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十数年前から手のひらに小さなしこりができてきて、最初はノートパソコンなどを入れた重い鞄を手で持って歩くことが多かったので、そのタコが拡がってきたのかな?ぐらいにしか思っていたところ、最近では10円玉の大きさ大までスクスクと育っていってしまい、今では掌紋(手相)の一部が大きく引っ張られてしまう事態にまで発展してしまいました(下記写真)。

20121022t.jpg
ピンクのラインの部分が盛り上がってしこりがあります
幸い軽く押しても痛みはほとんどないので、気にしなければ済むのですが、自然に治癒するどころかいまなお日々成長しているようなのと、手をついて体重をかけたり、強く押さえたりすると痛むのでちょっと心配になってきました。

まったく40代から50代にかけては次から次へと身体の変調が起きていくものです。60代70代になるとそれらがもっと顕著に表れてくるでしょうから困ったものです。

ネット情報でいろいろ調べてみると、その病変の候補は2つに絞られました。

よく「ネット情報などに頼らず、すぐに医者に診てもらえ」という意見を聞きますが、私はできるだけ医者には関わらないというのが信条で、やむを得ない時だけ病院へ行くようにしています。

それでなくてもこれだけ高齢者ばかりの国で、ちょっとしたことですぐに病院へ行ったのでは、医者も忙しくて満足な診断ができませんし、受診するには、ばい菌や悪い気が充満した狭い待合室で長時間過ごさなければならず、できれば避けたいところです。

さらに2割の負担と言っても、診察料と薬代だってバカになりません。医療費急増による社会保障費の財源不足も、多くの人が安易に医者にかかり、不要不急なクスリや治療まで保険を使ってきたツケでもあるでしょう。

それに日本人は少し医者を信用しすぎ、頼りすぎているように思います。医者の中には勉強家で素晴らしい人ももちろんいますが、単なる金儲け主義に走っている人や、お金を積んで免許を取得したようなやる気のない不勉強な医者だってもちろんいます。

本来自分の身体のことは自分が一番知っていなければならないはずで、医者に頼るのは詳しい検査が必要な場合、外科手術や専門家のアドバイスがどうしても必要だったり、医師処方の特効薬を得るためだったりに限定すべきです。私はそういう主義です。

で、症状や症例からみて可能性の高いのが、

 1)デュピュイトラン拘縮
 2)ガングリオン(結節腫)


どちらも手や関節にできる病気ですが、違いがいくつかあります。

デュピュイトラン拘縮(Dupuytren拘縮)は手掌腱膜にできた小さなしこりが徐々につながり合って太くなり、ひも状になって縮んで硬化します。しこりができても特に痛みはなく、進行すると指の付け根の関節が曲がったまま、伸ばせなくなる病気です。

わかりやすく言えば、手のひら(特に薬指や小指の付け根から下側)にしこりができて硬化する病気で、たぶんこれの可能性が一番高そうです。

原因は不明で、病気にかかりやすい人は中年男性、白人に多く、日本人にも軽症例は少なくないとのこと。さらに糖尿病患者に多い傾向があり、両手に発生することが多いそうです。できやすい場所は薬指や小指で、5本の指すべてにできたり、足の裏にできたりすることもあるそうです。

私の症状に当てはまるのが「中年男性」「薬指や小指の下で両手のひら」です。今のところ糖尿病の症状は各種検査では出ていませんが、症状からすると一番合致しています。

もうひとつ疑いを持ったガングリオン(ganglion cyst、結節腫)は、若い女性に多く見られ、手足などの関節にできる腫瘍で多くは良性、欧米ではしばしば聖書ダコ(bible bump)と呼ばれているそうです。

デュピュイトラン拘縮よりもずっと覚えやすい病名なのでこっちのほうがよかったのですが、可能性は低そうです。

症状として典型的なものは手の甲に生じ、手関節の関節包に繋がっています。その他にできやすい場所としては、手首の手のひら側や指の付け根の腱鞘のあるところだそうです。

「指の付け根の腱鞘のあるところ」に引っかかりましたが、しこりは関節ではなく手のひらなので、こちらはちょっと違うかな。

デュピュイトラン拘縮の治療法は、通常は軽症のまま推移するそうですが、指が曲がってしまうなど日常生活に支障をきたすようになると、皮膚の突っ張りをとる手術(腱膜切除)を行い、手術後は、数週間リハビリや装具療法などの後療法が必要です。

手術の適応は手掌を机につけられるかどうかを試し、浮いてぴったり着かなくなった頃だそうです。第2関節が曲がってきた場合には、早めに手術が必要になります。

まだ今のところは手のひら(手掌)を机にぴったりとくっつけることが可能で、引っ張られて第二関節が曲がるというところまで至っていないので、しばらくは様子見するしかありません。

ガングリオンの場合だと、痛む場合には注射器で中のゼリー状の粘液を吸引するか、手術で切除をするらしいのですが、再発する可能性が高く、その都度吸引か手術を行わなければならないそうです。

どちらも治療するとなるとそれなりにやっかいです。

いずれにしても、日々の投薬や習慣、食事制限などで改善できるような病気ではなさそうなので、病院へ検査に行ったところで、特効薬のようなものはないので、結果「様子見」しかあり得ず、今のところはずっとこの病気とつきあっていくしかなさそうです。

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認知症高齢者、305万人=予想上回る増加―厚労省推計(時事通信)
厚生労働省は24日、2012年の認知症高齢者が推計で305万人に上ると発表した。65歳以上人口の約10%を占める。従来の予想を上回るペースの増加で、20年には400万人を超える見通しだ。
10年9月の要介護認定に関するデータを基に推計し直した結果、10年ですでに280万人と予想の1.35倍となっていたことが判明。15年で345万人、20年で410万人、25年で470万人に達するという。

65歳以上で10%、10人に一人がかかると言うことは、大ざっぱに言うと高齢者がいる世帯の5世帯に1世帯は認知症患者を抱えているということになります。

これがさらに13年後の2025年には65歳以上の高齢者人口3635万人のうち470万人(13%)が認知症にかかると想定され、減少していく日本の総人口(1億1900万人)の約4%に相当します。

なお罹患者の9割は65歳以上ということです。なぜ認知症罹患率が高くなるかというのは単に現在65歳前後に達した団塊世代が13年後には70代後半に達し、より罹りやすくなるからです。

これだけ罹患者が多くなるともう国民病と言えるのかもしれません。

しかもこの病気は、完全看護が必要な寝たきりの患者もいれば、誰かが24時間ずっと監視をしていないと、徘徊してしまう恐れがある患者までいます。それを考えると認知症患者を抱えた家族や、介護者はたいへんです。

特に家族に認知症患者があると、老夫婦二人きりの場合は体力的に厳しい老老介護、同居の子供がいれば、その子供は多くの場合24時間介護のため働くことができず、親の年金だけが頼りということになってしまいます。

親が死亡したあと、40歳を過ぎてから再び働きに出ようとしてもこのご時世ではそう簡単には職にありつけず、結局は生活保護など貧困生活に入ってしまうということも懸念されます。

あと子供が未婚であれば、認知症の親を抱えていてはまず結婚もできないという状態です。

誤解を恐れずに言うと、認知症は現在の医療技術では治療して完治する病気ではないので、一度発症してしまうと、あとは悪くなっていく一方です。またそれ自体が死に直結する致命傷ではないので案外長生きします。

そして本人にまもともな状況判断ができないので、延命治療を断っての尊厳死は期待できず、結局はたいへん長期にわたっての療養と介護が必要になります。

その点が癌のようにある程度の余命(=介護期間)がわかる病気と大きく違うところです。

一般的な症状は「幻覚・妄想、徘徊、異常な食行動(異食症)、睡眠障害、抑うつ、不安・焦燥、暴言・暴力(蹴る、叩く、噛み付く、暴れる)、性的羞恥心の低下(異性に対する卑猥な発言の頻出など)、時間感覚の失調、など。(Wikipedia)」です。

体力のある男性が発症した場合、家族や介護者に暴力をふるうこともあり、また男女問わずお世話をしてもらいながら家族や介護者に暴言や悪態をつき、肉体的、精神的な大きな危険と負担を負うことになります。

すでにあちこちで老老介護で疲れた夫婦が相手を殺したり心中が起きたりしています。そのような悲劇が今後少しでも減るように、国の社会保障サービスにおいて予防するとともに、治療法や特効薬、抑制薬の開発、承認を急いでもらいたいものです。

またそれと同時に、心のケアというか心理学的なアプローチで介護の負担を少しでも減らせるような対処法も開発して欲しいものです。

いずれ、この日本で起きることは、高齢化が進む中国やその他の国でも起きることです。国や自治体任せではなく、日本の企業にとっては絶好のビジネスチャンスでもあり、医療技術については将来の日本の基幹産業として育っていく可能性もあります。

日本がいま投資をおこなわないといけないのは、農村部への補助金でもなければ、輸出企業への補助金でもなく、また新幹線や高速道路など公共事業でもありません。

今後国内では少なくとも30~40年間は高齢化し、日本以外でも多くの国でやはり同じ道を歩むことになります。いまこそ国は先端企業と連携し、総力を挙げて老人医療、老人ケア、高度医療システムを本気で取り組みべきではないでしょうか。

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644
(注)以下の文章はうつ病に罹った人やその関係者に対し偏見や差別、非難を与えるものではなく、私の個人的な体験から意見や感想を述べているに過ぎません。もしうつ病の方やその関係者の方で気に障る表現や言葉があればご指摘いただければ削除または修正します。

うつ病に現在罹っている人(有病者)はおよそ100人に1~2人、生涯のうちにうつに罹る可能性がある生涯有病率は3~16%と言われていますので(wikipedia)、職場や友人など身の回りにそういう人が数名いたとしても不思議ではありません。

うつ病は十数年前まではまだあまりよく知られていなかったこともあり、「怠け病」とか、朝起きられず連絡も来ないので「眠り病」とかひどいことを言われてきたこともあります。30年ほど前に私の部下がこれに罹り「遅刻が多い」「前夜は元気だったのに翌日いきなり欠勤する」「妙に明るい時と落ち込む時の落差が激しい」と、当時はこうしたうつ独特の症状について知らなかったので、ずいぶんと叱ったり励ましたりと余計なことをしてしまったものです。

今ではある程度その病気が認知され、その対処法なども書かれていたりしますが、現実にはなかなか思うようにはいかず、それが逆に周囲が変に気を遣うこととなり、ギグシャクした関係になってしまいそうです。

まずは発症しそうな人とのつき合い方が難しいです。本人は一生懸命普段通りやっていると思っていても、周囲はなにかおかしいと気がつきます。

自分から「どうもおかしいので病院へ行ってくる」と言ってくれれば解決が早いのですが、実際のところなかなかそうはなりません。しかしたいして親しくしていない同じ職場の人が「最近ちょっと変だから病院へ行きなさい」とは言えません。それは本人のプライドをひどく傷つけるように思え、また大きなお世話と思われてしまうからです。仕事上のライバル関係であればなおさらのことです。

一番いいのは家族や友人など、より身近で利害関係のない人がアドバイスをしてあげて、本人から治療に行こうと思わない限り、そのまま放置しておくと、少し改善してまた悪くなっての繰り返しをすることになります。

同じ職場にいるけれど、それほど親しくはない、でも仕事の上で重要なやりとりや関係があり、このまま放置しておいては仕事に支障が出そうと思った場合、共通する上長がいればその上長に相談するしか方法はないでしょう。直接言うのはどうも躊躇われます。

次に復帰後のことです。通常うつ症状が激しくなると治療のため会社を長期間休職し、心療内科など病院へ行き治療をおこないます。そして数ヶ月後に職場に復帰します。復帰を果たしてもまだ直後の段階では完治したとは言えないことが多く、引き続き通院して治療やカウンセリングを続けながら勤務をするというケースが多いでしょう。

そういう人が上司であれ部下であれ、同じ職場にいると周囲はどうしても気を遣います。いい人ほど「もし今度再発したら自分の責任だ」と思い悩む人も出てきそうです。

うつの原因が、職場や上司にあった場合は、職場や業務など環境を変えれば一気に改善することもありますが、大企業でない限り、そうそう職場や仕事をガラッと変えるのは難しく、結局復帰後も以前と同じか似た仕事をすることになります。

そして一度そうした長期病欠をしてしまうと、どうしても周囲には「またぶり返して急に休むかも」という不安がつきまとい、重要な仕事や期限のある仕事、気苦労が多い仕事は頼みにくかったりして、職場の人間関係がギグシャクしてしまいます。健康な人に病気の人の気持ちはなかなかわからないものです。

「うつなんて風邪と同じで誰でも罹るもの」と言う人もいますが、風邪のように長くても数日ですっかりよくなるものとは違い、数ヶ月から数年と長期間にわたりケアしていかねばならないことは大きく違います。そのように完治まで先が見えないことや、熱や咳の具合でわかる風邪と違って周囲にはその改善状況がわからないというのも不安な一面です。

実際うつ病治療中の人が職場で隣席にやってきた場合、どのような声をかけられるでしょうか?

「頑張れ」「元気そうだ」「しっかりしろ」などは、うつ患者にとって禁句とされていることぐらいは常識としても、他に気軽にかけられる言葉ってなかなか思いつきません。「今夜飲みに行かない?」とかも通常は医者からも止められているでしょうし、もし飲みに行ったとしても今度は話題に気を遣って大変です。

少し調べると「最近調子はどう?」とか「焦るなよ」「なるようになるさ」とかはいいみたいです。でも同じ職場というだけで個人的に親しくない場合、結局は仕事上の必要最低限の会話しかできなくて、それが相手に疎外感を与えてしまわないかを心配します。

上司、部下、同僚など親しさのレベルと、管理責任のケースバイケースだとは思うのですが、実際に職場でうつ病の人と一緒になった場合、こちらからはなにもできないのが実際のところではないでしょうか。

最近では「新型うつ」と呼ばれている「仕事中は暗く落ち込むが、プライベートで好きなことをやっていると明るく元気」というような非定型うつというのも流行しているそうで、本当にそのまま同じ仕事を続けていて病気が改善するのか?とも思えてきます。

いずれにしても一度罹ると約5割の患者が再発するうつ病ですから、気長に見ていくしかないのでしょう。少し学んでおくために、映画「私のツレがうつになりまして」も今度レンタルで借りてこなくっちゃ。

うつ関連の記事やブログを読んでいて、こんな記事を見つけました。強い人ですねぇ。

「オレは今、鬱病で長期休暇中だけどすぐに元のパフォーマンスで復帰してやるよ」
けれど、鬱病。こんな病名までオープンにするおバカは他にいないと思うのだけれど、復帰すれば「どうしたの?」「何があったの?」心配や好奇心に晒されること請け合いであるし「これでマサバヤシ失脚。むふふ。」なんて思う方も一部いらっしゃるので「このやろう、俺は別に終わりじゃねーよ」と、宣言するためにも現在の心持ちなどを、オープン或いはシェアしちまえ、って考えたのである。

「うつ病からの復帰プロセスの第一歩は「通勤訓練」」
この通勤訓練。何かというと「通勤時間に会社へ向かい、終業時間に帰宅する」というもの。この単純な訓練が実は過酷、苛烈極まりないものなのであります。
 (1) 通勤時間に起床し、会社へ向かう
 (2) 会社の前に着いたら、職場によらずに図書館へ向かい時を過ごす
 (3) 終業時刻になったら、帰宅する
 (4) (1)から(3)を2週間に渡り実施する

こういう訓練をすることもあるのですね。いや驚きました。朝会社へ行くという習慣をつけるという意味なのでしょうけど、会社には寄らず図書館へ行くというのは凄いです。

しかしいくら本好きでも2週間毎日、朝から晩まで図書館で過ごすというのは、これは働き蜂のような生活をおくってきた普通のビジネスパーソンにとっては拷問に近いような気もします。自宅ならば動きやすい身軽な格好で、寝転がったり、お茶やお菓子を自由に飲んだり食べたり、他人の目を気にせずだらしない姿勢でもいられますが、図書館ではそういうことはできません。

しかも学生でもなさそうな、いい大人が昼間から毎日図書館へ来ているとそりゃ周囲の目が気になります。人からは仕事もしないでなにしているのだろうとか、怪しい人と思われているかなぁとか。私なんかそれだけで憂鬱な気分になってしまいそうです。

それはさておき、この方はすでに同じ職場に復帰されていますが、これぐらい自分の病気を理解していて、しかも明るい自信家?だと、周りもそれほど気を遣わずに、病気になる前と同じようにガンガンやり合えて楽かも知れませんね。それでうつが本当に完治するかどうかは別として。

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602
2001年頃から徐々に痛みはじめ、ここ数ヶ月は右足と股関節の痛みがあまりにも酷いので、変形性股関節症(および股関節唇損傷)だという自覚はあるものの、一応X線かMRIでキチンと症状を把握しておくために4月に整形外科病院へ行きました。

なぜいままで病院へ行かなかったかと言うと、

(1)2004年に整形外科へ行きX線を撮りながら「どこも異常はないので筋肉痛でしょう」と診断され、整形外科医が信用できなくなった
(2)自覚症状と書籍やネットの情報にて自分の症状が概ね理解できている
(3)「変形性股関節症」という事実がわかっても治療するには手術しか方法はなく、そのために1ヶ月も仕事を休めないから対応できない

からです。

このうち(3)ですが、この変形性股関節症の初期または進行期だと

A)保存療法
B)骨切り手術
C)人工股関節置き換え手術

の治療法がありますが、A)保存療法はこれ以上悪くならないよう進行を抑えるためのもので、治療や快復するためのものではありません。

そしてB)C)の手術は初期症状でも1ヶ月近くの入院とリハビリ期間が必要となります。現状痛くて我慢ができなかったり、ほとんど歩けなくなれば仕方ないですが、普通のサラリーマンではその選択は現実的に難しいでしょう。

つまり私の場合、治療するため手術を受けるなら仕事を長期間休職する覚悟が必要となりますが、現状では痛みを我慢すれば歩けないことはないので、手術を受けるという選択肢はありません。

そんなわけで、あえて診察を受けて「変形性股関節症」と判明したところで、その治療が容易にできないのなら、意味がないと考えていました。

自覚症状は2003年頃から日記に何度か書いていますが、そのうち割と最近の日記です。

424 股関節唇損傷? 2010/8/28(土)
433 股関節唇損傷についての続編 2010/10/1(金)
589 股関節痛の時に読む本 2012/3/20(火)

一般的に変形性股関節症は一次性(加齢によるものや、長い間重量物を持ち上げて足への負担が大きな職業など)と二次性(遺伝性のものや臼蓋形成不全、発育性股関節形成不全等)があり、日本人の場合は9割が二次性変形性股関節症に該当するそうで、しかも患者の多くは女性とのことです。

私の場合は比較的男性では珍しい二次性なのか、欧米の男性に多いと言われている一次性なのか、原因はハッキリしません。

思えば一次性を疑う理由がふたつ、二次性を疑う理由がひとつあります。もし遺伝性のものだとすると、自分の子供達にも発症する可能性が残るので、そうでないことを願うばかりです。

整形外科を選ぶ際、股関節外科など股関節の専門科のあるところや、スポーツ整形外科があるところが望ましいと思って調べてみたのですが、残念ながら家の近くにはなく、遠隔地にある病院だと、それでなくても歩くのがつらいので何度も通院するのは困難です。

今回は実質的に最初の検査と言う割り切りで、近所のMRI診断装置がある整形外科(個人病院)へ行くことにしました。

初診なのでまず受付で問診票に症状等を記入します。問診票の空いたところに「自覚症状は変形股関節症だと思う」と書いておき、8年前にリウマチかなと思って受けた血液の精密検査や、直近3年間の人間ドック(35歳以上健康診断)検査データなども参考までに添付しておきました。

しかしこういうところでは例え自覚症状を訴える本人からのものであっても、素人の言うことはまったく信用してもらえません。

長く待った後、忙しそうな医師の診断の前にベテラン風の看護師?の問診を受けます。その(女性)看護師さんも変形性股関節症を患っているとのことでしたが、私が説明する症状を聞いて「それは変形性股関節症ではなく腰の病気でしょう」と勝手に決めつけてくれます。

私の説明が悪いのかも知れませんが、正直に過去からの症状を説明をしたつもりです。

その後整形外科医の診察(同じことを繰り返しての問診と触診、足の可動範囲の確認など)を受けましたが、やはり「股関節ではなく腰が悪いんじゃないかな?」とのこと。

正直言って腰はすごく丈夫でいままで一度も腰が痛いとか違和感を感じたことはなく、それを伝えた上で「いろいろと文献や経験者の情報を調べると私の症状はたぶん変形性股関節症です」と私も譲りません。

「それでは股関節と腰椎のレントゲンを撮ってみましょう」ということになり、私もそれが第一の目的で来たわけで、さらに言えばX線だけではなくMRIも撮って細かく検査して欲しかったのですが、長く待たされて閉院時間が迫ってきたこともあり、それは言い出せませんでした。

あとで医師から言い訳気味に言われましたが、「右足全体がしびれる感じがする」と言ったことにより「腰が悪い」と決めつけられたようです。

でも実際に股関節付近だけでなく右足全体がしびれて時にはしばらく感覚がなくなってしまうようなこともあり、それを伝えたつもりだったのですが。

X線撮影をおこない再度診察室へ。股関節の写真を見ながら「明らかに変形性股関節症ですね」と医者。

私も書籍やネットで変形性股関節症のX線写真をいくつも見てきましたが、まったく想像通りの酷い状態でした。同時撮影した腰椎のほうは加齢による多少の変形と思われるもの以外特に悪くはありませんでした。「私の最初の見立てが違っていましたね」と医師も認めてくれました。

写真 正常な股関節のX線写真
20120414_00.jpg

写真 私の股関節(写真左側が悪い側の右股関節)
20120414_01s.jpg

ほぼ正常に近い左側の股関節(写真右)と比べると関節(軟骨部分)が真っ白になっていて、臼蓋(大腿骨の受け皿になる屋根の部分)と大腿骨頭(頭頂部の丸くなっているとこと)の隙間がほとんどありません。

またCE角(Center-Edge Angle:大腿骨頭を臼蓋がどれぐらい覆っているかがわかる角度)が正常の場合は25°以上あるべきところ、15°しかありませんでした(左側のCE角は35°で正常)。

上記の写真はX線写真のモニター画像を医師に断ってデジカメで撮影したものなので、あまり鮮明ではありません。

実際にはハッキリと左右の股関節の違いがわかります。さらに股関節唇も正常な左側(写真右)と比べると、異常な右側(写真左)はほとんどつぶれたようになっています。

なお右と左の股関節の中間部分をザックリとカットしている(本来は1枚の写真)のは諸般の事情からです(笑)。
いや、しかしレントゲン写真は精巧なのでハッキリクッキリと恥ずかしい部分も写るものです。


このX線写真から医者は「54才だと人工関節への置き換え術はまだ早いので(人工股関節の寿命は約20年間で60才以上の患者に勧める場合が多い)、保存療法(温存療法)で様子をみることにしましょう」と想定通りの回答でした。

医師からの保存療法のアドバイスとしては、

1)減量(股関節に負担を少しでも減らすため)
2)筋トレ(中殿筋を中心に鍛え、股関節に負担をかけないようにする)
3)杖の利用

でした。洋式トイレやベッドなどを使い股関節に負担の少ない洋式にするというのは当然のことです。

つまりわかりやすく言えば「現状で症状を改善させられる治療法はない」ということです。

それにこの変形性股関節症は将来的にさらに悪化することはあっても、よくなることはありません。つまり不治の病と言えます。

診察の後、別のリハビリのトレーナーに、股関節の近くにある中殿筋(中臀筋)を鍛えるため、自宅でおこなえる筋トレの方法を教わりました。

さらにリハビリ用の磁気加振式温熱治療器ネオマグトロン(NEO MAGTRON)を装着し、患部を15分間温めながら磁気と低周波振動を与えて終わりです。

20120414_03.jpg

今回の診察と検査(X線撮影)は全部で2時間半ぐらいかかりましたが、そのうち待ち時間が約8~9割です。

まったくTime is Moneyの現代において病院(整形外科や内科、耳鼻咽喉科など)ほど時間を無駄にするサービスはありません。わかっていたので文庫本を持ち込み退屈はしませんでしたが。

救急患者は仕方ないとしても、通常の通院ならば最近の歯医者のように予約時間をお互い決めるとかすればいいだけなのに、なぜそんな簡単なことができないのでしょうかね。

もし感染症の患者がいる場合、病院は病気を治すところではなく何時間も狭い待合室で同席すれば病気をもらう一番危険な場所となってしまいます。それって身体が弱っている高齢者にとっては自殺行為に近いでしょう。

あと薬は別に欲しくはなかったのですが、内服薬として非ステロイド系消炎・鎮痛剤と胃粘膜を保護・修復剤、痛むときに貼る湿布薬として非ステロイド系鎮痛消炎剤の3種類が二週間分処方されていました。

痛み止めのため薬を服用したり湿布を貼るのは好きではないので、どうしようかと考えましたが、保険適用の処方薬は安い(3割のみ自己負担)ので、内服薬はともかく湿布は膝の関節痛の時など他でも使えるし、もらっておいても損はないでしょう。

帰ってから気がついたのですが、次回いつ頃通院するかといった話はまったくなく、医師としても定期的に通院されてもなにかができるわけではなく、患者に任せるってところなのでしょう。

※2016年人工股関節置換手術をおこないました

変形性股関節症の人工股関節全置換手術(1)初診編
変形性股関節症の人工股関節全置換手術(2)手術前検査編
変形性股関節症の人工股関節全置換手術(3)入院手術編
変形性股関節症の人工股関節全置換手術(4)リハビリ、退院編



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2000年ぐらいに通勤のため毎日歩いているとどうも右足全体に違和感を感じるようになり、母親が長く煩っていたリウマチを疑いリウマチ科のあるクリニックや、別の整形外科にも行ってみましたが原因がわからず、民間療法のカイロプラクティックへもしばらく通いました。

しかしそれが股関節の異常からくるものだと見当がついたのが割と最近2~3年ぐらい前のことです

今ではその症状がかなり進行してしまっているようで、安静に寝ていても痛むときがあり、階段はもちろん、歩行にも大いに支障がでてきました。

その痛みは様々な文献やネット情報を調べると、変形股関節症かその一部でもある股関節唇損傷か臼蓋形成不全など股関節から来ているものと特定できます。

もう一度整形外科に行って今度はちゃんと股関節を中心に(前回病院へ行ったときは股関節というのがハッキリとわからず右足全体が痛むということで診察を受けた)レントゲンやMRIを受けてみようと思っています。検査したからどうかなるってものではないのですけれどもね。

書籍によると、私の50歳代の年齢が、関節の表面を削って平らにし痛みを発する軟骨の破片等を取り除く関節鏡(内視鏡)手術か、やや大掛かりな人工関節に置き換える手術のギリギリの境目らしく、できれば比較的簡易な関節鏡手術までに収めたく、それには少しでも骨がまだ丈夫なうちに治療を受けたほうがよさそうなのです。

保存手術ならば、うまくいって入院期間がリハビリ期間もいれて2週間から3週間、人工関節手術だと入院だけで1カ月※、完全復帰までには2カ月ぐらいはかかりそうで※、どこかで思い切らないといけないかもしれません。ただ私を含め一般的な勤め人の場合、なかなか1~2カ月間休むなんてできないんですよね。
 ※ネットで調べると入院期間にはかなりの幅とひらきがあり個々の症状によって大きく変わると思われます

さて、そのように股関節を痛めてできなくなったことと言えば、

・しゃがんだり立ち上がったりを繰り返す作業→少し続けるとそのあと数時間動けなくなる
・階段の一段飛ばしや駆け足→痛い側の足で長く体重を支えられない
・座敷などに長時間座ること→元々身体が固く苦手ではあったが
・靴下やズボンをはくのがかなり困難に→痛い側の足がうまく曲がらない
・足の爪切り→痛む右足の爪まで両手が届かなくなってきた
・和式トイレ→股関節が悪い人はまず無理。出先で和式しかないと我慢せざるを得ない
・早足や小走り→横断歩道を通行中、信号が変わりそうでも急に走れない
・10kg以上の重たいものを持つこと→体重をもっと減らせという意見も
・電車の中でなにもつかまらず立つこと→揺れたり押されたとき踏ん張りきれない
・ジッと長く立ったままでいること
・書店での立ち読み→そのせいで書店でブラブラすることが減った
・スポーツ全般→ゴルフ、テニス、スキー、ボーリングなどができない

今のところできること

・自転車・バイク→ただし停まるとき右足をつかないよう細心の注意が必要
・自動車の運転→乗り降りするときだけ苦労するがあとは問題なし
・ゆっくりした散歩程度の歩行→調子の悪いときは右足をひきずり、もっと悪いときは片足で歩く
・上半身のストレッチ、腹筋運動、腕立て伏せ

自宅は以前から洋風(リビングはソファ、寝室はベッド、トイレは洋式)なので、普段の生活はそれほど不自由していなかったということもあり、股関節通を10年以上放置してきたことが、進行に輪をかけてしまったとも言えます。

もっと早くに治療を始めていれば、手術ではなく保存療法と言って日常生活指導、理学療法、薬物治療などにより関節への負担を軽減しながら筋力をつけていくという方法で対処ができたかも知れません。

最終的には手術でもなんでもして、再びゴルフやテニス、山登りなどをやりたいなぁと、元気だったら本当にいまそれやってるの?と聞かれそうですが、ない物ねだりをする日々です。


※2016年人工股関節置換手術をおこないました

変形性股関節症の人工股関節全置換手術(1)初診編
変形性股関節症の人工股関節全置換手術(2)手術前検査編
変形性股関節症の人工股関節全置換手術(3)入院手術編
変形性股関節症の人工股関節全置換手術(4)リハビリ、退院編

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紆余曲折の人生を歩む、しがないオヤヂです。
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