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朝や昼の情報番組を見ていると、定期的な特集として出てくるのが、ギャンブル依存症やアルコール依存症などの社会問題です。

たいていは近年の依存症患者数の推移をとりあげ、その実態報道ということで、モザイクをかけた依存症の人の日常を追いかけるという内容です。

これらのネタには尽きませんので、テレビ各局とも、大きな事件や話題がない時のため、埋め草的な特集として常時用意してあるという感じです。

ついこの前には、朝の時間に「ギャンブル依存症280万人!」という内容の特集がテレビでやっていました。

最近、東京オリンピックに合わせ、公営カジノを認可しようという動きがあり、それとともに盛んになってきたのがギャンブル依存症対策に力を入れようという運動です。

日本でギャンブルと言えば、公営の競馬、競輪、競艇、オートレースが主と考えられていますが、実は金額でも利用者でも一番多いのは公的にはギャンブル(賭け事)とはされていないパチンコです。

4種の代表的公営ギャンブルの売上合計は2兆円ほどですが、パチンコの年間売上は20兆円ほどあり、桁違いに大きなものとなっています。

パチンコで換金できるのは暗黙の了解ですが、管轄の警察は表面上はそれを認めておらず、あくまで景品の買い取りをしているだけというスタンスですから笑わせてくれます。

その警察とパチンコ業界とのつながりは深く、天下りも大量で、ズブズブの関係ということもよく知られています。

そのパチンコですが、ギャンブル性というか射幸心を抑えるために、今まで大勝ちすると10万円ぐらいの収入になった出玉を、3年後までには5万円程度にするという出玉規制の方針が決まり、段階的に新しい機械にかわっていくそうです。

警察庁が風営法施行規則を改正。パチンコ業界「悪夢の倒産ラッシュ」(週プレNEWS)
ここ数年、パチンコ業界は不況で、参加人口はピーク時(1994年)の約3000万人から940万に激減してます。さらにパチンコ台のスペックが下がれば、その940万人もホールから遠ざかってしまいかねない。

大勝ちができないと依存症が減るという目論見だそうですが、果たしてそうなのかは謎です。

私も独身時代には、たまにパチンコを打ちに行ったことがありますが、もうここ30年ぐらい入ったことがなく、あまり知らないのですが、昔のようにサラリーマンがちょっと暇つぶしで1万円を超えない範囲でちんたら遊ぶゲームから、数万円をつぎ込んで、1日で10数万円を目標に稼ごうとする人達への特殊な賭けのゲームへと変わってきました。

そのきっかけとなったのは、言うまでもなく1980年に最初のフィーバー機が登場し、一攫千金の大当たりするマシンがブームとなり、その後もギャンブル性が強い機種が次々と登場したことによります。

また、大勝ちすることもあれば、当然大負けすることもあるという、博打性が強く、それだけに射幸心を煽り、その魔力にはまってしまい、依存症に罹ってしまう人が増えているのだとか。

私が行かなくなった理由も、当時から増えつつあった、パチプロやセミプロと言われる、定職を持たずにパチンコに朝から夜までいて、その稼ぎで生活をしている、機種や釘にやたらと詳しく、また常連同士で徒党を組んでパチンコ台を融通しあうプレーヤー(軍団と呼ばれる)がホールに増え、私のようなまるっきり素人がフラリと行って楽しめるような場ではなくなったからです。

さて、依存症対策ですが、ギャンブル依存症の場合は、アルコール依存症とは違い、病気とひとくくりできないところに難しさがあるように思います。

つまり上記でも書いたパチプロのように、それをギャンブルを生活の糧にしている人が実際に多くいるってことです。

多少ながら、競馬や競輪等でもその配当金を目当てに予想し、また当たり券を予想するプログラムを使って、それを本職としている人がいますが、パチプロの数は半端ないところが問題です。

パチンコの遊技人数は約1000万人と言われていますので、その20人にひとりがパチプロ(セミプロ含む)と想定すると50万人、50人にひとりとすると20万人ということになります。私の感覚ではそのあいだぐらいかなと思います。

パチプロは所得の申告をしませんので、国はその人数をつかめません。無職の人もいれば、別の仕事と掛け持ちでやっている人もいるでしょう。

そうしたパチプロは、決してギャンブル依存症という人ばかりではないでしょうけど、パチンコの規制が強まり、儲けが出なくなると、どうやって生活を立てていくのか気になるところです。

ギャンブル依存症対策もたいへんですが、規制強化に乗り出すのなら、少なく見ても20万人のパチプロの再就職問題も合わせて考えておかないと、下手をするとそのまま地下へ潜って非合法事業に手を出したり、生活保護受給へ突入していきそうな予感もします。


【関連リンク】
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941 それでも宝くじに夢を見る
819 パチンコ業界その未来は?
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