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久しぶりにEV電気自動車の普及について書いてみます。

リーフ 世界を見ると、IEAのデータでは2023年の自動車の新車販売においてBEV(純電気駆動)とPHEV(EV駆動が主のハイブリッド)を足した台数の割合は18%になっています。

2022年が14%、2021年が9%だったことからすると着実にEVの割合は増えていますが、意外とその増加は当初の予想より緩やかに見えます。

EV(BEVとPHEV)の普及率が高い国(2022年時点)は、ノルウェー(88%)、アイスランド(70%)、スウェーデン(54%)など北欧諸国が上位5位までを占めていて、続いてドイツ(31%)や英国(23%)など欧州勢が占めています。(出典:Global EV Outlook 2023)

そのような中で日本のEVの普及率はわずか3%ほどで、主要国の中ではもっともEV化が遅れている国と言えます。

その理由は、国内販売の約半分のシェアを持つトヨタが、内燃機関で駆動するハイブリッドエンジン車(駆動が内燃機関とモーターの2通り)を販売戦略のメインとしているためで、それらのクルマが世界基準ではEVの範疇に入ってこない点が大きいでしょう。

しかし日本の自動車メーカーの主顧客は北米や欧州などで、国内販売はグローバルの販売全体の20%にも満たず、国内の事情よりも世界の動向を見ながら車作りをしていかなくてはなりません。

今は最大の輸出先の北米が、まだ欧州や中国ほどEV車に積極的でないことから、EVにカウントされないハイブリッドエンジン車でお茶を濁していますが、いずれは安価なバッテリーの調達や充電インフラの遅れなど国内事情がどうあれ、この10年ほどでEVばかりのラインナップにせざるを得なくなるでしょう。

その他、トヨタと同様海外輸出がメインとなっているホンダはEVシフトを早くから宣言していますが、最近ちょっと風向きが変わってきています。

“脱エンジン”戦略のホンダ、EV販売失速で見直す?幹部が回答(日経XTECH)
2040年までに新車販売の全てを電気自動車(EV)と燃料電池車(FCV)にする。ホンダが“脱エンジン”の電動化戦略を発表したのは2021年4月のことだった。
この3年間で、自動車業界を取り巻く環境は大きく変わった。EVシフトは減速感が漂い、中国市場は冷え込む。それでも、ホンダ執行役で最高財務責任者(CFO)の藤村英司氏は「戦略を変えずに推進していく」と2024年2月8日に開いた2023年度第3四半期(2023年4~12月期)の決算会見で語った。

私の場合は、クルマにあと10年乗れるかどうかという「ガソリンエンジン逃げ切り世代」なので、10年後のことはどうなっても構わないのですが、現状では国内でのEVの普及に様々な障害があることを理解しています。

日本に住む世帯は、一戸建て住宅と集合住宅がほぼ半々です。そして年々共同住宅の割合が増えています。

ちょっと古いデータしかないのですが、10年でそう大きく変化しているとは思えませんので引用します。

総務省統計局「平成25年住宅・土地統計調査
戸数 割合 割合
一戸建て 28,599 55% 3大都市圏 45%
共同住宅 22,085 42% 3大都市圏 52%
長屋 1,289 3% 3大都市圏 2%

一戸建て住宅の場合、すべての住宅敷地に直接電源をひくことができる専用の駐車場があるわけではありませんが、仮に全戸にあるとします。

同様にマンションやアパートなどの場合、新しい高級マンションでは専用のEV充電設備が備わっていることもあるでしょうけど、ほとんどないので仮に全部ないとします。

つまり、日本国内で、自宅でEV充電が可能な人(世帯)はざっくり半分です。

自宅で充電できない人がEV車を買うという想像は今のところできません。例えばマンション住まいの自営業の人が毎日通う店や事務所で充電できることはあるでしょうけどレアケースです。

したがって、新車販売台数のうち商用車を除きEV車が売れるのはどんなに頑張っても一戸建ての専用駐車場がある半分のユーザーで、その半分の人も価格や好み、充電設備設置の難しさでEVを積極的に選択するとは限りません。

EVが新車販売数の半分以上にするためには、EV購入で大きな補助金がもらえるとか、自動車税が恒久的に大きな差がつくとか、メーカーがガソリンエンジン(ハイブリッド含む)車をほとんど販売しなくなるか、ガソリン価格が今の2倍以上に上昇するとか、ガソリンスタンドが大きく減りかなり遠くへ行かないと給油ができないとかでしょう。国の施策や民間企業の(やむを得ない)戦略としてはどれもありそうです。

北欧のように新車販売台数の7割、8割にするためには、古い集合住宅の駐車場を含め、半強制的にEV充電設備を新たに設置する法律でも作らない限り、日本の住宅事情を考えると相当に難しそうです。

また、もしすべての集合住宅に設備を作ったとしても充電の順番待ちや、充電しっぱなしで動かさない人がいたりして住人同士のトラブルが頻発しそうです。ほとんどEVが普及していない現在でも、行楽シーズンのサービスエリアでは充電の順番待ちの長い行列が各地で発生しています。

それよりも、毎日使っても1週間ぐらいは充電が不要(想像するに満充電で実質500km以上が走行可能)か、充電時間が数分で終わるような画期的な大容量高性能バッテリーが登場するのを待つ方が、古い集合住宅全部に充電設備を作るより可能性がありそうです。

もう一つのEVである日本の技術が進んでいる水素発電でモーターを駆動するFCV(燃料電池車)の可能性も期待したいところですが、価格や水素の供給体制など様々な問題が山積みで、昔の日本独自規格の携帯電話のように世界基準にはならずガラパゴス化してしまう可能性もあります。

【関連リンク】
1726 出遅れた日本のEV戦略は巻き返せるか?
1664 EVの出先での充電について
1617 2021年の車種名別販売ランキングとEV化


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