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傷痕 桜庭一樹

2008年に親子愛というか近親相姦で物議を醸した?「私の男」(2007年)で直木賞を受賞した著者の、2012年に発刊の長編小説です。

「私の男」10月前半の読書と感想、書評 2013/10/16(水)

この作品は、基本的にアメリカで活躍したマイケル・ジャクソンとその家族を、日本と日本人に置き換えて、King of Popsと呼ばれるようになった偉大で変人の歌手と、突然現れたその娘の話しです。

子供の頃から、歌手と、エンタテナーして育て上げられ、普通の子供時代をおくれなかった主人公は、やがて兄弟とともに活動するのをやめ、様々な奇怪な行動をしながらも単独で世界のエンタテナーとして人気を集めていきます。

そして銀座にあった廃校になった小学校を買い取り、自分の楽園として様々な動物や遊戯施設などを設置し、子供達だけを招待するという行動に出ます。言うまでもなくネバーランドですね。

その楽園に突然現れた主人公の子供で、名前はタイトルにもなっている「傷痕」へと興味が移っていきます。

マイケル/ジャクソンについてあまり詳しくないため、どこまで似せているのか、また似せる必要があるのかどうか不明ですが、あまりにも話しが突飛すぎて、さらに主人公の死後についても、なにか明確なストーリー展開があるわけでもなく、結果的によくわからない小説のまま終わってしまいました。

なにか最初は意気揚々、乗りに乗って書き始めたけど、途中から、自分でもよくわからなくなって、適当に収めたというような感じで残念。

読む人が読めば、最初から最後まで一貫して偉大なエンタテナーとその家族、周辺の人達を余すところなく描き出して素晴らしい!という評価にもなるのかも知れませんが、私にはわかりませんでした。

★☆☆

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季節の記憶 (中公文庫) 保坂和志

1996年発刊、1999年に文庫化された長編小説です。著者は私とほぼ同年代で、そういう方の小説を読むと、内容に自分が今まで実際に見聞きしてきたことが多くなり興味というか関心は高くなります。

例えば文中に出てくる、1960年代に流行った漫画、「伊賀の影丸」は、この世代以上でないと、タイトルから想像する以外、どういった漫画かもわからないでしょう。

著者のメジャーな受賞歴は、1995年に「この人の閾」で芥川龍之介賞、この「季節の記憶」では谷崎潤一郎賞、2013年には「未明の闘争」では野間文芸賞受賞などがあります。

とにかくセンテンスが長いのがこの著者の特徴というか癖なのでしょう、文庫で10行ぐらいをひとつのセンテンスにくくることぐらいは当たり前という文章です。

したがって、ちょっと読みづらい感じもしますが、慣れてしまうと、一気に塊として読み進められそれもありかなと。

私も以前はビジネス文書においてセンテンスが長い文をよく書いていて、読みにくいと指摘されたことがあり、意識して箇条書きなど、文章を短くするようにしてきました。

小説とビジネス文書は形式も文体もまったく違うものですが、自分の備忘録や日記とは違い、人が読むという点は共通するところがあり、やはり読みやすく書くというのがベースにあるのではないでしょうか。

それはさておき、小説は鎌倉に住むシングルファーザーの男性が主人公で、お隣の独身兄妹や、離婚して実家に帰ってきた妹の同級生などが、平凡な日々をそれでも毎日しっかりと生きていくという市井の人達の生活が描かれています。

鎌倉や湘南を舞台にした小説やドラマは古くから数多くあります。

本来なら鎌倉って言えば伝統や古くさくてい年寄りっぽい雰囲気がある場所ですが、著者を含め私たち世代には若いときにテレビで見た「俺たちの旅」(1975年~1976年)の印象が強烈に残っていて、この小説でもそうした若々しく新しいモノ好きなイメージを多少は引きずっているような気がします。

★★☆

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夜が明けたら (ハルキ文庫) 小松左京

元々は44年前の1974年に発刊され、その数年後に文庫化もされましたが、その後しばらく経った1999年に別の出版社からあらためて文庫で出版された短編小説集です。

収録作品は、「夜が明けたら」、「空飛ぶ窓」、「海の森」、「ツウ・ペア」、「真夜中の視聴者」、「葎生の宿」、「秘密」、「保護鳥」、「安置所の碁打ち」、「兇暴な口」、「沼」、「猫の首」、「腐蝕」、「青ひげと鬼」、「牛の首」、「黄色い泉」、「怨霊の国」の17篇。

また巻末にはシリーズ化された短編集を総括した著者へのインタビューが収録されています。インタビュアーはミステリ、SF研究家の日下三蔵氏で、これもまた作品の裏側や苦心の跡が垣間見られてよかったです。

著者お得意のSF、オカルト、ホラー、ミステリーといろんなパターンがあってとても楽しめます。

タイトルになっている「夜が明けたら」は、ある日の夜に大きな地震が起きて、大規模な停電になります。懐中電灯や携帯ラジオを点けようとするも、なぜか乾電池が全部ダメになっていて点きません。

隣人のひとりが電力会社の社員で、停電があまりに長く続くので緊急事態と判断し、会社へ行きたいのでクルマを貸してくれと家にやってきます。しかしクルマのエンジンをかけようとするも電装品がダメになっていて動きません。

そこで走っているクルマを停めて乗せてもらおうと外へ出ますがまったく来ず、季節は冬で寒いので焚き火に当たっていたら、近くの天文台から来たという人達がやってきて「地球の自転が停まったようだ」と告げられます。つまり夜明けはいつまで経っても来ない、、、

短編でなければ、その後のドタバタの話しが続くところですが、それは残念ながら想像するしかないです。

あと、怖いホラーやミステリーでは、「誰かに見られているような気がする」「何者かがいる気配がする」というセンテンスが常道なんだなということがよくわかります。そういう作品には必ずそうした場面が出てきますので。頻繁すぎて、ちょっと使いすぎって気もします。

元々がSF作家として有名な著者ですから、突拍子もない話しが多いのですが、夜にひとりで読んでいると「自分の後ろに誰かがいる気配がして背筋が冷え」、「窓から誰かがジッとのぞきこんでいるような不安」に陥ることは間違いありません。

★★☆

著者別読書感想(小松左京)

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お墓の大問題(小学館新書) 吉川美津子

2016年発刊の新書で、著者は自称、葬儀・お墓・終活ソーシャルワーカー。高齢化社会になって一躍注目されそうな職業です。

すでにお墓をめぐる様々なトラブルや将来の不安などが取り沙汰されていますが、それらを整理して、お墓の買い方から、先祖や親戚、自分のお墓についての考え方、お墓に関する法律などわかりやすく書かれています。

それにしても自宅の近くにある、かなり大きなK市営霊園の定期募集では競争率500倍にもなるらしく驚きです。市営だけに管理料は安いし、地元で便利だし、倒産することもなく、墓石の業者は自由に選べるし、お寺の檀家になる必要もなく人気が高いのがわかります。

この新書を積極的に読むのは、ほとんどが60代以上の中高年者ということになるでしょうけど、高齢の親の面倒を見ている40代、50代の子供もまた、お墓とは無縁でいられないでしょう。

最近流行の共同墓地や、マンション形式の納骨堂まで、様々に選択の幅が拡がってきましたが、なかなか親と子供でお墓についてどうして欲しいか話すことはないので、死後、親戚や寺社とトラブルが起きることもあるそうです。

よく遺産で兄弟や親戚などともめる話しは聞きますが、お墓についてももめることがありそうです。

例えば誰がそのお墓の管理者となるのか?血縁関係ではどこまでそのお墓に入れるのか?地方にあるお墓の墓じまいをどうするのか?親戚に散骨や共同墓地の理解を得られるか?墓地や墓石の種類と費用などなど。

遺産と同様に、墓地や管理者についても予め遺書などで定めておくことを推奨されていますが、後に託されても費用面や管理面、寺社との檀家としての付き合いがなかなか大変で、時代の変化とともに伝統を引き継いでいくというのが難しい世の中になってきたことがわかってきます。

★★☆

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嫉妬をとめられない人 (小学館新書) 片田珠美

久米宏氏のテレビ番組にゲストとして登場されていた時に「精神医学界の沢尻エリカ様」と紹介されたユニークな著者の2015年刊の新書です。

著者の本は、その時TV番組で紹介されていた「他人を攻撃せずにはいられない人」を2016年に読みました。

「他人を攻撃せずにはいられない人」6月前半の読書と感想、書評 2016/6/15(水)

羨望と嫉妬とは似てはいるもののそれが引き起こす問題には大きな違いがあります。事件や大きなトラブルに発展することが多いのは嫉妬で、これはあえて説明をするまでもないでしょう。

ちまたでは出世、所得、恋愛、貧富、家柄、学閥、家庭などなんでも嫉妬の対象となり、それが度を超えると嫉妬の対象者を悪意を持って引きずり下ろそうと画策したり、迷惑をかけるトラブルが発生しています。

そうした嫉妬が起きる原因、嫉妬の対象となりやすい関係、嫉妬されたされそうな時の対処法、そして自分が他人に嫉妬しているときの対処法などが事例と精神科医の冷静な目線で解説が書かれています。

ちょっと不足しているなと思えるのが、男女で嫉妬の種類や解決策が違っているように思えるのですが、それらにはまったく触れられていないことです。

あと、特に最近はFacebookなどSNSが流行ることにより、そうした他人への嫉妬が加速しているそうな。

というのも、そうしたSNSに書き込むのは、自慢話で自分の良い側面ばかりなのが多いのですが、友人(他人)からすると「どうしてあいつばかり良い思いしているのか?」「いつも高そうで良いものばかり食っている」「遊んでばかりいていつ仕事しているんだ?」「いつも周囲に友人に囲まれていて羨ましい」などと勘違いしてしまうケースがあるのだと。

確かにそう思えてしまう友人っています。別に嫉妬してませんが、、、してませんって、、、いえ、少ししてます、、、

いずれにしてもSNSは、人の自慢話ばかりが書かれている場所だって理解した上で「イイネ」するのが良いと思います。

実際には、水面を高貴に泳いでいる白鳥の足が水面下では必死にかいているのと同様、みんな良いことはSNSに書き、書けないことは水面下でもがき苦しみ、ゼイゼイと言いながら生きているんだと思うようにするのが一番です。

★☆☆

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