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1159
危険なささやき (1983年) (ハヤカワ・ミステリ文庫) J.P.マンシェット

日本語版は1983年に発刊されたフランスの私立探偵小説というちょっと珍しいジャンルの作品です。

フランスの小説ということもあって、この小説を原作としたアラン・ドロンが制作・監督・主演をこなした同名の映画作品が1981年に作られていて、そちらのほうが一般的にはよく知られているかも知れません。

そしてこの小説の翻訳者が、フランスを舞台にした犯罪小説やミステリー小説を多く書き、また2001年に「愛の領分」で直木賞に輝いた藤田宜永氏というのも注目される点です。

小説の舞台になっているのが1970年代後半頃のフランスで、有名なシャンゼリゼや凱旋門など観光地ではなく、パリ郊外などあまり知らない場所で展開していきます。

また当然ですが、時代柄携帯電話やパソコンなど情報機器らしいものはなにもなく、昔ながらの知恵と足で情報を得て、事件に首を突っ込んでいきます。

主人公が行方不明になった女性を探そうとした途端に、殺し屋が現れ、事件から手を引くように脅されたり、依頼人と駅で待ち合わせをしたら目の前で射殺されてしまったり、さらにはガールフレンドが誘拐されてしまうという、よくわからないまま大きな陰謀に巻き込まれていきます。

派手なドンパチや暴力シーン、アクションシーンもふんだんにあり、確かに映画に向きそうなエンタメ的展開です。

書かれた時代が時代だけあって、今読むとなにか懐かしい香りがする上質なミステリー探偵小説でした。古い文庫本だけに文字のサイズが小さく、目の焦点が合いにくくなってきた高齢の身にはちょっとつらいのはやむを得ません。

★★☆

  ∟ ∟ ∟ ∟ ∟ ∟ ∟ ∟

会社の品格 (幻冬舎新書) 小笹芳央

著者は元リクで卒業してリンクアンドモチベーションを設立して活躍されている有名な方です。2007年に出版されました。

どうも私は「品格」という言葉に弱く、30数年前に新卒で入社した(営業が主体の)会社の当時の社長がよく言っていた「一流の環境にいれば一流の品格が身につき一流の営業ができる」と、当時はまだ小さい会社ながら、かなり無理をして超一流のビルの中に(小さく)事務所を構えていたことを思い出します。

で、「一流の品格」ってなんぞや?とずっと考え続けてきましたが、実は今でもよくわかっていません。品格って時と立場と環境によりますよね、たぶん。

それ故に、書籍で「品格」と名の付くものは、自然と手が動き、片っ端から買ってきて読んでいるってわけです。

国家の品格」「男の品格」「女性の品格」「女と男の品格。」「日本人の品格」「遊びの品格」「親の品格」などなど。

で、この本は新書にありがちな著者の会社の事業PR本という側面は多々あるものの、経営者が自分では気がつかず、残念な会社となっていく気づきになるかもしれません。

うつけな経営者が「なるほど!そうか!」と手を打つかどうかはわかりませんが、著者の経営する会社に相談してみよう!と考えるかも知れません。

企業経営者が書いた新書を読むと必ずと言って良いほどそうした自社PR本となっていて、印刷部数のうち書店で販売された数よりも会社が買い取って客や見込み客に配った数のほうが多いのではないか?って思うこともありますが、物書きができる中小企業経営者にとってはそれが最善の策とも言えそうです。

この本は、そうした自社PRももちろん詰め込まれていますが、ははーんなるほどねという納得感もあり、特に目新しさはありませんが、暇つぶしの自己啓発には悪くありません。

★★☆

  ∟ ∟ ∟ ∟ ∟ ∟ ∟ ∟

男の勘ちがい (文春文庫) 南美希子

amazonが日本に法人を設立したのが1998年ですから、この本が出版された1992年にはまだ本の通販は一般的ではなかったということになります。

だから何なのだ?と言われても困りますが、1991年に設立されて急拡大中のブックオフで見つけたこの本の中身はかなり赤茶けていて、いかにも古書という感じがします。1992年と言えばわずか25年前なんですけどね。

著者は元テレ朝のアナウンサーで、この本を執筆したときは33歳とありましたから、今では還暦を超え、立派な高齢者の仲間入りをされています。今でもバラエティ番組などに時々出演されているようです。

この本が書かれた頃の世の中はまだバブルに踊っているさなかで、「車載電話付きの高級外車」や「地上げオヤジとその愛人」とか、「カルティエのリング」「アラミスを付けた男」とか懐かしいことばが満載です。今真面目に書かれているそういう時代表現を読むとなんだか皮肉を綴った漫画です。

しかし著者とはひとつ違いの同年代で、そうした時代をともに見てきただけに、笑えるに笑えません。

ちょっと今読むと時代があまりにも違いすぎて、男女とも役には立ちそうもありませんが、バブル時代の饗宴をちょっと懐かしむにはちょうど良いかもしれません。

★☆☆

  ∟ ∟ ∟ ∟ ∟ ∟ ∟ ∟

安土城の幽霊 「信長の棺」異聞録 (文春文庫) 加藤廣

信長の棺」(2005年)のスピンアウトもので2011年発刊(文庫は2013年)の短編集です。

「藤吉郎放浪記」「安土城の幽霊」「つくもなす物語」の三編からなるこの「小説は、タイトルにもある通り、「信長の棺」の戦国時代末期のそれぞれ独立した物語です。

しがない商人から時代の寵児へと駆け上がっていく秀吉=藤吉郎の身分や山の民として生まれた出自を必死に隠し、己の才能だけを頼りに信長に近づき、腹心として当時の家督制度、武家社会に真っ向立ち向かっていく姿を描いた「藤吉郎放浪記」。

信長の理不尽な命令に振り回されて悔しがる愚図で小心者の家康が、腹心の部下服部半蔵を使って信長に偽の幽霊を見せて一泡吹かせようとするものの、安土城には信長に取り憑いた本物の幽霊が先にいて、取り憑かれた幽霊を祓うために頼ったのが阿弥陀寺の住職、清玉上人だったという話しの「安土城の幽霊」。

室町時代に宋から日本へ渡り、足利義満に献上されたとされ、現在も静嘉堂文庫美術館に所蔵されている「九十九茄子〈つくもなす〉」という見事な茶器が、足利義満(金閣寺建立)→足利義政(銀閣寺建立)→山名是豊(応仁の乱)→伊佐宋雲→朝倉教景→松永久秀→足利義昭→織田信長→豊臣秀吉→有馬則頼→徳川家康→藤重藤元→岩崎弥之助(三菱グループ創設者)と数奇な運命をたどっていく話しの「つくもなす物語」。

いずれも戦国時代ファンにとってはフィクションとした「異聞」ではあるものの、なかなか面白い内容となっていて、エンタメとして楽しめます。

★★☆

【関連リンク】
 8月後半の読書 白雪姫殺人事件、里山資本主義、デセプション・ポイント、漂流者たち
 8月前半の読書 転落の街、となりのクレーマー―「苦情を言う人」との交渉術、長女たち、殺戮にいたる病
 7月後半の読書 漂えど沈まず、そして奔流へ 新・病葉流れて、本と私、落日燃ゆ、いっぽん桜
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1158
「今更~」とか、「遅れてる~」と言われそうですが、いま海外の通販にちょこっとはまっています。

通常のネットショッピングなら国内のamazonや楽天、yahoo!ショッピング、ヤフーオークションなどでだいたい間に合うのですが、このほど古くて安い中古外国車を手に入れたので、それの部品や用品をあれこれ調べているうちに、こりゃ海外の通販で買うのが良さそうと発見した次第です。

海外通販のなにが良いかというと、
1)外国車の部品や用品の種類が国内通販よりも豊富にある
2)国内通販会社でも扱っている同じ製品なら送料含めても海外通販の方が安い
と、この2点です。

当然海外通販はデメリットもあり、
1)基本英語なので、ある程度は自分で調べなきゃならない
2)当然ながら日本語の説明書やマニュアルは付いてこない
3)到着までに時間がかかる
4)輸入税がかかるものがある
5)不良品とか不達のクレームや返品交換は、英語でやりとりするリスクがある
6)外国の通販サイトにクレジットカード情報を登録するリスクがある
などでしょうか。

こうしてみると海外通販のメリットよりもリスクや不便さのデメリットが目立ってしまいます(笑)

それでも国内通販では買えないものが見つかったりすれば、否応なくオーダーすることになり、せっかくオーダーして口座を開いたなら、国内通販で買おうと思っていた別の製品も安いのでついでに頼んじゃおう!ということになります。

私が今回海外の通販会社の口座を開いたのは世界最大級のオークション&通販サイトのeBayと、自動車部品などの扱い数が多い中国系のアリババグループのAliExpressの二つです。

eBay AliExpress

eBayはともかく、まだ馴染みが薄いAliExpressですが、下記にわかりやすい説明があります。ご参考まで。中国の楽天みたいな感じですね。

AliExpress(アリエクスプレス)ってどんなところ?

Ali Expressには機械翻訳された日本語サイトも用意されています。翻訳がいい加減なところがありますがご愛敬です。そう言えば日本のAmazonでも商品説明のところで、日本語が機械翻訳されて掲載されている商品が最近目立ちます。そういうのは海外から出品されているのでしょうね。

海外の通販の仕組みは日本の通販と大差なく、簡単にオーダーできますが、気をつけるところは、送料と輸入関税の金額です。あとは細かなところではドル決済となるので、決済日の為替変動によって日本円では数円~数十円変わってくるということもあります。

たいした金額でないものなら、輸入税もかからず、送料込みの商品も多くあり、あと気にするのは到着までの日数でしょうか。

今回5つぐらいの製品をこの二つの海外通販へ発注しましたが、最も速いところで1週間程度、遅いところは到着までに3週間かかりました。国内通販会社の場合、在庫があれば翌日~2日以内で到着というのに慣れていると、出荷~港へ配送~船便~陸揚げ~税関~国内配達と、このスピード感に耐えられないかも知れません。

すでにご存じの方も多いと思いますが、ヤフオクにしろamazonのマーケットプレイスなどには、そうした海外通販の製品を輸入し、国内販売している業者や個人の方がたくさんいます。

もちろん一種の輸入業ですので、海外価格に輸入コストや日本語の仕様書等を付けたりと、手間とリスクがかかっているので直接個人輸入するよりは高くなっているのが普通です。

どのぐらい高くなっているか?というと、ちょっと見ただけですが20%(2割増し)~100%(2倍)程度の割高というものが多い感じです。

2割程度の割高ならば、リスクが少ない国内の通販で買うほうがって思いますが、さすがに送料等含めた価格が1.5倍以上違うと、海外通販を使おうという気になります。

そうしたリスクや手間を惜しまないなら、こうした海外通販を使ってみるのもアリかも知れませんね。

私の場合、きっかけとなったのは、たまたま国内通販では売っていなかったために海外通販に頼らざるを得ない状態でしたが、今後も急がないものに関してはこれからも活用していこうと思っています。


【関連リンク】
968 日本の小売り大手が動いてきた
856 コンビニの活用はどこまで進むのか
709 Amazonにガチ対抗できるのはイオンかセブン&アイか
702 アマゾンジャパンは国内の小売り業を破壊するか?
465 ネット通販にはまりそう、というかすでにはまっている



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1157
この6月にも似た記事を書いていますが、大切なことは二度言うを実践してみます。単にネタ切れということもできます。

一般的に新卒者を含まない求職者に対する求人数の割合を有効求人倍率といいますが、ここのところの人手不足もあり、その有効求人倍率が上がってきています。



2016年度は1.36倍で、(職安の中で)ひとりの求職者に対して1.36件の求人があるということです。

余談ですが、すでに職安へ求人を出すという会社も、職安で職を見つけるという人もそれほどは多くないと思うので、もう少し違うやり方(民間の職業紹介や転職サイト、求人誌などを巻き込んで)を考えた方が良さそうに思いますが、過去の統計との整合性などの問題もあり、なかなか実行はされません。

それはさておき、この有効求人倍率1.36倍は1990年のバブル時代の1.40にかなり近い数値で、高度成長期1973年の1.76には遠く及びませんが、バブル終焉から25年でもっとも高い数値となっています。

そして最近の月間の統計値を見ると、2017年6月の有効求人倍率は1.5となっていて、瞬間風速ながらバブル時代を上回っていて、このまま変わらなければ2017年の年間統計でも1.40を上回る勢いです。

有効求人倍率が上がることは労働者側(求人側)にとっては職を選ぶ範囲が拡がって良いことですが、その中身についてよく見てみないと楽観的に喜んでいるだけではいけません。

まず、年齢や性別によっても有効求人倍率は違ってきます。

法律では年齢や性別で求人上差別してはいけないことになっていて、求人広告に条件で年齢や性別を載せることは少なくなってきましたが、最終的に採用するかどうかは求人側の判断にまかされるわけですので、当然その差はハッキリと出てきます。

例えば、求人倍率を見ても10代、20代の若い人には3~4倍の求人があるのに対して、50歳以上は現在でも1.0を下回る求人しかありません。女性も中途入社組の場合、パートなら複数あるけれど、正社員の求人はなかなか見つからないという話しもよく聞きます。

次に業種や職種によって人が集まらず、求人が膨れ上がるという例は、90年代のバブル時代には3K(危険、汚い、きつい)という言い方で、ガテン系の仕事などをやり玉に挙げていましたが、今の時代はそれが福祉系(医療、介護)の仕事や販売系、飲食系の仕事へと拡大しているという感じです。

有効求人倍率が増えたという理由には景気が上向きになったからという政府広報の説明を信じるより、人口の5%を占めている団塊世代がここ2~3年で65歳を超え、その多くの人が一斉に仕事をリタイアし、全体の求職者数が減ったという事実も忘れてはいけません。

特にこれからは超高齢化社会を迎えるので、今までなら若者のアルバイトや主婦のパートでしのいでいた軽作業等の業務を高齢者にもできるような工夫が必要になってくるのでしょう。

今はコンビニやスーパーへ行っても、レストランでも居酒屋、ガソリンスタンド、宅配便でも結構な高齢者が働いていたりするのを目にします。

今はまだ少ないコールセンターや、遊園地のサポートスタッフなどへも高齢者が進出するのは時間の問題かも知れませんね。


【関連リンク】
1133 有効求人倍率がバブル時並みとは
866 失業率とか雇用状況
807 労働人口と非労働人口推移と完全失業率
705 有効求人倍率と完全失業率から推測する未来
498 失業率推移ではなく失業者数推移でみると
446 失業率統計の話し



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1156
懲りずにまたまた空き家の話題です。

いま「空き家」で検索をすると、全国各地の自治体などが運営する空き家バンクのサイトが星の数?ほど出てきます。役所が主導することと言えばこのように右にならえばかりで、創造力や起業家精神に欠けているとしか言えません。



いくつかの空き家バンクのサイトをのぞいてみたところ、「ど」が付きそうな田舎の築数十年の中古一軒家が数千万円とかで掲載されていたり、駅までバス便しかない地方都市の賃貸が月6万円の家賃とか、アホらしくてよくこんなの恥ずかしげもなくよく載せているなと思うようなものばかりです。

民間の不動産業者なら相手にしないような物件で、枯れ木も山の賑わいってところでしょうか。

このような全国共通の金太郎飴みたいな「上からやれと言われたから仕方なく格好だけつけてます」というような空き家バンクをやっている限り、その地方都市に未来は永遠に来ることはないでしょう。

 ◇  ◇  ◇  ◇  ◇

さて、空き家ですが、今までは地方でその傾向は強まっていますが、今後は都市近郊のいわゆる郊外地域にまで広がってくるのは明らかな情勢です。

少子化で、跡継ぎがいない夫婦や遠くで暮らす家族しかいない高齢者が、老人ホームや介護施設などに引き取られた後、残されるのは築40年とか50年経過した古屋です。

子供など家族がいる場合なら、そうした古い空き家は価格が付けばさっさと売ってしまえばいいのですが、親は介護施設に入っていてもう住んでいなくても、親がまだ生きているあいだは思い出が詰まった家を勝手に処分するわけにもいかず、仕方なく空き家状態で放置というパターンが多いのではないでしょうか。

私の住む地域でも最近空き家がボチボチ現れてきています。

東京都心や横浜中心部まで距離にして20km、電車で1時間程度の郊外地域で、ここに引っ越してきた30年近く前は、周囲にはまだ畑や田んぼが結構あり、交通の便が割と良く、しかも土地代は比較的安いというメリットがあり、周囲には大手企業の社宅や寮、そして古い小さな工場などがいっぱい建っていました。

その社宅はというと、現在はほとんどが普通の民間マンションに建て替えられていて、小規模な工場跡地はいくつにも土地が分筆されて小規模な一軒家が建っていたりと今ではファミリー向けの住宅地となっています。

そうしたまだまだ需要がある地域でも、すでに空き家はいくつも見つかります。

総務省が公表した2013年の全国平均の空き家数は820万戸、全体の空き家率は12%ですが、野村総研の未来予測では、そこから20年後の2033年には空き家は2140万戸(2.6倍)、住宅数全体の30%(2.5倍)に達するそうです。

20年後と言えば、競ってマイホームを手にした団塊世代が80代半ば~80歳後半中盤となり、その多くが亡くなるか、介護施設等に入居、または介護に便利なケア付きマンション等に移っているかというタイミングで、団塊世代達の夢のマイホームが古い空き家になって出てくるわけです。

3軒に1軒が空き家というのは、限界集落や準限界集落ではすでに起きている事象ですが、やがて人がワサワサと多い都市部でもそれが近づいてくるというあまり考えたくない未来絵図です。

それでも日本の住宅メーカーやマンションデベロッパーは前年より着工件数を増やし売上を上げようと、必死に政治家や役所にロビー活動をおこない、テレビやチラシで派手に宣伝し、家やマンションを売りまくろうと手ぐすね引いています。

そりゃ無理ですってば。

国内にこれ以上、新築の家やファミリータイプのマンションを建てたって、そうそう売れるものではありません。ディベロッパーや建材メーカーは、売上や利益を伸ばしたいならとっとと海外へ向かうべきです。

長期トレンドで人口が減っていて、結婚する人が減り、ひとり住まいの人(基本は賃貸)が増えている現状で、中長期的に見てどうやって稼ぎ頭のファミリー向けの一戸建てや広いマンションの販売数を安定して伸ばせますか?

都市部においては、中国人富裕層や国内の少数お金持ちが買う投資用高級タワーマンションか、シングル用の安価なマンション、裕福な高齢者が古くて不便な一軒家から移り住みたいケア付きマンションのこの三つしか考えにくいでしょう。

投資用マンションも、増え過ぎて、今後それを借りてくれる裕福な人がすぐに見つかるか怪しいものです。家賃保証を唄う不動産会社も、そのビジネスモデルが危険水域に来ていると言われています。まもなくそうした高級投資用タワマンのババ抜きゲームが始まると予想されています。

以前書いた、リゾート地の古いマンションがわずか数万円で売りに出されている話しがありましたが、やがてそれがリゾート地だけでなく、周囲が空き家だらけで不用心になり、不良外国人のたまり場と化し、治安が悪化してくる都心部でも同様に売りたくても売れない物件というのが出てきてもまったく不思議ではありません。

そう考えれば、私自身は元々賃貸派ではなく持ち家派なのですが、今廃れ始めた都市郊外にマイホームを買うという選択肢はかなり冒険だと思いますね。

マイホームや不動産を買うのなら、20~30年後にその住宅の周囲がどうなっているかという目利きが重要ですが、そればかりは想定が難しいとしか言えません。


【関連リンク】
1069 世帯数や住宅総数は増えていき、空き家も増える
1053 空き家問題を考える
1103 高齢者の賃貸アパート入居問題
795  定年リタイア時の必要貯蓄額と生涯住宅費用
790  空き家が増えている


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1155
白ゆき姫殺人事件 (集英社文庫) 湊かなえ

2012年単行本、2014年に文庫化された長編ミステリー小説で、2014年には「白ゆき姫殺人事件 容疑者【城野美姫】は、魔女か? 天使か?」というキャッチコピーで、井上真央、綾野剛の主演で映画化もされています。

なかなか凝ったミステリーで、長野県で起きた女性殺人事件について、主人公のひとりの気の弱そうなフリーライターが、犯人捜しのため、ネットを使ったり、関係者と会って順々に調べていくという形を取っています。

もうひとりの主人公は、その殺人事件で、一番の容疑者と見られた女性で、殺された美人会社員と同期入社で、なぜか事件後に行方不明となっています。

それにしても捜査をしているはずの警察の動きや情報はまったく出てこなく、雑誌のフリーライターが聞き回る情報だけで殺人事件の話しが進行していくというのは、ちょっと不思議な感覚です。

そうした不可解な点も含め、最後のクライマックスに向けて盛り上がったところで、あっさりと警察が真犯人が逮捕し、その模様がテレビから流れてくると言うのが意外と言えば意外なところです。

これはなかなか真犯人はわかりません。いや~女ってやっぱり怖い、、、

★★☆

  ∟ ∟ ∟ ∟ ∟ ∟ ∟ ∟

里山資本主義 日本経済は「安心の原理」で動く 藻谷浩介 NHK広島取材班

2010年に出版されて大ベストセラーになった「デフレの正体」の筆者とNHK広島取材班がタッグを組んだ作品です。

里山と言えば、少し前ならTOKIOのダッシュ村をふと思い出したりしますが、あのような山間に囲まれた地で農業を中心に半自給自足をおくっている昔ながらの風景です。

アメリカを中心とする「マネー資本主義」に対応した「里山資本主義」という造語を新たに作り、今後経済が縮小していく日本において、ある一定の人口を支える基礎的な生活パターンとして、里山で暮らすという選択肢を提案しています。

また疲弊した地方において、なぜそうなったのかという根本原因を明かし、これからの地方のあるべき姿も示しています。

長らく都市に住み続けていると、どうしても地方、その中のさらに人口減少地域のことについては、単に税金の無駄遣いというような理解しかできませんでしたが、実際にその中で知恵を絞り、仲間と共同社会を築いている人達もいるということに励まされます。

同書では「目のうろこが落ちた」という表現が何度も出てきますが、よほど分厚いうろこが覆っているのは都市住人に共通しているのかも知れません。

例えば、同志社大学教授の浜矩子教授の言葉として出てきていますが、「シェア」という言葉が今までは独占という「市場占有率」という意味で使われてきたものが、最近では「分かち合い」という意味で使われるという180度変わってしまう言葉すらあるということにはハッとさせられました。

そうした、地方に実際住んでみないとわからないことってあるものです。

都市住人がすべて地方に移住できるはずもありませんが、ある一定の老若男女が今後地方へU・Iターンすることで、成熟期におけるバランスがとれた都市部と地方の社会がうまく機能していくのかも知れないなとこの本を読んで気がつきました。

★★★

  ∟ ∟ ∟ ∟ ∟ ∟ ∟ ∟

デセプション・ポイント (上)(下) (角川文庫)(上)(下) ダン・ブラウン

トム・ハンクス主演で映画化もされた2003年刊の「ダ・ヴィンチ・コード」で一躍大ベストセラー作家に上り詰めた著者の、その「ダ・ヴィンチ・コード」の2年前、2001年の作品です。

タイトルは直訳すると「欺瞞箇所」となりますが、アメリカ国家や巨大組織がもし徹底した欺瞞工作を国民や世界に向けておこなえば、どういうことが可能か、そしてどういうことになるかという実験的な小説です。

アポロ計画以来特に大きな成果を生んでいないNASA(アメリカ航空宇宙局)とそれをサポートし続けてきたアメリカ大統領の側近は、強い危機感から大きな博打をうつことを計画し、実行に移ります。

そしてNASAの活躍が認められれば、NASAの巨額の税金垂れ流し問題を糾弾し、民間での宇宙産業振興を進めたい現大統領の対立候補を打ちのめすことが可能になります。

それには多くの秘密と工作が必要となり、NSA(国家安全保障局)、NRO(国家偵察局)、そして民間の学者を含め、複雑に政治と軍とインテリジェンスと学術、それにマスメディアが絡み合ってきます。

古生物学や宇宙物理学などテクニカル面や、北極近くの気象情報など、読んでいても何のことかさっぱりわからないという部分も多々ありますが、それはさておき、昔、月面着陸陰謀説というのがあり、アポロ計画で実際には月面着陸はなく、映画セットを使って月面からの中継をしていたというようなスケールのでかい国家を揺るがす欺瞞と陰謀が今回のネタです。

★★☆

  ∟ ∟ ∟ ∟ ∟ ∟ ∟ ∟

漂流者たち 私立探偵・神山健介 (祥伝社文庫) 柴田哲孝

渇いた夏」(2008年)、「早春の化石」(2010年)、「冬蛾」(2011年)、「秋霧の街」(2012年)と春夏秋冬の4部作として終わったと思っていた私立探偵 神山健介シリーズで、2013年に発刊された番外?編です。

福島県白河市に住む私立探偵の主人公は3.11の東北地震に遭います。

そして同時に以前勤務していた弁護士事務所から、行方不明になった人を捜しをして欲しいと依頼がきます。

その行方不明となった人物は元弁護士で、現在は議員秘書ですが、東京で同じ議員秘書を殺害し、事務所にあった表には出せない6千万円を持ち逃げし、地震のあとの津波で流されたクルマが福島のいわきで発見されたとのこと。

しかし地震直後のこともあり、道は方々で寸断され、福島原発事故もあり通行止めに遭い、被災地ではガソリンは欠乏し、泊まるところも食べるものもない極限状態で、愛犬カイとともに男の影を追って被災地に入っていきます。

ちなみに、主人公が震災直後にたどる道は、私も震災発生から2年後の4年前にたどった道とかなりダブります。

ただ私が行ったときは震災後2年が経過し、主要な道路や橋はかなり復旧が進んでいましたが、少し脇道に入ると、まだあちこちに津波で流されてきた漁船やボート、壊れたクルマなどがそのまま放置されていて、その時の被害がありありと浮かんできます。

678 東北巡り 2013/1/16(水)

元々はこのシリーズは4作で終わるつもりだったのが、主人公が住む福島で大きな災害(地震、津波、原発事故)が起き、それを実際に目の当たりにした著者自身が、それをテーマにして番外編の作品として一気に書き上げたものと思われます(想像です)。

作品を通して、反原発、放射能への恐怖、政府への不信が客観的に語られていて、書かずにはおかれなかったという著者の信念が感じられる作品です。

★★★


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