リストラ天国 ~失業・解雇から身を守りましょう~
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誘拐症候群
「失踪症候群」
このシリーズは連続する失踪、誘拐、殺人をそれぞれをテーマにし、その中で現役警視が元警官達を使って被害者や遺族の無念をはらす現代版必殺仕事人シリーズとも言える作品です。
この小説が書かれたのが1998年(文庫版は2001年)ですから、まだインターネットが普及し始めて間がない頃です。この小説の中にもネットには「ダイヤルアップで接続して・・・」というのがあり、時代を感じさせます。
同様に少し古い小説を読んでいると「なぜそこで携帯電話ですぐに連絡しないんだ!」とか「犯人の車がわかっているのだからNシステム(自動車ナンバー自動読取装置)で追跡できるだろ!」とか思った後、「あ、まだこの頃は携帯電話はないのか」とか「Nシステムが普及したのは1990年以降だったっけ」とか思うことがしばしばあります。ちなみにNシステムはオウムのサリン事件(1994年~95年)以降、急速に普及しました。
◇著者別読書感想(貫井徳郎)
◇ ◇ ◇ ◇ ◇
オリンピックの身代金
時は1964年の東京。新幹線、国立競技場、武道館、首都高速道路、代々木体育館などオリンピック景気に沸く中で、東北などの地方から多くの労働者が出稼ぎに来ています。
華やかな東京都の表部分と、地方の電気さえ十分に届かない裏の部分がくっきりと付いてきた時代でもあります。戦争に負けて20年、世界から敗戦国として侮蔑されてきて、ようやく世界から許しを得られた証明がこの東京オリンピックでした。
そのオリンピック開催を間近にして、貧しい地方から出てきたエリート東京大学大学院生が、繁栄のために地方を犠牲にするその象徴であるこの東京オリンピックを妨害しようとします。彼にとってはなんでもよかったハズだけど、目の前に世界中が注目する東京オリンピックを人質にした恐喝を始めます。
長い小説ですが、その前段である東京と地方の格差、日雇い労働者と大手企業や役人との格差、そして1960年の安保運動以来急速に力を付けてきた公安警察と警視庁捜査1課との確執などが盛りだくさんで、途中でダレルこともなく、クライマックスの10月10日の開会式へ向かって突き進んでいきます。
東京オリンピック開催の時は私はまだ小学生で、しかも関西にいたので、その影響(恩恵)はなにもなく、家で家族と一緒に白黒テレビで入場行進を見ていたことぐらいしか印象には残っていません。その後のメダルを取ったバレーボールやマラソンなどは興味はなかったものの、家族がみな大喜びしているのを不思議な思いで見ていたものです。
これはもちろんフィクションで、著者はまだ当時小学生で当時のことを知っていたわけがありませんが、よく1964年の世相をよく調べて書かれています。おそらくいまもっとも余裕のある団塊世代以上の人達が大喜びしそうな小説でしょう。おそらく映画化されるのではないでしょうか。
◇著者別読書感想(奥田英朗)
◇ ◇ ◇ ◇ ◇
ジーン・ワルツ
「チーム・バチスタの栄光
日本では倫理的観点から認められていない代理母ですが、すでに人工授精は普通におこなわれている現状からすると、その延長線上にある代理母は技術的には問題がないところまで来ています。なかなか重いテーマですが、知識のない人でもわかりやすく書かれていて、エンタテーメントとして読むことができます。
海堂尊は歯に衣着せぬ物言いで、医学界のみならず厚労省に対しても批判を続けている方ですが、その中で今年には東大教授に名誉棄損で敗訴しています。しかしいまもまだ意気軒昂で、今後も引き続き楽しみな方です。
本職が医者でありながら小説を書いていたというのは、森鴎外や齋藤茂吉、北杜夫、渡辺淳一、帚木蓬生(敬称略)など過去にも多くいらっしゃいますが、医学という自然科学と、創造力と表現力の文学の両方をものにできるとはまったくすごい才能です。
◇著者別読書感想(海堂尊)
◇ ◇ ◇ ◇ ◇
すごい会社のすごい考え方
2010年時点で「すごい」と思われている会社とその考え方を、各種の関連書籍からその創業者や経営者の自慢話しを抜き出したダイジェスト版っていった本です。20年後にこの本を読んでみたら思わず失笑してしまうことになるのかも知れません。
そのすごい会社というのは「任天堂」「グーグル」「ディズニー」「アップル」「レゴ」「スターバックス」「サムスン」「IKEA」の8社です。グーグルとアップル、スターバックスを除くと歴史ある名門の会社です。
なぜこれらの会社が選ばれたのかはよくわかりませんが、2010年現在好調を維持していたのは間違いないのでしょう。ただ、結果的にうまくいったからその秘密を探ろうというのは、まだ社会を知らない学生や新入社員にはいいのでしょうけれど、十分経験の積んだ社会人にとってはややキツイなぁという感じも。
というのも、会社なんて生き物であり、調子のいいときは社員に対しての恩恵も多く、逆に厳しくなると急に引き締められるというのが一般的です。もしグーグルが落ち目になったときでも、いまと同じ経営方針や社員に対する待遇や採用方針が続くかというとそれはまずないでしょうし、絶好調の企業の考え方と普通の企業では比較の対象にはなりえないのです。
こうしたビジネス本では時代が変わっても変わることのない「コミュニケーション」や「マネジメント」と言うところが鉄板なのでしょうが、それらを遥かに超越したこの種の成功物語と自慢話は、ちょっとどうかなと抵抗を感じてしまいます。どちらかと言えば社会人向けには苦境にある中で、その中にいた人がどうやってそれを凌いだかという話のほうが役立ちそうです。
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自由死刑 (集英社文庫)
主人公は30過ぎの独身男性。わずかばかりの貯金を引き出して、1週間後に自殺をするため、残された日々を(主人公なりに)有意義に過ごそうとしています。その1週間の物語です。
なぜ自殺をするのか?世を儚んでというわけでもなく、ただ思いつきでとしか言いようがない流れですが、毎日平均で80人以上の自殺者(はっきりと自殺と判明しているものだけなので、実態はもっと多いはず)が出ているの、たいした理由がなくとも自殺する人がいても全然不思議ではありません。
島田雅彦氏の小説は過去に読んだことあったかなぁと思って調べてみると、島田一男氏、島田荘司氏の小説は読んでいましたが、島田雅彦氏の小説はこれが初めてでした。
最後はどうなるのか?とドキドキしながら読み進んでいきますが、途中であこがれの元アイドルとの逢瀬や元カノとの出会いなど、退屈することのない濃縮された1週間があっという間に過ぎていきます。最後は、読んでのお楽しみです。
島田氏は今年50歳、多くの小説やエッセイ等を出しておられますが、いまいち書店で見た記憶に残っているものはなく、地味と言えば地味、ツウ好みと言えばそうなのでしょう。
この自由自殺を原作にしてテレビドラマが作られたことがありますが、一気に有名になるためにはやはり著名タレントを使って映画化がされ、大掛かりな本と映画の同時キャンペーンでもおこなわないと厳しいのでしょう。言うは易くで有力なプロデューサーや監督の目にとまらなければなりませんからたいへんです。
◇著者別読書感想(島田雅彦)
◇ ◇ ◇ ◇ ◇
一瞬の風になれ 第一部 -イチニツイテ- (講談社文庫)
一瞬の風になれ 第二部 -ヨウイ- (講談社文庫)
一瞬の風になれ 第三部 -ドン- (講談社文庫)
2007年本屋大賞を受賞したベストセラー本でもあります。先月読んだ三浦しおん氏「風が強く吹いている
大学陸上の目標が箱根駅伝に対して、高校陸上部はインターハイという違いはありますが、この二つの陸上部の小説にはよく似た類似点があり、それは主人公とその主人公があこがれる理想的な最強の仲間と、しのぎを削る強力なライバルがいるということです。
また陸上競技ということで言えばその前年の2006年には堂場瞬一氏のマラソンランナーのドーピングを扱った「標なき道
さて、単行本で3冊に及ぶ長編小説ですが、話のテンポはよく、スラスラと読めていきます。なぜ3冊に分かれているかと言うと結果的にそうなったというのでしょうけど、ちょうど高校3年間を各1年ずつで3年間分という形です。特に最後の第3部のクライマックスではもう手の汗を握るドキドキの連続です。すべてはこの最後に向かって長い長い第一部と第二部、それと第三部の前半があったと言って過言ではありません。
昔のスポ根ドラマのように1年生の時のしごきとかはなく、新人戦レースや夏合宿、夏休み中の自主トレ、それに家族愛や恋愛など、盛りだくさんで飽きさせません。そして1年生、2年生の時に悔しい思いをしたことをバネにして、最後の3年生で目標を達成していくというストーリーは鉄板です。
上手いなぁと思ったのは、女性作家さんでありながら、男子高校生の日常と陸上部という特殊な環境の中のことが詳細に、しかも違和感なく書いてあることです。ただ現実はと言えばもっと汗と泥だらけの不潔が歩いているようなもので、さらに親や兄弟を疎ましく思える年代であり、一方では性欲はもっとギラギラしていてもおかしくはないと思うのですが。
おそらくこの本を推薦するのは多くは女性ではないかなと思います。女性から見た魅力ある理想の男子高校生を描くとこうなるんだろうなぁと思ったりします。
◇著者別読書感想(佐藤多佳子)
◇ ◇ ◇ ◇ ◇
わかりやすく〈伝える〉技術
執筆活動に力を入れたいからと最近ブラウン管では時々しか見かけなくなった池上彰氏ですが、元々はキャスターも務めたNHK記者ということもあり、その頃から身に付けてきた人に「わかりやすく伝える技術」をまとめたものです。
新聞記者とテレビ記者の大きな違いはおそらく新聞記者が書く力(読ませる技術)であるのに対して、テレビ記者は伝える力(表現力)に主眼が置かれます。
それは新聞の場合は、記者が書いた原稿がそのまま活字となり新聞に掲載される(当然編集者の手は入るにしても)のに対し、テレビの場合は、アナウンサーが原稿を読む場合でも、記者が現地から生中継するときでも、主役は映像であり、言葉はサブ的なものとなります。したがって主役の映像を元にしていかにわかりやすく言葉や文字で伝えるかに主眼がおかれるというわけです。
そしてある程度は購読層が限られる新聞に対し、テレビの場合は老若男女様々な相手を対象とします。そこでも必要になってくるのは、どんな相手にもわかりやすく伝える技術でしょう。
ただそのテレビでの経験だけではこの本を読むであろう学生やビジネスマンに応用できる範囲は限られるので、企業や学校の場で、会議やプレゼンテーションに使える有効な技術がいくつか紹介されています。
例えば「プレゼン原稿を作ってから図を描くのではなく、まず自分で図解をしてから原稿を作る」とか「プレゼン画面は大項目を3つだけ描いておき、その詳細は資料には書かず口頭で述べる」「聴衆の予想を裏切ることで引きつける」などなど。
テレビの報道番組ではみのもんた氏のちょい見せプレゼンや間の取り方、久米宏氏の口に出さずともテレビに映ることで意志を表現する手法などを絶賛し、テレビに出るときのお手本となったとベタ褒めです。逆に「政府には早急な対策を望みたいですね」などと言っているキャスターに対しては怒りさえ覚えると、ゴールデンタイムの某報道番組キャスターを名指しこそしていませんが、バッサリと切り捨てているのは痛快です。
◇著者別読書感想(池上彰)
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灰色の嵐 (ハヤカワ・ミステリ文庫)
残り少なくなってきたスペンサーシリーズ36作目は、過去(「悪党
この謎だらけでクールなグレイ・マンの人気は高いのですが、この小説で再び適役となってしまった以上、主人公は死ぬわけにはいかないので結局グレイ・マンが死んでしまうのかとちょっと残念に思いながら読み進めます。
最初に娘の結婚パーティが開かれる島の女主人に護衛を依頼されながら、スペンサーの目の前でその娘が誘拐され、花婿や護衛が殺される事件が勃発し、その主犯がなんと顔見知りのグレイ・マン。そこから二人の闘いが切って落とされます。その後ボストンへ戻ってからは、「なぜグレイ・マンともあろう男がこのような雑な事件を起こしたのか?」「裏で糸を引いているのは誰か?」などを相棒ホークとともに調査を始めます。
しかし「首を突っ込むな」というグレイ・マンの警告に対し、一歩も引くことはないスペンサーをやがてつけ狙う殺し屋が現れたり、グレイ・マンや、パーティが開かれた島の持ち主、その元結婚相手などを調べていくうちに、徐々に謎が明らかとなっていきます。
このあたりは、いつものことですが、「わからない時は、とにかくいろんな人を尋ね歩き、つつき回すと、それを気に入らないと思う奴らがしびれを切らせて尻尾を出す」ということで、その通りになっていきます。
そして、最後の対決のためグレイ・マンがスペンサーの部屋へやってきて語る自身の過去とは、、、う~ん、、、
■スペンサーシリーズに関連した過去記事
スペンサーシリーズの読み方(初級者編)
さらばスペンサー!さらばロバート・B・パーカー
ハードボイルド的男臭さ満点小説
◇著者別読書感想(ロバート・B・パーカー)
◇ ◇ ◇ ◇ ◇
城をとる話 (光文社文庫)
最初読む前、タイトルだけを見て想像していた本の中身は、戦国時代に数々の城が攻められ、そして落城してきましたので、その城をとるための傾向と分析かなと勝手に思ってました。しかしまったくそうではなく、架空の人物がある建築中の城を取ってやろうとする物語です。
解説を読んで知ったのですが、この小説は1965年に日経新聞に連載されたもので、元々は仲のよかった石原裕次郎に、映画にしたいから自分を主人公にした時代劇を書いて欲しいと頼まれたものです。石原裕次郎と時代劇というのも珍しいですね。
映画は小説が連載中に「城取り」というタイトルで舛田利雄監督、石原裕次郎主演で制作され上映されましたが、当時私はまだ7歳なので知るよしもありません。団塊世代以上の人なら観たことあるのかも知れません。
さて内容は、豊臣側と徳川側が日本を二分している1600年頃の会津の北方、豊臣側の上杉景勝と徳川方の伊達政宗が対峙する中で、伊達側が国境に戦闘用の城を築城し始めたことで、上杉側の客分がひとりで城を乗っ取ってみせると豪語します。
途中で味方につけた山賊や巫女、商人などとともに城近くの村に入り、そこの百姓を動かして城を乗っ取ろうとするのですが、伊達方もなかなか強力で、、、とまぁ言うことですが、中盤までののんびりとしたムードが一転して激しい戦闘シーンへと移っていく迫力と、知恵比べなど見どころも満載です。
◇著者別読書感想(司馬遼太郎)
◇ ◇ ◇ ◇ ◇
雷桜 (角川文庫)
私はまだ映画は観ていないのですが、小説よりも岡田将生、蒼井優の二人が主演した2010年の映画が先に有名になった感があります。
内容は時代劇で、身分の違う二人が出会い、そして別れざるを得ない悲恋です。ま、ハーレクイーンやディズニー映画の時代劇版と言いましょうか。
著者の宇江佐真理氏の本は、今回初めて読みましたが、過去には吉川英治文学賞をとった「深川恋物語
「雷桜」のようなやや甘ったるい小説を書かれているので、失礼ながら若い新進作家かなと思っていましたが、50代も半ばになった私よりも8つも年上の方でした。
この小説で出てくるメインの人物はいずれも架空ですが、主人公の父親に当たる十一代将軍徳川家斉は実在し、その息子の中には小説で出てくるのと同様、徳川御三家のひとつ紀州藩へ婿養子として入った人物が確かにいます。このように、実在した人物をうまく使い、小説を創り上げるのは醍醐味でもあり私は大好きです。
◇ ◇ ◇ ◇ ◇
風が強く吹いている (新潮文庫)
この歳になってくると、スポコン青春ドラマは敬遠しがちになってくるので、自ら進んでは読まないであろう、この本は2007年の本屋大賞で3位になった作品ということで買ってみました。
著者の三浦しをん氏は2006年に「まほろ駅前多田便利軒
内容は東京にある私立大学に通う学生達が入居しているオンボロアパートの住人達10名が、主人公のリーダーに引っ張られ、数々の試練を乗り越え陸上競技の名門校と伍して闘い、箱根駅伝の出場キップを手に入れ、220km先のゴールを目指す10カ月間が描かれています。
一般的に陸上競技とは縁がなく、西日本以西で生まれ、その地で育った人にとって箱根駅伝というのは単なる「学生の地方大会」ということで、どうしてそれを昼間からテレビがゆっくり見られる大事なお正月に、朝から昼過ぎまでずっとテレビ生中継されているのか不思議に思うことがあります。
ただこの箱根駅伝、歴史はすごいものがあって、大正9年(1920年)に早稲田大学、慶應義塾大学、明治大学などが参加して開催したのが最初で、途中太平洋戦争時に何度か中止になったことががありましたが、今年(2011年)は第87回というものです。東京六大学野球ですら1925年の開始ですからそれよりも前ということです。
その箱根駅伝のうんちくなどもわかりやすく書かれていて、これを読むと箱根駅伝に興味のなかった人も、「どれ、次は見てみようか」と思うようになります。
私事で申し訳ないのですが、私は短距離走ならクラスでもトップクラスにいる自信があったのですが(短距離リレーなどはいつも選抜メンバー)、長距離走はてんで自信がなく、中・高・大で長距離走があるといつも平均か平均のちょっと下あたりをウロウロしていました。
そういうこともあり、長距離走にはほとんど関心がない私ですが、それでも読み始めると感情移入してしまい、最後はドキドキウルルものです。映画化もされているそうで、機会があったら今度DVDを借りてこようかと思っています。
◇著者別読書感想(三浦しをん)
◇ ◇ ◇ ◇ ◇
ワーキング・ホリデー (文春文庫)
タイトルからはまったく想像できない内容ですが、とてもいい感じの小説でした。坂木司氏は先日デビュー作の「青空の卵
小説やドラマ、映画なんかによく登場する「ものすごくよくできた子供」が登場します。この大人顔負けに知識が豊富で、お手伝いや家事を嫌がらず、そしてかわいげもあるという「よくできた子供」というのは実際にはまずお目にかかることはありませんが、大人、特に子を持つ親からすると理想形の子供ということなのでしょう。
恋愛小説には整った顔の男女が登場するように、親子が主人公になる小説には、必ずと言っていいほど、出来の悪い親と、出来のいい子供のコンビが登場します。もうそれにはヘキヘキしますが、そうでもないと単なるドキュメンタリーチックな悪ガキ、家庭崩壊物語か、それともサザエさんやドラえもんのような風刺的アニメにしかなりようがないのでしょう。
さて、この物語の親子ですが、父親は新宿のホストクラブに勤めるあまり人気のない若きホスト。そこへ突然見知らぬ小学生が尋ねてきて「お父さん」と、、、
昔付き合っていた彼女が別れた後こっそり産んでいたことを知り愕然とするも、ホスト仲間やクラブ経営者の助けもあってホストを辞め、宅配便会社へ転職し、夏休みの間その子供と一緒に生活をすることになります。
あり得ない話とはいえ、いきなり小学生の子を持つことになった父親と、人見知りもしない掃除洗濯料理となんでもござれのよい子との感情の機微などがうまく描かれています。そしてお約束のように夏休みが終わりに近づいてきて、親子が離ればなれになる時が迫ってきます。
無理矢理に話しを盛り上げるでもなく、淡々と親子関係と宅配運送業の仕事が描かれていて好感が持てます。脇役のホスト仲間やホストクラブ経営者、宅配会社の同僚や上司などが魅力たっぷりで、映画化されるときっと面白くなりそうな感じです。
◇著者別読書感想(坂木司)
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550
「おじさん」的思考 (角川文庫)
内田氏のことはTwitterで知り、以前に「街場のメディア論
基本的に内田氏のブログにはほぼ同様のことが書かれていてそれは無料で読めるそうですが、ちゃんと文章のプロの編集者が入り、しかも寝っ転がって読める書籍のほうが私には合っていてお金を出す価値があります。
前半の「正しいおじさん思想」や「老人社会に向けて」あたりについては独特の歯に衣せぬ論説でたいへん面白く読むことができましたが、後半のいきなり、「純文学をもっと読むべし」と説教したかと思うと、最後の70ページは夏目漱石の小説の内田氏独特の解説に終始します。
しかし
『私たちを惹き付ける物語のコアには、ほとんど必ず「それが意味するものの取り消しを求めるシニフィアン」が空虚な中心として運動している。ポウの「盗まれた手紙」における「盗まれた手紙」、狂言の「附子」における「附子」、ヒッチコックの「北北西に進路を取れ」におけるジョージ・カプラン・・・ヒッチコックが「マクガフィン」と名づけたそれらの「物語を起動させる」シニフィアンと同じ機能を「こゝろ』の「先生」は果たしている。』
のような分析と解説をされても、そうそう理解できる人はいそうにもなく、無駄にページを費やしているとしか思えません。私だけかもしれませんが。
この文庫は2002年に単行本として発刊されたもので、中のエッセイは主に20世紀中に書かれたものが多く、もちろん今でも新鮮に読めるのも多いのですが、文庫としては新刊で中身も見ず飛びついてしまいましたが、さすがに10年以上前のエッセイだと思っていたものと違い少々ガックリでした。
◇著者別読書感想(内田樹)
◇ ◇ ◇ ◇ ◇
有頂天家族 (幻冬舎文庫)
少し前に直木賞候補にもなった「夜は短し歩けよ乙女
主人公はなんと京都の森に住むタヌキの一家。その他には人間はもちろん、天狗も出てきます。
そのタヌキの一家は、父親は京都のタヌキ界のリーダーだったものの、数年前に人間に捕まりタヌキ鍋にされてしまいます。
人間へ手引きをしたのが悪役の父親の弟であり、その弟の家族と主人公家族とが次のリーダーを決めるため対決をします。
また一方では大学教授を引退し年をとって飛べなくなってしまった情けない天狗や、その天狗に気に入られ、術を授けられた人間の若い女性と、先ほどの主人公家族などが入り交じりドタバタが繰り広げられます。
ま、私の場合、こういうおとぎ話的設定は正直あまり好きではなく、裏表紙のあらすじを見たらまず買うことはないのですが、2008年の本屋大賞にノミネート(3位)されていたということで、内容も見ず買って読みました。
同氏は京都在住ということもあり、京都を舞台にした小説が多いのですが、最近では万城目学氏も同種の小説を出していて、読んでいるとあれ?どっちの人だったっけ?と一瞬わからなくなるほど作風が似ています。
◇著者別読書感想(森見登美彦)
◇ ◇ ◇ ◇ ◇
人間関係にうんざりしたときに読む本
会社の本棚に置いてあったので、あまり期待もしないで読み始めましたが、これはなかなかいいことが書いてあります。と言っても多くのことではなく、ただひとつ「相性の悪い相手はそう言う人だと決めて承認する」と言うことです。
人間関係や動機付けと言えば、この本にも書かれていましたが、デール・カーネギー著の「人を動かす
しかしこの「人を動かす」や、それに続く「道は開ける
叱咤や罵声、時には皮肉や愚痴を言い、陰口をたたく相手に対して、別に仲良くなる必要はないとキッパリ言っています。またそのようなキツイ相手に期待をするのもやめようと割り切ってます。それらの言葉は人間関係に悩む人にとってものすごく楽にする言葉でしょう。
相手の暴言や皮肉に対して感情的になったり、それと同様なものを返すと、その後延々とそれが続いてしまいます。また相手にわかって欲しい、気がついて欲しいと期待をするから悩んでしまう結果となります。
ではどうするか?
心理学的用語でいうところの「相手を承認すること」だとこの本では書いています。詳しくはぜひ本書をお読みください(笑)
◇ ◇ ◇ ◇ ◇
ミッドウェイの刺客 (文春文庫)
池上司氏は実際の戦史を一部フィクションを加えて小説にする手法をよく使いますが、この小説の主人公(田辺弥八)も実在する人です。
ミッドウェイ海戦は1942年に日米の主力が太平洋上で戦い、日本海軍の主力空母4隻と優秀な搭乗員を多く失い、太平洋戦争の優劣を一気に逆転された闘いですが、米軍側も被弾して曳航される米海軍空母ヨークタウンを失うことになります。
その米空母を撃沈したのは偵察のためにミッドウェイ島近くに送られていた、日本海軍伊168潜水艦の田辺艦長でした。動けなくなった空母には当然のことながら護衛艦数隻が周囲を囲み、警戒をしていますが、新米の艦長でありながら、リーダーシップと独特のアイデアを駆使し命令を実行します。
この頃の潜水艦にはまだシュノーケル装置(潜ったまま空気を取り込んだりディーゼルエンジンを動かし充電する)が装備されてなく、近くに敵がいるところでは浮上することはできず(浮上すれば間違いなくやられる)、米軍の駆逐艦と緊迫の闘いが繰り広げられます。
ミッドウェイ海戦というとどうしても航空母艦同士の闘いというのが話しのメインとなりますが、こうした影になった戦争に陽を当てるのがうまい作家さんです。そう言えば玉木宏が艦長役で主演した映画「真夏のオリオン
◇著者別読書感想(池上司)
◇ ◇ ◇ ◇ ◇
キング&クイーン
「トーキョー・プリズン
この「キング&クイーン」は日本では将棋や碁と比べると愛好家の少ないチェスの世界をテーマにした作品です。私も子供の頃に何度かチェスを覚えようとしたことがありますが、結局は将棋のほうが面白く、兄弟や周囲にも同好とする人が多かったため結局はマスターするには至りませんでした。
しかし世界で見ると当然ながら将棋や碁の愛好者数とは比べものにならないほどに多く(世界で3億人)の愛好家がいるのがチェスです。チェスを主題にした小説や映画なども数多くあります。
そのチェスの元チャンピョンのアメリカ人が、日本で何者から追われて隠れているところを元SP(セキュリティポリス)の女性に救われます。なぜ日本のヤクザに追われるのか?黒幕はいったい誰か?アメリカ大統領との確執の行方は?そして、、、と、最後には私もすっかり騙されたどんでん返しが起きます。ジェフリー・アーチャーや貫井徳郎氏の小説にも最後の最後まですっかり騙されたものがありますが、これはまたお見事です。
この作品でまったくオリジナルな主人公(元SP)が登場しましたが、おそらくこの主人公で今後シリーズ化されるように思います。楽しみでもありますが、それよりも従来のような実在した人物をモチーフにした歴史物小説ももっと読みたいものです。
◇著者別読書感想(柳広司)
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ハッピー・リタイアメント (幻冬舎文庫)
ジェフリー・アーチャーやコナリー、フォーサイスなどと同様、文庫が出てくればなにも考えずにすぐに買ってしまう浅田次郎氏の小説です。タイトルからもわかるように、幸せな定年を迎えようと、これから定年を迎えようとする人には羨ましい限りの話しがいっぱい出てきます。
主人公は役所を早期に肩を叩かれたノンキャリア公務員で、典型的な天下りとして60歳定年までの5年間を過ごすため、戦後まもなくGHQの指導の元で作られた中小企業協会へ入社することになります。
解説で勝間和代氏が書いているとおり、この天下りの仕組みや仕事?の内容はまさに現実そのもので、とにかく5年間なにもしないでジッとしていれば多額の退職金がもらえてハッピーリタイアメントできるという素晴らしきかな人生はと言わんばかりの世界が描かれています。
しかし意外だったのはもう枯れてしまっていると思っていた新顔の二人が実はまだ枯れていない上に、一人は独身、一人は離婚し一家離散した後と言うこともあり、家族のためとかしがらみもなにも持っていないため、本来の仕事にせいを出してしまい、様々なことが起きてしまいます。
いずれにしても中高年者の悲哀が十分に描かれていますが、中でも『どれほど視力に自信があり、どれほど注意力にすぐれていても、けっして自分の目に見えぬ人間が世界にただひとりだけいる。ほかでもない自分自身である。だからたいていの人間は、自分が最も華やいでいた時代の姿を心の鏡にとどめて、誰の目にもそう映っているにちがいないと誤解している。その錯覚に気付いてさえいれば齢なりに尊敬もされ、大人になることも美しく老いることもできるのだが、それはなかなか難しい。』という文章に、ショックを受けない中高年者は少なくないはずです。
特にこの本の主人公のように仕事一筋で生きてきた人にとっては。
あと、小説の中に「つぶれたリーマン(ブラザーズ証券)の(サラ)リーマンが可哀想」という表現が何度か出てきますが、私に言わせれば「リーマンのリーマンは上下を問わず実力以上の高額な報酬を長期間にわたりもらい続けていたわけだからいきなりクビになっても平気の屁」だと思います。なので全然可哀想じゃありません。
もっともつぶれる直前に入社した人は「お気の毒様、あぶく銭をもらい損ねたね」としか言えませんが、正しいリーマンならば新橋の焼鳥屋でサワーをチビチビと飲むのであって、リーマンのリーマンのように六本木ヒルズでワインなどかっくらうのではありません。
◇著者別読書感想(浅田次郎)
◇ ◇ ◇ ◇ ◇
中国人の本音 中華ネット掲示板を読んでみた
近くて遠い国と言われながらも、すでに日本の貿易相手国としては戦後ずっと最大だったアメリカを抜いて一番大きくなった中国ですが、その実態と中国人の本音を正しく理解するには既存のメディアでは難しいのでしょう。
そこで、著者は中国への留学経験を生かし、日中の諸問題を討議できるサイトを運営していて、そこに書かれた両国民の意見や、中国のサイトに書かれたQ&Aサイトなどをピックアップし、この本にまとめました。
ネットに書き込みをする人達ですから、比較的若い年代層が多そうですが、日本の2chなどはかなり年齢層は高くなってきているとも聞きますので、そのあたりは不明です。
内容は「日本のサブカルチャー」「遠い過去になってしまった天安門事件」「中国にもしっかりといる日本のネトウヨ的な人達」「台湾やチベット・ウイグルの問題について」「中国国内のネット規制」などについて、中国人の本音が書かれています。
確かに毎年首相が替わり、長期的な国家戦略が組めず、リーダーシップも発揮できず国際社会においても右往左往している日本と、一党独裁で長期政権が可能、強い国作りにリーダーシップを発揮できる中国の政治と、果たしてもし国同士で競争するとしたらどちらが優れているかというと明らかなような気もします。
別に競争なんかする必要がないというのであれば、優劣をつけることもありませんが、ずっとアジアの盟主だった日本が一番と今でも思い続けている人が多く、中国の躍進には目を背け、様々な問題(事故や民族紛争、人権弾圧など)を過大にとらえ「やっぱり中国は遅れている」と溜飲を下げている人が多そうです。
しかし人口は日本の11倍以上、国土面積は25倍、国内総生産は日本を抜いて世界2位の中国をいつまでも遅れた国として見下しているのはもう完全に時代遅れの唐変木でしょう。
この本を読むと、島国根性の日本人とは大きく違う、広大な大陸国家に住む中国人の壮大な世界観や不満はあるけれど、これだけの大国家を統一し、動かしていくには仕方がないという政治体制への同調とあきらめがよく見て取れます。意外にも中国のネットを使っている人は、日本人以上にリベラルな人が多いのかもしれません。
◇ ◇ ◇ ◇ ◇
木曜組曲 (徳間文庫)
恩田陸さんの小説は大好きで、「黒と茶の幻想
しかしこの作家さんは多作ながら描く対象は広く、作品ごとに違った印象を受けます。
この小説はいかにもアガサ・クリスティをインスパイヤして書かれた風で、密室で亡くなった女流作家の縁者達関係者一同が集まって、謎解きをするというミステリー小説で、2002年には映画化もされています。
閉ざされた家の中で関係者が順番に推理したり告白していくという映画としてはもっとも低予算で製作できるスタイルです。
たいへんよくできた推理小説ですが、ひとつだけ言うと、一般的にミステリー小説の主人公というのは大括りに言うと「作家または編集者」か「刑事」のどちらかと言ってもいいほど頻繁に登場します。
京都では「石を投げると学生か坊主に当たる」と言われますが、ミステリー小説界では「石を投げれば作家か警官に当たる」というのは世間一般から見ると、とても異常な世界に映ります。
それはもちろん恩田陸氏に限ったことではないのですが、作家さんが住む世界では同業者か出版社の編集部がもっとも近しい間柄で、手っ取り早くその人達を主人公にしてしまうのが仕事の中身についてもよくわかっていて楽なのでしょうけど、恩田氏ほどの才覚と幅広い知識があるならば、すぐ身近にいそうな人達を主人公にするような安易な設定は避けてもらいたかったなと思うのが残念なところです。
◇著者別読書感想(恩田陸)
◇ ◇ ◇ ◇ ◇
ドリームガール (ハヤカワ・ミステリ文庫)
昨年死去したロバート・B・パーカーのスペンサーシリーズの小説も未読分が残りあと数冊となってきましたが、大手書店やamazonでも在庫がなくなっているものもあり、たまたま見つけるとすぐに買ってしまいます。
このドリームガールは比較的新しく日本では2007年頃に出版されたもので、ちょうどその頃は他のシリーズが立て続けに文庫で刊行されていて、なぜかこの作品を見逃していました。
ロバート・B・パーカーや主人公スペンサー、あるいはハードボイルド小説については過去何度か書いています。
スペンサーシリーズの読み方(初級者編)
さらばスペンサー!さらばロバート・B・パーカー
今回は過去に2度(「儀式
助っ人にはホークはもちろん、最強のゲイと言われているテディ・サップも応援に駆けつけます。このテディ、名前がサップとつくので、どうしても私のイメージとしてはボブ・サップとなってしまうのですが、こちらは白人の銃使いです。
この小説のヒロインは少女の頃から売春をしていて、現在もその中から抜け出せずにいます。
スペンサーと恋人スーザンとの会話の中で娼婦についての話しとなり、スペンサーは若い頃に兵士として従軍していた時、その休暇を使い仲間達と「巣鴨のホテルに泊まり、娼婦を買い、そして戦地へ戻った。娼婦を買ったのはその時が最後」と語る場面がありますが、過去の話とはいえ恋人に自分が娼婦を買ったことがあるなんて話しをするとはなんともはやです。
そこで、あれ?スペンサーってベトナム(実質的なアメリカ参戦は1965年~1975年)へ行ったことあったっけ?と思いましたが、スペンサーシリーズ第1作目は1973年の発行で、その時既に警察官を経験した上で、探偵に職を変えていましたからちょっと無理があります。
解説を読んでわかったのですが、スペンサーは1950年代の朝鮮戦争へ兵士として行ったことになっていたそうで、このシリーズが大ヒットして、約40年間も続いてしまったものだから、そこのあたりの年代が合わなくなってきたということです。
確かに仮に20歳で朝鮮戦争へ従軍していたとすれば、今は80歳近い年齢となりますから、ちょっとハードボイルドのイメージが崩れてしまいます。小説の中でも「戦地に行った」としか書いてなくぼかした扱いになっています。
小説の中では一切年齢は明かしてきませんでしたが、イメージとしてはスペンサーはシリーズ最初の頃は30代後半、最近のものは40代の半ばという感じがします。理由は、ボストン市警の警部(マーティン・クワーク)にいつもタメ口を聞いているので、さすがに30代ではありえないだろうと。
40年経っても主人公はまったく変わらないか、せいぜい10歳ぐらいしか歳をとらないのは、サザエさんやちびまる子ちゃんを見てもわかるとおりです。
◇著者別読書感想(ロバート・B・パーカー)
※スペンサーシリーズの参考サイト(Clues Are My Game SPENSER with an S)
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おやじの主張(リストラ天国 日記INDEX)
著者別読書感想INDEX
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