大物弁護士、それに元アウシュビッツで殺されたユダヤ人とその末裔のグループなどが浮かび上がってきます。
そうした藪を突いていると、殺し屋が現れ、スペンサーの捜査の方向が間違っていないことを確信していきます。
もうこの調査スタイルは水戸黄門の印籠のようで特に変わりはありませんが、なぜ相手側がリスクがあり、手のかかる殺害方法をとるのか?とか、たまたま関係者を尾行をした時に限り黒幕と思われる男が一緒にいるのか?とか、オランダ美術に詳しい人を探していたら偶然知り合った愛犬仲間が紹介してくれたりとか、あまりにもうまく出来過ぎているな?と思わなくもありません。
こういう小説はスピード感が重要なので、あまり細かなことにこだわるよりもスイスイいくのがいいのでしょうね。
◇著者別読書感想(ロバート・B・パーカー)
◇ ◇ ◇ ◇ ◇
星月夜
30年に及ぶ作家生活で初めての推理小説というこの作品は2011年に発刊されています。つまり東日本大震災が執筆中に起きていて、小説の中にはわずかながらずっと昔に津波で亡くなった家族の話しが出てきますが、その津波のイメージを入れたように思われます。
出版社のサイトにこの本について筆者のインタビューが公開されています。
初の推理小説で人の哀しみを描く(文藝春秋サイト)
その中にあらすじっぽい話しが書かれていますので、ここでは省略して感想だけを書くことにします。
著者の作品は、今までに直木賞を受賞した「受け月
特になにか特徴があるかと言うと、実はあまりなく、読んでいると宮本輝氏、五木寛之氏、白川道氏などの作品とあまり区別がつかず、複数の小説を並行して読んでいるとこれは誰の作品だったっけと時々わからなくなるときもあります。
しかし「海峡―海峡幼年篇
やはり自分が歩いてきた道をベースにして描くのと、空想や創造力だけで描くのでは著者の思い入れが違ってきます。
そういう自伝的作品を超える作品を創り出せるかが一流の作家の証となるのでしょう。
著者の作品の中では珍しい警察官や鑑識官を主人公としたこの作品は、冒頭のインタビューにもあるとおり、岩手から東京に出てきた若い女性と島根の老人が、なぜ殺されて一緒に東京湾に沈められたかを一歩一歩調べて行くというミステリー仕立ての小説です。
そのストーリーやプロットは最初に小樽で身元不明の死体が上がり、その謎を定年退職した刑事が必死に追いかける白川道氏の作品「最も遠い銀河
その「最も遠い銀河」は先日テレ朝の開局55周年記念ドラマとして放送されていましたね。なんとなくタイトルも両方共通しているところがあるのが不思議です。
◇著者別読書感想(伊集院静)
◇ ◇ ◇ ◇ ◇
ワシントンハイツの旋風 (講談社文庫)
直木賞をとった作品「あかね空
元々は「あかね空」をはじめとする時代小説が多い著者ですが、その中にあって異色とも言えるこの作品を選んでみました。この小説は2003年に発刊された、昭和の高度成長期を生き抜いてきた自伝的小説です。
中学生だった主人公は母親と妹と3人で暮らしていましたが、生活が苦しく仕事がない高知を出て東京に出ようということになります。
転校したくなかった主人公は、母妹が上京した後もひとりで高知に留まりますが、居候先での扱いに嫌気がさし、後を追いかけて東京へ向かいます。
その際友人達とストリップ劇場へ行ったり、上京途中乗り継ぎの長い待ち時間の際に、食堂の女主人に色目を使われたりとなかなかの早熟です。その後も数多くの女性を泣かせていきます。
五木寛之氏の「青春の門
上京してさっそく住み込みで新聞配達をおこないながら学校へ通うことになります。その頃、東京は東京オリンピック開催がもう目の前でその景気に沸いています。
住み込みで働いているそばに、綺麗な芝生に囲まれたアメリカ軍が接収して建てた住宅や宿舎があり、それがタイトルになっている「ワシントンハイツ」です。
もちろん正式名ではなく、そう呼ばれていたというだけです。そのワシントンハイツ一帯は東京オリンピック前に返還され、宿舎を改装して選手村として利用されていました。
そのワシントンハイツに毎日新聞配達をすることで、中に住むアメリカ人とも仲良くなり、会話も正しい発音でマスターしていきます。そのことが後の人生で大きく役立ちます。
実は私が新入社員で入社した際の研修が、その元ワシントンハイツがあった「国立オリンピック記念青少年総合センター」で行われ、二泊三日で宿泊したことがあります。
30年前の当時はまだオリンピックの選手村当時の建物で、かなり老朽化した施設でしたが、部屋やベッドのサイズがすべて大きいのに驚いたことを覚えています。現在はすべて新しくなっていてその面影はありません。
高校を卒業するまでは新聞配達を続け、卒業してからメーカーに勤めますが、すぐに嫌になり、つき合っていた女性が気を利かせて応募してくれた近畿日本ツーリストへ転職します。時は1970年の大阪万博の少し前で、国内旅行が盛り上がりはじめうまくその潮流にのったわけですね。
近ツリでは万博の国内旅行で成果を上げ、役員に見込まれアメリカへの添乗員も命ぜられ順調に出世をしていきます。その間も同じ社内の複数の女性と関係を持ちともし事実に基づいていたとしたらなかなか楽しい人生を送られたようです。
中高年以上の人が読むと懐かしい風景があちこちに出てくる楽しい小説に仕上がっています。
◇著者別読書感想(山本一力)
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神様のカルテ2 (小学館文庫)
2009年に発売された「神様のカルテ
この「神様のカルテ2」はその続編で、別々に読んでもさほど問題はありませんが、できれば順番通りに読むことをお勧めします。
内容は、松本市にある最後の砦と言われている総合病院に主人公栗原一止の医学生時代の同級生で非常に優秀だった医師が同じ病院へ赴任してくるところから始まります。そういうところは、やはり医師でありながら作家の海堂尊氏の「田口・白鳥シリーズ」の小説を想像してしまいますが、同じ医師が書く小説だけあって、医療の問題点をあぶり出すところなど似ているところもあります。
そのエリート街道まっしぐらだった同級生が実家のある松本へ幼い子供を連れて帰ってきた話しと、主人公が慕って師と仰いでいた古参の医者が倒れてしまい、精密検査をすると思いがけず重篤で「負け戦」の闘いを余儀なくされる話しが中心としつつ、妻や共同住宅に新しく入ってきた学生なども含め話しが展開していきます。
おそらくこちらも映画化はされるのでしょうけど、小説の中では「神様のカルテ」よりも信州や近郊の四季折々の風景がたくさん出てきそうで、今から楽しみです。そして「神様のカルテ 3
◇著者別読書感想(夏川草介)
◇ ◇ ◇ ◇ ◇
東京セブンローズ (文春文庫)
井上ひさし氏(2010年没)は数多くの小説や童話、随筆、戯曲などを残し、直木賞、谷崎潤一郎賞、菊池寛賞、日本SF大賞、日本芸術院賞、日本レコード大賞や文化功労者顕彰まで受けた多彩な才人ですが、なんと言っても私の年代で一番有名なのは「ひょっこりひょうたん島
「東京セブンローズ」は単行本として1999年に発刊され(文庫は2002年刊)ましたが、書かれた時期は1982年から1999年まで17年間に渡って(途中中断もあったそうだが)季刊誌に掲載された小説です。
舞台は終戦近い昭和20年4月から1年間、東京都の根津(東大や上野公園も近い下町っぽい文教地区)に住んでいる団扇屋の主人が書いた日記という体裁をとっています。
この日記は当時のままを再現するためか正字正かなで書かれていますので、若い人には読むのにちょっと苦労するかも知れません。私の世代だと、特にそういう教育は受けていませんが、なんとかギリギリ読むことができます。書けといわれても絶対に書けませんが。
正字正かなとは例えば本文から引用すると「帝國ホテルを三階まで登ったところで、自分はさう結論を出した。<301>と眞鍮製洋數字の貼り付けてある扉をコツコツ叩きながら文子が訊いたから、かう答えた」「天皇が神ぢやないとわかってゐたのなら、はつきりさういへばいいんだ」「彼らはいづれも學徒出陣組で、命拾ひをして復員し、元の大學に戻ったが、たちまち生活難に陥った」「發表文や聲明文にたくさん漢字を竝べて有難味を出さうとしたんでせう」という感じです。
話しは、戦中戦後の物資不足で苦心する庶民の姿、その中でたくましく生活をしていく姿など、この時代の庶民の暮らしがよくわかってたいへん興味深いです。苦労を知らず、アメリカと絶望的な戦争をしたことすら知らない小・中学生用に教科書として使うといいかもしれません。
この小説のテーマは日本語で、終戦後のアメリカ占領軍が、世界一複雑で悪魔の言語と称する日本語の改革に着手し始め、漢字を廃止しすべてカナに、そしてローマ字へと移行させようと画策しますが、それに抵抗する日本人達という流れになっていきます。久しぶりに長編小説の醍醐味を味わいました。
◇ ◇ ◇ ◇ ◇
鄙の記憶 (角川文庫)
お馴染みの浅見光彦シリーズのミステリー小説で、文庫は2006年に発刊されています。この浅見光彦シリーズというのは、小説ですでに119話、それ以外に紀行文・随筆まであり、探偵小説界のゴルゴ13と言ってもいいかもしれません。
面白いのはこれだけの小説(原作)であればテレビに映画に引っ張りだこかと思いますが、テレビでは「火曜サスペンス」を始め数多く原作となっているものの、映画で製作されたのは「天河伝説殺人事件」ぐらいです。テレビドラマになると、そのキー局によって主役の浅見光彦を演じる役者が違い、ある時は国広富之だったり、水谷豊だったり、沢村一樹だったりします。内容が映画よりも2時間ドラマ(実質90分間)向きなのでしょうかね。
あまりよく知らない人のために書いておくと、主人公の浅見光彦はフリーのルポライターで、普段は旅行雑誌に記事を書いたり、政治家の提灯記事を書いたりしていますが、なにか事件が起きると冴えわたる嗅覚を生かし、次々と難題を解き明かしていくという素人探偵です。
また事件は日本各地で起き、一種、観光案内というか紀行もの小説とも言えます。多くの場合は人に頼まれ、仕方なく事件に首を突っ込むことになりますが、いつも現地の警察から余計なことをするなと反発を受けます。そして後になって、実の兄が全国の警察署を統括している警察庁の刑事局長だということが判明し、警察の態度がコロッと一変するというのもいつものオチというか流れです。
この作品はまず最初に静岡にある寸又峡(すまたきょう)で起きた自殺か事故か事件かよくわからない遺体が発見されるところからスタートし、その後、舞台が秋田県の大曲へと移っていきます。途中まで準主役かなと思っていた、定年間近の地方の新聞社通信部員もやがて死体で発見され、その通信部員と寸又峡で捜査を共にした浅見光彦が乗り出していくことになります。
この本を読んで静岡と言えば伊豆半島や清水、浜名湖など海岸線へはよく行くものの、大井川鐵道沿線や寸又峡の南アルプス直下の地域には今まで縁がなく行く機会がなかったので、今度折を見て行ってみたくなりました。
ちなみにこの小説の中でも会話に出てきますが、寸又峡で起きた戦後史に残る大事件として、1968年に起きた金嬉老事件があります。55歳以上の人なら誰もが知っている事件で、猟銃で脅し人質をとり旅館に88時間立てこもった劇場型凶悪犯罪のハシリとなった事件です。その籠城の舞台となったふじみや旅館はその後長く営業していましたが、ここ最近の不況が影響したのか観光客減少で昨年1月に廃業したようです。
◇著者別読書感想(内田康夫)
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きもの (新潮文庫)
幸田文氏は「五重塔
20年以上前に亡くなった私の母親が、幸田文氏の作品が好きで何冊か実家の本棚にあったように記憶しますが、私は今回初めて読みます。
著者は1904年(明治37年)生まれですから、少女時代に明治から大正へと変わり、やがて20代には昭和へ移っていくちょうど日本の近代化の総仕上げの時期で、外国から様々なものや思想が矢継ぎ早に入り込んできて社会の転換期だったと想像します。
そしてその人生の中でも一番インパクトがあったでしょう、1923年(大正12年)9月1日、関東大震災が起きて、住んでいた下町一帯は炎につつまれ、近所の人達と共に上野公園へ逃げますが、家にあったものすべてが焼けてしまいます。
この小説のテーマでもある服装で言えば大正デモクラシーにより都市部に住む国民の洋服の普及が進み、それまでは男女とも和服が普通だったところへ、活動的で簡便な洋装へと変わっていった時代です。
主人公は父親が証券会社に勤める(幸田露伴は民間企業に勤めた経験はない)貧しくもないけれど決して裕福でもない普通の家に育ち、当時は日常に着るものとして普通だった様々な和服に子供の頃から馴染んでいます。しかし三女ということもあり(著者自身は次女)、姉たちからのおさがりが多く、また祖母から着物に関する様々な知恵や知識をその時に教わり、姉たちとは違った着物に対する感覚や目が養われていきます。「自伝的小説」と言われていますが、生きてきた時代だけが同じで、家族の設定などは大きく違っているので本人もそういうつもりではなかったかも知れません。
一言で和服といっても、普段着もあれば外出着や礼服、寝間着に、夏は浴衣などがあり、さらに様々な生地や柄で、その価値やTPOが変わってきます。それらのことを知る日本人も少なくなってきたと思われますが、この時代はまだ家庭の中では常識として生き続けています。その祖母や若くして亡くなる母親のきものに対する知識や知恵が娘に引き継がれていく姿がうまく描かれています。
私はまだ独身の頃に作ってもらった浴衣と帯だけは持っていますが、最近ではそれも着る機会はまったくありません。しかしこの小説を読んでいると、いつかは普段着用に一着は和服が欲しいなと思うようになりました。長く京都の西陣で働く高校時代の友人がいるので、かなわぬ夢かもしれませんが、いつかは彼に頼んで年齢に相応しい和服一式を調達したいなと。
◇ ◇ ◇ ◇ ◇
神去なあなあ日常 (徳間文庫)
2009年の作品で、以前から「この作品はとても面白い」と噂は聞いていたのですが、文庫が昨年に発刊されましたのでようやく読むことができました。著者の作品は以前「風が強く吹いている
この「神去なあなあ日常」は今後シリーズ化されそうな青春物語で、横浜の高校を卒業し特にやりたいことが見つからず、このままフリーターでもするかと思っていた次男坊の少年が、将来を心配する両親と担任の高校教師にうまくやりこめられ、人手不足の三重県の山奥にある神去村へ送り込まれます。ま、普通なら「ならばちょっと行ってみようか」とも思わないでしょうが、なかなか骨のある主人公です。
いわゆるお仕事体験小説ですが、そこは直木賞作家、古くから伝わる山で働く者の伝承や、目に浮かびそうな高齢化した集落の姿など、古いものと新しいものをうまく結びつけながら描いています。そして林業にまったくの素人だった主人公が、一から営林作業を教わり、そのチームの一員となって人間として成長していく過程を笑いながら読む進めていくことになります。
ちょっと設定もストーリーもあまりにもベタ過ぎだなぁ、、、って思わなくもないですが、そこはそれ、いずれはきっと人気アイドルを主役に使ったテレビドラマか映画になって取り上げられると、ガラッと雰囲気が変わるのかもしれません。たぶん見ないけど。
わかりやすいストーリーをそれなりに面白く書く作家さんというのはよくわかりましたが、きっと読んでもらいたい対象が若い層なんだろうなという印象です。読書離れが進む若い人向けの作品も大事でしょうけど、50過ぎたおっさんが読んでも、それなりに読み応えのある物語もぜひお願いしたいものです。そんなのは浅田次郎や司馬遼太郎読んどけや!って言われそうかな。
◇著者別読書感想(三浦しをん)
◇ ◇ ◇ ◇ ◇
中の人などいない@NHK広報のツイートはなぜユルい?
Twitterで53万人ものフォロワー(2013年1月初旬現在)をもつNHKの広報マンが、Twitterを始めたきっかけやそのユルさゆえ様々な問題や葛藤を描いた本です。もちろんこのフォロワー数は、NHKの数多くあるアカウントの中でも圧倒していて、その人気は不動のものとなっています。
そのユルいツイートとは例えば、
「NHK_PR:ひゃほー!都心でも雪が積もっています。気象庁によると、横浜市と秩父市では正午の積雪が7センチ。雪の多い地域の方から見れば「え?」っていう感じでしょうけれども、たぶん転ぶ人続出です。雪に慣れていないみなさん、足元には十分ご注意ください。 (1号)」
「NHK_PR:このあと総合では、ダーウィン、ヤエ、イカ。 (1号)」
「NHK_PR:「くっくっく…ダイオウイカか…」「ふふふ…あいつはイカ四天王の中でも…ふっ…」「くくくく…」」
「NHK_PR:「NHKスペシャル▽深海の超巨大イカ」は、13日(日)の21:00から総合で放送じゃなイカ!」
「NHK_PR:だが断る。 RT @kXXX: ツイート遅い!一時間前にはツイートしなさい!受信料払ってんだからさ!」
「NHK_PR:(こちらは……NHK公式の中でも…ちょっぴりユル目の…会話をする…アカウントです…基本的に…役立つツイートは…あまりしません……情報が必要な方は…アカウント一覧 http://bit.ly/8MxZVy から…お気軽にフォロー/あんフォローして…お好みのものを…ご利用下さい…)」
「NHK_PR:たぶん体重計。 RT @sXXX: @NHK_PR 元日に「今年は痩せるぞ!」っと決心して、NHKを見ながら雑煮を食べていたら既に1kg太ったんですが、この場合悪いのはNHKですか?雑煮ですか?」
(2013/1/13~14のツイートから抜粋)
とにかくこの方のツイートは面白い。単に面白いだけではなく知性と芸を感じます。普通NHKの職員といえば、真面目で固いイメージがありますが、この著書でも書かれていますがNHKの番組には報道番組もあれば、幼児や子供向け、学生向け、高齢者向け、主婦向け、ビジネスパーソン向けなどその幅の広さでは他の放送局を遥かにしのいでいます。
つまりお堅いというのは間違いが許されない報道番組や硬派のドキュメンタリーからくるイメージですが、おかあさんと一緒や紅白歌合戦などエンタテインメント系番組を紹介するときにまでお堅い必要はどこにもないわけです。
そういうお堅いNHKのイメージを変えたいという個人的な思いで始めたツイッターですが、当然お金を払っている視聴者から「ふざけてんな!」とか「真面目にやれ!」という批判など賛否両論があり、個人としても放送局としても悩むことになります。
しかしTwitterというのは、気に入ったアカウントを自らがフォローし、また気に入らなければアンフォロー(削除)すればいいだけのツールで、NHK視聴者すべてに気に入られようと考えるのが間違いで、多くの人にNHKのことをもっとよく知ってもらい、視聴者との会話を大事にしたいという初心は、NHKの各種アカウントの中でもフォロワーの数が圧倒的に伸びていることで証明していきます。
企業や団体がおこなう公式ツイートというのは製品やサービスのPRばかりだったり、批判や炎上を恐れて形式張ったくそまじめなものが多くフォローしていて楽しいものはほとんどありません。
NHKの他のアカウントもそうです。それに対してNHK_PRさんのツイートは、会話に親しみがあり、発言もほのぼのしていて、時には笑わせ、突っ込みどころが満載で(それは狙っているのですが)、いま日本中で大流行している「ゆるキャラ」にも似たところがあり、一度フォローをしたあとフォローを解除する人はあまりいないのではないでしょうか。
ただこの本の内容は生身のエリート広報マンが、このツイッターを始めるきっかけや、多くの人の心をつかむための試行錯誤、放送局内の様々な事情、フォロワーからの非難などを生々しく語っていることから、いつものツイートのように軽快なノリとは違う、表の素顔を見せつけられて、ちょっと引いてしまうところがあります。
この本が出たときにはTwitterで評判となりましたが、その後あまり書評や感想が出てこないので「なぜ???」と不思議に思っていましたが、読んでみてその理由がなんとなくわかりました。
そう、なにか控えめな成功体験談とちょっとした自慢話を読まされているようで「まともな感想が書けない」ていうところでしょうか。
あとそのような勘違いする人はいないと思いますが、世の中にはTwitter関連本は山とあり、この本はその中でも実用書やハウツー本ではないので注意が必要です。
フォロワーが53万名いると、単行本の初版5千部、新書1万部と言われる中で、この本がどれほど売れるかという実験本という気がします。
◇ ◇ ◇ ◇ ◇
【DVD】ノーカントリー
日本では2008年に公開されたミステリアスなスリラー映画です。2007年のアカデミー作品賞にも輝いた、いい映画だという評判だけで内容は全く知らずに借りてきました。
ストーリーは、アメリカとメキシコの国境沿いの砂漠で、麻薬の取引の場でなにか手違いが起き、双方が撃ち合いとなり全滅した現場へ偶然出くわした地元に住むベトナム帰還兵の男が、通報はせずその場にあった取引用の大金をせしめようと企てます。
しかしその大金の中には発信器が仕込まれていて、大金を奪われた麻薬組織から放たれた追っ手の殺し屋がどこまでも追いかけてきます。
この殺し屋が一般的な殺し屋のイメージとは違い、いかにも変質者っぽく冷酷で粘着質で主役といってもいいぐらいに秀逸なのです。
と、同時にこの事件を追う老齢の保安官(缶コーヒーのコマーシャルでお馴染みのトミー・リー・ジョーンズ)も、逃げた男が組織から追われていることを知り、保護しようと探しますが、自分の管轄外の地域だと手が出せなかったりなかなかうまくいきません。
先に書いた麻薬取引での殺戮現場や、冷酷な殺し屋対元ベトナム帰還兵の対決などかなり派手で残虐な場面があり、まったく恐ろしい国だという実感ですが、それら人間ドラマが平板な映像で淡々と描かれ、最後には保安官がそれを回想するという割とアメリカ映画ではよくあるパターンでした。
記憶には残りそうな映画ですが、原作者や映画監督はこの作品でなにを言いたかったのか?なにを描き出したかったのか?というのは私にはわかりませんでした。
◇ ◇ ◇ ◇ ◇
【DVD】バトルシップ
いかにもアメリカ人好みの宇宙から地球侵略のためにやってきたらしいエイリアンを不出来なアメリカ軍人が一念発起し、頑張っちゃって敵をやっつけ、ハッピーエンドで終わるというお気楽映画です。
異星人との闘いと言えば戦闘機の闘いが派手だった1996年に製作された「インデペンデンス・デイ
見所は、アメリカの同盟国である日本の海上自衛隊もリムパック(環太平洋合同演習)に参加をしていて、この宇宙人との闘いに巻き込まれることになります。
護衛艦は敵の攻撃を受けてあっさりと撃沈されてしますが、この海自のイージス艦みょうこうの艦長役を浅野忠信が扮していて、主人公と共に宇宙人との闘いを繰り広げることになります。
そして最新兵器はすべてやられてしまい、そこで思いついたのが太平洋戦争、朝鮮戦争、さらには湾岸戦争でも現役戦艦として活躍し、その後退役して今では記念館となってパールハーバーに係留されている戦艦ミズーリを再度動かして敵に立ち向かうという奇想天外なところでしょうか。
最近アメリカ映画ではやたらと中国を向いていて、登場する東洋人といえば中国人というのが相場だったのですが、この映画ではアメリカの軍事パートナーは日本だということが鮮明に描かれていて、過去の日米対決の戦争映画ばかりを見てきた私にとっては、なにか不思議な感覚を覚えました。
◇ ◇ ◇ ◇ ◇
【DVD】まほろ駅前多田便利軒
原作は三浦しおん氏の同名小説で、まだ読んでいませんでした。なのでストーリーもまったく知らないまま見ました。DVDを借りてきたものの、ほぼ同時にテレビでも放映していてちょっとがっかりです。
まず驚いたのは、この映画の架空の街「まほろ」とは「東京都町田市」がモデルで、私も自宅から割と近いこともあり何度か行ったことがあります。映画のロケもその町田市内で行われています。
そのまほろ駅近くで地味に便利屋を開業している主人公が、仕事中に幼なじみの男とバッタリ出会い、一緒に連れて帰ったところから物語は始まります。
このような男二人が主人公のドラマでは、昔あった「俺たちの勲章
また便利屋という仕事は、フィクションの世界では淡々と過ぎる日常生活とは違い、様々な設定を作れますので、こういう作品にはうってつけです。同様なものとして映画やドラマにもよく使われる探偵や刑事という職業とも共通するところがあります。
その便利屋の依頼は、路線バスの間引き運転の調査や、小学生を塾へ迎えに行ったり、子犬をしばらく預かったりという仕事です。
ただ、預け主がそのまま夜逃げをして消えていたり、小学生がヤクザに脅されて麻薬の運び屋にされていることがわかったり問題が生じますが、二人でそれをなんとなくうまく解決していきます。そういうなんとなく感が、若い人にとってはその自由奔放さがたまらなくいいのでしょう。
そして転がり込んできた幼なじみに、なにか事情がありそうで、やがては関係がうまくいかなくなりますが、その事情がわかってくると、今度は引き付けられていくことになります。
ま、瑛太と松田龍平のイケメンコンビを格好よく描いて、なんてことはない内容ですが、私が若いときに「俺たちの勲章」や「探偵物語
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676
昨年2012年には仕事絡みの書籍は除き、下記のおよそ130冊を読みました。古い本もあれば比較的新しいものもありますが、書店でもBOOK-OFFでも基本買うのは文庫または新書ですので、単行本の最新刊というようなものは基本ありません。
審査は独自の判断で、
(1)印象に強く残る
(2)雑学でも知識として役に立ちそう
(3)(小説の場合)ストーリーが上手い
(4)中高年オヤジの感覚に合う
などのポイントが高かったものです。一方では「感動した」「泣けた」「見栄を張った」「バカバカしい」と感じたものは私的には点が低いです。
■1月の読書(日記リンク 前半・後半)
黄金の島 真保裕一、靖国への帰還 内田康夫、ブラックペアン1988 海堂尊、臨場 横山秀夫、累犯障がい者 山本譲司、あかね空(直木賞) 山本一力、告別 ロバート・B・パーカー、陽だまりの彼女 越谷オサム、廃墟に乞う(直木賞) 佐々木譲、血と骨(山本周五郎賞) 梁石日
■2月の読書(日記リンク 前半・後半)
迷宮 清水義範、阪急電車 有川浩、ひとがた流し 北村薫、読者は踊る 斎藤美奈子、九つの殺人メルヘン 鯨統一郎、Google+の衝撃 山崎秀夫・村井亮・小石裕介、六枚のとんかつ 蘇部健一、しゃべれどもしゃべれども 佐藤多佳子、海馬を馴らす ロバート・B・パーカー、姫椿 浅田次郎
■3月の読書(日記リンク 前半・後半)
鹿男あをによし 万城目学、オイアウエ漂流記 荻原浩、イントゥルーダー 高嶋哲夫、若葉のころ 小松江里子、神様のカルテ 夏川草介、レンゲ荘 群ようこ、永遠の仔(1)再会(2)秘密(3)告白(4)抱擁(5)言葉(直木賞) 天童荒太、eの悲劇 幸田真音、真紅の歓び ロバート・B・パーカー、プラチナタウン 楡周平
■4月の読書(日記リンク 前半・後半)
大人もぞっとする初版『グリム童話』 由良弥生、プロフェッショナル ロバート・B・パーカー、夜を賭けて 梁石日、ほかならぬ人へ(直木賞) 白石一文、ジョーカー・ゲーム 柳広司、パイレーツ―掠奪海域 マイケル・クライトン、太平洋の盃 豊田穣、獄窓記 山本譲司、最後の証人 柚月裕子、あぽやん 新野剛志
■5月の読書(日記リンク 前半・後半)
睡蓮の長いまどろみ 宮本輝、プレイメイツ ロバート・B・パーカー、冬の童話 白川道、FLY 新野剛志、家族の言い訳 森浩美、夜行観覧車 湊かなえ、輪廻の山 京の味覚事件ファイル 大石直紀、図書館戦争 有川浩、その日のまえに 重松清、純情 小川 竜生
■6月の読書(日記リンク 前半・後半)
大往生したけりゃ医療とかかわるな 中村仁一、さよなら渓谷 吉田修一、拡がる環 ロバート・B・パーカー、モンスター 百田尚樹、モダンタイムス 伊坂幸太郎、いつもの朝に 上・下 今邑 彩、ビリー・ミリガンと23の棺 上・下 ダニエル・キイス、メディア・バイアス あやしい健康情報とニセ科学 松永 和紀
■7月の読書(日記リンク 前半・後半)
鎮火報 日明恩、無理 上・下 奥田英朗、「捨てる!」技術 辰巳渚、男の品格 川北義則、山田悠介、影法師 百田尚樹、51歳からのルール 古川裕倫、バケツ 北島行徳
■8月の読書(日記リンク 前半・後半)
「夏休み特別企画」ブラック・ジャック1~17巻 手塚治虫、朽ちた樹々の枝の下で 真保裕一、黒い家(日本ホラー小説大賞) 貴志祐介、人生の大問題を図解する! 永田豊志、パズル・パレス(上)(下) ダン・ブラウン、Kappa 柴田哲孝
■9月の読書(日記リンク 前半・後半)
非情銀行 江上剛、夜想 貫井徳郎、普通のダンナがなぜ見つからない? 西口敦、閉鎖病棟 帚木蓬生、IT断食」のすすめ 遠藤功/山本孝昭、マッチメイク 不知火京介、あなたに逢えてよかった 新堂冬樹、取引 真保裕一、ロマンス 柳広司、サラリーマンは2度破産する 藤川太
■10月の読書(日記リンク 前半・後半)
BRAIN VALLEY 上・下 瀬名秀明、風紋 上・下 乃南アサ、ダブル・デュースの対決 ロバート・B・パーカー、日本大転換 出井伸之、沈黙 ロバート・B・パーカー、フリーター家を買う 有川浩、看守眼 横山秀夫、二度はゆけぬ町の地図 西村賢太
■11月の読書(日記リンク 前半・後半)
償いの報酬 ローレンス・ブロック、熱帯魚 吉田修一、英語ができない私をせめないで! 小栗左多里、水の手帳 伊集院静、鉄の骨 池井戸潤、パーク・ライフ(芥川賞) 吉田修一、スウェーデン館の謎 有栖川有栖、本当は恐ろしいグリム童話/本当は恐ろしいグリム童話〈2〉 桐生操、歩く影 ロバート・B・パーカー
■12月の読書(日記リンク 前半・後半)
インターネット新世代 村井純、八月のマルクス 新野剛志、夏を拾いに 森浩美、ひかりの剣 海堂尊、傷痕 矢口敦子、どうせ死んでしまうのに、なぜいま死んではいけないのか? 中島義道、鷺と雪(直木賞) 北村薫、スターダスト ロバート・B・パーカー
【リストラ天国が選ぶ2012年チキチキ読書大賞!】
◆新書部門第1位 「大往生したけりゃ医療とかかわるな (幻冬舎新書) ◆外国作品賞 「パイレーツ―掠奪海域― (ハヤカワ文庫NV) 「歩く影 (ハヤカワ・ミステリ文庫) ◆次点(4位) 「フリーター、家を買う。 (幻冬舎文庫) ◆栄えある第3位! 「累犯障害者 (新潮文庫) ◆惜しいもうちょいの2位! 「神様のカルテ (小学館文庫) ◆独断の堂々1位! 「あかね空 (文春文庫) ◆審査員(=私)特別賞! 「血と骨 (幻冬舎文庫) |
1位の「あかね空」は圧倒的な存在感を感じた作品で、私が好きな時代小説の範疇にあります。しかし主人公は決して剣豪や有名人やモデルがあるわけではなく、仕事を得るために京から江戸へ出てきた縁もゆかりもない貧しい豆腐職人です。
京と江戸の食文化の違いに苦心しながらも、それを乗り越え、やがて店は繁盛させ、愛すべき息子へとその事業は引き継がれていく大河作品風でもあり、暗いマックには店を乗っ取ろうとする悪人との対決があり、危機一髪どんでん返しでハッピーエンドに終わります。淡々としていながらも読み応えのあるいい小説でした。
今年は直木賞など大きな賞に輝いた作品を何冊か読みました。この1位になった「あかね空
その他、読んで損はないと思った作品に、「鎮火報
もっと人の機微や情実を描いたような夫婦関係や家族関係、恋人関係のドロドロこってりした情景がお好みの方には、「風紋
この「血と骨
2位の「神様のカルテ
映画も松本市でのロケが中心でしたが、病院の中の映像が多く、もう少し美しい松本周辺や信州の四季を織り交ぜてもよかったかなと思わなくありません。小説には続編(「神様のカルテ2
3位の「累犯障害者
障がい者が繰り返し引き起こす犯罪と、その根本原因を追求しようともせず、ただ健常者側の論理で、閉じこめておくために刑務所に送り込もうとする警察や国の仕組みを問題提起したルポルタージュ作品です。
私もこれを読むまでは、このような社会の矛盾を抱えているとは思いもしませんでした。あらためて多くの人に読んでもらいたいと願う作品です。
外国作品賞の「パイレーツ―掠奪海域―
同賞「歩く影
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どうせ死んでしまうのに、なぜいま死んではいけないのか? (角川文庫)
1946年生まれの元大学教授でもあり哲学者中島義道氏の名前はよく知られた方で、著書も多いのですが、どうも「哲学」書と言うことでとっつきにくくて今まで手が出ませんでした。
その著書にも真面目な哲学研究書もあれば、中には「私の嫌いな10の人びと
この著者ユニークなのは「人間の食べる物の九割は食べられない大偏食家」「すべてのスポーツは恐ろしく、車の免許ももっておらず、自転車もうまく乗れず、ボートも漕げず、釘も打てない」「六歳の頃からいつも死に脅えている」「他人を病的に羨み、病的に軽蔑する」「協調性はまったくなく、気味の悪いほどナルシストである」「異常なほどの虚栄心の持ち主」と開けっぴろげに自己分析をするのがいかにも哲学をやっている人だなぁって感じます。
哲学でもっともよく議論されるのが「ヒトはなぜ生きるのか?」「ヒトはどう死ぬべきか?」「ヒトはどこから来てどこへいこうとしているのか?」など根源的な問題です。
この著者の作品のタイトルにもそのようなことが想像できるものが多く見られますが、そういう分野を専攻でもしようと思わない限り、なかなかリフレッシュのために読みたくなるものではありません。
しかし年齢を重ね、親や友人などの死に直面することが増えて行くにつれ、徐々に死生観を持つようになり、若く輝いていたときとは違う感情や思想が頭の中を支配していきます。
若い頃に読むときっと著者の毒気に当たってしまうかもしれませんが、もはや世の中のことは概ね知り尽くしてきたので、幸いにもそういうことにはならず、「なるほどなぁ」「そういう見方もあったか」と感心するばかりです。
本文の最後に、自殺した元教え子の葬儀に行った際、その母親から「そういう毒を撒き散らさないで」とののしられたようなことが書かれていましたが、純粋培養されてきた人にとっては薬にも毒にもなるような危険をはらんでいそうです。
◇著者別読書感想(中島義道)
◇ ◇ ◇ ◇ ◇
鷺と雪 (文春文庫)
この本には「不在の父」「獅子と地下鉄」「鷺と雪」の3つの短編推理小説が収められており、2009年上半期の直木賞を受賞した作品です。いずれも昭和初期、太平洋戦争のまだ始まる以前の日本がちょっときな臭くなって来つつある帝都東京が舞台です。同じような時代を描いた最近の小説では柳広司氏の「ジョーカー・ゲーム
北村作品の中では「ベッキーさんシリーズ」と言われている短編集シリーズの3作品目となります。ベッキーさんとは、訳あって学校卒業後に親代わりの財閥系商社社長の令嬢のお抱え運転手となり、その令嬢が持ち込む様々な謎や難問を推理をしていきます。その内容についてはどうということはない(失礼)ものですが、いろいろと興味を刺激されることがあります。
この小説の舞台となる時代のことは身近なだけに知っていそうで、実はあまりよく知らなかったりします。こうした本を読むことで、あらためて東京の歴史や風習、名所旧跡に気づかされることもあります。
書く側にとっては、正しく時代考証しなければならず、えらく大変な作業だろうなと思ってしまいます。江戸時代や戦国時代のことではなく、実際にその時代を見て知っている人達がまだ数多く生きてものを言うわけですから、変な誤魔化しや勝手な想像だけでは書けません。
戦国時代や江戸中期以前にはまだあるはずのないソメイヨシノが小説に出てきてもまぁ許されますが、最初にできた現在の銀座線の改札がニューヨークの地下鉄と同じ自動改札(コインターンバー式)だったとか、上流階級の娘さん達を送り迎えする外国車の名前を知らずして物語を書けません。
実際にこの小説では、東洋で最初に開業した地下鉄銀座線の改札のことや、二眼式カメラ、上流階級の洋装や和装、流行の雑誌やレコードなど数多く当時の生活で普通に使われていたものが次々と出てきますが、それらもいちいち調べないとあとで恥をかきかねません。小説家というのは時代考証家でもあるのですね。
◇著者別読書感想(北村薫)
◇ ◇ ◇ ◇ ◇
スターダスト (ハヤカワ・ミステリ文庫 (HM 110-20))
1990年に発刊されたスペンサーシリーズ17作目の作品です。この本がなかなか手に入らず苦心していましたが、ようやく見つけることができました。
これで著者が生前に日本で出版されていたスペンサーシリーズ作品37作すべてを読んだことになります。残すは遺作となった38作目「盗まれた貴婦人
ボストンの私立探偵スペンサーが初めて登場したのが1976年「ゴッドウルフの行方
パーカーと共に大のレイモンド・チャンドラーのファンであり、周囲から後継者とも言われていたもう片方の小説家ローレンス・ブロックが描くスペンサーと同じく1976年に初登場したニューヨークの探偵「マット・スカダー」は、最新作「償いの報酬
さて本作品は原題も「Stardust」で、激しい視聴率争いを繰り広げるテレビの人気女優に襲いかかる正体不明の相手にスペンサーとホークが活躍します。その「スターダスト」以降、「昔日
こうして長くスペンサーシリーズを読んでくると、小説に登場する女性には一定の法則があるようで、その多くは最初はわがままで、放埒的で、セクシーなファッションを身につけ、誰もが振り返りそうな美人です。今回は売れっ子女優ということもあり、それが特に強調されているのでそう感じるのかも知れませんが、パーカーの一種あこがれが反映していたとも思えなくはありません。
◇著者別読書感想(ロバート・B・パーカー)
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