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日の名残り(原題:The Remains of the Day) 1993年(日本公開1994年) 英・米
監督 ジェームズ・アイヴォリー
出演者 アンソニー・ホプキンス、エマ・トンプソン

日の名残り
原作は2017年にノーベル文学賞を受賞している長崎生まれの英国人作家カズオ・イシグロの1989年出版の長編小説で、この作品で権威ある英国ブッカー賞を受賞しています。私は9年前に読んでいます。

2016年6月前半の読書と感想、書評(日の名残り)

この小説を読んでいたので、おおよその展開は知った上での鑑賞ですが、やはり自分の頭の中で作ったイメージと、実写での映像とはだいぶんとかけ離れています。

舞台は第2次大戦直前の1939年の英国で、ドイツとの戦争に踏み切るか留まるかを議論している政治家の貴族に仕えるベテラン執事の視点でドラマが描かれていきます。

戦争が終わり、英国の貴族が没落したあとに屋敷を買い取ったアメリカ人にも引き続き執事として雇われますが、女中頭に以前コンビを組んだことがある女性に声をかけるため、遠くへ旅に出ます。

その以前の女中頭は、執事に淡い思いを持っていましたが、堅物の執事はそれを理解せず、結局他の人と結婚するために遠くの町へ行ってしまうという過去があります。

そうした大人の実現しない恋と思い出を見事に名優たちが演じきっていて最高に見応えがありました。

★★★

 ∟ ∟ ∟ ∟ ∟ ∟ ∟ ∟ ∟ ∟ ∟ ∟

コルドラへの道(原題:They Came to Cordura) 1959年 米
監督 ロバート・ロッセン 出演者 ゲイリー・クーパー、リタ・ヘイワース

コルドラへの道
一般的に西部劇というと、駅馬車を襲うアパッチ族と騎兵隊との戦いなどを思い浮かべますが、その時代から40年ほど後の、欧州では第1次世界大戦が始まっていた1916年のアメリカ西部が舞台です。

アメリカとメキシコとのあいだで紛争が起き、犯罪人を捕まえるためアメリカの騎兵隊がメキシコ領土内に展開し、メキシコ反乱軍と戦い勝利しますが、そこで確保した敵対行動をとっていたアメリカ人女性と、戦闘で勲章に値する兵士5人を連れて少佐がアメリカのコルドラ陸軍基地へ馬で向かいます。

しかし途中でメキシコ反乱軍の襲撃を受け、反乱軍は馬が狙いだと女性から教えられ窮地を救われますが、基地までの遠い道のりを徒歩で向かうことになります。

途中、本能のまま女性を襲おうとする兵士や、指揮をしている少佐の過去の悪い噂を問い詰めたり殺害を画策したりと苦難が続きます。

まぁ、経済的に絶好調なアメリカの娯楽大作映画という位置づけなので、騎兵隊の総攻撃シーンなどは迫力がありますが、後半は「七人の侍」や「プライベート・ライアン」的に、限られた人間関係のドラマとなっていきます。

というのも、勲章を与えられるというのも、第1次世界大戦にアメリカ軍が派遣されるのは時間の問題に迫っていて、そこで勇敢な兵士を祭り上げて国民に戦争をアピールするためという裏の事情があったわけです。

それ故に、勲章を推薦される兵士側にとっても、嬉しいどころか、逆に辞退を申し出る始末で、そうした兵士を率い、勲章の推薦書を書く将校と対立するのも当然のことです。

そうした時代背景を理解しながら見ると、また面白いですが、中には理不尽な反戦映画ととらえる向きもあるかもしれません。

★★☆

 ∟ ∟ ∟ ∟ ∟ ∟ ∟ ∟ ∟ ∟ ∟ ∟

炎の人ゴッホ(原題:Lust for Life) 1956年 米(日本公開1957年)
監督 ヴィンセント・ミネリ
出演者 カーク・ダグラス、アンソニー・クイン、ジェームズ・ドナルド

炎の人ゴッホ
アーヴィング・ストーンの小説「Lust for Life」(1934年)の映画化で、名優の二人がゴッホとゴーギャンを演じています。

オランダ出身の天才画家ゴッホは1853年に生まれ、1890年、37歳の時フランスで自死しました。

伝記が出版されたのが1934年ということで、その後に新たな発見などもあり、解釈が現在とは違っているところもありますが、住まいや友人関係など忠実に再現されているようです。

ブラッセルのベルギー伝道委員会で勉強したゴッホですが、学校の成績は良くなく、僻地のボルナージュ地方の貧困にあえぐ炭鉱町でしか仕事が得られず、伝道師としての仕事はあきらめ、絵を描くことに ..に専念するようになります。

弟の絵画の売買人テオの勧めでパリにやってきて、画材屋で新人画家がたむろしていた店でゴーギャンと意気投合し、その後自然が豊かなアルルへ移ったゴッホはゴーギャンを呼び寄せます。

ゴッホが創作意欲に燃え上がる時と、それと並行して壊れていく内面が、映画ではその時々に描かれた絵画と一緒に映され、心の変化が垣間見えるようです。

他にも登場人物がいますが、この映画では友人でライバルのゴーギャン、弟のテオとの3人による質の高い舞台劇をみているようです。

それは映画が作られた1956年という時代や、主演のカーク・ダグラスはブロードウェーの舞台俳優でもあったことからその流れができてきたのでしょう。

ゴッホが晩年に自分で耳を切り落とした事件は、子供の頃に美術の先生から聞かされたのは、「自画像を描くとき、鏡に映る自分の耳の形がどうしても納得できず、直に見るため切り落とした」という話しでしたが、それは事実ではないようです。

映画では、それまで精神不安定になっていた時に、同居していた友人のゴーギャンと仲違いをしてしまい、突発的におこなった自傷行為という表現でした。

ゴーギャンが屋外でスケッチをしているところに現れたゴッホが「そんな色じゃない!」と邪魔をし、ゴーギャンが「私にはそう見えるのだ」と返すところなど、二人の仲が壊れていく雰囲気のシーンが印象的でした。

少し前に読んだ、印象派の巨匠たちを短篇にまとめた原田ハマ著「ジヴェルニーの食卓」に収録されていてゴッホが登場する「タンギー爺さん」や、ゴッホやサルバドール・ダリたちが登場する映画「ミッドナイト イン パリ」(2011年)なども知っておくとより知識が深まりそうです。

★★★

 ∟ ∟ ∟ ∟ ∟ ∟ ∟ ∟ ∟ ∟ ∟ ∟

ライフ・オブ・パイ/トラと漂流した227日 (原題:Life of Pi) 2012年 米(日本公開2013年
監督 アン・リー 出演者 スラージ・シャルマ、イルファーン・カーン

ライフ・オブ・パイ
2013年の第85回アカデミー賞で、11部門にノミネートされ、そのうち4部門(監督賞、作曲賞、撮影賞、視覚効果賞)で受賞した作品です。

原題の「Life of Pi」を直訳(円周率の人生)しただけでは、意味不明なので、邦題には長ったらしい副題のような説明が付けられています。

実話が元になっているわけではなく、カナダの作家ヤン・マーテルの小説「パイの物語」(2001年)が原作です。

物語の内容は、主人公Piの冒険物語を小説家が聞くという流れです。

元々主人公はインド生まれで、名前にフランスにある世界一美しいプール「ピシン・モリトー」と名付けられていましたが、ピシンの発音が英語ではおしっこの意味となってしまい、学校ではからかわれることになり、自分で円周率を意味するPi(パイ)という名前だと主張するようになります。

そのPiの家族はインドで動植物園を経営していましたが、予算削減で閉鎖が決まり、高く売れる動物を連れてカナダへ移住するため、日本の貨物船に乗り込みます。

しかし太平洋の真ん中で嵐に遭い、貨物船は沈没し、救命ボートに乗れたのがPiと動物(ベンガルトラ、ハイエナ、オランウータン、シマウマ)だけになってしまいます。

怪我をしていたシマウマとオランウータンはハイエナに殺されてしまい、そのハイエナはトラの餌食になり、結局救命ボートにつないだ筏に逃げたPiとトラだけが漂流することになります。

トビウオの大群や鯨、イルカの群れ、人食い浮島など海洋冒険譚があり、最終的にはメキシコの海岸にたどり着きます。

救出された後、日本の保険会社から調査員がやってきて、貨物船の沈没から漂流中の話を聞きますが、トラと一緒に漂流した話しを信じてもらえず、仕方なくもう一つの話しをします。

それは、救命ボートに乗ったトラが実はPiのことで、オランウータンが母親、シマウマが船員、ハイエナがコックという話しで、母親と怪我をしていた船員を殺したのがコックで、そのコックをPiが殺したという話になります。

果たしてその二つの話、どちらを信用するかは、この話しを元にした本を出版するため、その書き手の小説家に委ねますと。う~ん、なかなか深い物語です。

★★★

 ∟ ∟ ∟ ∟ ∟ ∟ ∟ ∟ ∟ ∟ ∟ ∟

激動の昭和史 沖縄決戦 1971年 東宝
監督 岡本喜八(本篇) 中野昭慶(特撮)
出演者 小林桂樹、丹波哲郎、仲代達矢

沖縄決戦
東宝が毎夏に公開していた「東宝8.15シリーズ」の第5作で、沖縄が戦争に巻き込まれていき、アメリカ軍の上陸で民間人の住民たちが次々と犠牲になっていく悲惨な出来事を描いた映画です。

東宝8.15シリーズは、「日本のいちばん長い日」(1967年)、「連合艦隊司令長官 山本五十六」(1968年)、「日本海大海戦」(1969年)、「激動の昭和史 軍閥」(1970年)、「激動の昭和史 沖縄決戦」(1971年)、「海軍特別年少兵」(1972年)の6作品が年1回のペースで製作されましたが、このうち「激動の昭和史 軍閥」と「激動の昭和史 沖縄決戦」だけ当時映画館で見ていませんでした。

現在のCGを多用した戦闘シーンと比較すると、張りぼてやミニチュアの兵器類、戦闘シーンなどがちゃちに見えますが、それは仕方がないでしょう。

あとは、山やジャングルに逃げた兵士も民間人も、現実は食料が不足していてかなり飢えていたはずですが、映画に登場している俳優や子役たちはいずれも血色が良さそうで丸々太っていて、取るものも取りあえず逃げ出し追い詰められているという悲惨な雰囲気が希薄なのが残念なところです。

映画では机上のプランで沖縄を時間稼ぎの捨て石としか考えていない大本営と、なんとかして米軍の侵攻を沖縄で食い止めたい沖縄の司令部のやりとりや、米軍の沖縄上陸時にほとんど抵抗せず、内陸へ引き込んで叩こうとする作戦など、ちぐはぐな戦いで負け戦です。

その他、多くの子供を乗せた疎開船の魚雷攻撃による沈没や、神風特攻隊、戦艦大和の特攻作戦などが描かれ、ただただ悲惨さが強調されます。

この映画が作られた時代は、まだ戦争の記憶が生々しく残っていて、こうした無能な指導者たちに振り回されたあげく、見捨てられた悲劇を描く反戦映画が普通に作られる時代でした。

ウクライナやガザなどの戦争を間近にみていて、近隣の軍事国家の派手な動向を見せつけられている現在では、こうした反戦映画は戦争を経験していない人達にとっては興味がないでしょうから、今後製作されることもないのでしょう。

そういう意味では、この時代にこうした映画が盛んに作られた理由を知っておくべきかも知れません。

★★☆

 ∟ ∟ ∟ ∟ ∟ ∟ ∟ ∟ ∟ ∟ ∟ ∟

127時間(原題:127 Hours) 2010年(日本公開2011年) 米・英
監督 ダニー・ボイル
出演者 ジェームズ・フランコ、ケイト・マーラ、アンバー・タンブリン

127時間
登山家のアーロン・リー・ラルストンの自伝「アーロン・ラルストン 奇跡の6日間」(原題 Between a Rock and a Hard Place)を原作とする実際に2003年に起きた単独遭難事故を描いた映画です。

ユタ州のキャニオンランズ国立公園ブルー・ジョン・キャニオンで渓谷を走り回るキャニオニングを単独でおこなっていた主人公が、クレパスで足をかけた石が動き、その石と一緒に滑落します。

右手が石と崖に挟まれて身動きが取れなくなり、最終的には右腕を自分で切り落とし助かるまでの話です。その救助されるまでの時間がタイトルになっている127時間です。

身動きが取れなくなり、外とは連絡が取れず、飲み水もなくなってきて、極限状態で徐々に精神状態がおかしくなってきます。

また恋人や家族との思い出が次々と思い浮かんでは消え、自分が常にわがままで、誰にも行き先を告げない孤独主義だったことに気がついていきます。

切れない簡易ナイフで自分の腕を切るところや、水がなくなって自分の尿を飲むところなどややグロ的な要素もあります。

遭難事故映画で過去に見た映画と言えば実際に起きた事件を題材にした1993年の航空機事故でアンデス山中に不時着した「生きてこそ」(1993年)を当時映画館で見ましたが、こちらも生きるために死んだ搭乗員を食べることなど極限状態が描かれていました。

また2011年公開の小栗旬主演の「岳-ガク-」はエンタメ的な内容ですが、雪山で滑落した人を救出する映画でした。そういう意味では史上最悪の雪山遭難事故「八甲田山」(1977年)も山岳遭難映画です。

「もし自分がそういう極限状態に陥ったら?」と考えてみると、おそらく痛みや自然との闘い(寒さや暑さ)、空腹や口渇などから、生きることを早々にあきらめ自死を選ぶか、あるいは自然に死ぬのをただぼんやりと待つだけでしょう。

絶対にあきらめず、切れないナイフで硬い骨と腕を切り落としてでも生き抜くという勇気や耐久力は見習えと言われてもとてもできることではありません。

★★☆

【関連リンク】
2025年7~8月に見た映画 鬼太郎誕生 ゲゲゲの謎(2023年)、コラテラル(2004年)、殿、利息でござる!(2016年)、めし(1951年)、ディファイアンス(2008年)、プレイス・イン・ザ・ハート(1984年)、地上より永遠に(1953年)、雪風 YUKIKAZE(2025年)

2025年5~6月に見た映画 王になろうとした男(1975年)、暗殺の森(1970年)、名探偵コナン 100万ドルの五稜星(2024年)、ドクタードリトル(2020年)、空母いぶき(2019年)、アイヌモシリ(2020年)、お墓がない!(1998年)、高慢と偏見とゾンビ(2016年)

2025年3~4月に見た映画 大日本帝国(1982年)、飛べ!フェニックス(1965年)、必殺スペシャル 主水と秀 香港・マカオで大あばれ(1991年)、15時17分、パリ行き(2018年)、君がいた夏(1988年)、ラーゲリより愛を込めて(2022年)、クライ・マッチョ(2021年)、野良犬(1949年)

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