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信じられないというか、常識をくつがえす流通革命がとうとうやってきたのかな?と思わせる記事がでていました。
 
 
アマゾン(Amazon)での買い物の配送料が3月末までの期間限定とはいえすべて無料となりました(Amazonマーケットプレイスなど一部は除外)。

今までは1500円以上ならば送料無料でしたので、書籍などもまとめ買いをしたり(11月末まで書籍の配送料無料キャンペーンというがありました)、家電等高価なモノに限定されていましたが、それが数百円の書籍はもちろん物品(安価なプラモデルや文房具など)でも一切送料が無料とは、いったいどのようなビジネスモデルになっているのか驚きです。
 
愚かなで薄学な私の知識で懸命に考えたその理由とは?
 
1)本当の意味で流通革命が起きている
2)顧客やアカウントを獲得するためのキャンペーン
3)やけくそ
 
まず1)ですが、大手通販(ネット通販含む)会社の場合、売買商品からの利益以外にも流通コスト(配送費)からも利益を得ているということはあまり知られていません。

どういう事かというと、大手通販会社が商品の発送を依頼する運送会社を決める際、より安価に配送してくれる会社を選びます。

でもその安くしてくれる分は購入者の利益になるのではなく、通販会社がせしめていることがあります。

つまり通常1個の配送料金が800円のものを通販会社は運送会社に大口客先として特別な契約をして500円に値引をさせます。そして差額300円は通販会社が利益としていただいちゃうわけです。

消費者(購入者)は配送料金は会社によって多少の差はあってもだいたい800円ぐらいという認識がありますから、通販会社から送料として800円が請求されても不思議には思いません。(※アマゾンは1500円以下の商品の通常配送料は300円でしたので元々それで利益を得ていたとは思えませんが)
 
その通販会社にとって美味しいはずの隠された利益をゼロにするということは、間違いなく通販会社の懐を痛めることになります。タダで配送を請け負ってくれるところはさすがにありませんので。

商品本体の利益(販売額-仕入れ額+保管料等)もせいぜい10~25%ってところでしょうから、今まで無料の下限1500円の場合、せいぜい400~500円の粗利益です。

ちょうど大幅値引きされた配送料がギリギリ出るぐらいの設定と考えて間違いないでしょう。

でも実際にはAmazonで買い物をする人の購入平均単価はそれよりもずっと高いはずで、1500円以上無料の設定でもトータルすると十分に利益が得られていたということです。
 
今回送料を一切無料にするにはたぶんAmazonだけではなしえなかったと思われます。

つまり、Amazonと運命共同体の運送会社が採算を度外視し、超低価格で配送をおこなうことで、配送の圧倒的なシェアをとり、数の力でコストをさらに下げてしまおうという戦略が見えてきます。

1棟のマンション、寒村や離島にある一軒に、1個の荷物を配達するのも3個の荷物を配達するのも、ほぼ同じ労力と時間とコストがかかりますので、戦略としては1個を3個にして配送コストを1/3にしてしまおうという狙いです。
 
同時に、人余りの現在では、一番手間のかかるラストワンマイル(最寄りの物流基地から玄関までの個別配送)の業務には、パートやアルバイトが安く大量に動員することが可能で、この機を逃さず誰にも真似ができない流通革命を起こそうというストーリーが見られます。

日通の宅配事業だったペリカン便を税金や法律により優遇された公営企業日本郵政が買い取り、宅配事業に本格参入してきたことも、運輸業界にとって生死をかけた博打をうつ要因となっているのかも知れません。
 
2)はわかりやすいのですが、他の通販、例えばテレビショッピングや新聞・雑誌の通販、ネット通販各社からAmazonへの乗り換えお試しサービスという意味合いです。

Amazonと正面切って戦えるだけの資本力がある通販会社は多くありません。

そして一度アカウント(クレジットカード、配送先の氏名・住所などの登録)を作らせることができれば、次からはごく簡単にオーダーが可能になります。

私も数年前に最初は安い中古本を買うためにAmazonにアカウントを作りましたが、その後、書籍、子供のゲーム機、PC用品、家電と次第に高価なモノを購入するようになってきました。まんまとその罠にはまっています。
 
例えば家電製品の例をとれば、価格COMを見ると、Amazonが最安値とまではいきませんが、
 A)クレジットカードが使え 
 B)翌日配達が可能で 
 C)そこそこ安い(数量限定の特売品以外は家電量販店よりも安いものが多い) 
というのは大きな魅力です。
 
書籍はもちろん、携帯ゲーム機や一般家電製品などをわざわざ店舗まで行って買う必要はありません。

店舗に行く必要があるのは、どうしても説明を聞く必要がある商品や、当日中に欲しいもの(Amazonでも追加料金で当日配達も可能です)、大きさや色など実際にサンプルを見なきゃわからないというものぐらいです。

店へ行っても展示品はなく取り寄せになる商品や、知人や友人に見せてもらってよく知っているもの、規格や性能が決まっている商品は通販で十分です。
 
ただ現状では、ネットにあまり親しみのない人はテレビや新聞・雑誌のテレフォンショッピングで、逆にマニア向けには1円でも安いことに価値を見いだし、店舗も在庫も持たない激安ネット通販店が幅をきかせています。

しかしテレビや新聞・雑誌には真似のできない商品ラインナップと、激安通販店には真似ができないクレジットカード利用と配送料無料、さらに実際の購入者の感想や口コミが読めるAmazon通販に、一気に顧客を取り込もうという作戦ではないかと思うわけです。

同時に一度獲得した客は、先述した通りとにかく便利なのでその後もずっと継続利用してくれるという考え方もできます。
 
3)の「やけくそ」はさすがにアメリカの会社だけあってロジカルではないのであり得ませんが、1年で一番家電製品が売れるのは年度末の3月ということですから、それに向けた一時的な顧客誘導策&2)のアカウント新規獲得のためのキャンペーンというのが本当のところでしょう。
 
3月は入学、入社、異動、引っ越しなど新しい生活に入る人が多く、家電製品や生活用品の調達やプレゼントが活性化する時期です。

また多くの企業や公共団体は3月末が決算のため、余った予算や利益があれば、この時期にパソコンや事務機器・用品、備品、消耗品などをまとめ買いしておくということが、日本全国で普通におこなわれます。これらの需要狙いというのは明らかでしょう。
 
でももし3月以降も継続して「送料すべて無料」が継続されたら、、、これは1)の流通革命となり、凄いことです。しかし流通、運輸業界も黒船来港でたいへんなことになりますね。

#決してAmazonの回し者ではありませんのであえてAmazonのリンクは貼りません
 



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