リストラ天国 ~失業・解雇から身を守りましょう~
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本屋大賞というのがあって、毎年書店員さんの投票で作品が表彰されています。私は読者の感性や消費者マインドをよく知っている書店員さんの書評を、他の週刊誌・新聞の書評やプロが選ぶ文学賞よりもずっと信用していますので、この本屋大賞は購入する本の参考になります。
しかし残念ながらこの大賞に選ばれるのは、その年に刊行された主として単行本ですから、発表後すぐに買うことは財政上無理なので、人から借りられる場合を除き、文庫化されるまで待つことになります。中には1年以上経っても文庫化されないものもあり、悲しいけれどそういう本は物覚えも悪くなってきたこともありサラッと忘れてしまうことにしています。なので、購入する本は1年以上前の受賞作が中心ということになります。
ちなみに2007年から2011年までのベスト10はこんな感じです。
2011年 | 作品名 | 著者 | 発刊 | 文庫化 | 読了 |
1 | 謎解きはディナーのあとで | 東川篤哉 | 小学館 | × | × |
2 | ふがいない僕は空を見た | 窪美澄 | 新潮社 | × | × |
3 | ペンギン・ハイウェイ | 森見登美彦 | 角川書店 | × | × |
4 | 錨を上げよ | 百田尚樹 | 講談社 | × | × |
5 | シューマンの指 | 奥泉光 | 講談社 | × | × |
6 | 叫びと祈り | 梓崎優 | 東京創元社 | × | × |
7 | 悪の教典 | 貴志祐介 | 文藝春秋 | × | × |
8 | 神様のカルテ2 | 夏川草介 | 小学館 | × | × |
9 | キケン | 有川浩 | 新潮社 | × | × |
10 | ストーリー・セラー | 有川浩 | 新潮社 | × | × |
2010年 | 作品名 | 著者 | 発刊 | 文庫化 | 読了 |
1 | 天地明察 | 冲方丁 | 角川書店 | × | × |
2 | 神様のカルテ | 夏川草介 | 小学館 | ○ | × |
3 | 横道世之介 | 吉田修一 | 毎日新聞社 | × | × |
4 | 神去なあなあ日常 | 三浦しをん | 徳間書店 | × | × |
5 | 猫を抱いて象と泳ぐ | 小川洋子 | 文藝春秋 | × | × |
6 | ヘヴン | 川上未映子 | 講談社 | × | × |
7 | 船に乗れ! | 藤谷治 | ジャイブ | ○ | × |
8 | 植物図鑑 | 有川浩 | 角川書店 | × | × |
9 | 新参者 | 東野圭吾 | 講談社 | × | × |
10 | 1Q84 | 村上春樹 | 新潮社 | × | ○ |
直木賞:中島京子「小さいおうち」、木内昇「漂砂のうたう」、道尾秀介「月と蟹」 芥川賞:赤染晶子「乙女の密告」、朝吹真理子「きことわ」、西村賢太「苦役列車」 野間文芸賞:村田喜代子 「故郷のわが家」 |
2009年 | 作品名 | 著者 | 発刊 | 文庫化 | 読了 |
1 | 告白 | 湊かなえ | 双葉社 | ○ | ○ |
2 | のぼうの城 | 和田竜 | 小学館 | ○ | ○ |
3 | ジョーカー・ゲーム | 柳広司 | 角川書店 | ○ | ○ |
4 | テンペスト | 池上永一 | 角川書店 | ○ | × |
5 | ボックス! | 百田尚樹 | 太田出版 | ○ | ○ |
6 | 新世界より | 貴志祐介 | 講談社 | ○ | × |
7 | 出星前夜 | 飯嶋和一 | 小学館 | × | × |
8 | 悼む人 | 天童荒太 | 文藝春秋 | ○ | × |
9 | 流星の絆 | 東野圭吾 | 講談社 | ○ | × |
10 | モダンタイムス | 伊坂幸太郎 | 講談社 | × | × |
直木賞:北村薫「鷺と雪」、佐々木譲「廃墟に乞う」、白石一文「ほかならぬ人へ」 芥川賞:磯崎憲一郎「終の住処」 野間文芸賞:奥泉光 「神器 軍艦『橿原』殺人事件」 |
2008年 | 作品名 | 著者 | 発刊 | 文庫化 | 読了 |
1 | ゴールデンスランバー | 伊坂幸太郎 | 新潮社 | ○ | × |
2 | サクリファイス | 近藤史恵 | 新潮社 | ○ | × |
3 | 有頂天家族 | 森見登美彦 | 幻冬舎 | ○ | × |
4 | 悪人 | 吉田修一 | 朝日新聞社 | ○ | ○ |
5 | 映画篇 | 金城一紀 | 集英社 | ○ | × |
6 | 八日目の蝉 | 角田光代 | 中央公論新社 | ○ | × |
7 | 赤朽葉家の伝説 | 桜庭一樹 | 東京創元社 | ○ | × |
8 | 鹿男あをによし | 万城目学 | 幻冬舎 | ○ | × |
9 | 私の男 | 桜庭一樹 | 文藝春秋 | ○ | × |
10 | カシオペアの丘で | 重松清 | 講談社 | ○ | ○ |
直木賞:井上荒野「切羽へ」、天童荒太「悼む人」、山本兼一「利休にたずねよ」 芥川賞:楊逸「時が滲む朝」、津村記久子「ポトスライムの舟」 野間文芸賞:町田康 「宿屋めぐり」 |
2007年 | 作品名 | 著者 | 発刊 | 文庫化 | 読了 |
1 | 一瞬の風になれ | 佐藤多佳子 | 講談社 | ○ | × |
2 | 夜は短し歩けよ乙女 | 森見登美彦 | 角川書店 | ○ | × |
3 | 風が強く吹いている | 三浦しをん | 新潮社 | ○ | × |
4 | 終末のフール | 伊坂幸太郎 | 集英社 | ○ | ○ |
5 | 図書館戦争 | 有川浩 | メディアワークス | ○ | × |
6 | 鴨川ホルモー | 万城目学 | 産業編集センター | ○ | ○ |
7 | ミーナの行進 | 小川洋子 | 中央公論新社 | ○ | × |
8 | 陰日向に咲く | 劇団ひとり | 幻冬舎 | ○ | ○ |
9 | 失われた町 | 三崎亜記 | 集英社 | ○ | × |
10 | 名もなき毒 | 宮部みゆき | 幻冬舎 | ○ | × |
直木賞:松井今朝子「吉原手引草」、桜庭一樹「私の男」 芥川賞:諏訪哲史「アサッテの人」、川上未映子「乳と卵」 野間文芸賞:佐伯一麦 「ノルゲ Norge」 |
本屋大賞は第二次投票以後のベスト10しか一般向けには公表されていませんが、実はここには上がっていない11位以下の、一部の書店員さんが熱く推奨する本があります。私的にはその本こそ知りたいなと思うのですが、残念ながらネット上ではオープンにされず、「本の雑誌 増刊 本屋大賞」を書店で買ってくれという流れになっています。このご時世にまったくせこいことです。
所詮書籍を売るための宣伝が目的である雑誌を高い金を出してまでわざわざ買うことはありません。無料で読める書評なんて世の中に星の数ほどあるわけで、本のPR誌ごときにお金を出すぐらいなら、一冊でも多く著者の収入につながる本を買います。
ここ何十年と、年間100冊ぐらいは読んでいますが、それにしても本屋大賞ベスト10に入った本は自分でも意外ですがあまり読んでいないことに気がつきました。2010年以前のものはすでに文庫化されている本が多く、多くは書店で平積みされていて、タイトルを見れば表紙のデザインまで思い浮かんできます。しかしなぜ買わないかというと、書店では実際には手にとって文庫のカバー裏にある簡単な紹介文を必ず読んで買うか買わないかを決めるので、そこではねられたものが多いと思われます。
それゆえに文庫の裏表紙の紹介やあらすじは、いかに読みたくなるように編集者の腕の見せ所でもありますが、実はあまり重要視されていないような気もします。もしかすると書評や各賞よりも、売れ行きに影響するさらに重要なポイントなのかも知れないのですが、そのようなことは現場の人はあまり知らないのでしょうけどね。逆に目立つようにど派手な色遣いの帯や、その帯に書かれた「○○氏推奨」の大きな文字はかえってイメージが悪い(下品な感じ)のですが、必ずある一定の割合で存在します。
逆に多くの文庫本の本文の最後に書かれている解説は、私に限って言えば、本文より先に読んだことが一度もないので、そこに「書店でこの解説を読んでいる人は間違いなく面白いのですぐに買いなさい」とか「これ以上書くとネタバレするから」とかあるのはまったく意味のないことです。
長年書店で文庫本を物色するのを趣味としてますが、解説をじっくり読んでいる人を見掛けたことがないのですが、そのような人が実際にいるのかどうかは不明です。しかしわざわざこのような常套句を解説に書くのはやめてもらいたいものです。少なくとも解説に面白くない本に「この本は駄作なので買わない方がいい」と本音が書かれることはないので、それをもって買うか買わないかの参考にはなりません。
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おひとり京都の愉しみ (光文社新書) 柏井壽
京都市在住の歯科医で、歴史や料理にも造詣の深い柏井壽氏の著作で、タイトルの通り京都ひとり旅の参考書として新書で出版されています。他にも京料理の本なども出しているそうですが、同氏の本を読むのはこれが最初です。
大河ドラマでは昨年は坂本龍馬、今年は江(崇源院)ということで、どちらも京都とは縁が深く、また知恩院では浄土宗開祖の法然上人没後800年を記念しての行事が行われたりと、相変わらず日本中から多くの人を集めています。私も以前「東京から京都へ行く方法」をブログで書きましたが、京都やその周辺に親戚や友人がいるので、時々京都へ出掛けることがあります。
本書では、もっぱら有名な観光地でないところを散歩したり、ひとり飯する方法、ひとりで泊まれる宿情報などが書かれています。しかし一般的な観光客であれば、同じ関西にでも住んでいない限り、そう何度も京都へ行く機会はなく、そしてせっかく行くからには定番の観光地や寺社巡りをしたいだろう思いますが、そういうガイドブックとしてはあまり役立ちません。
例えばひとりで京都旅行となると「龍馬」「新撰組」「戦国武将」「仏像」「小説や映画の舞台」などのゆかりの地を巡ったり、「桜」「紅葉」「祭り」「寺社」「茶道」などを観光や体験などを目的とするケースが多いんじゃないかなと思います。「目的もなしにぶらりと京都へ」というのは、イメージ的には格好いいのですが、かなりの京都通か自殺願望者ぐらいで、普通の人だと夏は暑く冬は寒くて年中湿度が高くジメジメし、観光地の常道で物価が高い京都では退屈な思いをするだけでしょう。
ひとり旅だからこそ「マニアックで観光客があまり訪れない場所へ」という趣旨はわかりますが、それならばどちらかというと大阪など京都周辺に住み、日帰りで何度もぶらりと訪れる人にとっていい本なのかなという感じがします。でもそれならば宿泊情報は不要で、その辺りちょっと中途半端な気がします。
◇ ◇ ◇ ◇ ◇
青春の門 第七部 挑戦篇 (講談社文庫) 五木寛之
団塊世代の人ならほぼすべての人が、そうでない人も50代以上なら読んだか映画を観たかで知っている人が多い「青春の門」は、1969年に初出の「第1部 筑豊篇」から始まり、「第2部 自立篇」「第3部 放浪篇」「第4部 堕落篇」「第5部 望郷篇」「第6部 再起篇」「第7部 挑戦篇」と続く、同氏の自伝的ライフワークと言える超長編小説で、まだまだ完結しそうもありません。
五木寛之氏もすでに78歳。いつなにが起きても不思議ではない年齢に達していますので、このまま完結を見ることなく終わってしまうのでしょうか。もしかすると、本当はすでに完結編まで書き終わっていて、自分の死後に順次刊行するような密かな作戦ができているのかも知れません。ま遅筆と1カ月間ぐらい平気で風呂に入らない風呂嫌いで有名な五木氏ですからそれはないと思われますが。
この第7部挑戦編は、前編第6部再起編が1981年に文庫化されて以来、なんと30年ぶりの文庫の続編の登場となります。さすがに30年前の再起編がどんな展開だったかはすっかり忘れてしまっていますが、あえて読み直しはしないで、この挑戦編を読みました。
物語の舞台は北海道にある江差町です。江差と言っても江差追分は知っていても北海道のどこにあるのかまで知っている人は少ないのではないでしょうか。私も恥ずかしながら調べるまでは知りませんでした。函館から日本海側へ出て少し上へ行ったところで、奥尻島へのフェリーが発着している場所と言えばわかりやすいかも知れません。
江差も明治・大正の頃は小樽と同様ニシン漁が盛んな漁港で、すごく活気があったと言うことですが、昭和に入ってからはその面影は消えていきます。小説では1960年~1961年の貧しくわびしい漁村として描かれていますが、この小説により観光客誘致の町おこしなんてものがおこなわれているのでしょうか。小説の舞台にもなっている鴎島がミニ原宿化してたりするとガックシするでしょうけれど。
それはさておき、主人公伊吹信介はここでも女子高生にモテモテです。60年代の学園紛争真っ只中でもあり、まもなく始まろうとしている高度経済成長に向けて、貧しい中でも必死にもがきながら飛び出す機会を狙っている主人公が、過去に登場した様々な人物と函館で巡り会い、やがて次編のナホトカからシベリヤ鉄道でユーラシア横断する「青年は荒野を目指す」旅の次編へとつながっていきます。ただし、こちらは途中まで週刊誌に連載されていましたが、現在は休筆中となっているそうです。
◇著者別読書感想(五木寛之)
◇ ◇ ◇ ◇ ◇
ボックス! 上・下巻 百田尚樹
デビュー作「永遠の0 (講談社文庫)」を読んでファンになった百田尚樹氏の2008年の小説です。タイトルだけではなんのことか分からない人が多いと思いますが、表紙カバーを見ると「ああボクシングの小説か」とすぐにわかります。このカバー表紙が、いかにも若者向けというイメージで、果たしてこの本の売れ行きにいいのかどうかちょっと微妙な気がします。
「ボックス!」とはボクシングでレフリーが両者を闘わせる際にかける言葉で、相撲で言えば「ハッケヨーイ!」ですが、「あしたのジョー」世代には「ファイト!」と言うのが一般的に知られていましたが、いつの間にか変わったんですかね。
設定は大阪の高校の弱小ボクシング部に、中学校時代から素質を認められプロボクサーに混じってジムでボクシングをやってきた運動能力の優れた生徒と、その親友で勉強しかできないスポーツ苦手の高校生が入部し、アマチュアボクシングを通じ成長していくという内容です。
「Box」に「ボクシングをする」という意味の動詞があったり、「Science」に「ボクシングの技」という意味があったりと、その他にも様々な一般には知られていない用語やルールなどのうんちくが満載です。どうしてもボクシングと言うと、あまり一般の人には馴染みがなく、テレビ中継があるプロの試合やアニメや映画「あしたのジョー」のイメージだけですが、単なる根性ドラマでもなくヒーローものでもない、現代っ子の部活動を中心に書かれています。
ジワジワと口コミや書店員の推薦で伸びて結果的には大成功を収めた「永遠の0」とはまったく違ったジャンルの小説で、著者としては「永遠の0」で描いた太平洋戦争小説家のイメージが付くことを恐れ、まったく違う、どちらかと言えば若者に向けた売れる小説を書いたのかも知れません。しかし最後のエピローグ部分に「永遠のゼロ」を彷彿させる同じような匂いを私は感じ取りました。
著者は元々放送作家ですので、いかにも映像化しやすそうな内容で、そのうちたぶん映画化されるのではないかなと思います。
◇著者別読書感想(百田尚樹)
◇ ◇ ◇ ◇ ◇
15のわけあり小説 (新潮文庫) ジェフリー アーチャー
アーチャーは「ケインとアベル」など長編小説がたまらなく面白いのですが、その合間に短編集もいくつか出していて、それがまたいいのです。今回はタイトル通り、15話からなる短編小説で、事実を元にした物語と想像で書いたものとが混在しています。
概ね彼の短編小説の特徴とパターンがわかってきましたので、物語の最後のどんでん返しで驚くことは少なくなりましたが、逆にニヤリとするようにひねってないと満足いかなくなり、評価のハードルが高くなってしまいました。そういう中でも短編ならではこそ発揮される彼のストーリーテラーぶりにはいつも感心します。
事実に基づいた話しでは、どこまでが本当の話しなのかは知りようないのですが、もしそのまま事実であれば、それは痛快だなと思えることが満載です。でもやはり昔に読んだ「十二本の毒矢」や「十二の意外な結末」などからすると、文章や構成は上手くなっていますが、いまいちドッキリさせるキレがなく、また新鮮味に欠けるように思いました。
それにしても2004年に書かれた獄中記の二作目「煉獄篇」が未だに文庫になりません。一作目の「地獄篇」がとても面白かっただけに、ぜひ早く契約関係?をスッキリさせて「煉獄篇」の文庫化を急いでもらいたいものです。第三部の「天国編」も楽しみに待っていますが、いつになるのか神のみぞ知るってところでしょうか。
◇著者別読書感想(ジェフリー・アーチャー)
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「非国民」のすすめ (ちくま文庫) 斎藤貴男
著者は私と1歳違い(私のほうが1年上)ですが、本を読んでいると、考え方がしっかりとしていて、昔の頑固おやじタイプな印象を受け、後で年齢を知って驚きました。
元々は新聞や雑誌、週刊誌の記者を務め、現在はフリージャーナリストとして活躍されている方です。
この本は2004年に出版されたもので、当時言論やプライバシーの危機だと叫ばれていた「コンビニや街角の監視カメラ設置」「自衛隊海外派遣と言論封鎖」「差別問題と階層」「住民基本台帳」「個人情報保護法」「MMR混合ワクチン問題」などを取り上げ、様々な証拠やインタビューから、政府、政治家、省庁、業界団体、マスコミに対して辛辣な批判を展開しています。
また決して自己満足の批判だけでなく、それぞれの問題に対し「支配されたがる人々」「無関心な人々」に対しても批判し、警鐘を鳴らしています。
著者はこの本以外にも数多くの書物を出していますが、2009年以降は新刊がなく、なにかあったのかなとちょっと心配なところです。私と一歳違いと言えば、まだ50歳代前半で物書きにとっては脂がのっている時期だと思います。
この本では、様々な雑誌や週刊誌などで書いた過去の記事やルポをまとめて1冊の本にしたような体裁です。そのため、強調をしたいからなのか、単に話しが重なってしまったのかわかりませんが、くり返し何度も同じ問題点指摘やフレーズが出てきます。
最初から1冊の本として書き下ろしたものであれば、もっとうまく組み立てられたのでしょうが、寄せ集めという感じはゆがめません。
一般の大手マスコミでは報道されない、深く突っ込んだ取材と、各種のデータを元にした論理展開は、同氏が専門紙や週刊誌記者を経験していたからできることでしょう。
その批判の節々で出てくる、政治家、特にサラブレッドの二世議員に対する猛烈な個人批判については、著者が若いときに苦労した過去にその影響があるのかも知れません。
◇ ◇ ◇ ◇ ◇
国家の罠―外務省のラスプーチンと呼ばれて (新潮文庫) 佐藤優
2005年に同氏が初めて書いた書籍です。その後お得意のソ連邦が崩壊した「自壊する帝国 (新潮文庫)」や自分を裏切った元職場を書いた「外務省ハレンチ物語 (徳間文庫)」など多数の本があります。最近紀伊國屋書店へ行くと、いずれの本も未だに目立つ場所に平積みされていたのには驚きました。ロングセラーなんですね。
ご存じの方も多いと思いますが、佐藤優氏は外務省勤務時代に、鈴木宗男衆議院議員とともに、対ロシア関係において出過ぎたまねをしたということで、小泉政権、外務省、マスコミから集中砲火を浴び、スケープゴート的にその表舞台から一度は消されてしまった人です。
現状はと言えば、2009年に最高裁で上告を棄却され、背任と偽計業務妨害の罪で4年間の執行猶予期間中の身分です。
この本は、佐藤氏が今までになにをやってきて、その結果なぜ逮捕され、国策捜査の名の下に罪を着せられてきたかという、本人の自叙伝でもあり弁解録です。
特に500余日も収監されていた東京拘置所での生活や、特捜部検事とのやりとりは、話半分としても読み応えがあります。
しかし本書の中には実名で「○○はこう言った」「○○は小心者で性格はこうだ」というようなことを平気で書いていますので、名誉毀損や、仕事の話しなどは守秘義務違反にならないのかとヒヤヒヤします。
確かにこの本に書かれた通りのいきさつがすべて真実であれば、佐藤氏が本当に罪として罰せられるほどのことかと思ってしまいますが、裁判での口述書など以外は、本人が書いた一方的な内容なので、いずれも話半分ぐらいにして読み進めていく必要があります。
その中には自分の仕事は国家にとって「すごく重要で、特別なんだ」という度を超した自負や思い込み、そして自分の行動を意識的に美化していると思われる箇所が多くみられ、相反する相手側から見ると、その行動や判断の善悪は180度逆転することになるでしょう。
ちょうど鬼籍に入る寸前の政治家や経済人が、日経朝刊の「私の履歴書」で、自分の過去の行動や決断を最大限に美化し、誇張して書くのと同質の匂いが感じられます。
以前読んだロシア語の通訳者で有名な、また多くの辛辣な書評を書いてきた米原万里の著書で、佐藤氏や佐藤氏の著作が何度も登場し、「素晴らしい人」「最高の出来」ということが書かれていたので、今回興味を持って読んだ次第です。
米原氏とは同じロシアつながりで、しかも両氏とも国家機密に触れる同志的な親しい友人だった(米原氏は故人)のでしょう。
結構ボリュームのある本で、退屈だと嫌だなと思っていましたが、うまく過去の歴史や事件ごとにまとめられており、飽きさせない読み物となっています。
ソ連邦の崩壊や、ロシアになってからの北方領土返還交渉、対ロシア外交の過程など、一般には知られることのない政治家の考え方がよくわかります。
その後も一向に解決しそうもない北方領土問題ですが、この本ではムネオハウス事件をきっかけにし、より一層難しくなってきたように読み取れます。
しかしそれは相手(ロシア)にしてみれば、鈴木宗男氏やインテリジェンスに優れた役人がどれだけ頑張ろうと、日本各地に大規模な米軍が駐留し、中国人民解放軍が急速に増強して力を付けてきている中で、そのロシア側の最前線緩衝地域となる北方領土を敵側にホイホイと返還するほど国際政治は甘くないでしょう。
◇ ◇ ◇ ◇ ◇
グロテスク(文春文庫) 上・下 桐野夏生
最近小説や映画で話題をさらった湊かなえ著の「告白 (双葉文庫)」を数年前に先取りしていた小説です。
このような一人称で複数の登場人物が過去に起きた出来事をそれぞれの視点で語っていくスタイルはいくつもありますが、代表的なものとして芥川龍之介の「藪の中 (講談社文庫)」(映画のタイトルは羅生門)がもっとも有名でしょう。
ストーリーの中には、1997年に起きた「東京電力OL殺人事件」や「オーム事件」などが、登場人物のモチーフとして一部に使われており、39歳の慶応大学出身のエリート総合職女性が、渋谷のホテル街で日々売春を続け、不法滞在の若い外国人に殺害されるまでの経緯などが書かれています。
ただし、それはあくまで、サブ的なもので、本筋は、日本で生まれたスイス人ハーフの姉妹とその学友達の確執と転落がテーマです。
まず姉の告白から始まり、次に姉とは子供の頃から仲の悪かった妹の日記、さらには姉の同級生(殺害されたエリートOL)を殺害した不法就労外国人の調書、殺された同級生の日記へと続いていきます。
人間関係、特に女同士のドロドロとした関係が延々と続いていきますので、あまり体調のよくないときに読むと、精神的に落ち込んでいく可能性がありますので、やや注意かもしれません。なにか著者の比較的新しい作品「東京島」とも共通する、女性心理のいやらしいところをむき出しにした作品です。
◇著者別読書感想(桐野夏生)
◇ ◇ ◇ ◇ ◇
小説 サブプライム 世界を破滅させた人間たち (集英社文庫) 落合信彦
2009年に単行本が刊行された本ですが、最初はタイトルもよく見ずにお得意のノンフィクションかと思って読み始めたら完全に小説でした。
読み進めていくと服部真澄の小説だったっけ?と思うほど、アメリカ金融界に通じた内容の小説ですが、元々著者はその方面に強いということをすっかり忘れていました。最近はちょいイメージが違っていましたからね。
おそらく翻訳本やつまらないハウツー本も含むと150冊ぐらいの本を出しているであろう落合信彦氏の小説を読むのはホント久しぶりで、独特の雰囲気を持つ著者は好き嫌いが分かれるでしょうけれど、小説では彼の人脈や情報力でしか得られない裏話などが散りばめられていて私は嫌いじゃありません。
内容はタイトルにあるとおり、リーマンショックでアメリカの金融バブルが弾けてしまうまでを、LTCMの興亡、エンロン事件、9.11世界貿易センターテロ事件などウォール街の周辺で実際に起きた事件や、実在する機関や企業が複雑に絡み合いながら、その中で奮闘する優秀な日本人金融マンが主人公として描かれ、やがて破滅の2007年へと向かっていきます。
タイトルからすると金融専門用語が飛び交い、読むのに苦労するかな?と最初思いましたが、それは全くの杞憂で、大人の恋愛あり、FBIの無能ぶりあり、新宿の小さなバーの話しがありと、スラスラと軽く読めます。
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ドキュメンタリー小説「深海の使者」吉村昭著を読み終えて、過去に潜水艦を題材にしていたり、主要な場面に潜水艦が登場したりした小説や映画、コミックやアニメで読んだり見たものはどれほどあったかなと思って調べてみました。
割と最近に「終戦のローレライ」福井晴敏著と、その映画版「ローレライ」があります。ドイツがフランスから接収した連装の主砲を持つ架空の潜水艦を日本が譲り受け、さらにそれに人間特殊兵器を積み、終戦近く、撃沈されるのを覚悟の上で浮上し、広島長崎の後さらに東京へ原爆投下をするためにテニアン飛行場を飛び立つB-29爆撃機を潜水艦の主砲で撃ち落とすという奇想天外なストーリーでそこそこ楽しめました。
またそれとほぼ同時期に映画で「出口のない海」、テレビドラマで「僕たちの戦争」において、同じ回天という魚雷を改造した特攻兵器を扱ったものです。
この2つは人気作家の横山秀夫氏と荻原浩氏の各小説で、映画やテレビで見る前に先に読んでいて、あとで映画化やドラマ化を知りました。
回天の実物は靖国神社の遊就館(博物館)に展示されていますが、そのすぐ横に置いてある魚雷とほぼ同じ大きさで、まさに鋼鉄の棺桶です。
2009年公開の映画「真夏のオリオン」の原作は、池上司著「雷撃深度一九・五」という実話を元にした小説で、内容はだいぶんと変えられていますが、終戦近く劣勢に立たされながらも伊号潜水艦がアメリカ駆逐艦と激しい攻防を描いたものです。
古い映画や小説では、ソ連が開発した新型推進装置を持つ最新鋭原子力潜水艦レッド・オクトーバーとともに艦長がアメリカへ亡命しようとするトム・クランシーの小説「レッド・オクトーバーを追え」が、小説・映画とも秀作です。
ちなみにこの映画では、潜水艦では当たり前にある迫力ある海中での戦闘シーンがありますが、撮影は水は一滴も使わなかったという、特殊効果だけで制作されています。
他の小説では池上司著の「無音潜航」は、自衛隊が誇る静かなディーゼル潜水艦対中国の艦船が一発触発の状態になるという内容で、尖閣諸島問題でお互いに譲れない緊張状態を早くから警告し、さらに今後このような事態がいつ起きても不思議ではないと思いました。
映画になるといっぱいありすぎて、もうすっかり内容も忘れてしまっているものも多いのですが、その中では、ドイツの誇るUボートとアメリカの駆逐艦との心理戦や駆け引きが見ものだった「眼下の敵」や、日本の駆逐艦対アメリカ潜水艦の闘いを描く「深く静かに潜航せよ」も、後者は日本がやられてしまう側なので複雑な思いながら緊張する場面の多いいい映画でした。
最近に見た「渚にて」は古い白黒映画ですが、核戦争によって放射能に汚染された地球において、南半球のオーストラリアとアメリカの潜水艦のみが生き残っているという設定で、東西冷戦下の核兵器開発競争時代を皮肉った秀作でした。
やがてオーストラリアへも放射能が忍び寄ってくることがわかり、アメリカ原潜が選んだ道は、どうせ放射能にやられて死ぬなら故郷に帰ってという、重い選択がなされます。
「Uボート」は西ドイツ(当時)が制作した大作映画で、アカデミー賞6部門にノミネートされる実績を残しました。
この映画では、多くの武勲をあげたことでなにかと英雄視されがちなUボートですが、乗組員にとっては海に浮かぶ棺桶と同じで、非情で過酷でとても厳しいものであったことを訴えかけ、しかも最後はあっけなく悲しい結末となるものです。
日本でも英雄や特攻隊員を賞賛するものではなく、そういった一乗組員の目線で潜水艦映画を作ってもらいたいものです。
「1941」は若き頃のスピルバーグ監督の映画で、太平洋戦争初期(1941年)、真珠湾を攻撃したあとアメリカ本土にも日本が攻めてくるという危機感をコミカルに描いたものですが、その中に三船敏郎が艦長役で潜水艦に乗ってアメリカまでやってきて、サンタモニカにある有名な桟橋を攻撃し、観覧車を破壊するシーンが笑えました。
「K19」はソ連の原子力潜水艦の原子炉が火災に遭い、それを消火するために、多量の放射能を浴びながらも必死で格闘する実話を元にした潜水艦映画です。
消火活動中の乗組員の姿は、見るに忍びない悲惨極まりない状態ですが、どうにか消火でき、無事に帰港することができます。
そして数年後に艦長の下に乗組員が集まった時には、その多くは無事元気な姿で再会を喜び合うという最後にホッと安心できた映画でした。
この映画を思い浮かべると、福島で必死に放射能漏れを食い止めようとしている人達とダブってしまいます。
下記に映画の潜水艦艦長役の一覧を書きましたが、潜水艦の艦長というのは、当然主役でもありますが、それにしても日米ともトップクラスの役者が演じているのには驚きます。
コミックの「あかつき戦闘隊」は、故園田光慶氏が少年サンデーに連載していた漫画ですが、戦時中の人間関係の描写もリアルで、絵もうまく楽しめました。
主人公は戦闘機パイロットですが、決してヒーローではなく、次々と仲間が死んでいき、最後には主人公も撃墜され亡くなります。
物語の終盤では潜水艦(伊号)との関わりが増え、その中に格納していた戦闘機(水上機ではなく)を飛び立たせるなど、今思うとあり得ない設定もありましたが、小学生当時(1969年)はワクワクして読んでいたことを思い出します。
潜水艦を扱ったものでまだ読んでいない小説や、見ていない映画もありますが、小学生の頃はいくつもの潜水艦のプラモデルを作ってお風呂で遊んでいました。
なぜそれほどに潜水艦が好きかというと、その理由は自分でも不明です。
ちなみに会社のパソコンでは、スケジュールされた会議などの時間が来たときに画面のPOPアップと音声で知らせる機能を付けていますが、その時の音声にはソナーの発信音(本物)を採用しています。
■潜水艦を扱った小説で読んだ一覧
レッド・オクトーバーを追え トム・クランシー
無音潜航 池上司
雷撃深度一九・五 池上司
終戦のローレライ 福井晴敏
新紺碧の艦隊 超潜出撃須佐之男号・風雲南東太平洋 荒巻義雄
深海の使者 吉村昭
出口のない海 横山秀夫
僕たちの戦争 荻原浩
■潜水艦を扱った映画、DVD、TVで観た一覧
眼下の敵 1957年米 駆逐艦艦長役:ロバート・ミッチャム
深く静かに潜航せよ 1958年米 潜水艦艦長役:クラーク・ゲーブル
渚にて 1959年 米 潜水艦艦長役役:グレゴリー・ペック
海底大戦争 スティングレイ 1964年英 人形劇
原子力潜水艦浮上せず 1978年米 潜水艦艦長役:チャールトン・ヘストン
1941 1979年米 潜水艦艦長役:三船敏郎
復活の日 1980年東宝 潜水艦艦長役:チャック・コナーズ
Uボート 1981年独 潜水艦艦長役:ユルゲン・プロホノフ
レッド・オクトーバーを追え 1990年米 潜水艦艦長役:ショーン・コネリー
クリムゾン・タイド 1995年 米 潜水艦艦長役:ジーン・ハックマン
K19 2002年米・英・独・加 潜水艦艦長役:ハリソン・フォード
Uボート最後の決断 2003年米 潜水艦艦長役:ウィリアム・H・メイシー
ローレライ 2005年東宝 潜水艦艦長役:役所広司
出口のない海 2006年松竹 潜水艦艦長役:香川照之
僕たちの戦争 2006年TBS 回天乗組員:森山未來
真夏のオリオン 2009年東宝 潜水艦艦長役:玉木宏
■潜水艦を扱ったコミック・アニメで読んだ一覧
沈黙の艦隊 かわぐちかいじ
サブマリン707 小澤さとる
あかつき戦闘隊 園田光慶
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一度日本がキ77という試作機でチャレンジしましたが、インド洋上空で行方不明となり、おそらく撃墜されたと思われます。
当時の潜水艦は他の艦船と同様海上に浮び、ディーゼルエンジンで発電をしながら航行します。
もし敵船や敵の航空機を発見したらすぐに潜って息をひそめ、電池でスクリューを駆動し、敵艦に攻撃ができるようならば攻撃をする、あるいは潜ったまま待ち伏せをして攻撃をするというのが普通の戦い方です。
これは日本軍にとって「攻撃は最大の防御なり」「先制必勝」精神で、攻撃兵器には多額の予算がつくものの、防御兵器については予算が付かないという結果です。
しかし潜水艦にとっては、敵が気づく前に潜行して隠れないと攻撃されてしまいますので、防御のためのレーダー技術の優劣が、生死を分ける一面を持っています。
逆に日本や東南アジアからドイツへ運ぶのは錫、ゴム、金などの南方の天然資源が中心です。この交換する物品の差に、当時の日本と世界の技術格差にあらためて驚かされます。
しかしそのUボートに同乗していた日本の技師は「生きて虜囚の辱を受けず」と、ドイツ語で艦長宛に丁寧なお礼の遺書を残し、艦内で自決する場面などはとてもつらい歴史のひとつです。
◇著者別読書感想(吉村昭)
◇ ◇ ◇ ◇ ◇
私は著者の作品は過去に「水の眠り 灰の夢」と最近「東京島」を読んでいますが、特にこれといった特徴はない作品だなと思っていました。「OUT(1997年)」や直木賞を受賞した「柔らかな頬(1999年)」と着実に人気作家として駆け上がってきました。
携帯電話は、まだ一部のビジネスマンぐらいしか持っていない時代で、FAXが頻繁に活用されていたり、個人情報保護にはさほどうるさくない時代でしたので、マンション管理人が容易に住人のことを喋ったり、部屋の鍵を貸したりします(それはいつの時代でもちょっとダメだろと思いますが)。
探偵も今の世の中になって、個人情報を調べるのはきっと大変になっているのでしょうけど、逆にネットで簡単に調べることができる場合もあるので、便利さと不便さはいってこいなのかも知れません。
◇著者別読書感想(桐野夏生)
◇ ◇ ◇ ◇ ◇
したがって内容はすべてに当たり障りがなく、その企業のことや面接を過大に評価し、上記の「この会社は他社と違い…」という、誉め言葉ばかりの表現ばかりになってしまうわけです。そこのところを間違えなければ、いつ頃、なにを、どうやって、様々な難関をクリアしたのかなどは、右も左もわからない学生にとっては参考になることもあるでしょう。
ところが現実的には、学生がうまく企業側を騙すなんてことは、まず不可能で(できると思っているならそれは単純な思い上がりというもの)、逆に企業側が学生を騙すケースの方がはるかに簡単で多いと言うことを知っておく必要があります。
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