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611
製造業の工場海外移転は1990年代からすでに始まっていましたが、本格的に進むのは2000年に入ってからです。

戦後は焼け野原となった国土で、多くの労働者の受け皿として、また高度経済成長の牽引役として日本各地から動員されてきた工場労働者は、バブルの終焉となった1992年を頂点にその後現在まで下降傾向にあります。

戦後の初等教育では一貫して将来製造業の従業員になるための訓練をおこなってきたと言って差し支えありません。つまり単独プレーや独創性など個性は押さえ込み、均一化された大量生産に向く、金太郎飴のような人材を育成することが国家的プロジェクトとして最大の目標だったわけです。

製造業に関わる労働者数を具体的に数字で見ていくと、1970年に1,377万人と就業者全体の27%が製造業でした。20年後バブルの頃1990年は1,505万人で24%が製造業に従事していました。およそ3~4人に一人の割合です。

それがさらに20年後、2009年には製造業の就業者は1,037人と20年前から468万人減り、就業者の割合は17%となります。大ざっぱに言えば雇用される労働者のうち1970年は10人中3人が製造業だったのが、約40年後の2009年には10人中2人以下となってしまったということです。

下記のグラフは2002年に調査項目(産業分類)が大幅変更となり、1968年から2002年までと、2002年以降のふたつに分かれています。これは従来「サービス業」などで一括りにしていたものを、「医療・福祉」などに分割し細かくしたことによります。

グラフ1産業別就業者推移(1968年~2002年)
201206_01.jpg
出典:総務省統計局日本標準産業分類別雇用者数(年平均)から抜粋

グラフ2産業別就業者推移(2002年~2009年)
201206_02.jpg
出典:総務省統計局日本標準産業分類別雇用者数(年平均)から抜粋


しかし製造業の就業数の絶対数だけで見ると、1970年1,377万人、1990年1,505万人、2009年1,222万人と、率で見るのとは違ってさほど大きな変動があったようには見えません。それは団塊世代など就業者総数が2000年半ば頃まではずっと増加傾向にあったので、そのようなことが起きます。

絶対数では大きな変動がないと言っても、過去製造業で働く人がもっとも多かった1992年の1,569万人と比べると17年後の2009年は1,097万人と472万人も減少しています。不況の影響ももちろんありますが、この減った数の何割かは工場の海外移転に絡んでいるものと思われます。

ではこの約472万人の人達は、製造業からいったいどの産業へいったのでしょう?

まず第一に、上記産業別就業者推移グラフを見ると、製造業、農林業の労働者は大きく減少していますが、「サービス業」が大きく増加しています。1992年と2002年の10年間で323万人も増加しています。産業間の労働者の移動のまずひとつめとしてそれが見て取れます。

そのサービス業を細かく分類した2002年以降のグラフ(上記グラフ下)を見ると、2002年から2009年の直近7年間で「医療・福祉」で147万人の増加、「サービス業(他に分類されないもの)」が79万人増加しています。この分類では「コンサルや広告代理店、人材ビジネスなど」などが該当します。その他では「情報通信業/金融・保険業」で50万人の増加で、上記3つを合計すると276万人が増えていることになります。

2002年以前の詳細は不明ですが、おそらくこの「医療・福祉」「その他サービス」「情報通信・金融保険」で製造業で減った470万人の大部分をカバーしているのと思われます。

第二として生産人口の15~64歳の完全失業者数はどうだったかというと1970年1月は55万人(完全失業率年平均1.1%)、1993年1月は148万人(同2.5%)、2002年1月は351万人(5.4%)、2009年1月は286万人(5.1%)ですから、1993年と2009年を比べると失業者が138万人も増加していることになります。

つまり、医療福祉、サービス業、情報通信などへの労働移転が進む一方、それに漏れてしまった人が失業者となったと推測ができます。

次に、製造業や建設業でモノ作りをしていた人(工場労働者や建設労働者)が、その後どういった職種に変わっていったのかをやはり統計を用い推定してみます。

下記のグラフは職業別就業者数推移です。

201206_03.jpg
出典:総務省統計局職業別就業者数(全国、年平均)

「製造・制作・機械運転及び建設作業者」がもっとも多かったのが1992年の1,726万人でした。それが18年後の2010年は1,278万人と448万人減っています。上記の産業別より就業者数が多いのは「建設作業者」が入っているからと推測できます。

一方1992年から大きく増えているのは「保安職業,サービス職業,運輸・通信従事者」で220万人増、「管理的,専門的,技術的職業従事者」が133万人増、「採掘作業者,労務作業者」が77万人増(3つ合計で430万人)で、この3つの職種へ変わっていったと考えられます。

意外だったのは、感覚的には増えているだろうと思っていた営業職や小売業などに従事する「販売従事者」は増加どころか逆に減少傾向にあります。

それに製造業の労働者人口の減少以上に「農林漁業作業者」が一貫して下げ続け、統計のある1962年時点と比べると2010年はその2割に、ここ10年間だけを見ても20%の減少と歯止めがまったくかかっていません。第一次産業に従事する人達の高齢化と跡継ぎがなく廃業することが多くなってきていますので、今後もこの傾向は続きそうです。

もしかすると、製造業労働者の本当の受け入れ先にすべきは、サービス業やハローワーク(完全失業者)ではなく、農林水産業や畜産など第一次産業ではないのかと思ってしまいますが、勤務場所や所得、季節労働、零細規模、仕事の厳しさなどがあり、第三次や第二次産業から果たして第一次産業へ移れるか?と問われるとその難しさは容易に理解ができます。

最近になってようやく一部の事業家が大規模農業を始めたり、年間を通して栽培が可能な野菜工場が始まったり、事業運営を会社組織にして従業員が安定した収入を得られるよう第一次産業も少しは変わってきていますが、まだまだホンの一握りでしょう。

なぜ第一次産業改革が進まないかというと、やはり補助金や補償金、奨励金など既得権益を受けている人や組織が規制緩和や自由化への反対と農業改革に抵抗感が強いことがあります。政治家にとってみればそのタブーに手を出せば、次回は落選間違いなしで、農家とJAなどの関連利益団体を敵に回すことは、郵政改革で郵政族を、金融ビッグバンで金融族を敵に回したのとでは桁違いの反発を喰らうことになるでしょう。

本来なら古くから農家などの支援が強かった自民党から、サラリーマンの労働組合の支援が強い民主党に変わった段階で、それらの既得権益を打ち破らなければならなかったはずでしたが、まだ政治基盤が弱い民主党には、そういう思い切った政策がとれませんでした。

しかし債務超過のいま、いつまでも食糧自給率を盾にする第一次産業だけ補助金を出せるはずもなく、そして緊急の国家課題として雇用対策というのがあり、それの解決法としてこの農業・漁業・畜産業の改革を国家政策として押し進めていくことが日本の将来にかかっているのではないでしょうか。

ぜひ政治と民間の力で、細々とした田畑の個人農家や、休耕地を集約し、それを民間企業に委託して、また産学一体となり最先端のバイオ技術などを利用し、安全でしかも効率のいい農業や水産業を目指すべきではないのかなと思っています。

そうすることにより、高齢化して後継者不足で破綻寸前、補助金頼みの産業に活力を与え、行き場を失っている労働者や失業者が、安心して働くことができる政策を、早急に打ち出してもらいたいものです。

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610
すったもんだありながらもようやく先月派遣法の改正がおこなわれることが決まりました。

労働者派遣法改正法(PDF)

当初はリーマンショック以来の「派遣社員雇い止め」「年越し派遣村」の問題が大きくフューチャーされ、「派遣=悪」のような論調で語られることが多かったのですが、実態をよく見ると「実は派遣が悪いのではなかった」というのが本当のところでしょう。

しかしいったんは大きく振り上げたこぶしをおろす先がなく、仕方なく派遣法をちょこっといじってお茶を濁そうとしているのが見て取れます。ま、結果的にはそれでよかったのではないかと私的には思っています。

したがって、正社員が減ってきて存続の危機を迎えている組合系団体から強く求められてきた「登録型派遣の原則禁止(専門26業務等は除外)」と「製造業務派遣の原則禁止(1年を超える常時雇用の労働者派遣は除外」という二つの大きな目玉が削除されることになりました。それをもって「骨抜き」と書いていた新聞もいくつかありました。すっかり骨がなくなってしまっているのは、ほかでもないその大新聞社だと思うのですけどね。

しかしこの二つが削除されたことで、既存の派遣会社の多くはホッと胸をなで下ろしたことでしょう。

「登録型派遣の原則禁止(専門26業務等は除外)」は、派遣会社の根本に関わる問題で、登録型だからこそ働く側も雇う側も繁閑に応じて柔軟な対応ができる大きなメリットだったからです。

労働組合やマスコミは登録型派遣は「企業側(雇用側)にとってだけ都合がいいシステム」と言います。しかしこれは働く側にとっても「介護や子育て中でフルタイムでは働けない」「資格をとるため勉強中だけど一定期間だけ働きたい」「近所のパートで働くより専門スキルを生かした仕事がしたい」など多くのメリットを感じている人の職をも奪うことになりかねませんでした。特に今後は少子化対策と高齢者問題を考えると、昔取った杵柄(スキル)で、希望する時間や期間で働ける派遣のメリットは大きいでしょう。

「製造業務派遣の原則禁止(1年を超える常時雇用の労働者派遣は除外」は、「派遣雇い止め」問題で一番大きな影響を受けたのがこれらの職種に就いていた人達でした。

それはこの職種には比較的男性が多く、しかもそれが世帯主だったり、家計の中心を担っている人達が多く働いていたからでしょう。しかし年々製造業が海外に奪われていく一番の原因はその労働コストであることは明かで、この製造業派遣をなくすことで、柔軟な従業員の確保ができなくなると、今後ますます日本の製造業が弱体化し衰退することが懸念されました。

ここでも一番の問題は、主たる家計を支える人達が多くこの有期で不安定な職に就いていた(就かざるを得なかった?)ことで、製造業派遣自体に問題があったとは思えなかったからです。

上記ふたつは削除されましたが、一方で規制が強化されたのは「日雇派遣(日々又は30日以内の期間を定めて雇用する労働者派遣)の原則禁止」と「グループ企業内派遣の8割規制、離職した労働者を離職後1年以内に派遣労働者として受け入れることを禁止」の2つです。

「日雇派遣(日々又は30日以内の期間を定めて雇用する労働者派遣)の原則禁止」は一見すると派遣会社にとって大きな打撃のように思えますが、禁止されるのは「すべての職種」ではなく、一般的に短期間の仕事が多い職種に関しては除外されますので、事務系専門職に関して言えばそれほど問題にはならないでしょう。

問題があるとすれば先に法案が削除されたと書いた「製造業務派遣」において、1ヶ月以内の短期派遣ができなくなったことにより、微妙な雇用調整が難しくなったということでしょうか。

例えば多くのメーカーでは期間工と呼ばれる一定時期に集中して工場を稼働させる時があります。そこで、すべての期間工が最初の約束通りに勤務期間を最後まで全うしてくれるといいですが、残り2週間を残して辞めてしまったような場合、2週間だけ替わりの誰かを雇うことができません。

そのしわ寄せは残った人達でやりくりするようなことになりますが、まだ大企業ならやりくりができるかもしれませんが、中小零細企業なら果たして安全に工場稼働ができるのかという問題になってきます。

「グループ企業内派遣の8割規制、離職した労働者を離職後1年以内に派遣労働者として受け入れることを禁止」は、いわゆる親会社が人件費抑制のため子会社や関連企業を作り、そこへ多くの正社員を移籍させて、給料を下げたり、解雇しやすくすることがないようにするためでしょう。

ただ働く側にとってみると、退職後に慣れ親しんだ親会社へ時間や期間を定め、慣れた仕事をおこなうというのは双方にとって悪いことではありませんが、それはできなくなります。

また派遣労働者の待遇改善につながることとして、「派遣料金と派遣労働者の賃金の差額の派遣料金に占める割合(いわゆるマージン率)などの情報公開を義務化」「雇入れ等の際に、派遣労働者に対して、一人当たりの派遣料金の額を明示」などがあります。

ちょっと読むと自分の給料と派遣会社に支払われる派遣料金の差額のマージン率がズバリわかるのか?と思えてしまいますが、もし派遣社員が一人二人ならそうなるかも知れませんが、3名以上いるとその平均マージンがわかるだけですので、あまりピンとこないかも知れません。

「雇入れ等の際に、派遣労働者に対して、一人当たりの派遣料金の額を明示」は、すでに多くの派遣会社では「基準金額(時給)」として普通にやっていると思われますが、あらためて決まりました。

職種別の平均額を知ることで、同じ職種で派遣される自分がそれと比べてどうだとわかるのはいいことですが、まったく同じ職場の同じ職種ばかりとも思えず、様々な環境や条件によって職場が働きやすかったり、そうでなかったりすることもあります。

また人によって持っていいるスキルや資格要件、経験度なども違うので、単に給料の額だけで比べてしまうのもどうかと思いますけどね。

公布されたのは4月6日で、実際の施行は6ヶ月以内のどこかということですから、おそらくキリのいいところで10月1日からではないでしょうか。


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609
メジャーリーグの試合を見ていると、時々出くわすのがビーンボール(正確には故意ではない場合「hit by pitch」故意の場合「brush-back ball」または「beanball」)。

日本では死球のことです。日本でも死球を巡っては両チームが飛び出してエキサイトする場面がありますが、メジャーの場合は、それだけではなく、必ずといっていいほど後で仕返しが待っています。

例えばチームの四番に当ててしまった場合、それが故意であるかどうかは別として、相手チームの四番に当てて返すという返礼が待っています。これはプロといえども怖い。

日本のプロ野球でもこのような仕返しで当てるというのはなくはありませんが、そこはやはり日本人の礼儀正しさというか真面目さがあり、投手が当ててしまった後、申し訳なさそうに帽子をとって軽く頭を下げれば、その後問題になることはまずありません。

しかしメジャーでは相手に当ててしまった場合、投手はそれが故意であるかないにかかわらず絶対に謝るような態度は見せません。逆に「あれぐらい避けろよ、ボケ!」ぐらいの態度です。

世界中からトップ選手が集まってきて、それこそ食うか食われるかの厳しい世界ですから、自尊心も高く、そして相手に油断や隙、弱みを見せてはいけないのでしょう。

中には気の弱い投手や、わざとビーンボールを投げるのを嫌がる投手もいるでしょうけど、そこはチームとしての態度を明確にしておく必要性から、誰かに命ぜられるまでもなく「やられたらやり返す」というのが暗黙のルールとなってしまっているようです。ま、アメリカ人らしいと言えばその通りです。

ダルビッシュも6試合を投げて死球は3個出しています。以前テレビで見ていたら、ダルビッシュが当てた後、明らかにその仕返しと思える死球を味方チームの選手が受けてました。

いやマジで怖いですね。アメリカンリーグは指名打者制なので当てたピッチャーが当てられることはありませんが、それでもチームメイトに申し訳ない気持ちになるでしょう。その時は故意とは判定されなかったようですが、見ていると明らかにダルビッシュが当てた場所と同じ場所に当てにいってました。

しかし最近はこれを潔しとせず、なにか伏線ががあって故意に当てたと判断されると、処分が下されます。開幕してから2ヶ月の間に3回処分がおこなわれています(2012/5/9現在)。

ハメルズが故意死球で出場停止
米大リーグ機構は7日、フィリーズのハメルズ投手が6日のナショナルズ戦の1回にハーパー外野手に与えた死球が故意であったとして、5試合の出場停止と罰金の処分を科した。

ゴメス、故意死球で出場停止処分
米大リーグ機構は18日、インディアンスのゴメスが14日のロイヤルズ戦で記録した死球が故意だとして、5試合の出場停止と罰金の処分を科した。

ヒメネスに5試合の出場停止処分
米大リーグ機構は2日、インディアンスの右腕ヒメネスが1日のロッキーズ戦で故意に死球を与えたとして、5試合の出場停止と罰金の処分を科した。

投手に5試合の出場停止なら軽いものですね。せいぜい次の登板がローテーションから1~2日遅れるだけのことです。おそらく罰金もチームメイトがカンパしてくれるのでしょう。

いっそ故意と認められると出場停止を15試合ぐらいにすれば、登板機会が大きく減ってしまうことで自身のキャリアや来期の年俸にも影響し、仕返しが減ると思うのですが、そうしないのは、おそらくエンタテーメント性を追求するメジャー機構は、ある程度「目には目を」の仕返しという常套手段は、やむなしと認めているような気がします。

死球で受けた怪我が元で野球生命を絶たれてしまった選手も過去にはいて、プロ野球では水谷実雄、高橋慶彦、竹之内雅史など、それ以外にも長期戦線離脱を余儀なくされたり、顔面や頭部に受けた死球の恐怖から踏み込めなくなってしまう選手もいるそうです。

メジャー選手のことはわかりませんが、その歴史から言っても、その荒っぽさから言っても日本よりずっと多く死球に泣いた選手がいると思われます。

もちろんメジャーでわざと当てる時は、足や腰、背中などを狙い、致命傷になる恐れのある頭部に投げないよう注意するものの、それでもあの固いボールを150km/h近いスピードでぶつけられると、身体を鍛えていたところで、めちゃくちゃ痛いでしょう。

そんな痛い思いをして四球と同じ一塁をもらったところで、うれしくはありません。

いっそ死球はテイクワンベースではなく、テイクツーベースかスリーベースぐらいに厳罰化すれば、わざと相手に得点のチャンスを与えることはしなくなるのではと思いますが、どうなのでしょう。

そうすると今度は逆にバッターが当たるのを覚悟して大きく踏み込めて有利になり、内角近くをえぐってくるきわどいボールにわざと当たりにいく選手も現れ、真剣勝負の醍醐味が薄れてしまうかもしれませんね。


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608
若者のワーキングプアや就職難からその攻撃の先は中高年者と相場は決まっているようで「中高年者の雇用を守るために若者がそのとばっちりを受けている」という評論家や学者がいます。

でも本当にそうなのでしょうか?

そしてそれに関連し、非正規社員の多い若者のため、労働法の労働契約法16条にある「解雇は客観的に合理的な理由を欠き、社会通念上相当であると認められない場合は、解雇権濫用として無効」を改正し、企業はいつでも簡単に社員を解雇ができるようにするべきだという主張をする人もいます。

その人達の主張としては、

 ・正社員の既得権益をなくすことで非正規社員などの弱者を救済する
 ・解雇規制をなくすと企業は正社員を採用しやすくなり失業率が下がる
 ・人件費を柔軟にカットできることで、国際市場において企業競争力が上がる

などがありますが、それってつまり、企業側、使用者側の論理で、激しい労働者間の弱肉強食の世界と、低賃金と長時間労働に文句も言わず黙って社畜になれる人だけの世界を作ろうというのと同じではないでしょうか?つまり使用者(経営者)側にとってたいへん都合のいい政策です。

雇用者側にとっては、正社員が簡単に解雇されると言うことは、現在非正規社員の人は正社員になれるチャンスがあると同様、正社員になってもすぐに解雇される可能性があるってことです。

つまり使用者側にとっては正社員であろうと非正社員であろうと会社(あるいは経営者)にとって最善の人だけを残すという非常にありがたい仕組みなわけです。

失業率の問題も、正規でも非正規でも働いているならば失業者ではなく失業率には反映されません。つまり非正規社員が正社員になったからと言って失業率が下がるわけではないのです。

失業率が高いのは、製造業を中心として多くの生産拠点が海外へ移ったのと、日本を含む先進国の景気の低迷で国内の需給バランスがおかしくなっているからに他なりません。

国際市場での競争力を上げるために、働きが悪く賃金の高い中高年はビシビシと解雇していこうというのも、それによって残った労働者の賃金が上がるってことはなく、本気で競争するなら若い人の賃金も国際平均並みに下げない限り競争力はつきません。

日本の労働者の平均賃金が中国のそれと同じまで下がれば競争力はつくかも知れませんが、経営者と株主以外誰もハッピーにはならないでしょう。

すでに多くの企業では完全年功序列賃金制度というのは少なくなり、実際に公務員ぐらいにしか残っていません。つまり年功序列賃金と成果主義、実力主義をうまくバランスをさせた賃金体系になっているところがほとんどなのです。

年代別の平均賃金を見ると、すでに40代が一番高くなっていることからもそれがわかります。完全年功序列賃金が生きていたのはいま65歳前後の団塊世代が現役だった頃までの話しです。

201205_0002.jpg

上記のグラフは総務省統計局の資料から抜粋してグラフ化したものです。

まだ50代前半の年収が一番高く出ていますが、これは全体の10%近くを占める完全年功序列に近い公務員(含む準公務員や公的企業)を含んでいます。

ほとんどの民間企業では役員以外はとっくに40代のほうが収入が高くなっているのが一般的です。

いまやり玉に挙がっている現在の50歳代というのは、学校を卒業して入社したときは上司から「年功序列賃金でいまは少ないけど段々と増えていきあとが楽になるから我慢して働け」とずっと言われ続けてきました。

しかし40代になった頃、つぶれないと言われてきた山一証券や北海道拓殖銀行など大手金融機関までがつぶれ、企業が一斉にリストラを始めるようになり、給料は実力主義の成果報酬に変更と一方的に告げられ、それに甘んじざるを得なくなります。

そりゃ30代、40代の頃と比べると、体力、忍耐強さ、発想力、記憶力、勤務に使える時間など50代は明らかに劣っていきます。

そしてその多くの人は、家族を抱え、親の介護や子供の教育など、仕事に集中しにくい環境下にあることも若い人と比べ不利な点です。

勝てるとしたら培ってきた経験と判断力でしょうが、スピードが速く移ろいやすい時代において、果たしてそのような過去の経験が十分に生かせられるかというと、これもまた厳しい状況です。

したがっていまの50代の給料は30代40代の頃と比べると民間企業勤務の場合10~20%下がっているというのが実情なのです。

一般的な家庭の話しをすると、30歳前後で結婚、子供が大きくなってきて30代半ばから後半に自宅を購入、40代後半から50代前半にかけて子供の教育費(塾や私立高校、大学の学費等)と、20代、30代前半までと比べると段違いにお金が必要となります。

最初から50代で収入が下がると知っていたならば、あらかじめその分を計画的に貯金しておくこともできますが、40代になって急に「年功序列は廃止です、明日からは実力主義の成果主義なのでよろしく」と言われたいまの50代はとてもつらい目に遭っています。

そのような50代に対し「もらいすぎだろ?」「解雇規制などなくして上からきっちまえ」と言われるのは「おい、ちょっと待て」となるわけです。

そして、いま解雇規制をなくしてしまうと、若く元気でしかも優秀な人にとってはあと数年から十数年は天下をとれるでしょうけれど、当然自分達も年齢を重ねることによって、もっと若くて元気で優秀な人達に追い出されるという悲哀を迎えることになります。

しかしそういうことは人生でもっとも華やかな我が世の春を迎えている今の若い人には考えたくもないし、また考えられないことでしょう。

もし「オレは優秀だから将来もずっと追い出されることはない」「オレなら追い出される前に独立して成功する」と安易に思っているならば、まったく笑止千万です。そのような根拠もない、何十分の一か何百分の一の可能性に賭けるほど愚かなことはありません。

誰も20年先、30年先の社会や経済の状況なんて想定できるわけがありません。

私は現在の「年功+成果報酬」のスタイルは悪くないと思っています。それは日本の社会がまだ大企業中心で転職や起業することが少数派で異端であるという社会だからです。

もし40代50代が経験や人脈を生かして個人事業主や零細企業が簡単に作れ、一度や二度失敗しても一家離散や個人破産するようなことがなく、やる気さえあれば何度でもやり直しが効く社会に変われば、その時は完全成果報酬制度も大いにアリでしょう。

ところが、一般的には大会社に勤めていることがその人のステータスであり、福利厚生も退職金も年金も、細かなところでは住宅ローン金利までも大企業従業員(や公務員)が優位になっている以上、それを捨てて積極的に外へ飛び出す人は少ないはずです。

そのような大企業中心経済から脱皮していくことが、今後日本経済を変えていく方向性であって、単に今の中高年を非難してもなんの解決にもならないというお話です。



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5月前半の読書 2012/5/19(土) 

607
睡蓮の長いまどろみ (文春文庫) 宮本輝

長い小説ですが、ヨーロッパの田舎町と日本が登場し、何十年と長く会っていなかった親子が再会し、それまでの紆余曲折の人生を語るといういかにも宮本輝流の小説です。

宮本輝氏ぐらいの大物作家になると、小説を書くために取材旅行をと言えば、海外渡航費などを出版社が喜んで負担してくれるので、こういう日本人が滅多に行かないような海外の地が出てくる小説が多いのではないかと勝手に想像しています。失礼ながら西村賢太氏にこのようなイタリアの聞いたこともないような片田舎の街を舞台にしてストーリーを描けといってもそりゃ無理ですものね。

で、そのイタリアの風景がこの小説にどうしても必要かと言えばそれはまったくないわけで、主人公を生んですぐに消息を絶った母親と何十年ぶりかで再会する場所は、別に軽井沢でも沖縄でも熱海でもよかったわけです。

タイトルになっている睡蓮と蓮の違いを含め、うんちくについては雑学として勉強になりますが、発酵食品を取り上げた「にぎやかな天地」ほどは役には立ちそうもありません。こういううんちく雑学を語らせると天下一品です。

そして特に驚きとか感動とかはなく、主人公とその母親の生い立ちについてまるで蓮の花がひとつふたつとはがれ落ちていくようにして深い事情がわかっていくという暗示をタイトルに込めているのかもしれません。

著者別読書感想(宮本輝)

  ◇   ◇   ◇   ◇   ◇

プレイメイツ (ハヤカワ文庫) ロバート・B・パーカー

日本では1990年に発刊されたスペンサーシリーズ16作目です。タイトルからすると一見綺麗な女性がいっぱい登場してきそうですが、そのような期待は大きく裏切られ、アメリカでは4大人気スポーツの一つであるバスケットボールの将来有望な若手選手が今回の相手です。

大学のバスケットチームに所属し、プロのスカウト間違いなしと言われている選手に八百長疑惑が起きたことで、その大学が私立探偵スペンサーに調査を依頼するところから始まります。

八百長をおこなったかどうかの調査なら、すぐに終わってしまいますが、パーカーの理想とする探偵像はそれだけにとどまらず、依頼者である大学を裏切ってでも、将来のスター選手の芽をつみ取ってしまうだけのことに満足せず、殺し屋を送り込んでくる八百長を仕組んだマフィアを敵に回しながら、スキャンダルに発展しないよう落ち着き先を考えます。

またその生意気で自信過剰で、そそのかされて八百長に手を染め道を外そうとしているスター選手を心身両面で支え、賢明に助けようとするガールフレンドの誠実な対応に報いてやろうとするところが、スペンサーのスペンサーたる所以でもあるでしょう。

スポーツの世界を舞台としたこのシリーでには他に「失投」があります。こちらはメジャーリーグ、地元のボストンレッドソックス所属選手のやはり八百長問題についての調査でした。

スペンサー自身レッドソックスのファンでもあり、その他の小説の中にもホームグラウンドのフェンウェイ・パークや、メジャー中継をテレビで観戦しているシーンが登場しています。中にはレッドソックスのライバル球団として「ヤンキースに入団した風変わりな日本人」と当時悪役のイメージがあった伊良部投手のことを書いたものもありました。

著者別読書感想(ロバート・B・パーカー)

  ◇   ◇   ◇   ◇   ◇

冬の童話 (ポプラ文庫) 白川 道

白川氏のファンなのでそれほど多くはない文庫本はほとんど読んでいますが、これは2010年(文庫は2011年)発刊の長編恋愛小説です。映画タイタニックやプライベートライアンのように、プロローグとしてまず現在の結果が描かれ、それが終わると一気に過去へ飛んで結果に向けての長いストーリーが始まるという仕掛けです。

主人公は、生まれてすぐ捨て子にされたものの、里親に恵まれ、大学を出て大手出版社に勤務、そこから人一倍努力を重ね自分で文芸書出版社を起業し社長にまで上り詰めます。しかし幼い頃の悪夢が時々よみがえり、自分の捨て子だった過去を繰り返してはいけないと、結婚もしません。

またもう一人の主役は、幼い頃に父親を亡くし、義父に虐待を受けながらも美しく成長した女性です。その二人の運命的な出会いと再会、そして永遠の別離を描いています。

主人公が起業した新興出版社のモデルは、すぐにわかってしまう出版界の風雲児「幻冬舎」ですが、この小説はポプラ社から出版されています。なにかちょっと不思議な感じ。

白川氏の小説は「流星たちの宴」から続く一連の「病葉流れて」「朽ちた花びら―病葉流れて 2」「崩れる日なにおもう―病葉流れて〈3〉」など麻雀などギャンブルや強引な株取引などの男臭い日本的ハードボイルドものが多いと感じていましたが、この小説ではそういったギャンブルや暴力、ヤクザなどは一切出てこないタイトル通り大人の男と女が夢見るベタなおとぎ話です。

昨年白川氏が最初に就職して確か数ヶ月で辞めてしまったという三洋電機が解体されました。できればその三洋電機が舞台の小説を書いて欲しいなと思っています。三洋電機がきしみながら壊れていく姿を、最後まで見届けた男達の物語を単なる経済観点ではなく白川タッチで読んでみたいものです。

著者別読書感想(白川道)

  ◇   ◇   ◇   ◇   ◇

FLY (文春文庫) 新野 剛志

白状すると、私は寝る前に自宅のベッドの中で読む本と、片道1時間の通勤中に読む本と、だいたいふたつの本を並行して読んでいます。この「FLY」と同じ時期に並行して読んでいたのが、上記の「冬の童話」でした。そしてどちらにも歌がうまくて、歌手としてプロデビューしようとする薄幸な美少女が重要な役割として登場するではないですか。しかもFLYには二人も。

寝る前に読む本と通勤中に読む本は意図してまったく違うジャンルの本を読むように気をつけていますが、今回はまったく無自覚で内容が一部分ダブってしまうことになりました。そして読んでいるうちに内容や登場人物がごっちゃになってしまい、混乱してしまったことを認めます。

こちらの小説は、2004年に初出で、文庫は2007年発刊です。著者の新野剛志氏と言えば少し前に読んだ「あぽやん」がとてもスマートで面白かったので、今回続けて読んでみることにしました。この「FLY」は「あぽやん」と同じ作者とは思えない本格的なクライムノベルで、コミカルな部分は皆無、子供への虐待や殺人など犯罪が次々と起きていきます。

登場人物はかなり複雑です。将来は飛行機パイロットになろうと目標を決めていた高校生が、ある日偶然に指名手配されている殺人事件の容疑者を見つけてしまい、それを警察に通報したことから、容疑者の恨みを買ってしまい一番大事なものを目の前で失ってしまうという流れがひとつ。

その事件から十数年が経ち、将来は物書きになりたいと思っているフリーターの若い男性が、仲のよいバイト仲間の女性につきまとうストーカーになぜか興味を惹かれ、調べていくうちにその女性の父親とストーカー男の間に横たわる暗い闇が次第に判明していくというふたつめの流れ。

さらに過去に暴力的な父親から逃れ、歌手になる野心のため犯した犯罪と、それをネタに強請ろうとする実母のヒモに苦しめられる売れっ子ミュージシャンの不幸な生い立ちからの流れ。

それぞれの視点で物語が展開し複雑に絡み合っていきますので、誰が主人公というのではなく、複数の登場人物が主人公と言えます。登場人物は多くはないものの、それでも視点(語り手)がコロコロと変わりますので、しっかりと読んでいかないと途中で混乱してしまいそうです。

そして最後になってわかる最初に起きた殺人の意味や伏線がしっかりとあとになってから効いてくる、なかなかトリッキーな小説です。ただタイトルがこの「FLY」だと、よほどの売れっ子作家で作者名で買っていく人が多くないと、読み手にはまったく意味不明なだけに、そこがちょっと損をしたかな。

著者別読書感想(新野剛志)



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