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女ともだち(講談社文庫) 真梨幸子

女ともだち
今から19年前、2006年に単行本が出版され、2012年に文庫化された長編ミステリー小説です。2006年と言えばライブドアの堀江氏が逮捕され、唯一活況だったITバブルも弾けて、長引く不況が生活にも忍び寄っていた頃です。

東京郊外に突然建った高層マンションで起きる二人の女性が殺害されるという事件を中心に、その二人の女性の過去や友人関係が明らかになっていき、さらに容疑者として逮捕された男性が拘置所内で自殺するという混迷を迎えます。

主人公は探偵役になっているフリーのライターの女性で、雑誌にノンフィクションを売り込むため殺された二人の女性の関係者に会って取材をして回ります。

殺されたひとりの女性には、1997年に起きた東電OL殺人事件をモチーフにした、適齢期を逃したエリートキャリアウーマンが裏の顔を持っていたという流れで、女性の心理にグサッと刺さる?内面描写が多く、男性読者にとってはなかなか理解しがたい複雑なものがあります。

著者は現在還暦を過ぎていますが、この小説が書かれた時はまだ40代のバリバリ働く世代でしたので、そうした同世代の女性の日々の生活や心理描写は得意分野だったのでしょう。うまく描けています。

★★☆

著者別読書感想(真梨幸子)

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始まりはジ・エンド(双葉文庫) 新津きよみ

始まりはジ・エンド
2019年から2020年にWEBマガジンに連載されていた短篇小説集で、2020年に文庫で出版されました。WEB向けの小説と言うこともあってか、シンプルで軽快なストーリーで読みやすかったです。

収録作品は「絶縁」「永久に」「引き際」「余命」「陰のコレクター」「彼女のステージ」「死ぬまでにしてほしい五つのこと」の7篇です。

いずれも主人公は中年の女性で、日常や暗い心理描写が多く、この本の直前に読んでいた真梨幸子著「女ともだち」と中身は全然違うものの、どちらも女性心理の見にくいところをえぐり出すような内容だっただけに、読んでいて中身が混乱してきました。

ま、しかし登場人物の女性達のよく喋ること喋ること。たまに出てくる男性はというと頼りないかわがままかで、ほとんど喋る間もなく固まっていたりしています。

お勧めなのは最後の短篇「死ぬまでにしてほしい五つのこと」で、姉と妹の関係で、妹は結婚していますが末期の子宮癌に罹り余命がいくばくもない中、独身を通してきた姉に4つの依頼を口頭で依頼し、そして5つめの依頼を死後1ヶ月後に読んで欲しいと手紙を託されます。

妹の死期が迫る前の依頼を聞いて、あちこちへ出向き、望みを叶えていく姉の姿と、幸せではなかった妹の深謀遠慮とが、きっと幼いときから仲が良かったであろう姉妹の様子が描かれていて面白かったです。そしてオチはやっぱり「女は怖い」です。

あと著者の実家の父親は開業医ということもあり、多少の知識がある医療や薬についての話しが重要なところで良く出てきます。お得意分野ってことでしょう。

著者の小説は長篇と短篇両方読みましたが、この小説は人の生と死を描いたものが多く、ちょっと怖い犯罪ホラー要素のあるものから、亡くなってもほのぼのとした話まであり、バラエティに富んでいて良かったです。

★★☆

著者別読書感想(新津きよみ)

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もう過去はいらない(創元推理文庫) ダニエル・フリードマン

もう過去はいらない
2023年に読んだ「もう年はとれない」(2012年)が面白かったので、その続編を読みました。2014年に米国で出版後、2015年に日本語の翻訳版が発刊されています。

アメリカでは若い移民が多く、日本ほどは高齢化社会というわけではありませんが、それでもこうした主人公が88歳という小説は、今の日本の社会情勢を反映しているようでもあり、面白く読めます。

この高齢の主人公はテネシー州メンフィスで公民権運動が盛んだった時代に刑事をしていたユダヤ系移民で、現在はアメリカ人の平均寿命を大きく超えた高齢に加えて、前作で受けた銃創で介護付きグループホームに夫婦揃って移り、リハビリ生活を送っている毎日です。歩行器がないと歩けず、トイレにも介護が必要という状態です。

そんなヨボヨボの高齢者の前に、同世代のユダヤ人で、刑事時代に接触があったアウシュビッツの生き残りの銀行強盗を生業としてきた伝説の男が40年ぶりに現れ、「ある組織から追われていて、まもなく殺される」「できれば救って欲しい」「もし殺されたら相手を徹底的にやっつけて欲しい」と頼まれます。

うさんくささを感じ、「すでに警察は昔に退職していて、元犯罪者を救うことなどできない」と一度は断りますが、何度も頼まれ、警察へ自首して過去の罪を認めれば保護プログラムに入れるよう進言しても良いと返答します。

そして自首するため信用のおける刑事を紹介し、その刑事と引き合わせますが、その直後に何者かに襲撃されて元銀行強盗は連れ去られてしまいます。

元々思うように身体が動かない上に、襲撃された際に負った怪我で満身創痍になりながらも、目の前で自首した男が連れ去られた事件を追うことになります。

最後のひねりは先に想像がつきましたが、前作に続き、とっても面白く読めたので、続編の「もう耳は貸さない」も読んでみたくなりました。

★★☆

著者別読書感想(ダニエル・フリードマン)

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ユタと不思議な仲間たち(新潮文庫) 三浦哲郎

ユタと不思議な仲間たち
1971年に発刊された児童用童話ですが、原作がNHKのテレビドラマや劇団四季のミュージカルに取り上げられ、1984年にはあらためて大人向けに文庫化されロングセラーになっています。

元が児童文学だけに、読みやすく内容もシンプルで、サン・テグジュペリやコエーリョ、宮沢賢治の小説を読むような感じです。

1910年に出版された柳田国男著の「遠野物語」にも登場しますが、伝説的な妖怪、座敷童(ざしきわらし)の話です。一般的に座敷童が住む家は繁栄するという言い伝えがありますが、この小説ではちょっと違った設定です。

タイトルの「ユタ」はキリストを裏切った「ユダ」ではなく、勇太という名前の小学6年生が「ユタ」とニックネームで呼ばれています。勇太はタンカーの船長の父親が海で亡くなり東京の学校から母親の実家がある東北の村にやってきます。

東京から来た子供ということで、なかなか地元の村の子とは仲良くなれず、いつもひとりぼっちですが、そこで出会うことになるのが「不思議な仲間」の9人の座敷童達です。

座敷童達には悲しい過去があり、いずれも生まれてまもなく口減らしで親に殺された過去があり、そうした過去の歴史も教わったり、自分で調べてわかっていきます。

そして座敷童と遊んでいるうちに、だんだん村の子と変わらない体力や考え方に変わっていき、学校でも友達ができていきます。

しかしやがて、座敷童が住み着いていた旅館の離れが火事に遭い、、、

「モヤシ」と呼ばれていた都会育ちのて少年が座敷童のおかげでたくましく成長していくという話と、人生の出会いと別れを前向きに描いたこれぞ児童文学というものでした。

★★☆

著者別読書感想(三浦哲郎)


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