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518
相変わらず高齢者が絡む交通事故が多いです。特に各地で梅雨明けした7月11日には下記の4件が、同時に報道されていましたが、当然新聞テレビでは報道されていない事故も多くあるのでしょう。

◆真っ暗な道路、歩行者がはねられ死亡
7月11日午前1時ごろ、佐賀県佐賀市内の県道で、車道を歩いていたとみられる76歳の男性が進行してきた乗用車にはねられる事故が起きた。男性は収容先の病院で死亡。警察はクルマを運転していた38歳の男性から事情を聞いている。

◆トンネル内で後続車と接触、自転車の女性が死亡
7月11日午前7時55分ごろ、徳島県鳴門市内の県道で、トンネル内の路肩を走行していた自転車に対し、後ろから進行してきた乗用車が接触する事故が起きた。自転車は転倒し、乗っていた68歳の女性が収容先の病院で死亡している。

◆遮断機作動後の踏切に進入、運転者は意識朦朧
7月11日午前9時ごろ、愛知県江南市内にある名古屋鉄道・犬山線の踏切で、遮断機が作動した後に踏切内へ進入してきた乗用車と、通過中の急行列車が接触する事故が起きた。クルマの運転者にケガはなかったが、意識朦朧だったことから病院へ収容されている。
クルマは中破。運転していた60歳代の男性にケガはなかったが、意識が朦朧とした状態だったことから、近くの病院へ収容した。

◆軽トラックと電動車いすが正面衝突
7月11日午後1時30分ごろ、広島県安芸高田市内の県道を電動車いすで走行していた91歳の女性に対し、対向してきた軽トラックが衝突する事故が起きた。女性は収容先の病院で死亡。警察はクルマを運転していた64歳の女を逮捕している。

20110723_4.jpg

クルマに乗るということは常に人身事故とは無縁でありません。特にこれから夏休みに入る子供や高齢者は、想像できない動き方をする場合があり、また高齢者の運転するクルマは、注意散漫や安全確認不足による飛び出しなど多いように感じますので、注意をしたいものです。メーカー側も例えばボルボのシティ・セーフティや、スバルのアイサイトなど安全装置の幅広い普及など、もっと高齢者ドライバーに優しいクルマを提供してくれることを強く望みます。

    

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517
以前にこんな理不尽なことがありました。

もう5年ほど前の話ですが、パソコンで使っていたマカフィーのウイルス検知セキュリティソフトは、クレジットカードを同社に登録し、毎年更新料として約4千円の引き落としがされていました。当時はそれが当たり前だったのです。今でももしそういう契約をされているならば警告を発しておきます。

ある時テレビでも宣伝をおこなっていた更新料0円のウイルス検知ソフトに変えようと思い、更新期日の2カ月ほど前に更新をしない旨の連絡を入れました。

申込みはネットで簡単にできるクセに、やめるときは平日9時~17時までの、しかもなかなかつながらない電話をしなければなりません。何度か仕事中に抜け出して、電話を何度もかけてやっとつながりましたが、通話料が有料の上「ただいま混み合っておりますのでしばらくそのままでお待ちください」と自動アナウンスが流れます。もうそれだけで普通頭にきます。

どうにかつながって、更新を止めることができましたが、なんと更新日はまだ2カ月先だというのに、翌年分の引き落とし処理がすでに終わっていると言われて驚きました。その引き落としをした更新料は当然のことながら払い戻しをするという返事でした。

そして2カ月後になって引き落としをしたカード会社から銀行へ振り込まれ、払い戻しがされましたが、引き落としされた金額から数百円が不足しています。どうしてかをメールで尋ねたところ、「当社は規定通りの金額を払い戻しています」とのこと。

返金された金額が記載されている通帳やカード会社の明細まで写真に撮り送ったけれど、それが不足していることを認めず、決められた手続通りにやっているのでそれ以上のことは「カード会社に聞け」と言い出す始末。

更新日前に勝手に引き落としていながら、返却するときは、マカフィーかカード会社か知らないけど、勝手に手数料を引いているのか?と反論しましたが、あくまで「それはカード会社の都合」だと。

一応カード会社にも、マカフィーからいくら返金されたのかを確認したところ「マカフィーとの取引上のことなのでお答えできない」とのこと。ま、当然そうなるのでしょう。

ここからは想像だけど、一般的にカード会社は通常顧客から代金を引き落として、その中から数パーセント(通常5%)の手数料を引き、引いた残りを販売側に支払います。

なのでその逆をマカフィーとカード会社でおこなったと言うことでしょう。
つまり、
(1)マカフィーはカード会社が手数料を引いた実際に入金された金額だけを返金し、その金額が私に入金された
(2)マカフィーはカード会社の手数料含め、私が支払った全額をカード会社に返金したがカード会社が顧客に返金する際に手数料を差し引いて顧客へ振り込んだ
そのどちらかまたはその両方によって起きたことと考えられます。

しかしマカフィーとカード会社のそのどちらに問題があるのか、私には調査権がないので調べようがないのでわかりませんし、マカフィーに調査を依頼しても上記のように「自分達は正しく処理をした」だけです。

まったくえげつない商売をやっているものです。あまりに頭にきたので簡易訴訟を起こそうかとも考えましたが数百円のことで数万円とその労力を使うのも無駄なので泣き寝入りです。組織に対する個人というのはいかに弱いものかを実感します。

ただ主因はマカフィーが契約更新基準日の2カ月も前に、事前に連絡もしないで翌年分の引き落としをおこなったことにあると思っています。そのようなことがなければ2カ月前に更新停止連絡をしているわけですから、引き落としをされることもなく、問題は起きませんでした。その点の謝罪もまったくありません。

このように自動更新の契約をしていると、例えパソコンが壊れてしまって使っていなかったり、買い替えて別のセキュリティソフトを使っていてもしっかり毎年更新料を知らないうちに引き落としがされていきます。自動更新の契約と書きましたが、これは最初ネットで購入する際に入れたクレジット情報だけで、その後の引き落としがされますので、個人的には知らないうちに毎年自動引き落としがされるという感覚はまったくありません(きっと見えない小さな文字でどこかに書いてあったのでしょうけど)。

その後マカフィーとそのカード会社とはキッパリと縁を切りましたが、なんら落ち度がない顧客に対して、まったく誠意のない対応しかできない会社(マカフィー)は早くこの世から消え去ってもらいたいものです。このような泣き寝入りせざるを得ない、詐欺的な自動引き落としの契約には十分注意するしか財産を守れないという教訓です。

このような詐欺まがいの更新時の自動引き落としはネット上でも大きな問題として取り上げられています(セキュリティソフト&詐欺または自動引き落とし&詐欺)。その後は多少改善されているかもしれませんが、もっと糾弾されるべきことだと思います。

現在はフリーのセキュリティソフトを快適に使っています。

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516
つばさものがたり (角川文庫) 雫井 脩介

著者の雫井脩介氏は、映画にもなった「犯人に告ぐ」や「クローズド・ノート」で大ブレークしたミステリー作家のひとりですが、この「つばさものがたり」はミステリーではなく、ホンワカした家族の絆とSFを少し混ぜ込んだロマン小説っぽい内容です。しかしハッピーエンドではなく最後には泣かせる設定となっています。

ストーリーは、家族に期待されいつかは実家のある地元で洋菓子店を開きたいと思い、東京で修行をしていた女性主人公が、その家族の夢を果たすため地元に帰り洋菓子店を始めます。

しかし主人公自身重い病に罹り、店もうまくいきません。そこに主人公の兄のちょっと風変わりな小学生の息子との交流が始まり、その息子だけが見える天使見習い中の友だちから様々なアドバイスを受け、病気と闘いながら家族の夢だった店を成功へと導いていきます。

天使の世界も厳しいようで、天使になるためには試験があり、しっかりと飛べないと、妖精となり森に住むことになり、人の住む街の中には住めません。天使が多く集まるところでは店も繁盛しますが、羽根を休めるところがない場所では閑古鳥が鳴きます。

なぜか入れ替わり立ち替わりいろんな店が入居しても、すぐにつぶれてしまう場所というのは確かにありますね。

パーティー会場などでふと一瞬会話が途絶えシーンとする瞬間がありますが、そのことを「天使が通り過ぎた」とか言い、シャンパンを抜くときの音のことを「天使の拍手」と言ったりもします。

昔のサントリーの宣伝に出てきましたが、発酵させるために樽詰めしたワインやウィスキーを数年後に開けると少し量が減っていることを「天使への分け前」と言ったりし、昔から天使はそこいら中にいるそうです。タイトルになっている「つばさ」はその天使の翼のことです。

著者別読書感想(雫井脩介)

  ◇   ◇   ◇   ◇   ◇

白い声 (新潮文庫) 上・下 伊集院静

スペインと金沢が舞台の2002年に発表された伊集院静氏の恋愛小説です。小説の中にはいくつものスペインの都市の名前が出てきますが、普通の日本人でスペインの形すら思い描ける人は少ないのではないでしょうか。私も位置はわかるものの、地名を聞いてもそれがどこにあるのかはさっぱりわかりません。

ストーリーは、親の仕事の都合でスペインで生まれ育った日本人のヒロイン(もちろん絶世の美女)が、子供の頃事故に遭ったとき偶然救ってくれた日本人男性と、思いがけず金沢の街で出合い、恋に落ちていくというストーリーですが、この日本人男性はかなりの悪で、ヒロインが事故に遭ったのも、その男が警察から追われてクルマで逃亡している際に、轢かれそうになって崖から転落したもので、読者はそれがわかっているので、なぜそんな男に惚れるのか?と疑問符だらけで読み進めることになります。

そして健気にもヒロインは、どこまでも逃げる男を追いかけて、心身共に最後まで尽くしていくという、ま、男の身勝手さとあらゆる妄想が生み出す男冥利に尽きる内容ですが、ありえねぇ、、、。

しかも著者は女性読者が多い作家さんですから、こういう小説が一部の熱狂的な女性読者には受けるのでしょう。よくわかりませんが。最後になってそれほどまでにダメ男を追い求めるのには、なにかワケがあったのか?と期待を持たせますが、結局よくわからないまま終わります。う~(うめき声)

男の視点でもって、徹底的に「尽くす女」と自己中心的な「ワル男」を自由奔放に書けば、こういうものになるのでしょうが、しかし「男は本質的にこういう事を求めているのか?」と女性方々に誤解されてしまうのもちょっとどうかなと思ってしまいます。ま、誤解するわけないかな。

スペインのしかも田舎へのんびりと旅行する際のガイドブックにするにはいいのかも知れません。そして小説のように運命的な出会いがあなたを待っているかもしれません。ふへぇ~(ため息)

著者別読書感想(伊集院静)

  ◇   ◇   ◇   ◇   ◇

黒蜥蜴と怪人二十面相 (角川ホラー文庫) 江戸川 乱歩

江戸川乱歩と言えば日本人なら誰でも知っている作家と思いきや、最近の若い人にはあまり知られていないかもしれません。1894年というから今から117年前に生まれ、1965年に亡くなった主に推理小説や怪奇小説を大衆や子供向けに書いていた人です。

名前はもちろんペンネームで、アメリカの世界的に有名な推理小説家エドガー・アラン・ポーに由来しています。

作品の多くは太平洋戦争以前に書かれたものが多く、軍事色の強い暗い世相の中で数少ない娯楽としての小説が大衆や子供達に大いに受けたのでしょう。

中でも「黒蜥蜴」は抑圧された世相に逆らうかのようなきらびやかな上流社会とエロスの薫りが漂います。おそらく大衆文学として当時はこれがギリギリのラインだったのではないかなと思われます。

今回の「黒蜥蜴と怪人二十面相」は別々の二つの作品を1冊にまとめて出版されたもので、「黒蜥蜴」は1934年に雑誌に連載され、その後有名になる探偵明智小五郎が初めて登場した作品として有名です。

この作品は歌劇や映画、テレビドラマで何度か上演上映や放送がされましたが、その内容は原作から大幅に変わっていたそうです。私は観たことがありません。

もう一つの「怪人二十面相」は有名になりつつあった明智探偵の好敵手として登場させたもので、やはり戦前の2.26事件の起きた1936年に「少年倶楽部」に連載されました。

その後戦後の1960年代まで多くの作品の中で明智探偵、小林少年(少年探偵団)と怪人二十面相の知恵比べが繰り広げられます。

wikiに書いてありましたが、最初は「怪盗二十面相」だったのを少年向けに「盗」という言葉は教育上よくないだろということで「怪人」となったということです。

これらの小説が戦前に書かれたことを考えると、この悪役の怪人や黒蜥蜴は日本を苦しめる欧米列強で、それに敢然と立ち向かう明智探偵の知恵と、少年探偵団の奉仕的な活躍が、帝国とその国民という図式のように思えてきます。

そのような政治的、軍事的な発意昂揚の要素を含んでいたかどうかはわかりませんが、当時の出版物の厳しい検閲や、紙を含め物資不足の中で、無事に出版できたと言うことは、そのような要素が含まれていたと想像できます。

ちなみに2008年に「K-20 怪人二十面相・伝」という映画がありましたが、こちらは北村想氏の小説『完全版 怪人二十面相・伝』が原作となっています。

なかなかよくできていて面白かったのですが、その後、続編の話しは聞こえてこないところからすると興行的には失敗だったのでしょう。

  ◇   ◇   ◇   ◇   ◇

反逆する風景 (講談社文庫) 辺見庸

赤い橋の下のぬるい水」や「もの食う人びと」でブレークした辺見庸氏のエッセーを集めたもので、「もの食う人びと」の取材で訪れた世界中の街や人の話しが出てきます。

実は私は「赤い橋の下のぬるい水」や「ゆで卵」という小説は過去に読んでいるのですが、「もの食う人びと」のようなノンフィクションはあまり好きではなく読んでいません。

辺見氏は元々共同通信社の記者として世界中を旅し取材やレポートを書いていましたので、エッセイには事欠きません。

読んでいると、辺見氏の出身は3.11大震災で大きな被害を受けた石巻市で、その美しい海のことなどが書かれています。またウクライナへ行ったときは、事故後数年経ったチェルノブイリから3km地点の無人と化した廃墟の中に入り、放射能測定器で放射能レベルを測り、人類がくり返し犯す誤りを暗示している場面もあります。

エッセイの寄せ集めですから、あまりそれぞれの文章につながりはありませんが、全体を通して流れているタイトルにもなっている「反逆」精神をかいま見ることができます。

それはジャーナリストでも大新聞社ではなく海外にひとりで取材に出て行く一匹狼に近い通信社出身ということもあるのでしょう。

その世界を歩いて見てきた貧困や死に至る病気、飢えで死んでいく子供、環境破壊などに焦点をあて、官憲の圧力に屈せず、精力的にその実態を配信してきたという自負が感じられます。

でも日本にいるとそのようなことは余りにも遠くかけ離れていて、むなしい気分にさせられる厭世的なところもちらほらとあったりします。

  ◇   ◇   ◇   ◇   ◇

チャイルド44 (新潮文庫) 上・下巻 トム・ロブ・スミス

ずっと大きな書店に平積みがされていたので、人気があるのだなと思って見ていましたが、今回読んでみて初めて書いた小説とは思えないほど、よくできたミステリー冒険小説というべきか、なかなか深いストーリーで驚きました。著者はまだ32歳の英国人です。

小説の舞台はスターリン体制の末期、社会主義国家としてひた走り、強制移住や集団農場がおこなわれ、国民の暴発を防ぐためナショナリズムを高めていた1950年代のソビエト連邦で、主人公はそのソ連邦の中でも絶大なる権力を持つ国家保安局(その後のKGB)で勤務する若き元軍人です。

舞台と主人公だけを見ると、西側の作品によくある、軍事スパイもので最後は無事に亡命を果たしてハッピーエンドと思ってしまうのですが、その期待?は完全に裏切られます。

あくまで当時のソ連国内で共産主義を厳しく守る上で、想像を絶する国民への統制と、役人の度を超した行動基準に則った生活、そしてその中にも密やかな家族愛が展開されます。

やがて主人公は元同僚に罠にはめられて地方へ左遷されてしまいますが、そこからプライドと意地ををかけた命がけの行動が始まります。

ただクライマックスの罠にはめた元同僚との対決場面は、やむを得ないと思うものの、あっけなく終わりちょっと物足りなさを感じました。

ロシア系の名前は覚えにくく、小説を読むときにはいつも登場人物に混乱をきたすことがあるのですが、今回は登場人物が少なくて、なんとかこんがらないで済みました。映画化も予定されているそうで、恐怖政治が支配する暗黒のソ連が再現されるのが今から楽しみです。



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515
6月の終わりにパナソニックが吸収した相手の三洋電機の社員1万数千人のリストラをおこなうことがスクープされ大きな衝撃を受けましたが、大手製造業ばかりではなく、様々な業界で大規模なリストラや希望退職、雇い止めが続いています。そして感覚がもう麻痺してくるぐらいに日常的におこなわれるようです。

下記に5~7月中旬までの新聞等で公開された情報をピックアップしましたが、特にリストラや早期退職の企業にとってはあまり表に出したくない情報は公表の義務のある上場会社だけが中心で、規模は大きくても公開義務のない非上場企業は不明なので、ここに上がっているのは氷山の一角だと思っていいです。

そして今後の傾向としては、まだ当分のあいだ景気が回復する要素がまったく見あたらず、今後ますます悪い方へいくのは間違いなく、来年の春以降はいったいどうなるのか考えただけで末恐ろしい気がします。

監査法人の中でビッグ4の一角を占めるトーマツが全社員の約8%(440名)をリストラすることや、精密プレス加工のサンコーが全社員の25%(130名)、75年前の創業以来一度も解雇をしてこなかった優等生のリコーまでもが3年間でグループの社員の10%(1万人)をリストラすると発表しています。

比較的安定した職と見られている公認会計士や会計士補が多いトーマツのリストラは、私のようになんの資格も特技もない人間にとっては驚き以外のなにものでもありませんし、ずっとリストラはおこなわないと言ってきたパナソニックが堰を切ったように大量リストラを始めたり、同様にリコーなども従来かの慣行などどこ吹く風とばかりで、この流れは留まることはないのでしょう。

7月12日 トーマツ、希望退職者440人募集、監査報酬の収入低迷
7月12日 サンコー希望退職130人、30歳以上対象、従業員給与5%減
7月11日 横河電、希望退職150人募集に185人応募
7月10日 採用内定416人、震災で取り消し、121事業所で
7月5日 TIS、正社員の5%の400人、早期希望退職を募集
6月30日 リコー3年間でグループ全体の約1割にあたる1万人の従業員を削減する方針
6月28日 パナソニック:傘下の三洋従業員1万数千人削減へ
6月7日 東洋建設、早期退職で66人削減
6月7日 生保営業職員、3年ぶり減少、ピーク時の5割強に、銀行窓販拡大など影響
6月1日 市光工業、早期退職募集130人
5月31日 ユニヘアー、希望退職400人募集
5月24日 ミヤチシステムズ、希望退職40人募集、社員の3割、収益環境厳しく
5月18日 EJHD子会社、希望退職60人募集 震災で受注減少
5月17日 マツダ、技能系採用51人
4月28日 ホンダ、埼玉製作所で期間従業員600人を雇い止め

一方、業界によっては採用を増やしたり、新たな求人をおこなうところもあります。リストラや希望退職とは違いこちらは企業としては誇らしくPR効果もあるので、上場・非上場問わず積極的に公表します。なのでリストラの記事より数が多いから景気は明るくなった?と勘違いしてはいけません。

求人の話題で目に付くのは下記には数が多すぎて挙げませんでしたが、外国人の求人が急増していることです。これは中国を含む東南アジアへの工場移転、インド、中東への販路拡大などが大手企業だけでなく中小企業へも急速に進んでいる影響だと思われます。日本にいる優秀な外国人を採用し、日本のノウハウを学び、それを国に持ち帰ってリーダーとして活躍してもらいたいと甘~い希望を持っている中小企業が多そうです。ホントに優秀な人ならノウハウだけ学んで帰国すればあとは自分で事業始めちゃいますよ。

自動車製造関連は上記のように正社員や期間工の削減がある一方で、期間従業員の大量募集をおこなっているメーカーも出てきています。これは国内向けの製品はダメだけど、輸出向けは、クルマも部品も好調でという明暗が分かれているせいだと思われます。

それ以外では、下記に挙げたように工場労働者やコールセンターのような派遣、請負、契約社員という非正規社員の募集が目立ちます。まともな正社員求人では、特定の技術または専門職か、営業・販売職、あとは介護・福祉と言ったところでしょう。いずれにしても中高年者には無理っぽい仕事ばかりです。

意外に思ったのは、バイオ、ケミカル系企業の積極採用ぶりです。一般的に化学工業と言えば元々は繊維産業だったところが多いのですが、この業界は80年代には一旦成熟してしまい、その後はあまりパッとしませんでした。ところが、次世代エネルギー関連や、基礎研究が実を結んだ次世代素材などで新興国ではすぐに真似ができない製品を生み出し、国内需要と言うより世界に向けた販売が好調のようです。

東レは先日ボーイング社から全日空へ初めて納入された次世代新型旅客機の胴体や翼を軽量なカーボン素材で作り提供しましたが、今後様々な分野でその応用が期待できます。電気化学工業はLEDやリチウムイオン電池で、三菱ケミカルは太陽電池素材や医薬品など、繊維・化学品の専門商社として有名な蝶理はアジア向けの貿易部門がいずれも好調とのことです。

化学以外の業界においても、下記の事業は例え非正規社員でも増やそうとしているところは、少なくとも景気は悪くないと考えられます。現在就職活動中であるならば、どうせ狙うならばそういう業界を優先して当たるべきでしょう。もちろん逆を張って、競争相手が少ない不景気分野や、この先どうなるかわからない原子力関連へ行くというのもあるのかもしれません。

いずれにしてもこれから働くと言うことは、国内向けの仕事ではなく、広大で人口の多いアジア(東南アジアから中東まで)を向いて仕事をすることが必須となり、語学はもちろんのこと、どんな環境でも生活していけるたくましさと、文化や商習慣の違う相手とすぐにうち解けられる明るさ大らかさ、そして図々しさなどが求められます。

高度成長時代というか明治時代から長く続いた勤勉であることや、会社への忠誠心が高いこと、マニュアル通りにキチンと素早くできることが、現在の職業人としての評価基準ではないということはハッキリしてきたようです。私はちょうどその端境期の人間ですが、そのアジアの潮流に本格的に巻き込まれる前に、早く引退したいと思っているのですが、どうもスピードが速くて逃げられそうもありません。

6月29日 電気化学工業、中央研究所の人員倍増、20億円投じ改築・新設備
6月29日 セントラル自、期間従業員、被災者ら50人採用、増産に備え
6月25日 期間従業員採用、マツダも400人
6月24日 CATV各社、顧客対応要員増やす
6月24日 日産、世界販売9.9%増、今期計画、期間従業員1000人追加
6月23日 デンソー、期間従業員750人を採用
6月23日 テクノ・ライン、製造業向け請負事業を強化
6月21日 高知市にコールセンター、セントメディア、当初30人雇用へ
6月21日 自動車大手、期間従業員の採用再開、トヨタ2000人、増産に備え
6月22日 愛媛の企業、宮城にコールセンター、9月にも新設―被災者、最大300人雇用
6月20日 富士通ゼネラル、家庭用エアコン、住宅メーカーへ販売強化、営業員3割増
6月20日 三菱化学がワークシェア、最大100人の雇用創出
6月20日 採用、8割の業種で拡大、来春大卒、東レは7割増計画
6月20日 流通・外食の来春新卒採用、大卒28%増
6月16日 ホンダ、期間従業員1000人採用-6月下旬から国内生産正常化
6月10日 綜合臨床HD、臨床心理士採用を拡大、製薬の需要増受け4年後6倍の300人に
6月9日 独ボッシュ、自動車部門1万人増員-アジア・太平洋で技術職中心
6月9日 トスネット、沿岸被災地で事業強化
6月7日 関東自動車、被災者中心100人採用、岩手工場、期間従業員で
6月6日 日本医療事務センター、訪問ヘルパー、年100人育成
6月3日 ベルシステム24、コールセンター増強
6月2日 医療機器のベアーメディック西日本の営業体制拡充、九州に拠点、大阪は増員
5月28日 英バークレイズ、日本で投資銀部門4割増員
5月19日 ロボストラクト、LED販売強化-ベテラン技術者採用
5月12日 日立キャピタル、戦略事業強化へ人員集中
5月10日 京葉銀、来春の採用計画、110人に拡大方針
5月9日 事務職採用を13年ぶり復活、蝶理、総合職も倍増

■まとめ

【特に景気が悪そうな業界】
監査法人、自動車製造(正社員)、電気機器(国内向け)、システムインテグレーター、建設、コンサルタント

【積極採用の業界】
化学、自動車製造、自動車部品(非正規社員)、メディカル、人材派遣・業務請負(アウトソーシング)・警備、金融投資、商社、節電・エコ関連


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514
昨年から今年にかけてベストセラーになった小説と、それが映画化されたものに「悪人」(吉田修一原作)と「八日目の蝉」(角田光代原作)があります。

「悪人」は小説だけ、「八月の蝉」は昨年放送されたNHKドラマでしか知らないのですが、その二つの内容に共通していたのは「主人公が重大な事件を犯す」「主人公の視点で物語が進み、読者(観覧者)に感情移入させようとする」ということです。

しかし主人公はいずれも凶悪な犯罪者です。その犯罪によって被害者や被害者の家族が死や絶望の淵に立たされます。そんな犯罪者でもドラマの主人公となれば、最後にはなぜか「かわいそう」「気の毒」と涙を誘う展開となっていきます。

私はこれにもの凄く違和感があって、「悪人」や「八日目の蝉」の主人公にはまったく感情移入ができませんし、また同情心も湧いてこないのです。「切羽詰まり」、「よく考え抜いた上で」、「やむにやまれず」犯した犯罪ではなく、後先をろくに考えず、かっとなり思いつきで犯した重大な犯罪ですからまったく主人公には情状酌量の余地なしです。刑法では計画的犯行のほうが重罪で、突発的、感情的に起こした犯罪のほうが軽いのですが、それはさておいてです。

そのストーリーは加害者である主人公の視点で好意的に描かれ、家族愛や苦難の逃亡時代についてお涙頂戴とばかりに、盛り上げていきます。それってやっぱりおかしくないでしょうか?その犯罪のためにどれほどみんなが迷惑を受けているのか、その視点が明らかに抜けています。

昔から犯罪者が主人公の小説や映画はいくらでもあります。「砂の器」や「人間の証明」では自分の貧しく汚れた暗い過去を知る肉親が邪魔で殺した主人公には感情移入はできなかったものの、その行為には同情を覚えました。最近では東野圭吾氏の小説などにも犯罪に手を染める主人公はよく出てきますが、それにも多くはそうせざるを得なかった深い理由がつきまといます。

この2作にはそのような深い理由や、むべもない理由で犯罪に手を染めたというのがなく、別に勧善懲悪がすべてとは言わないにしても、いくら小説だからと言っても、一時的な感情で犯す必要のない重犯罪を起こし、さらに逃げ回るという、最悪のパターンなのに、その主人公に感情移入させたり、哀れみを持たせるというのはどうかしている気がします。

イギリス人講師リンゼイさんを自分の欲望のために殺し、捨てたあと、長期間逃げていた被告に対し、顔を整形し、身分を隠し、肉体労働で働き、無人島でひとり暮らしていた強い生命力、精神力、悪賢さに対し一種の同情やヒーロー扱いする意見まで聞かれます。ま、それだけ現代の日本の社会では相対的にみて命が軽くなってしまっているのかも知れません。

生物学の論理では増えすぎた種は自然淘汰されて、やがて減少に向かうことが当たり前ですが、増えすぎた日本人の種を減らすためなのか、ネトウヨ始め、愛国主義、保守志向の傾向が国民の中で強まり、核武装せよという知事は都民から圧倒的な支持を受け、徴兵制度復活論をぶちあげる戦争を知らないお坊ちゃま2世議員は次の首相にしてみたい人の上位にランクされるようになりました。そのように本質は悪人でもそれに信念さえあれば許されるみたいな、風潮が蔓延し、やがては悪夢の歴史を繰り返すことへ向かっていくのだろうと思われます。

あまりにも話しが飛躍しすぎていることや、正義漢ぶりを発揮したいわけではありませんが、いくら小説や映画であっても、人気作家が描き、人気の俳優・女優が演じるだけで、不合理で歪んだ行動をやむを得ないものと錯覚させるような内容がもてはやされるのは、ちょっといただけないなというのが私の率直な感想です。



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ドライブ・日帰り温泉
自己紹介:
紆余曲折の人生を歩む、しがないオヤヂです。
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