リストラ天国 ~失業・解雇から身を守りましょう~
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親子で直木賞作家となった息子さんのほうの白石氏は、私と歳が近いこともあり(1歳違い)、本名で出版された最初の作品「一瞬の光」からずっと読んできた好きな作家です。
作者と同世代と言うことはつまり主人公とも同世代ということが多く、共感を覚えることが多々あります。
作者と同世代と言うことはつまり主人公とも同世代ということが多く、共感を覚えることが多々あります。
この「永遠のとなり」はかなり作者本人の自伝的な要素が多く含まれていそうで(作者も主人公も早稲田卒、パニック障害になって大企業を退職し、郷里の福岡で療養という点など)、主人公が生きてきた時代と自分のそれがシンクして(小学生時代に大阪万博が開催されシンボルだった太陽の塔がそのイメージとして残っているとか)、小説の主人公ほどには波瀾万丈(浮気が妻にばれて、離婚を経験したり)でないにしろ、自分の生き様を思い返すいい機会にもなりました。
◇著者別読書感想(白石一文)
◇ ◇ ◇ ◇ ◇
◇著者別読書感想(白石一文)
◇ ◇ ◇ ◇ ◇
南太平洋の楽園と言われるフィジーを舞台にした小説です。しかし現地に住む人達(フィジー人、インド人、日本人等)にとっては、楽園とは言い難い様々な問題や生活があります。
日本人にとってはフィジーやトンガ、ツバル、タヒチなど南太平洋の国々はみな同じように思えてしまいますが、それぞれの国や民族に特徴があります。特に以前植民地として支配をしていた国の事情にも影響されているようです。
日本人にとってはフィジーやトンガ、ツバル、タヒチなど南太平洋の国々はみな同じように思えてしまいますが、それぞれの国や民族に特徴があります。特に以前植民地として支配をしていた国の事情にも影響されているようです。
小説では2000年に起きたフィジーでのクーデターによる混乱の前後を現地に移住した日本人レストラン経営者、その恋人のインド人女性、学友のフィジー人、フィジー人の恋人の日本からワーキングビザで来ている女性が複雑に絡み合います。
元々フィジーの住民は現地人のフィジー人が51%、英国の植民地時代に労働力として強制的に移民させられたインド人(の子孫)が44%と人口が伯仲していて、それが2000年のクーデターの一因となっていますが、楽園にはあまりふさわしくない根深いものがあるようです。
つまりフィジー人にとって、自分たちの国で他民族に大きな顔をしてもらいたくないという理屈があり、一方移民インド人にとっては、フィジー人にとって有利な政策の上に、真面目に働かず利益の分配やだけを求めるフィジー人に対して苛立ってしまうという根深いものがあります。
普段知り得ない行ったこともない外国のしかも小国の様々な事情が、どこまでが真実でどこまでがフィクションなのかは考える必要があるものの、それらを知ることができるというのは小説ならではの醍醐味です。
通常ならフィジーと言えば南国のマリンレジャーのために行く場所というイメージしかありませんでしたが、そこで生活をしている人達や民族のことなどは例え旅行で行ったとしてもわからないことばかりだと思います。
通常ならフィジーと言えば南国のマリンレジャーのために行く場所というイメージしかありませんでしたが、そこで生活をしている人達や民族のことなどは例え旅行で行ったとしてもわからないことばかりだと思います。
で、2000年のクーデターで観光客が激減してしまい、その後どうなったのか知りたくなり調べてみると、現在は軍事政権が掌握し、民主選挙が行われていないということで、周辺のオーストラリアやニュージーランドなどとも対立し、その隙をついて中国が漁業資源の拡大を視野に入れてうまく入り込んでいるようです。
◇著者別読書感想(垣根涼介)
◇著者別読書感想(垣根涼介)
◇ ◇ ◇ ◇ ◇
エッセイが主で、超短編小説?もあったり、隆慶一郎氏の元々の本業であった映画やテレビドラマの脚本家時代の話し、時代小説に対する考え方や発想法、小説の背景などがわかる本です。
隆慶一郎ファンには必携かも知れませんね。
隆慶一郎ファンには必携かも知れませんね。
この隆慶一郎氏は処女作の「吉原御免状」含め二度直木賞候補に挙がったそうです。
まだ作家としての経験が短い、また次があるということで逃してしまい、作家活動を始めてわずか5年(66歳)で他界され、結局受賞ができなかったことで、その後直木賞の選考方法にも影響を及ぼしたそうです。
まだ作家としての経験が短い、また次があるということで逃してしまい、作家活動を始めてわずか5年(66歳)で他界され、結局受賞ができなかったことで、その後直木賞の選考方法にも影響を及ぼしたそうです。
主人公はマフィアの大ボス(病気療養中)の娘と結婚したばかりに、下部組織のリーダーをやらざるを得ないやる気のあまりない男と、一方ではFBIの中では鼻つまみものが集められてダーティな潜入捜査や、盗聴・追跡などの張り込みを専門におこない、容疑が固まり犯人を挙げるときには、地元の警察署にそのすべてを引き渡してしまうという縁の下の力持ち部隊のリーダーです。
長編小説ですが、そのマフィアとFBIの両名が接触するのは最後の最後で、それまではずっと善悪それぞれが別々に事が進んでいきますが、本来は善と信じているFBIのダーティなところと、悪と思われるマフィアの意外と律儀で真面目なところが対照的で楽しめます。
◇ ◇ ◇ ◇ ◇
この本は、ずっと前に購入し、数ページ読んだところで、ハチャメチャで理解不能となり、長く書棚の肥やしとして溜めておかれた小説です。今回、熟成した肥やし救出計画のもと(単に図書購入費削減)、ほこりを払って一気に読んでみました。
森博嗣と言えばデビュー作「すべてがFになる」や「スカイ・クロラ」などが有名なSF推理ミステリー作家ですが、読むのは初めてです。
この作家の小説はしばしば漫画やゲーム、映画にもなり、マニアックな人達(単にオタクとも言えなくはない)にはとてもウケているのがわかります。
またわずか10年ぐらいのあいだに数十の作品を上梓していて多作な作家といえるでしょう。
この作家の小説はしばしば漫画やゲーム、映画にもなり、マニアックな人達(単にオタクとも言えなくはない)にはとてもウケているのがわかります。
またわずか10年ぐらいのあいだに数十の作品を上梓していて多作な作家といえるでしょう。
映画の「スカイ・クロラ」はDVDを借りてきて見ましたが、精密な航空機の描写など、大人でも十分に楽しめる作品でした。しかしストーリーがこれもまたぶっ飛んでいて、ストーリーは中学生~高校生向けなのかなぁと思った次第です。
◇著者別読書感想(森博嗣)
◇著者別読書感想(森博嗣)
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