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リタイアしたのは昨年6月なので、すでに1年以上経ちました。その間に起きた、マネー関連についての出来事を書いておきます。

早期リタイアは、リストラや会社の倒産のように、ある日突然通告(通知)されて、明日から路頭に迷うということはなく、特にマネーについてはあれこれ考え、「これならいけそう!」となれば初めて踏ん切れるものです。

頼れるのは、私の場合、一部は63歳から受給できる年金と、今まで貯めてきた貯金、投資用の株式ということになります。

私は退職時には役員に就いていたため、失業保険は受給できませんでしたが、雇用保険に加入していれば、ハローワークへ行って「再就職する気は満々です!」という姿勢を見せつつ、失業保険はもらうべきでしょう。

ハロワの職員達(窓口にいるのはほとんど非正規)は、できれば払いたくないという雰囲気で、偉そうにしていて険悪なムードですが、そういうのは一時の我慢です。

株式の評価額は、当然日々変動するのと、売却後には利益に対して税金がかかることもあり、決して大きくは見込まず、ここ5年間ぐらいの推移をみて「これよりは下がらない」という線と、売却益の2割の税金分を念頭に置いて計算しておきます。もし実際に浮けばちょっとしたボーナスです。

さらに株式は売る(売れる)タイミングというものもあり、すぐに引き出せる普通預金とは違います。これは結構重要な点です。

そして、退職後に待っている大きな支出です。

その前に、あっさりしていますが、下の記事が参考になります。

退職後に訪れる「3つの支払い」放置で起こり得る最悪の事態(Mocha)

その要点は、

(1)退職後の健康保険は国民健康保険に切り替わる
(2)退職後の年金は国民年金に切り替わる
(3)退職後の住民税は後払いシステム

です。

(1)の健康保険は、退職すると、多くの場合はそれまで加入していた健保の任意継続する人が多いかも知れません。これは国民健康保険料と比較してどちらが安く済むか?を計算してすぐに選択しなければなりません。

写真上:前年分の住民税が一括して請求
写真下:健保の任意継続請求(6ヶ月分)
任意継続の場合、今まで支払っていた保険料は半分を会社が負担していたため、会社を辞めると支払い額は基本倍額になりますが、上限があり一定額以上にはならないので、単純に倍額になるということではありません。加入している保険組合に聞けば教えてくれます。

国民健保は収入に応じた保険料が決まっているので、市区町村のサイトを見て計算することが可能です。

その二つを並べて選びますが、健保組合によっては様々なサービス(直営の健診設備や格安保養所、スポーツ・旅行補助金など)が充実している場合もあり、もし僅差なら健保組合のほうがお得な場合があります。

ただ気をつけないといけないのは、収入が一切なくても毎月結構な額の請求(引き落とし)が来ることになります。

また私のように扶養家族がいる場合、当然その分も加算されます。

私は、収入がないのに毎月支払う(振り込む)のも面倒なので、任意継続で、最初の2ヶ月分(8.6万円)と、その後6ヶ月分(約25.5万円)を前納しました。思わぬ金額のデカさに青くなって貯金をまとめて引き出すことになりました。

(2)の厚生年金から国民年金に変更については、私の場合、退職時にはすでに年金の支払期間60歳を過ぎているので新たな費用は発生しません。

もし60歳以前に退職した場合は、その月から第1号被保険者として国民年金保険料(1ヶ月16,610円)が必要です。さらにそれまで扶養家族の第3号被保険者の妻がいた場合、その妻の国民保険料も新たに必要です。

つまり扶養家族の妻がいる場合、退職して無職(無収入)になると、いきなり毎月二人分33,000円の国民年金保険料を負担することになります。1年間で二人分だと約40万円が必要です。デカいです。

(3)の住民税ですが、忘れがちですが後払いになっています。新卒で就職すると1年目は住民税の負担がなく、「意外と手取りが多い!」と喜び、毎月キッチリ使っていると、2年目から住民税がしっかり引かれて手取り額が減り「あれれ?」となってしまう経験をした人もいるでしょう。ハイ私のことです。

住民税は、勤務時代は前年分を毎月(12ヶ月)均等払いで給料から差し引かれていますが、退職して無収入になったとたん、御無体にも残り分(次の3月分まで)が一括して請求されます。

私の場合、6月退職なので、7月~翌年3月までの9ヶ月分の住民税(県民税、市民税)、およそ11万円(自治体や前年の所得によって違います)が一気にやってきました。

まだそれだけではありません。

退職後の4月以降、新たな住民税額の計算は前年4月~3月までの所得で計算されます。

私の場合は、前年度は4~6月まで3ヶ月間の勤務だったので、年間所得は少なく救われていますが、もし1月の退職で9ヶ月間の所得を元に住民税を計算されると、退職して無収入なのにその年の住民税額は結構な額になります。退職後すぐに払うか、翌年に払うかの違いだけですけどね。

たまに、大ヒットした漫画家さんが、一攫千金の慣れない高収入を手にして、家を買ったり高級車を買ったりして使いまくった後、翌年に住民税がドカッとやってきて慌てたという話しを聞きますが、これですね。

退職後1年以内にやってくる請求額は年間合計すると、下記の通り、約102万3千円にもなります(私の場合は60歳を超えての退職のため国民年金保険料は払わないので、約627,000円)。

健康保険料 510,000円(任意継続の場合、夫婦)
国民年金保険料 396,000円(60歳未満で退職の場合、夫婦)
住民税(前年の所得額と今期未払い期間による) 117,600円(私の場合)

退職直後の大きな出費は以上ですが、その他にも、

・通勤定期(現物や相当額)を支給してもらっていた人はそれがなくなる
・PCや携帯電話の貸与を受けていた場合は返却
・会社の福利厚生施設や割引購入、団体割引加入などが使えなくなる
・会社の寮や家賃補助があった場合は、引越したり、それがなくなる

などなど。

当たり前のことばかりですけど、今まで当たり前だった事柄が、退職して初めて気がついて不便になると言うことがありそうです。

例えば、昔、住宅を買った時に住宅ローン減税を受けるためと、足の手術をした時に高額医療費控除の確定申告をした時以外は年末調整で済ませてきましたが、退職後は自分で調べながら確定申告をする必要があります。これが結構面倒です。

最後に良かった話しとして、確定申告をした際、その年に支払った任意継続保険料(翌年3月までの半年分一括)の額が大きく、昨年度4~6月の3ヶ月間だけ働いて支払った所得税の一部が戻ってきたり、その前年の所得から保険料が差し引かれて大きく減じ、今年の住民税が下がりました。

面倒なことはなんでもやるべきです。それが身を助けます。

【関連リンク】
1547 リタイアして1年
1542 退職後初の健康診断は残念な結果に
1465 リタイア後、日々やってきたこと
1394 あと半年に迫ったリタイア準備



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