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今年2010年は「国民読書年」とのことらしいのですが、知っていました?
 
私はまったく知りませんでした。
 
で、どういうことをやっているのか調べてみました。
 
まず決まった経緯は、2005年に「文字・活字文化振興法」というのが国会で制定されました(これも知らん)。
 
「文字・活字文化振興法」は「文字・活字にかかわる著作物再販制度の維持」と「著作者及び出版者の権利保護の充実」を目的とした法律で、簡単に言えば、出版社等の既得権益である忌まわしき再販制度とメディア等の著作権保護ということで、読者(=ユーザー)にとっては、なんのメリットもない法律です。
 
その出版社や新聞社などの手前味噌な法律が制定され、2008年に国会(衆参両議院)で「文字・活字文化振興法」ができてから5年後にあたる2010年を「国民読書年」とすることを決議したらしい。
 
あまりにも既得権益保護が露骨すぎて恥ずかしかったのか、あるいは、取り上げるほどのニュースバリューがないと判断したのか、キッチリと報道されたという記憶がありません。

まぁ内輪の利益誘導のためだけの法律や決議ですからね。部外者は知らなくていいの!って感じでしょう。
 
その既得権益者が徒党を組むのが「財団法人文字・活字文化推進機構」という団体です。ここの理事連中の肩書き見ると作家、出版、新聞、テレビ、印刷、広告など業界団体がこぞって入っているのがよくわかります。
 
ちなみにちゃ~んと「国民読書年」のロゴまであります。

dokusho.jpg
 
文字・活字文化推進機構の役員名簿を見ると、少なくとも上層部には文科省や経産省の(直接の)天下りが入っていなさそうなのはマル優を差し上げたいですが、利益代表でもある作家の肥田美代子議員や、日本経済新聞出身の中川秀直議員などがこの法制化の中心となり、理事長や理事にもなっているところがいかにもって感じです。
 
で、2010年の「国民読書年」になるとなにが起きるのか(起きているのか)?
 
決議では「政官民協力の下で、国をあげてあらゆる努力を重ねること」が宣言された、らしい。
 
わっー!そりゃたいへんなことだ。太平洋戦争も政官民一致団結し、国を挙げてあらゆる努力を重ねた戦(いくさ)でしたね。

しかも新聞、雑誌、ラジオの各メディアがこぞって世論を開戦ムードへと高めていったわけだし。そりゃ凄い!さすがです!やっぱりやることが違います。60年以上前からずっと考え方が変わらず一貫しています。
 
そして今回も雑誌・テレビ・ラジオ・新聞の(絶滅間近の)4種マスメディアが中心となり、2010年は様々な特集やセミナー等が組まれているそうです。さすがに昭和一桁の時代と違い、いくらマスメディアでPRしたとしても、認知度は上がらず、世論の形成もそう簡単ではなさそうです。
 
しかし、たぶん後年には、2010年は「国民読書年」ではなく「電子書籍元年」だったんじゃね?と言われてしまいそうです。



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