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前東京都知事の舛添要一氏は知事時代の2015年4月に変形性股関節症で人工股関節全置換手術を受けられました。

手術後、都庁に復帰後、オリンピック関連のニュースで登場するたびに時には杖をついて不自由そうに歩く姿もよく映し出されていました。(写真はTOKYO MXテレビより)



毎週のように東京から離れ、公用車を使って湯河原の別荘へ行っていた理由を記者から尋ねられたときも「私は足の手術をして、足を伸ばして入れる別荘の風呂で療養していた」というような発言をされていました。

その人工股関節置換手術を受けるまでの話しをブログに書いておられます。

変形性股関節症について(1)

この(1)から(11)まで続きます。

私とほぼ同じ時期に人工股関節置換手術を受けられたと言うこともあり、その動向を注視していましたが、手術において私が2016年に受けたものとやや違っているなぁと思い、その違いを書いておきます。

舛添氏が手術を受けたのは帝京大学医学部附属溝口病院整形外科で、執刀医は中村茂教授という話しを聞いたことがありますが、事実かどうかは不明です。

舛添氏のブログでは、2015年4月2日に左股関節人工股関節置換手術をし、2年後の2017年7月7日に右側の手術をされたということです。

その最初の手術について詳しく書かれていますが、2年前の人工股関節全置換手術では、新職員を前に訓示(職員入都式)し、その後も仕事をした上で入院、翌日の朝に手術ということでした。

手術前に貯血をするのは同じですが、舛添氏の場合「念のため自分の血液800ccを事前に採取し、輸血用として冷蔵保存」とありました。私の受けた病院では貯血はその半分の400ccだけでした。

「手術は朝8時から始まり、お昼頃に部屋に戻った」とありますから、手術に3~4時間かかっていることになります。片側だけの手術としてはちょっと長いかなって気もします。ただその時間中は全身麻酔で意識がないので、実際の手術時間は聞かない限りわからないものです。

病室に移ってから輸血、栄養剤注入、カテーテルでの排尿などとこれは私の場合と変わりありませんが、「寝たきりになると、血栓が問題となりますので、ベッドの上で、両足の爪先を動かす動作をして予防に努めました」とあるのは通称エコノミー症候群対策だと思いますが、フットポンプは使っていなかったのでしょうかね?私の受けた病院では気がついたときから両足にフットポンプが付いていて圧縮と開放が繰り返されていました。

「手術の翌々日の3日には、自分の口から朝食を摂りました。」とあるのは「入院の翌々日(手術の翌日)の3日には・・・」の誤りでしょう。手術翌日の朝食からというのであれば同じです。

「4日(手術の翌々日?)には尿カテーテルを外し、車椅子から歩行器へと移行しました。」とありましたが、私の病院では、手術の翌朝にはカテーテルを外し、立ち上がる練習&車椅子をおこない、トイレへの移動はひとりで可能でした。カテーテルで尿をとるのは短い方がいいです。

「ベッドの上でも、両脚のあいだに枕やクッションを挟んでおきます。また傷口を守るため、仰向けではなく、身体の右側を下に、左側を上にする体勢にせねばならず、寝返りも打てません。」
とありますが、私が手術を受けた病院では手術後の禁忌体勢はまったくなく、体勢は自由で、手術翌々日のリハビリでは理学療法士から「では正座してみましょうか?」と無茶なことを言われました。

このあたり病院のやり方というのはちょっと遅れている?って気もしますがどうなんでしょう。

それ以外では、「4月15日には、シャワーを浴びる許可がおり、2週間ぶりにすっきりとした気分になりました。」と書いてありましたが、4月2日に手術で15日にシャワーというのはいくらなんでも遅すぎな感じです。

私が受けた時は、手術の3日後にはシャワーをひとりで浴びることができました。その後も毎日リハビリで汗をかいた後はシャワーで気持ちよく流していました。

4月1日に入院し、2日に手術、そして「4月28日に無事退院することができました。」ということは、なんと手術後26日も入院、リハビリをされていたことになります。さすがVIPです。

私が受けた病院では昨年皇室の方(75歳)が両足股関節の同時置換手術をされてましたが、やはり入院は22日間でした。片足の手術で26日とは軟弱過ぎ~って気もします(両足同時手術の場合、リハビリは片足手術の2倍ぐらいの期間と言われています)。

もっとも「2017年7月7日に同じような手術を受けました。今回は前回よりも10日間早く退院しました」とありましたから、初回の2015年4月の手術が異例の長さだったとも言えます。VIP待遇で、退院して自宅で療養&仕事をするより、病室で仕事をするほうがよいと判断されたのかもしれません。

私が手術を受けた病院では、片側だけの人工股関節手術の場合、平均で入院は13日ほどで、私の場合はリハビリも順調にいったので、手術後8日で退院しました。早くなったとは言え舛添氏の2017年の2回目の手術(おそらく16日間)の半分ですね。

そして、術後2週間後には杖をついてですが、満員電車にのり、駅の階段も登り降りし、普通に通勤してました。舛添氏のように、手術から4週間後に悠々とワゴン型の専用車で送り迎えしてもらえるわけもなくです。

いかに舛添氏が、変形性股関節症から人工股関節手術をしたと言っても、それは十分にVIP待遇されており、一般の人からすれば羨ましい限りの入院、リハビリ生活と、周囲の対応です。

なので、舛添氏は「湯河原の別荘へは療養を兼ねて」とか無粋な言い訳や「都庁スタッフが病院へ報告へ来ていたので仕事は続けていた」とか特権意識丸出しの苦しい言い訳などせず、せっかく病院に長く入院したのですから、VIP用特別室にこもっていないで、そこで多くの難病の患者さんと触れ合って、励ましたり励まされたりするのが本来の政治家の姿ではないでしょうか。

病院は都内ではなく神奈川だったので、お金を含めすべての損得に敏感な舛添氏らしく、神奈川の市民達と触れ合っても無駄との判断なのかもしれませんが、、、

私だって自分でネットをつないで手術の翌日からベッドの上で普通に仕事をしていたぐらいですから、変な特権階級ぶった病気自慢、仕事自慢、そして人に気の毒がってもらうような発言はするべきではないでしょう。

それにしても人工股関節の置換手術をする場合、病院によって、手術方法や入院期間(リハビリ期間)など大きく違うものです。病院選びは自分の考えに合ったところを慎重に探すべきですね。


【関連リンク】
1049 変形性股関節症の人工股関節置換手術まとめ
1047 変形性股関節症の人工股関節全置換手術(4)
1046 変形性股関節症の人工股関節全置換手術(3)
1037 変形性股関節症の人工股関節全置換手術(2)
1033 変形性股関節症の人工股関節全置換手術(1)

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