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続 高慢と偏見(ちくま文庫) エマ・テナント

続高慢と偏見
著者は1937年英国生まれ(2017年死去)の小説家で、著名なジェイン・オースティンの長編小説「高慢と偏見」(Pride and Prejudice 初版1813年)の続編という形で1993年に出版された小説です。

原題は「Pemberley: A Sequel to Pride and Prejudice」で、日本語翻訳版の単行本は1996年、文庫は2006年に出版されています。Pemberley(ペンパリー)は、小説の中に出てくる英国の架空の地域名で、上流貴族と結婚した主人公が住む邸宅がある場所のことです。

設定や登場人物などはそのままオリジナルを引き継いでいて、執筆時期や執筆者が違うという点については私は違和感はありませんでした。

高慢と偏見」は今年の3月に読みました。

2025年3月後半の読書と感想、書評(高慢と偏見)

また「高慢と偏見」の設定と登場人物を下敷きにしたホラー映画「高慢と偏見とゾンビ」(2016年)という映画も今年6月に見ています。

2025年5~6月に見た映画(高慢と偏見とゾンビ)

今回の続編を含め、過去に3度の映画化やパロディ作品などが作られることは、それだけこの本編(高慢と偏見)が優れていて多くの人に読み継がれ、愛されているかがよくわかります。

確かに19世紀初頭の英国は世界に先駆けて産業革命などが起き、世界中の富と名声を独占し、やや傾きつつありましたが旧来からの華々しい貴族社会と、労働者のあいだの貧富の差が大きく、ドラマ作りでは面白い時代だったのでしょう。

続編では、トップクラスの貴族の元へ嫁いだ落ち目の貴族出身の娘だった主人公が、上流階級の中で様々な嫌がらせや批判を浴びつつも、奮闘する姿と、跡継ぎができないことで、莫大な遺産が当時英国で主流だった「男子単一長子相続制」のため、親戚へと移ってしまうかもというプレッシャーにさらされることなどがテーマとして語り継がれます。

ただ登場人物はほぼ「高慢と偏見」と同じで、あらためてそれらがどういう人物かという話はこの続編では出てこないので、必ず先にオリジナル版を読んでおくことと、その人物相関がまだ記憶にあるうちに読むことをお勧めします。

それができれば、オリジナルに劣らない、たいへん面白く読める作品です。

★★★

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夢幻花(PHP文芸文庫) 東野圭吾

夢幻花
2013年に単行本、2016年に文庫化されたミステリー長編小説で、「加賀恭一郎シリーズ」などのシリーズものではない単独の作品です。

タイトルは、本作品でテーマとなる覚醒効果があるとされる黄色い花のアサガオなど、通常には存在しない草花の俗称です。

主人公は、水泳が得意で、大学時代にオリンピックを目指せるほどの能力がありながら、あることから断念した女子大生。

その女子大生の祖父が、黄色い花びらのアサガオを咲かせたあとに、何者かに殺されてしまい、それを発見したことから、事件に巻き込まれていきます。

子供の頃から私の自宅の庭でもアサガオは毎夏に母親が大切に育てていて、青や紫、赤色のアサガオを見るたびに「夏だなぁ」というお気楽な印象しか持ってませんでしたが、確かに黄色いアサガオというのは見たことがありませんでした。

実際に黄色いアサガオの種に覚醒効果があるのかどうかは不明ですが、大麻草や、コカの実、ケシの種など、麻薬や覚醒剤の多くは植物から作られるので、身近な鑑賞用の草花の突然変異でそうした作用のある実や種が発生しても不思議ではありません。

なかなか読み応えのある面白いストーリーでした。ホントにこの著者の作品には大きなハズレはないです。

★★☆

著者別読書感想(東野圭吾)

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うれしい悲鳴をあげてくれ(ちくま文庫) いしわたり淳治

うれしい悲鳴をあげてくれ
著者は1977年生まれの楽曲の作詞活動をメインにしている方で、中孝介、土岐麻子、少女時代、布袋寅泰、Little Glee Monsterなど多くの楽曲の作詞を手がけています。著書としてはこの作品が初めてのものです。

音楽系の雑誌「ROCKIN'ON JAPAN」に2004年から2009年に連載されたものと、一部書き下ろしをまとめたもので、半分が小説、半分がエッセイという変わった構成となっています。2007年に単行本、2014年に文庫化されました。

小説はショートショートと言えるほどの短いもので、オチがあるものもあれば、ちょっと?というものも玉石混淆という感じです。

またエッセイも、小説に近そうな盛りに盛ったような内容で、すべてフィクションと思ってもそう間違っていないだろうなというのが実感です。

元々、作詞など文章を考え創造するのがお得意な方だけに、こうした短文エッセイ(ショートショート含む)はお得意なものでしょう。

小説の「密室のコマーシャリズム」は、浅間山荘事件がカップヌードルの爆発的ヒットした要因というのをうまく利用しているようで、立てこもり事件で犯人が使った粘着テープが全国に知れ渡ることになる話です。

エッセイの「殺人タクシー」は、乗車したタクシーで著者がタバコを吸おうとしたところ(昔はタクシーでタバコが普通に吸えたし灰皿もついていた)、運転手はぜんそく持ちで、大量の薬を見せられ、「タバコは死にますよ」と注意されながら、その運転手は咳き込みながらタバコを吸い始めるという話しです。

そういった話が満載で、それなりに楽しめます。

★☆☆

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君は嘘つきだから、小説家にでもなればいい(文春文庫) 浅田次郎

君は嘘つきだから、小説家にでもなればいい
2011年に単行本、2014年に文庫化された様々な雑誌や広報誌などに掲載されたエッセイを集めたものです。

内容は、子供の頃の話や、祖父や父親など家族のこと、ギャンブルについて思うところ、小説家になるまでの苦労や様々な職業と多岐に渡っています。その中でもまだ未成年だった時代から続いている競馬について多くの話が割かれています。

あとはその時々に書いている小説について、その周辺事情などは映画のメイキング映像のように思い出されて楽しいです。

しかし、執筆された年月やテーマが様々で、寄せ集めした感が拭えず、ホンの暇つぶしには向きますが、読書という範疇にはなさそうです。

こういう売れっ子作家さんの著書を、予算の都合があるのでどうしてもこのタイミングで出したいという出版社の事情が垣間見えます。

そう言えば「僕は人生についてこんなふうに考えている」 (2003年)も、出版社の事情を優先した過去の著書の中から文章を引っ張ってきてまとめただけのひどい内容の寄せ集めの駄本でした。

本著は著者が実際に書いているエッセイ集なので、それよりはずっとマシですが、この著者の魅力はこうしたエッセイやまとめ本ではなく、長編小説にあるということがよくわかります。

★☆☆

著者別読書感想(浅田次郎)

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