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退廃姉妹 (文春文庫) 島田雅彦

1983年に短篇集「優しいサヨクのための嬉遊曲」でメジャーデビューした著者の2005年(文庫は2008年)の作品です。著者の作品は2011年に「自由死刑」(1999年刊)を読んでいます。

11月後半の読書(自由死刑) 2011/12/4

この作品は、太平洋戦争直前から始まり、母親は戦争前に亡くなっていて父親が映画会社に勤務、目黒にある家に住む比較的上流社会の姉妹の物語です。

戦争中は周囲の家が焼夷弾で焼けていく中で、奇跡的に人も家も無傷のままで終戦を迎えます。

ところが父親が戦犯容疑で捕らえられ、まだ女学校の生徒だった姉妹は、住む家こそあるものの、生きていくために苦労を強いられます。

行動的な妹が、銀座で米兵相手の娼婦と仲良くなり、食べていくため自宅で米兵相手の売春宿を開くことを姉に提案し、認めさせます。妹は娼婦として、姉は賄いなどの役割分担です。

奥手の姉は、戦争中に知り合い、その後学徒出陣で戦地へ行った慶応の大学生の帰りをひたすら待ち続けます。

そのような戦後の大変な時期の話しが盛りだくさん詰まっていて、決して暗いばかりではなく、姉妹の恋愛ドラマも挟まれて、父親の無罪釈放や、再婚など明るい前向きな話しも加わり、読んでいてなにか日本の庶民達の近代史を垣間見るような感じです。

結局、タイトルにある「退廃」は、姉は闇市にどっぷりつかった上、戦争中の復讐のために元上官を惨殺して逃亡中の恋人と心中一歩手前までいき、妹は娼婦の身ながら米兵と恋仲になりやがて別れが来たときに自殺を図るというそれぞれに退廃した生き方をせざるを得なかったことから来ているものと思われます。

★★☆

著者別読書感想(島田雅彦)

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冬の旅 (集英社文庫) 辻原登

文芸誌すばるに2011年から連載された長編小説で、2013年に単行本、2015年に文庫化されました。

著者の作品を読むのはこれが初めてです。1990年には 「村の名前」で芥川賞、その他にも著名な賞を数多く受賞されています。この「冬の旅」も伊藤整文学賞を受賞しています。

内容は、離婚した母親の元で育ち専門学校を卒業後に就職しますが、そこで最初の躓きが起きますが、無事に再就職を果たし、結婚もして順調な人生を送るかと思えば、何度も不幸や自己の怠慢、悪事などがあり、自ら人生をゆがんだものにしてしまいます。

転落していく人の象徴みたいな話で、先が見えて気が重くなってきますが、最初に刑務所から出てくるシーンがあり、それへ向かってまっしぐらというストーリーです。

刑務所から出てきた後にも何度か立ち直るチャンスがありながら、それらも無為にしてしまい、最後にはさらに重苦しい結末がまっています。

実はこの本はジャケ買いです。と言うのも立原白秋の小説「冬の旅」を原作としたテレビドラマ「冬の旅」を中学生の頃(1970年頃)に見た印象が強く残っていて、それとかぶったのでタイトルに惹かれて買いました。

そのドラマでは、シューベルト作曲の「冬の旅」が重々しくテーマソングとして使われていて、この小説と同様、理不尽な悪が暗躍するシーンが印象的でした。

そういう意味からすると、内容は知らずに読みましたが、想像通りの内容だったと言えますが、元々は母親思いの1青年が、悪のスパイラルにはまっていくところを見るのはつらいものがあります。

★★☆

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彼が通る不思議なコースを私も (集英社文庫) 白石一文

2014年に単行本、2017年に文庫化された長編小説です。著者の作品は文庫になったものはできるだけ読むようにしていて過去に19作品を読みましたが、最近読んだのが2020年なのでちょっとサボり気味で2年ぶりになります。

普通の恋愛小説かな?ぐらいに思っていましたが、主人公の女性が合コンで気が合ってそのまま結婚した相手の男性には不思議な能力があることに気がつきます。

その男性は、小学校の教師をしていましたが、普段から子供中心には考えない既存の教育システムに限界を感じていて、結婚と同時に辞めてしまい、様々な問題を抱える子供達を集めた体育塾を始めます。

主人公の女性は大手企業で働いているのと、男性の実家は裕福なので、最初のうちは赤字でもなんとかやっていけますが、女性に抜擢の異動があり、関西へ転勤をすることになります。なかなか現代風なカップルです。

イジメや家庭の問題など、現実にもたびたび報道されるような様々な子供の問題を男性は仲間の協力を得ながら解決していきますが、そこには抵抗勢力もあり、子供によかれと思ったことでも、時には親から訴えられたりすることもあります。難しい問題をはらんでいます。

そうした一種の世直し事業は成功していきますが、やがて死期が近いことを悟った男性は、、、

最後のパラレルワールドというか、ふりだしに戻るところはちょっと理解不能でした。

★★☆

著者別読書感想(白石一文)

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IQ (ハヤカワ・ミステリ文庫) ジョー・イデ

著者(Joe Ide)は1958年生まれの日系アメリカ人作家で、2016年に出したこの小説がデビュー作です。

日系人が黒人を主人公として黒人コミュニティだけ描いた小説を書くというのは珍しいパターンですが、著者が子供の頃から住んでいたのが物語の舞台にもなる黒人が多く住むロサンゼルスのサウス・セントラル地区(現サウス・ロサンゼルス)だったことからだそうです。このエリアは全米でもトップクラスの犯罪多発地域だそうです。

欧米の探偵小説と言えば、ホームズにしても、マーローにしても、サム・スペードにしても、スペンサーにしても、マット・スカダーにしても白人のスマートな男性が多いのですが、この小説では、名前のイニシャルから、そして人並み外れた頭脳の持ち主ということでIQと呼ばれる若い黒人男性が主人公です。

しかし主人公の若い頃はひき逃げで亡くなった兄と一緒に住んでいた借家の家賃を支払うため、同じ黒人仲間と計画的に深夜小売店へ忍び込んで商品を盗み出すことを続けていた小悪人です。

この主人公IQは無資格探偵ですが、元々は自分が関係した犯罪の報復で、まったく関係がない夫婦が巻き添えで殺されてしまい、その夫婦の子供も銃弾を受けて一生歩けない重傷を負います。

それがトラウマになり、尊敬していた亡くなった兄がいつも言われていた「人の役に立つことしろ」を実行しようと、弱い人の味方になって様々な問題を解決していくことで、それが口コミで拡がり、それが仕事になっていきます。

そうした主人公の小悪人からの再生と、今回どうしてもお金が必要になって昔の犯罪仲間から、殺されかけた有名なラップミュージシャンを守る仕事を請け負うことになります。

その若い頃の小悪人だった頃の話と、現在のまともな探偵業の話がパラレルで進んでいきますので、ちょっと混乱することもありますが、スリリングでよくできたサスペンスミステリーです。

本作の最後のエピローグでは、兄が亡くなった原因となったひき逃げをしたクルマをスクラップ工場で発見するという次作への予告めいたことが書かれてあり、それが次作のIQ2(原題はRighteous)らしく、すでに既刊です。

★★★

 ∟ ∟ ∟ ∟ ∟ ∟ ∟ ∟ ∟ ∟ ∟ ∟

かなたの子 (文春文庫) 角田光代

文學界などに掲載され2011年に単行本、2013年に文庫化された8作の短編小説集です。それぞれのタイトルは「おみちゆ」「同窓会」「闇の梯子」「道理」「前世」「わたしとわたしではない女」「かなたの子」「巡る」です。

なんというか、古い因習や前世の因果、過去に起きた暗い話など、重苦しい話が多いのと、恋愛、出産、子育てなど女性を主人公とした物語が多いので、古い男性にとってはどうもとっつきにくい内容です。

遠野物語」に出てきそうな摩訶不思議な話もあれば、現代の話しもありで、一気に連続して読んでいると、なにかがなんだか混乱しそうでした。

中にはホラー?と思えるものもあったり、そういう読み方をすれば面白いのかも知れませんが、ホラーのように結末がハッキリするようなものはなく、いわゆる文学的に「あとはそれぞれが勝手に想像して余韻を楽しんでください」的な終わり方で、個人的には消化不良が続きます。

文芸雑誌に掲載する短編小説にはこの手のものが多いですね。

ということで、あまり私には良い印象は残りませんでした。

★☆☆

著者別読書感想(角田光代)

【関連リンク】
 2月前半の読書 流、女神記、遠い山なみの光、新・日本の階級
 1月後半 風味絶佳、美しい家、老老戦記、イッツ・オンリー・トーク、百年法(上)(下)
 1月前半 漂砂のうたう、ツリーハウス、嗤う伊右衛門、ジェームズ・ボンドは来ない、自動車保険は出ないのがフツー



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