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先日下記の「環境問題とEVシフト」に関する記事を読みながら、考えたことをちょっとだけ。
「火力発電頼み」の国でのEV化は意味なし!クルマの電動化を「有意義」にする手段とは(WEB CARTOP)
気候変動対策として人類の活動によるCO2排出量を減らすことがマストなのであれば、クルマを電動化することは筋がいい。ただし、そのためには発電のエネルギーミックスも同時に改善していく必要がある。火力発電で電気自動車を走らせるというのは、はっきりいってCO2排出量の低減効果はないに等しい、ケースによって増えてしまうこともある。 |
普及進まぬEV 海外に遅れ、課題多く―需要喚起へ新型車(時事通信社)
20年の国内EV販売台数は、日産「リーフ」を中心に1万5000台弱。新車販売に占める割合は1%未満で、欧州(ドイツで約7%)や中国(約5%)に比べて低い。自動車大手関係者からは「日本にはEVが普及する土壌が育っていない」との声も聞かれる。 |
日本でも2035年以降は、ガソリン車(ハイブリッド除く)の販売を禁止するという話しが政府近くから漏れ伝えてきましたが、先進国や環境問題に熱心な国の潮流は、すでにそういう方向で進んでいます。
上のCARTOPの記事の主題は、「クルマのEVシフトだけでは環境問題(CO2削減)の解決にはならない」ということですが、日本製のクルマのEV化を急ぐには、同時に発電方法でもCO2を減らす環境問題があるというのはある意味興味深い考察なのですが、経済的な観点からはそれは後回しでも良いような気がします。
下の時事通信の記事は耳タコの「世界から日本は遅れている!」という危機感をあおるだけで内容のない薄っぺらな記事ですが、その理由を「土壌が育っていない」という安易に国策の無策と環境問題に疎いユーザーの責任に転嫁せず、もう少し掘り下げて欲しいものです。
例えば、EVの弱点でもある充電するインフラ不足が普及の妨げと言われていますが、自動車工業会が大手コンビニと全国の店舗にある駐車場に充電設備を作るという提携をすれば一気に解決する問題で、「土壌」というのは、EVに積極的ではないメーカーと、ユーザーの損得意識の問題にしか思えません。
いえ、私個人的には、ガソリン車大好き派で、残りおそらく10数年のドライバー生活では、ガソリン車に乗り続けたいと思っていて、EVにはなーんの興味もありません。
日本のユーザーの多くは、環境問題よりも、「気持ちよく、維持費が安く、便利に、安全で、お買い得な価格で買える」ことが重要で、ガソリンかEVかの区別、環境問題の解決でEVを買うというSDGsに熱心な人は多くはないでしょう。
しかし、日本の車メーカーがいますぐ考えないといけないのは、上記の記事のような環境問題に逆行するEVシフト問題提起ではなく、商品(=クルマ)を売っている先、相手国の環境対策、政策にほかなりません。
日本のクルマメーカーが国内需要で販売している台数と、輸出や現地生産して他国で販売している台数はかなり前から国外での販売台数が上回っていますが、2019年の自動車の国内生産台数、輸出台数、海外生産台数は下記の通りです。
自動車の国内生産・販売・輸出台数と海外生産台数(2019年) | |
国内生産台数 | 968万台 |
国内販売台数 | 520万台 |
輸出台数 | 482万台 |
海外生産台数 | 1,885万台 |
日本メーカーの海外販売台数 | 2,367万台 |
海外分/国内分 | 4.55 |
このデータを見ると、日本メーカーは、国内販売より海外で販売(海外生産分を含む)する台数が4.6倍多いことがわかります。
しかも国内販売台数の4割近くは、国内専用の軽自動車ですから、日本メーカーは、国内専用車以外は国内向けではなく、海外向けのクルマを作ることが真っ先に求められています。海外生産のクルマは言うまでもなく当然です。
つまり日本の自動車メーカーは、国内の環境問題や、需要のためにクルマを作るのではなく、2030年までにガソリン車の販売を禁止する英国や、2035年までにEVしか売れなくなるカナダやアメリカのカルフォルニア州、中国など、少なくとも輸出や海外生産分はEV車や燃料電池車にせざるを得ないわけです。
しかもここで言うEVは日本メーカーお得意のガソリンエンジンとのハイブリッド(HV)は含まれず、純EV車のことです。
なので、日本の基幹産業である自動車産業の経済問題であって、この記事にあるように、EV製造時や運用時のCO2に問題ありという指摘はちょっとズレている気がします。
いずれにしても、1980年代に、世界一厳しいクルマの公害規制を課してそれを見事にクリアした日本車ですから、中途半端なハイブリッド車に長く固執してきたために、世界からは半周以上遅れているとは言え、並み居る強豪をアッと言わせるEVや燃料電池技術で再び世界の頂点を目指してもらいたいものです。
そのためには、自動車メーカー以外に、歴史ある日本のバッテリーメーカーのエポックメーキングな奮闘に期待したいものです。無理かな、、、
【関連リンク】
1459 マイペースな運転は身を滅ぼす
1284 今はもうないクルマの部品や用品
1247 若者のクルマ離れ論にひとこと
1241 自動車のリサイクルと部品共通化 前編
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