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ビジネスでもプライベートでも相手との交渉の場でついヒートアップし「カッとなる」ことはありませんか?、、、私はよくあります。

一言で言えば「短気」「瞬間湯沸かし器」と片付けられてしまいますが、「短気」な人は逆に「どうしてそれが怒らずにいられるのか?」「鈍感すぎない?」と思っていて「カッとなること」を無意識に正当化をしています。

しかしある時に「短気こそ失敗の元」と理解するようになり、その後はどんなことが起きても自分だけは冷静にいようとできるだけ心掛けてきました。ただ残念ながら今なおそう簡単にカッとなる性格を変えることはできていません。

その「短気こそ失敗の元」が痛切に感じることになったのは、今から20年ほど前のことです。

当時勤務先の会社が仕掛けたある大きなイベントに、ほぼ全社員が来場者誘導や警備にかり出されることになり、私もまったく不慣れな仕事ながらその一員として現場の警備&誘導員として最前線に立ちました。

people-3.jpg (写真は本文とは関係ありません)
想像を超える多くの来場者が集まり、現場は開場前からかなり混乱しはじめ、開場を待つ来場者から次々と「早く入れろ!」「危険な状態を放置するのか!」と不満が出始め、中には無理矢理に閉めているドアに体当たりをする人や、係員に詰め寄って胸ぐらをつかんでくるガラの悪い人まで現れる始末です。

誘導や警備をおこなっていた現場の私たちは、別室にある警備本部と無線を通じて現状を伝えるのですが、本部からは「まだ待て」の指示だけで、集団で理不尽な苦情を言って迫ってくる客にはひたすらお詫びをして、ちょっとしたパニック状態になりました。

その際「本部」へは各所(出入り口は全部で十カ所ほどあり)からパニック寸前の激しい声が届いたはずですが、本部からはいたって冷静な声で「落ち着いて」「予定通りに」としか返答は返ってきません。

最初はそのやたらと落ち着いた声がなんだか無視されバカにされたようで腹立たしかったのですが、後から考えると、もし警備本部が現場の声を聞いてすぐ過剰に反応し、予定にないオープン時間前の開門をおこなったり、予定されていない出入り口から入場をさせたり、乱暴な客に対し強硬な姿勢を見せていたら、おそらくもっと収拾のつかない事態に陥っていた可能性がありました。

その時の全体指示を出す本部要員には確かに私のようなイケイケで短気な社員ではなく、いつも冷静で温厚な、私から見ると普段は「気迫が足りない」「積極性がない」「若いのに落ち着き過ぎている」というメンバーが配置されていて、「ああ、こうした緊迫した状態を収めるにはこのような能力が必要なんだなぁ」と感心し、そういう人選をした上司をあらためて見直しました。

この「カッとなる」短気な性格は人によって程度に差がありますが、これほど無駄で損な性格はありません。それは様々な犯罪で捕まった加害者が使う言い訳に「ついカッとなってしまって」というのが多いことでもわかります。

これも古い話ですが、同じ会社の社員で、普段はおとなしくて真面目な男性が、通勤途中に駅で他の男性客とトラブルを起こし、相手を殴ってしまいました。先に手を出したらしく、その場で傷害容疑の現行犯逮捕されてしまいました。

とてもそういうことに巻き込まれるような人ではなかったのですが、おそらくはトラブル相手の言動につい「カッとなってしまって」手が出てしまったのでしょう。

例え相手が一方的に悪いというトラブルでも、先に手を出して怪我をさせてしまうと、立場は一転してこちらが悪者(犯罪者)になってしまいます。

中には正当防衛のためというケースがありますが、おそらく一般の人が考えているより、それが完全に認められる基準はそう多くありません。

「電車内で足を強く踏まれて文句を言ったら、逆ギレされうるせえと肩を押された」「その態度に腹が立って肩を突き返そうとしたら偶然に手が顔に当たってしまい相手が鼻血を出した」となると、とても正当防衛とは言えず立派な刑事事件の「傷害罪」となってしまう可能性が大です。

興奮したり混乱していて冷静でない時には、得てしてそういう不運なことが起きてしまうのです。

そして怪我をさせてしまった相手の性格が悪く、多額の治療費や慰謝料を請求されたり、和解に応じず長引く刑事裁判の被告に立たされたりと、ちょっとしたきっかけで人生を棒にふってしまうことになる一瞬の短気が起こす悲劇なのです。

満員電車の中では、足を踏んだ、肩が当たった、鞄が当たった、濡れた傘を押しつけたなど、トラブルのタネには事欠きません。

これも前述の例のように通常は先にカッとなって手を出したほうが負けですが、トラブルの相手に刺されたり、ホームから線路に突き落とされる事件さえ起きていますから、先に手を出さなければ安心というものでもありませんから難しいものです。

私ももう30年以上満員電車で通勤をしてきましたので、そういう理不尽なトラブルに巻き込まれそうになったことは一度や二度ではありません。自分があきらかに悪いとき(電車が揺れて他人の足を踏んだり、手に持っていた新聞が人の顔や頭に当たったり)したときには、とにかくすぐに詫びる言葉を発すること、逆に誰かに足を踏まれても、下手に相手に文句を言ったり睨まないことがむやみなトラブルを避けるコツでしょう。忍耐が必要でストレスが溜まります。

そしてその他に痴漢えん罪を避けるため、満員電車では女性の後ろには立たないというのも私の中で鉄則です。ある知り合いの銀行員は、遠回りになるのを承知の上で、女子高生が多く乗る電車通勤経路を避けて、別の遠回りのルートで毎日通勤していると言ってました

。銀行員にとっては例え最終的にえん罪だと証明されても、痴漢と疑われて取り調べを受けただけで、もうその銀行では将来がなくなってしまう信用第一の職業なのでその予防線なのです。

また、帰りが遅いので、電車内でできあがった酔っぱらいに絡まれることが何度かありました。酔っぱらいが相手では論理や道徳、マナーが通じずにいつも悩まされます。

まず近づかないこと、近くに寄ってきたら自ら静かに遠ざかるしか巻き込まれない方法はありません。

それは理不尽なことをされたり見たりするとすぐに「カッとなってしまう」自分の性格を知っているからです。

酔っぱらいの扱いに慣れている人や、短気でない人はその必要はないでしょうけど、私はそういうことが起きる前に状況を察知し、トラブルから遠ざかることに神経を使います。

タバコは周囲にも迷惑をかけるというので公共の場所では禁煙となっています。では飲酒はどうでしょう。私は何度も酔っぱらいに迷惑をかけられ、嫌な思いをしてきました。

一定の酒量を超えた酔っぱらいは、公共の交通に乗るのを規制してもらいたいとずっと思っています。

この種の「イライラ克服」「怒りのマネジメント」本は山とあります。それで困っている人、悩んでいる人が多いんだなぁと実感します。

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