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日本茶といえば一般的には煎茶の緑茶を思い浮かべる人が多いと思いますが、種類としてはまず大きく抹茶と煎茶に分かれ、次に煎茶の中に小分類として玉露、煎茶、番茶、ほうじ茶、玄米茶、豆茶などがあります。お抹茶は茶道で使われている形式張ったあの苦いお茶ですね。そのいずれもが一般的に日本茶と呼ばれます。

それら日本茶全般を指す言葉として緑茶と呼ばれていますが、とても緑色とは思えない番茶やほうじ茶なども含まれますので、子供の時には緑茶と呼ばれることにちょっと違和感がありました。

調べてみると、緑茶は「摘み取った茶葉を加熱処理して発酵を妨げたもの」と定義されており、大分類では同じ製法の中国茶の龍井茶(ロンジン茶)、碧螺春(へきらしゅん)なども中国では代表的な緑茶と分類されています。

一般的な知識として中国のお茶と言えば緑茶ではない烏龍茶というイメージが強いのですが、実は現在でも中国茶の中では緑茶が一番よく飲まれており、元々は奈良時代あたりに中国から伝来した製造法なので、「緑茶=日本茶」という認識は誤っています。

烏龍茶(ウーロン茶)は「茶葉を発酵途中で加熱して発酵を止め、半発酵させた茶」と定義されており、緑茶とは別の青茶としての大分類となります。その種類は有名な鉄観音、凍頂烏龍茶などがありますが、意外なことに中国では一般的に飲まれているわけではなく、日本で言えば特別な機会にお抹茶をたしなむように、まれに飲まれているそうです。

ついでに日本では烏龍茶として一緒にされてしまうことが多いプーアル茶は、麹菌により数ヶ月以上発酵させる後発酵製法で、緑茶でも青茶でもなく黒茶の大分類となります。今まではそのプーアル茶や香りのいいジャスミン茶(花茶)なども烏龍茶の一種だと思っていましたが、あらためてその違いを認識しました。

一方、西洋で一般的な紅茶は「摘み取った茶の葉と芽を乾燥させ、もみ込んで完全発酵させたもの」を言い、発酵させるかさせないか、茶葉をもみ込むかどうかの製法が緑茶との区分で、決して茶葉の種類や茶を抽出したあとの色で判別するものではないということです。確かに紅茶の葉はもみ込まれてよじれているのが多いです。

さて、日本茶の話しに戻すと、まず日本で一般的によく飲まれている煎茶や番茶は、日本各地で茶葉が生産されていてそれぞれに特徴があります。煎茶と番茶の違いは茶葉の収穫時期などで製法はほぼ同じだそうです。

私の好きなほうじ茶は名の通り茶葉をコーヒー豆のように焙煎したもので、それが独特の香りを引き出します。ほうじ茶は比較的関西、特に京都などで日常的に飲まれていることが多く、そう言えば関東では番茶はよく見かけますが、こうばしい香りが立つほうじ茶にはあまりお目にかかりません。

そしてほうじ茶は焙煎することで苦味成分のタンニン(カテキンなど)が壊れ、渋味や苦味がなくなり、口当たりがさっぱりしています。胃に負担がかかるカフェインの量が少なく、子供や高齢者でも安心して飲用できることから病院での入院患者などにも出されています。

そう言えば、胃潰瘍で入院して4日間絶食したあと、食事の前に出されて最初に口に入れた(薬は別として)のがこのほうじ茶だったような気がします。

もうひとつ私の好きな玄米茶は、その名の通り炒った玄米を番茶に混ぜ込んだ緑茶で、玄米のこうばしい味と香りが子供の頃からとても好きでした。今も昼休みに自分でいれてよく飲んでいます。

ただこの玄米茶というのは茶葉はもちろんですが、炒った玄米の質によっても味や香りが大きく左右され、スーパーで買うティーバックでは残念ながらあまり美味しいものには出会えません。やはりちゃんと品質管理され、製造に手間をかけたお店で買わないと本当の玄米茶は味わえないようです。

先日、食べ物の糖質を減らしてダイエットをという記事を書きましたが、日本茶は基本的には糖質ゼロで、ビールや日本酒、ジュース類と違い、いくら飲んでも太りません。

私は朝はコーヒーを飲みますが、午後はその日の気分で抹茶(狭義の意味で普通の緑茶)、玄米茶、ほうじ茶、紅茶を選び、自分でティーバックをいれて飲んでいます。その都度缶コーヒーやペットボトルのジュースを買って飲むより、エコでふところにもそして健康にもよさそうです。

そう言えば関東中心に展開している喫茶室ルノアールでは、少し長居(30分以上ぐらいかな)する客に、途中で緑茶のサービスがあります。これは決して「早く帰れ」の合図ではなく、「どうぞゆっくりしていってください」という店のサービスで、私は熱くて茶碗に触れないぐらい煮立ったあのお茶が気に入っています。飲むときには茶碗をおしぼりでくるんで飲んでます。

アメリカなどでもダイエットブームや健康志向の波にのって、日本茶ブームが起きていると少し前にテレビで見たことがあります。伊藤園の「お~い!お茶」のペットボトルが頭脳労働するアメリカ人に大人気だとか。確かにどんな添加物が入っているかわからないコーラを飲むより健康的でしょう。

健康のことを考えると日本茶は最高ですね。ただしストレスなどで胃が荒れている人や、寝る前なのでカフェインを抜きたい時は、ほうじ茶を選ばなくてはなりません。それだけはお忘れなく。


【関連リンク】
759 糖質ダイエットについての備忘録その1
712 最近気になる食品の安全性
634 味覚の変化について
334 ミネラルウォーター飲んでますか?



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