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風味絶佳 (文春文庫) 山田詠美

この作品は2005年に発刊され2008年に文庫化された短篇集で、谷崎潤一郎賞を受賞しています。

ちなみにこの谷崎潤一郎賞は、「時代を代表する優れた小説・戯曲を顕彰」とあるように物語の舞台が現代だけではなく幅広い時代を映し出した小説や戯曲が対象になるのでしょう。

6編の短篇は、「間食」、「夕餉」、「風味絶佳」、「海の庭」、「アトリエ」、「春眠」というタイトルで、それぞれに、とび職、清掃車作業員、ガソリンスタンドのアルバイト、引越し作業員、汚水槽清掃、火葬場職員と、ブルーカラー系の職業が登場します。ちょっと変わった趣向の短篇です。

その中でも良かったと思うのは、本のタイトルにもなっている「風味絶佳」と、「春眠」。

「風味絶佳」の由来は、森永ミルクキャラメルの表面に書いてある「滋養豊富」「風味絶佳」の文字からで、ガソリンスタンドに勤務する男性の祖母がいつもそのキャラメルを持っています。

祖母は福生の米軍基地の近くでアメリカ人相手のスナックをやっていて、ちょっとぶっ飛んでいる感じで、孫の主人公との掛け合いがとても良かったです。

「春眠」は、土日曜日は休日でなく子育てはなにもせず、厳粛なムードの火葬場で長く働いてきたお堅い公務員だった父親の息子が主人公です。

子育てを全くしてこなかった父親は、妻を先に亡くしますが、息子が密かに恋心を持っていた大学の同級生と結婚してしまうという変な話しです。

「うんと年上の男がいい!」という女性は少ないながらも確かにいるので、これもまた時代を反映したものなのでしょうが、なにかできすぎ感が半端なく。

そういう感じで、全般的に、いかにも「話しを都合良く大きく盛って作りました」という、わざとらしい作為とリアリティのなさがどうも私の感性とは合わず、残念ながらいまいちな感じでした。

★☆☆

著者別読書感想(山田詠美)

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美しい家 (講談社文庫) 新野剛志

2013年に初出の長編小説ですが、5年前の2017年に既に読んでいました。読み始めてから、どこかで聞いたような話しだな?と思いましたが、既読とは気がつかず、これはボケと健忘症が進行してきている証左かも知れません。ホント大丈夫か?自分。

9月後半の読書と感想、書評 2017/9/30(土)

感想は、前のを見てもらうとして、これだけの長編ならば、しかもわずか5年前という短期間で気がつかないというのは、上記のように自覚症状がない病気?のせいでもありますが、もうひとつは、残念ながら印象に残っていなかった小説ということもあります。

個人的には、ある種の宗教的というか、なにか行動規範や生き方について、特定な個人に心酔し、それの正当化のためなら殺人すらいとわないという心理はまったく理解ができず、あくまでよその惑星で起きているSFぐらいにしか思えません。

もちろん現実では時々起きている事ですが、宗教などを扱って人の異常性を引き出してさらに強調していくのはなんだか狡いなぁという感じがします。ま、小説やドラマではよく使われる手ですけどね。

それだけに、こうした同種の小説は、いずれも記憶が薄くなってしまうのもやむを得ないかなと思っています。

でも単なるぶっ飛んだ小説としてはドキドキ感があり、現実から離れて読み進めるのは、それなりに面白いのですけどね。

★★☆

著者別読書感想(新野剛志)

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老老戦記(新潮文庫) 清水義範

2015年に「朦朧戦記」として単行本で発刊されましたが、2017年にタイトルを変えて文庫化された連作短編小説です。こちら(文庫)のタイトルのほうが、ストレートでわかりやすいです。

75歳以上の高齢者が入居している老人ホームを舞台にした、自己顕示欲や性欲を丸出しでハチャメチャな老人達のユーモアあふれる日常と、その少し下の仕事を引退したばかりの団塊世代の有り余るエネルギーの発奮をこれまたユーモア満載で描いています。著者も団塊世代の方ですから。

中でも、大金持ちの老人に頼まれて、南方の島を借り切って、本物の三八式歩兵銃と実弾、手榴弾を装備し、陸軍軍服を着て、日米の老人達がそれぞれ敵味方に分かれ、生きるための刺激を求めて戦うというストーリーは、実現不能なこととは言え、空想するのは自由で面白かったです。

同様に、「団塊世代の未来を守る」を唯一の目的として選挙に打って出る団塊世代の元公務員なども、数が多いうえに投票率も高い団塊世代のニーズを捕らえるのには最適です。

その団塊世代が政治の中に入っていくことで、元全学連の闘志達は「権力側にすり寄るのはけしからん!」と火炎瓶を選挙事務所に投げ込むとか、もうワケがわからなくなっていきます。

無茶苦茶ですが、ちょっと下品で下世話なユーモアと理解すれば、それでいいのかも知れません。

★☆☆

著者別読書感想(清水義範)

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イッツ・オンリー・トーク (文春文庫) 絲山秋子

2004年に単行本で発刊(2006年に文庫化)された著者の実質デビュー作で、題名となった中篇の「イッツ・オンリー・トーク」と、中篇「七障害」の二篇が収録されています。

2006年には、「イッツ・オンリー・トーク」を原作とし、廣木隆一監督、寺島しのぶや豊川悦司が出演する映画「やわらかい生活」が製作されています。

内容は、主人公のうつ病を引きずる独身女性が、フッと気になった大田区の蒲田へ引っ越してきて、様々な出会いや恋愛などを通じて日々淡々と生活していく話ですが、区会議員選挙に打って出るEDの友人、うつ病のヤクザ、痴漢友達?、自殺未遂をした男性のいとことの同居生活など、それなりに飽きさせることなく面白い展開が続きます。

私には縁遠い出世界観ですが、今の若い人にはこうした生活が普通に身近に感じるのかなっぁというのが感想です。

著者は私よりも9歳若い方ですが、これが出版されたのが18年前ですから、著者38歳の頃ということになります。

違うのは東京で生まれ育った著者に対し、社会人になるまでずっと田舎で育った私との差なのかも知れません。

それだけに、こうした性にも奔放でサバサバした女性主人公のような人は男女関わらず私の周囲には見当たらず、こうした小説の中だけで楽しませてもらっています。

★★☆

著者別読書感想(絲山秋子)

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百年法 (上)(下) (角川文庫) 山田宗樹

2012年に単行本、2015年に文庫化された長編SF小説です。

SFと言っても現代の日本社会がベースとなっています。

6発の原爆を落とされ戦争に負け、天皇制ではなく共和国制度となった日本は、アメリカが開発に成功した人間の不老技術を導入します。

それと同時にセットで導入することが求められている不老処置後百年程度経過後には安楽死する法律をめぐる話しがこの小説のテーマとなっています。

人間が不老になると社会にどういう影響があるかと言うとこの小説では、

・不老化処置をした歳でその人の見かけ上の年齢が決まりそれが一生続く
・癌など高齢化で顕著となる病気が激減する
・人が死ぬのは自殺や事故、事件で死ぬこと以外はなくなる
・両親や祖父母の見かけが、その子や孫と変わらないという不気味さ
・老いから解放され、実年齢が何十歳と離れたカップルが普通に存在する
・死の直前まで働くことを求められる
・不老化処置後は家族という単位が無意味となる
・人口増加と新陳代謝のため不老化処置と一定年数で強制的に死ぬことがセット
・百年経過後に安楽死をせず生き延びようとする拒否者が現れる
・安楽死しなくても良い一部の独裁政治家など権力者が人の生死を握り権力を強める

などなど。

小説では、政府、警察、一般庶民、拒否者が共同生活するムラなどを中心に展開していきます。

経済力が地に落ちていた日本を強くするため政治体制を大統領制にして強いリーダーを擁し独裁化を目指そうとする動きや、警察権力を自在化し利権を固めて行こうとする官僚などに焦点が当たりすぎな感じはありますが、もうひとつの日本の道という世界が面白く体感できます。

文庫で上下巻計960ページという長編なのでちょっと疲れますが、読み出してから少し経っておおよその内容がつかめてからはサクサク読めます。最初の100ページぐらいはその世界の中に入っていくのがたいへんですが、それを超えるとあとは楽です。

著者の本は2006年に「嫌われ松子の一生」(2003年初出)を読んでいますが、これも含めてなかなかユニークで読ませる小説を書く著者で、これからも他の小説を読んでみたいと思いました。

★★☆

【関連リンク】
 1月前半 漂砂のうたう、ツリーハウス、嗤う伊右衛門、ジェームズ・ボンドは来ない、自動車保険は出ないのがフツー
 12月後半 錨を上げよ(1)出航篇(2)座礁篇(3)漂流篇(4)抜錨篇
 12月前半 しゃばけ、深海のアトム(上)(下) 、ノモンハンの夏、玻璃の天



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