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マーチ博士の四人の息子(ハヤカワ文庫) ブリジット・オペール

マーチ博士の四人の息子
著者は1956年生まれのフランスの女性作家で、この作品が1992年のデビュー作です。日本語訳は1997年に文庫として出版されました。

推理サスペンス小説ですが、ホラーの要素もありなかなか楽しめます。

主人公は、アメリカの裕福な家でメイドとして働いている独身の女性で、過去に犯罪で刑務所に収監された経験があり、現在も別の犯罪で警察に追われているという感情移入ができそうもない人物です。

その主人公が働く家には、医者の主人、その妻、4人の子供(4つ子)が住んでいますが、その子供のひとりが書いたと思われる日記を偶然見つけ、それを読むと、過去に何人もの殺人を犯し、今後も次のターゲットが書かれています。そしてそのターゲットとされた女性が殺されたり、事故に見せかけて亡くなったりします。

その殺人犯の日記と、メイドの日記がずっと繰り返され、やがてはお互いの存在が判明し、やりとりをするようになりますが、その殺人犯が4人の子供のうち誰なのかはずっとわかりません。

この双方の日記でのやりとりが長く、ダラダラと延々と続くのが結構つらく、読み飛ばさずにはいられません。

こういう小説なので、単純に4人の息子のうちの誰かが犯人だったというオチにはならないと思っていて、あれこれ自分で想像してみましたが、突拍子もないエピローグで、いずれも外れてしまいました。

そりゃそうです、一度も登場してこない人物が犯人なんてそれは反則技でしょう。

それにしても、最終的に事件が解決する要因が、主人公が刑務所に入っていた時の習慣の「あること」からというのは秀逸でした。

★☆☆

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美食探偵(角川文庫) 火坂雅志

美食探偵
著者は1956年生まれ(2015年58歳没)の、戦国時代や江戸時代、幕末などの歴史小説が多い作家さんで、NHK大河ドラマの原作となった直江兼続を主人公とした小説「天地人」(2006年)が有名です。

その中でも珍しい明治時代を背景にした探偵小説で、2000年に単行本、2003年に文庫化された長編小説です。

主人公は、報知新聞社の編集長で、またグルメ情報「食道楽」などを書いている作家にして、謎を解き明かす素人探偵です。

連作短篇集形式になっていて、「海から来た女」、「薄荷(はっか)屋敷」、「消えた大隈」、「冬の鶉(うずら)」、「滄浪閣(そうろうかく)異聞」の5篇が収録されています。

それぞれの短篇は、明治時代に実在していた建物が舞台となっていて、「大磯の禱龍館(とうりゅうかん)」、「横浜のグランドホテル」、「築地メトロポールホテル」、「箱根離宮」、「伊藤博文邸、滄浪閣」が登場し、親切にも当時の写真が掲載されています。

余談ですが、それらの中で唯一知っていそうなグランドホテルは横浜にあるクラシックホテル、ニューグランドが名前を変えたそれかなと思っていましたが。グランドホテルは1923年(大正12年)の関東大震災で倒壊したため廃業していました。ただその同じ場所に別の法人が外国人向けの高級ホテルとしてニューグランドを建てたということです。

こうした学校では習わない明治時代の話しは、内容はフィクションとは言え、その中に事実も散りばめられたこうした小説で知ることが多く、雑学ですがたいへん面白く興味がわきます。

★★★

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嵐が丘(角川文庫) E・ブロンテ

嵐が丘
原題は「Wuthering Heights」で直訳すると、「風が吹き荒れる高台にある邸宅」という意味ですが、「嵐が丘」と最初に邦訳したのはお見事です。

Heights(ハイツ)は、日本では場所は問わずチープな集合住宅の名称によく使われていますが、本来は、丘など高台にある大きな一軒家の屋敷に付けられる名称で、本著では主人公達が住む屋敷がワザリング・ハイツ(意訳:嵐が丘)と呼ばれています。

作品は1847年(日本では江戸時代)に最初に出版された長編小説で、著者のエミリー・ブロンテは、1818年イギリスのヨークシャー生まれで、28歳で本作品を刊行後、わずか1年経った1848年に病死します。本作品が高く評価されるようになったのは著者の死後のことです。

リア王」「白鯨」とともに、英米文学では三大悲劇とされています。また1939年から今年2026年まで8回映画化されています。その中の1992年公開の映画では坂本龍一が音楽を担当しています。

英国の田舎町にある大地主が住む二つの大きな屋敷があり、そこが主な舞台となります。その屋敷のひとつはいつも強風にあおられていて、Wuthering Heights(嵐が丘)と呼ばれています。

物語はその屋敷に住む家族3代にわたる大叙事詩で、180年前に書かれただけに、現代の感覚からすると相当時代を感じます。180年前と言えば、日本は江戸後期で、まだペリー来航の前で、鎖国中でした。

内容は、恋愛などもありますが、その多くは差別や裏切り、病気、謀略など暗くて重い話しが多く、最後には少し救われますが、悲劇だけに読み進めていくのが結構つらく重苦しいです。

そして子供の頃に孤児だったのを救ってもらい育ててもらったにも関わらず、恨みを持ち、恩知らずの性格破綻している嫌なヤツ(主人公のひとり)を中心に物語は回っていくので、出版当初は評価が低かった理由もわかります。

この小説が最初に邦訳版で出版されたのは昭和32年(1957年)で、今回読んだ文庫改訳版の初版は昭和38年(1963年)版(平成8年改版41版)です。

したがって昭和38年当時の言葉遣いがそのまま残されていて、現代では差別用語として使われない言葉「きちがい」「こじき」「つんぼ」が何度も出てきたり、裕福な地主の若い娘さんが「よござんす」とか、英国のお嬢様が着るドレスのことを「着物」という翻訳にちょっと目が点になってしまいます。

増版するときに、出版社は訳者の許可(翻訳者は亡くなってますのでその権利継承者)は必要でしょうけど、どうして現代風に最低限の修正をしないのか不思議です。他の新潮社版講談社版などではもう少し現代風の訳になっているのでしょう。

それにしても、英国の3世代にわたる大河小説で、久々に何冊かに及ぶような大作を読んだ気分になりました(この角川文庫は本文500ページ)。

★★☆

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こちら横浜市港湾局みなと振興課です(文春文庫) 真保裕一

こちら横浜市港湾局みなと振興課です
2018年に単行本、2021年に文庫化された、5章からなる連作小説で、1章から3章まではそれだけで完結する短篇、4章と5章は、それぞれに関連した中篇のような感じです。

タイトルから著者の過去の作品にも多くある公務員を主人公にした「お仕事小説」?と思って読みましたが、それに間違いはありませんでした。

実際の横浜市には港湾局はありますが、「みなと振興課」という部署はありませんが、似た「賑わい振興課」というのがあります。それがモデルなのか不明ですが、創作なのでしょう。

主人公は横浜市の港湾局に勤めるヒラの事務職女性と、新たに配属されてやってきた国立大卒のエリート男性の2名で、仕事に絡む中で問題が発生しますが、その不思議な謎の原因を突き止め、穏便に済ませ表面化しないように苦心します。

また本来なら横浜市の局の中でも出世コースではない港湾局に国立大卒エリートが配属された謎(事実かどうかは不明であくまでフィクションです)についても徐々に明らかとなっていきます。

やがて戦前に外国人が多く住み商売などをおこなっていた横浜の歴史や、シアトルへの定期航路で活躍していた氷川丸についてなど、様々な横浜の一面が見られて面白かったです。

そう言えば、先日読んだ火坂雅志著の「美食探偵」も舞台となった時代は違いますが、横浜や大磯などの歴史がテーマとなっていて、意図していませんが、なぜか続きます。

★★☆

著者別読書感想(真保裕一)

【関連リンク】
 1月前半の読書 貴族探偵、ナオミとカナコ、日本のこころ、阿修羅のごとく
 12月後半の読書 「司馬遼太郎」で学ぶ日本史、容疑者、教会堂の殺人、その先の道消える
 12月前半の読書 帰還、探偵の流儀、眠り姫(上)(下)

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