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仕事をリタイアしてからビジネスダイアリー(手帳)を持つことがなくなってしまいました。

別にGoogleカレンダーがあればそれでいいんじゃない?ということですが、昭和の人間としては、手書きで、ちょっと気になったことや感じたことをメモしておける紙のダイアリーが好きでした。

引退後も持とうかと思いましたが、仕事をしているときから比べると、会議の予定とメモとか取引先との商談メモなどは当然なく、書き込みがおそらく1/10以下になってしまいそうと思って今は使っていません。

Googleカレンダーはリマインドや予定時間通知などが便利なので、現役時代からずっと使い続けていますが、それも今は中身がスカスカで、散髪の予約とか、大型ゴミ(月2回)の予定日とか、生活費の振り込みリマインド、家族の誕生日などに限られ、あまり使っていると言えません。

思えば、42年間ほどの現役生活を送ってきたので、40冊以上のダイヤリーを使ってきたことになります。

新入社員の頃は、スケジュールは小型の手帳、その他メモは会社に置いてあった普通の罫線が引かれたノートと併用して使っていましたが、いろいろと覚えないといけないこと、会議メモなど書いておくことが多く、手帳とノートに別れてとっちらかるので、2年目以降は大きめのダイアリーを使うようにしてきました。

過去、一番多く使ってきたのがオーソドックスなB5かA5サイズの能率ダイアリーで、自由に書ける白紙ページが全体の半分以上を占めるダイアリーです。

一時期には、ファイロファックス(filofax)のシステム手帳がやたら流行ったときがあり、それを持っているだけで「デキるビジネスマン」風の演出ができましたが、その手には乗らず(流行にはのらず)、地道に実用一点張りなビジネスダイアリーを買い続けました。

実際には毎年12月に入ると、書店の中にビジネスダイアリーのコーナーが作られますので、そこでいろいろと比べ、時には高橋のダイアリーなどに浮気をしながら選んでいました。

そして年末の仕事が一段落し、気分が晴れたときに、ダイアリーの引継ぎをするため、大事なことを新しいダイアリーへコツコツと書き写していくというのが年中行事でした。

思えば、そのダイアリーだけではメモ書きのページが足りなくなり、コピー用紙を折って、ページに挟み込み使っていた年が数年間ありました。いや~その時はめちゃ仕事してたのですね~

平成生まれの人にとっては、そうしたアナログツールは、仕事効率の悪さや、手書きのかっこ悪さ、検索の不自由さなどから過去の遺物扱いされそうです。

しかしアプリやソフトのメールやスケジュールは、提供企業の都合や景気に左右され、いつ何時サービス停止になって使えなくなったり、理不尽にも有料化されてしまったりすることがあり、また企業のアカウントで使っていたサービスだと転職や退職したらすぐに使えなくなってしまいます。

私が新入社員の頃にはまだパソコンはなく、しばらくしてから随時導入が始まりましたが、その時の定番ソフトは一太郎とロータス1.2.3でした。

その後、マイクロソフトワードやエクセルが主流になりますが、当時、一太郎の表組みなど含む膨大な文章をワードに変換するのはなかなか上手くいかず、作り直した方が速い!ってこともあり、結局は一太郎やロータス1.2.3で作ったデータ資産の多くは世の中の潮流の中で消え去っていきました。

メールやスケジューラーも過去に国産、外国製、Webツール、それぞれ数多く出てきて、そのうちのいくつかを使ってきましたが、アプリやソフト、webサイトの栄枯盛衰で、過去の資産はほとんど捨てざるを得ませんでした。

無料で使えるGoogleスケジューラーも、今は使いやすくて便利ですが、もし将来Googleの経営が傾いたり、どこかに買収されたり、身勝手で強欲な経営者がトップに就いたりしたら、今のまま無料で使い続けられるか保証の限りではありません。メールも同様です。

その点、ダイアリーは、その年別にキチンとそのまま手元で保管でき、何十年後でもすぐに見ることができます。データ変換作業も何時間もかけてバックアップしておく必要もありません。保管にはかさばりますけどね。

若いときには、そんな何十年後に古い情報が必要か?って思うでしょうけど、どこで誰と会ってなにをしたというのは結構役立ったりすることがあるのです。

もちろん仕事だけではなく、なにかの記念日や、高額商品の購入など、軽い日記的にも使えます。

一期一会、人と人との関係を大事にする昭和時代の人だからかも知れませんが、「あの時、あの人とはこういう話しをした」ということをすべて記憶しておくのは大変ですが、覚え書きとしてダイアリーに書いておけば、いつでもその時の記憶を取り戻せます。

会社において、会議の場で、私のようにダイアリー兼メモ帳をもって出席していた人が年々少なくなっていましたが、業務効率やペーパーレスなどと言う前に、自分の未来資産としてのダイアリーをもう一度見直しても良いのでは?と思っています。

【関連リンク】
1379 おそらく最後になるビジネスダイアリー
1264 新入社員が真っ先に電話に出ることの意味
1216 新卒学生の就職先選定の条件
450  師走の恒例行事



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