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453
世の中の仕組みや考え方がガラリと大きく変革してしまうことを一般的にパラダイムシフトと言います。

身近な例で言えば、自民党から民主党へと政権が交代したことは、結果的になにも変わらないことがわかってしまったので、ちょっと違うと思いますが、1990年以降、終戦後から続いてきた終身雇用・年功序列制度が崩壊したことは間違いなくパラダイムシフトが起きたと言えるのでしょう。
 
80年代までの新入社員は、それこそ「泥のように10年間、奉仕のつもりで働け」「会社はなにもできない新人を10年間かけて一人前に育て、その後30年間で回収する」「若いあいだに苦労するほど後に楽ができる」「退職金は給料の積み立て金。定年まで勤めあげないともらえない」などと言われてきました。
 
しかし2000年頃から突然「能力主義で成果主義」という正論でもあり、誰も反対できないルールが、横並びの好きな日本の企業で一斉に始まることとなり、80年代以前の入社組の多くは「最初の約束と違うじゃん」と大慌てをすることになります。
 20101210_0019.jpg
今の20~30歳代のビジネスマンなら、最初に入社した会社に定年までずっといる(いられる)なんてことを考えている人は多くはないでしょうし、同時に普通にやっていれば年齢に応じて段々と収入が上がっていくなんてことを信じている人もいないでしょう。
 
良い悪い、好き嫌いは別として、80年以前に入社したビジネスマンの多くは、終身雇用、年功序列が普通の感覚であり、当たり前だと思っていた(信じ込まされてきた)のです。
 
パラダイムシフトが起き、80年代に入社したその当たり前を信じて働いてきた現在の40代後半~50代のビジネスマンにとっての不幸が始まりました。

能力主義、成果主義ですから、過去の貢献や見えにくいところでの成果や貢献はなんら評価されませんし、言い訳もできません。

逆にたまたまツキがあって成果が出た人は年齢がどうであろうと最大評価されます。

中高年者でももちろん頭のいい人や要領のいい人は、その変革をうまく捉えてうまく立ち回り、成功している人も少なからずいますが決して多数派とは言えないでしょう。
 
パラダイムシフトが起きはじめ、完全に拡がる直前に無事逃げ切った団塊世代の多くは、退職金を満額をもらい、60歳から年金をたっぷりもらい、今から思えばバブル発生前の安く買えた不動産もあり、悠々自適の生活です。

ま、高度成長を支え、世界に冠する日本経済大国を作り上げてきた人達なので尊敬もしますし、子供時代から激しい競争と椅子取りゲームに明け暮れた現役時代を終えた今、それぐらいの恩恵があって当たり前なのかもしれません。
 
こうしたパラダイムシフトにいち早く気がつき、チャンスに変えられた人が成功し、気がつかずに変革できなかった人が落ちぶれていきます。

そう考えると、いまも新しいパラダイムシフトが起きようとしている、あるいはすでに起きはじめていると思うことがいくつもありそうです。
 
グーテンベルグの発明により、500年以上続いてきた紙への印刷でしたが、いずれ近いうちに環境問題やコスト、便利さの観点で紙の出版物が消えていく可能性があります。

約150年間のあいだ続いてきた化石燃料を使った自動車が、今年初めて電気モーターだけで走る量産車が販売されはじめました。

こちらも環境問題、原油高騰、快適性などを考えると、やがて両車の販売台数が逆転するのもそう遠い先ではないでしょう。
 
総務省やソフトバンクが提唱していた「光の道」は、日本国中隅々まで光ファイバーを敷き、100%の高速情報ネットワーク網を世界に先駆けて構築することですが、このインフラにより、新聞、テレビなどはもとより、教育、医療、コミュニケーション、エンタテーメント、ビジネスまで大きくそのスタイルや内容が変わる可能性を秘めています。

ただ今のところ保守的で利権まみれのNTTやその恩恵をもっとも享受している政治家や官僚の反対にあい、なかなか前へ進みませんが、いずれにしても時間の問題でしょう。
 
一般的に中高年になると、新しいことに積極的に取り組んだり、勉強していこうとする意欲に欠けてきますが、パラダイムシフトによるネガティブ要素に振り回されるのではなく、逆手にとって、人よりも早くキャッチアップし、新しいビジネスチャンスや生き方をうまくつかみ取っていきたいものです。

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452
中高年になってからの転職は今も昔も簡単ではありません。終身雇用という制度がなく、次々と好条件を求めて転職するのが当たり前のアメリカでも、40歳代に入るとパタリと転職をやめ、その会社で残りの期間働き続けるケースが圧倒的に多いそうです。

もちろん特殊なエグゼクティブクラスは50歳以上でもスカウトされて転職はよくおこなわれているようですが。
 
日本の場合は、転職市場の規模が小さく、若い人でもよほど腕に自信がなければ、条件にピッタリ合う仕事に就くことはなかなか困難です。

また実際にはなにの仕事をしているというより、どこの会社に入ったかというのが一般的で就職というより就社に近いものがあります。
 
最近では、非正規雇用の人が正社員になれないのは、「既得権益でのうのうとしている不効率な正社員を辞めさせることができないからだ」とか「年功序列で高給取りの中高年者が若い人の就業機会を奪っている」とか言われています。

そしてそれを是正するために、労働法を改正し「もっと容易に正社員のクビを切れるようにしよう」という議論が本気でなされていることには驚きを感じ得ません。
 
もしそうなれば、大手企業の経営者にとってはたいへんありがたいことでしょう。今まで出世競争をしてきたライバル達や、自分を追い落とそうとする気に入らない奴らをバサバサ切って捨てることができます。

昔なら数ある子会社に送り込めましたが、今ではそのような余裕のある会社は少なくなっています。
 
でも中小零細企業にとっては、それでなくても優秀な人材不足なのに、その優秀な人ほど大手企業や外資系企業に引き抜かれたり、転職してしまうことになり、ますます企業の格差が拡がっていくことになってしまうでしょう。
 
またやり手のワンマン経営企業にとっては、気に入った人だけを周りに侍らし、パワハラ・セクハラし放題、逆らえばすぐに解雇となり、決して労働環境がよくはなりません。
 
そして退職に追い込まれた中高年者は、特殊な経験や人脈を持っていない限り、再就職の競争相手はずっと若い年代の人ということになります。これでは勝負は見えています。
 
極端な例でいうと、経営者の身になって考えた場合、独身で親元で生活をしていて、収入は低くても全然困らず体力もあり健康な人と、家族4人+老いた両親を抱え、住宅ローンや学費を稼ぐためにそれなりの報酬を保証しなければならない体力・健康に劣る中高年者と、同じような仕事をさせるならどっちを選びますか?ということですから。
 
中高年者の強みというのは、ほぼ「経験」と「人脈」に限られます。つまりその両方が、それほど重要ではない仕事ならば、あえて中高年者を雇っておく必然性はありません。

逆に弱みは「健康」「体力」「ロイヤリティ」「素直さ」「将来性」「身軽さ」「雇用の安定性」など強みに比べると数多く存在します。
 
いずれ誰もが経験することになる中高年齢者の安定した雇用を守らずして、どうして若い人の雇用対策ができるでしょうか。もし百歩譲って解雇条件を緩めるにしても、例えば30歳未満限定とかの条件を付けるべきものです。
 
次に、現在の新卒採用減や求人減の原因は、経営努力の至らなさでもなく、正規・非正規雇用問題でもなく、ましてや中高年が居座るからでもありません。

単純に日本全体が不景気で、モノの値段が下がり、しかも需要が減り、公務員以外の給料も下がり、仕事そのものが減ったり、なくなってきたことにあります。
 
景気後退も数年のことであれば、企業も耐えしのぎ次のチャンスに備えるのでしょうけれど、失われた20年と言われるこのひどい有り様では、経営者としてはいつまでも赤字を続けるわけにもいかず、特に上場企業であれば景気が悪くても株主から利益配当を求められ、それができなければ経営者失格の烙印を押されることになりますから、結局は様々なリストラを大胆におこなわざるを得なくなります。
 
正規・非正規問わず、社員を切り捨てることを好んでやる経営者はほとんどいません(絶対にいないとは言い切れません)し、誰もが次世代を任せられる社員を自分達の手で育てたいと思っています。

しかし正社員の雇用に手を付けて、片一方で新規採用を大っぴらにはできません。もしそうなれば、辞めさされた社員だけでなく、残った社員まで大きな負の影響を与えてしまうことになります。だから新規・中途採用が思い切ってできないのです。
 
「国際競争力を付けるため」「柔軟な組織にするため」「俊敏な対応をするため」とか言って雇用の弾力性を主張する人もいますが、本来はそれがパート・アルバイト、契約社員、派遣社員、外国人労働者の役目だったはずです。

いつの間にかそれをマスメディアが「安価で雇え、いつ切って捨てられるか不安定でかわいそうな非正規社員」という位置づけにしてしまいました。
 
バブル時代、希望すればどこへでも正社員の就職、転職ができた時代でも、パート、アルバイト、派遣社員を希望する人は減るどころかどんどん増えていきました。

つまりそのような短時間、短期間、季節労働、残業なし労働、専門職に特化した仕事だけで働きたい人達は、一定の割合で必ずいるのです。今なら大量定年退職で、暇を持てあましている高齢者もその予備軍でしょう。
 
それなのに「派遣労働は禁止すべき」「企業は正社員雇用を」「悲惨な非正規雇用」と現実を知らない人の主張だけが、大きくマスメディアで取り上げられ、それが一人歩きをしています。
 
いずれにしても、数千万円の多額の積み増し退職金がもらえない限り、中高年者はどんなことがあっても、軽々しく退職などせず、真剣に今の仕事に取り組むことで、自分の居場所と役割をしっかりと確保していく必要がありそうです。

公務員以外はもう終身雇用は完全に崩壊をしてしまい、かと言って日々体力が落ち、健康不安を抱える中高年者に再就職先を見つけるのは極めて難しい状況です。

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451
拝金  堀江貴文

お金持ちはみな嫌いなので、当然この著者も輪をかけて嫌いなので、わざわざ買って読んだりはしませんが、Twitterでは評判になっていたのと、人からたまたま借りることができたので、読んでみました。
 
ストーリーは地方から東京に出てきた負け組寸前の若者が、ゲームセンターでオッサンなる人から声をかけられ、その支援と本人の努力もあり、当初1円で作った会社が見る見る間に成長し、ついには上場も果たし、ネットベンチャーの成功者、若者のカリスマとして有名人になっていきます。
 
そのビジネスというのが、携帯ゲームから始まり、ポータルサイトの買収、金融ファンドなどで、やがてプロ野球球団の買収、テレビ局の大株主となっているラジオ局へのM&Aまでおこない、さらに部下にはめられて証券法違反で留置所入りと、堀江氏が短期間で関わってきた経験談が散りばめられています。
 
あくまでも小説ですので、その内容についてとやかく詮索することは意味がないのですが、多分にこうあって欲しいとか、こいつだけは許せないなど、著者の思惑や希望が入り交じっていて、野次馬的には面白く読めますが、中身はというとスカスカで訴えかけるものがなにもないという印象を受けました。

プロの作家ではないので、いわば芸能人が書くお気楽な娯楽小説と同等のものと思えば気になりません。
 
でも、書籍でも同時に発売された電子ブックでもたいへんよく売れているそうで、「ホリエモン人気まだまだ衰えず」ってところでしょう。彼はまだ若く野心も満々のようですので、そのうちにまたでかいことをやるのではないでしょうか。
 
  ◇   ◇   ◇   ◇   ◇
 

21もの短編小説集です。238ページで21編ということは、一編あたり平均11ページという短さですが、明治・大正時代を中心に、日本の様々な庶民の生活が生き生きと、あるいは皮肉っぽく描かれており、大衆文学の珠玉と言える作品がいっぱいです。
 
珠玉と書きましたが、この作家さんはストーリーとしては起承転結がハッキリしない物語をよく書きますので、平板で難解な部分もあります。

さらに、この短編小説は雑誌に連載をしていたようで、小説だけでなく、今で言うエッセーのようなものまでも含まれています。
 
この時代は、当然ですが今と違い、時間がゆったりと流れている感じがします。それこそが人間が人間らしく生きていくことが一生懸命になれる時代だったのでしょう。今にして思えば、そういう時代も決して悪くないなと思ったり。
 
いま日本の年間死亡者数約100万人のうち、自殺者は3万名と公表されていますが、原因不明の死亡や病死(特に精神疾患者の死亡の場合)の中でもかなりの割合で本当は自殺というケースがあるそうで、実質的な自殺者数は年間10万~15万名とも言われています。特に遺書のない死亡の場合は事故死として扱われるケースが多いと聞きます。
 
国内で年間12万人とすると、10人の国民のうち1人が自殺をするような国が、素晴らしいと言えるわけもなく、国民は貧しくても精一杯生きていたこの時代がある意味羨ましくも思えてきます。

ただ芥川龍之介自身は様々な病気持ちで、結果35歳の時に服毒自殺をしてしまいました。自分の人生においても世の中の矛盾と皮肉を効かせたわけではないでしょうけれど。
 
また、この短編集の中で一番私が好きになった「報恩記」の中には、おそらく日本では最初ではないかと思える表現が使われています。

それは現代の電子メールなどではよく使われる「・・・です(笑)」という表現です。この小説の中には「失礼は許してください(微笑)伴天連のあなたを疑うのは、盗人の私には僭上でしょう。・・・」などと「(微笑)」が何度か使われています。
 
  ◇   ◇   ◇   ◇   ◇
 

グラフィックデザイナーで確固たる地位を築いている横尾氏の1978年初出の日記風エッセー集です。
 
プロの作家の文章ではないので、同じ事の繰り返しなど、やや読みづらい面は歪めませんが、他にも多くの本を書かれているだけあって、絵筆だけでなくペンの動きも滑らかな感じです。
 
内容的には、交友録的なもの、3回目のインド旅行のこと、仏教と座禅のこと、UFOや超常現象のことなど、それに病気(不眠症、頭痛、風邪その他)のことと、幅が広く、横尾氏の人となりがよくわかります。
 
芸術家の日常とはこういうものなんだということが理解できますが、少なくともあまりお友達にはなりたくないという感じがします。ただ朝はゆっくり起きて、国内はもとより世界中へ招待?旅行をして、羨ましい気持ちは感じます。
 
本人が書く文章ですから、当然いいことしか書かないわけで、想像するしかないのですが、この人は結構わがままで、自分の言い分が通用しなかったり、気分が乗らないと、すぐに相手を無視したり、感情を露わにするする人なのかなぁって思ったり。その代わり気分のいいときはおそらく「とっても気さくで物事に執着しないいい人」なんでしょう。
 
スペイン政府の招待でスペインを訪問した際に、ポルト・リガトに住むサルバドール・ダリに会いに行ったことが詳しく書かれていますが、その際、ダリとその妻ガラのたいへん失礼な応対と奇行に、同じ芸術家同士にしかわからない感情がなんとなくその時の文章で読み取れます。
 
そう言えば20年ぐらい前、当時勤めていた会社のイベントのポスターを横尾忠則氏に描いてもらったことがありました。

その時には、有名なデザイナーなのに、えらく簡単に仕事を受けてもらえるんだなぁって感心したことを覚えています。本の中でも「来る仕事はなんでも引き受けちゃう習性」があるようなことが書かれていて納得です。いまはどうかわかりませんが。
 
  ◇   ◇   ◇   ◇   ◇
 

会社の同僚の机にあったので、たまにはこういうのを読まなくっちゃねと貸してもらいました。
 
で、読んでみたところ、、、これがまた難解で例えば、
  「再帰性」のせいで、社会科学はどれも自然科学の基準を満たすことができないと論じた。社会的事象の過程は本来的に不確定なのだから、いくら科学的方法をあてはめても、確定的な予測や説明もたらす一般化は不可能なのだ。・・・」
  「ロビンズは、需要と供給を互いに独立であると決めつけることで、両者が「再帰的」に繋がっている可能性を最初から除去してしまったのだ。こうした強引なアプローチは、後に合理的期待理論において極限まで推し進められた。・・・」
  「経済学は、自然科学を模倣しようとする。経済現象を説明することも予測することも可能な、どんな時代ににもあてはまる一般原則を樹立しようとするものだ。特に均衡理論はニュートン力学をもとにしたものであり、「需要と供給の均衡点に向かって価格は収斂する傾向がある」とするものである。」

ですよ。哲学と経済学と科学が入り交じっていて、よほどの集中力と読解力、経済知識がないと読んでも理解ができずに役に立たないでしょう。無人島に1年間行くときにはいい本かも知れません。
 
で、この本を貸してくれた同僚に尊敬のまなざしで「こんなのよく読んだね。理解できた?」と聞くと、「いや、誰かにもらったんだけど、まだ読んでないし、読む気も起きないな」だと。
 
なんとか半分ぐらい読み進めましたが、理解できないまま断念して返却しました。
 



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450
12月に入ると恒例の行事として、来年の手帳というかダイアリーを書店で購入しています。
 
社会人になった初年度は先輩のマネをして、普通の大学ノートに自分で日付を入れ、そこになんでもメモを残しておくという方法をとっていましたが、二年目からは、年末に取引先などからもらえる小型の手帳を利用していました。

やがてそれでは物足りなくなり、A4サイズでしっかり書けるダイアリーを使うようになっていきました。
 
営業関係の仕事だった当初の約10年間は、多くの顧客から毎日要望や注文を書き取る必要があったので、小型の手帳やダイアリーではフリーのスペースが不足して、別冊ノートにしたり、コピー用紙を挟み込んだりしながら使っていました。
 
必要に応じて紙を増やすことができるリング式や、手帳の元祖ファイロファックスも検討したことがありますが、あの中央に出っ張るリングが、ペンで書く際にとても邪魔に思えて使っていません。慣れだと思うのですけどね。
 
で、もう20年以上使い続けているのが能率ダイアリーです。最初からずっと書けるスペースの多いA4版のものでしたが、3年ぐらい前からは小振りなB5版の「能率ダイアリーまたは能率ダイアリーリフレ」という製品を使っています。

途中で何度か高橋書店のダイアリーなどに浮気をしたこともありましたが、結局この製品に勝るものは見つかっていません。

20101201.jpg
 
人によって使い方は様々でしょうから、こう使うべきだという話しではないのですが、私にとってベストのダイアリーというのは未だありません。

したがってこの能率ダイアリーも、使うページと全然使っていないページがあり、フリーで書けるページが足らないときには、余計なページを切り取って、真っ白なコピー紙を付け加えたり、少しでも軽量化を図るために不要なページをバッサリ切り捨てたりしていました。
 
私の理想型は、この能率ダイアリーに近いのですが、
1.◎1週間1ページの区切り(見開き反対側にはメモがたっぷり書ける)
2.◎フリーページがたっぷりとある(会議のメモや顧客との商談内容を書く)
3.○年間カレンダー(昨年、今年、来年の3年間分)
4.△度量衡換算表、年齢早見表(昭和62年は西暦何年?とかがすぐわかる)
5.△営業職の時は地下鉄などの路線図
◎必須 ○できれば付いててほしい △あれば尚可 です。
 
その他、ダイアリーによくついているのが、
・アドレス帳
・市外局番一覧
・印紙税額一覧
・利率計算表
・日本地図
・方眼紙
・ビジネス用語解説
・月間予定表
・年間予定表
・当用漢字一覧
・外国通貨換算表
 
などがありますが、私にはそれらは無用のものです。
 
アドレス帳は毎年その中身がそうそう変わるわけではないので、昔は小さなアドレス帳を別途持っていましたし、現在は携帯電話やパソコンにあれば十分です。
 
年間予定や月間予定は、同じ事を週間予定にも書かなくてはならず、どちらかに書き漏れがあると役に立たないので最初から使いません。

またパソコンが普及し始めた15年ほど前からは、特に仕事のスケジュールは社内共有のためそちらにも登録しますのでいくつも書くのが面倒です。
 
印紙代や日本地図、利率計算は外出中に調べるということはあまりなく、ネットにつながっているPCがあればそちらで調べる方がより確実なので、持ち歩くダイアリーには不要です。
 
いっそ、ダイアリーをやめてパソコンやスマートフォンですべて管理するという方法もありますが、外出する時にすぐに持ち出せて、必要なときには電池残量の心配もなくサッとすぐに使えるダイアリーは、私にとってまだまだ捨てがたい情報管理ツールです。旧式の人間なのかもしれませんが。
 
おそらくスマートフォンやモバイル端末がもう2段階ぐらい進み、使い勝手や起動、入力が簡単で素早く、それにネット利用料金のさらなる低額が実現すれば、そちらに全部移行するかも知れません。

そうなるとPCがあるところではPCを、外出時はスマートフォンで共通のデータやスケジュールがクラウド上で共有でき、情報の一元管理と効率化が図れそうです。
 
パソコンや携帯電話が普及する前と現在では、時代とともにダイアリーの中身もかなり変化をしてきました。

ただその中身を見ていると、中高年者向けに作られているなと思うことがしばしばあります。そのせいかどうかわかりませんが、若い人がこういうどっしりした大きめのダイアリーを持っているのを最近では見掛けなくなりました。やがて消えていく運命にあるのかもしれませんね。

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449
朝の電車通勤で困るのは、様々なトラブルで電車が遅れたり、ひどい時にはしばらく運転中止になってしまい、他線へ迂回するにも大混雑で、結局はその日の午前中の予定が台無しになってしまうことです。
 
私の場合、卒業後最初に入った会社でたたき込まれた習性で、会社へは就業時間の30分ぐらい前には着くように家を出ていますので、多少の電車の遅れでは別段困ることはありません。

比率から言えばこの多少の遅れ(5~20分程度)が全体の半分程度あり、残りの半分はほぼ定時運行です。
 
いくら日本の電車運行が世界一時間に正確だと言っても、朝の過密ダイヤでは5~10分程度の遅れは日常的に発生します。

それなのに、その電車のわずかな遅れを理由にして、何度も遅刻をしてくる社員がいますが、私には理解しがたいことです。
 
問題は2~3カ月に1度ぐらいの割合で起きる20分以上、ひどいときには1時間以上も不通になる事故の場合です。
 
ひとつは架線に異物が引っかかったり(お正月のタコや風の強いときにビニールハウスのビニールが引っかかる)、電車のドアが故障で開かなくなったりしてしまうような場合。これらはそうたびたび起こることではないので、仕方がないでしょう。
 
次に、踏切で自動車が立ち往生したり、緊急停止ボタンが押されたりした場合。最近は交通量の多い踏切は立体交差が進み、また遮断機も自動化され人為的なミスによる事故は減りました。

緊急停止ボタンは誰でもが押せるようになってから、いたずらが増えているような気がします。

一度緊急停止ボタンが押されると、その原因がハッキリするまでは、電車が動かせなくなります。しっかりとビデオに録画して、そういういたずら好きな犯人をとっちめてもらいたいものです。
 
そして、最近これがもっとも多いのですが、事故や自殺による人身事故です。
 
事故で処理される場合もその多くは実は自殺のケースが多いようです。そりゃ生き残った本人や、家族、また亡くなった場合の遺族にしてみれば、莫大な補償金を請求される自殺より、「不意な事故で線路に落ちた」ことにしたほうが、補償から逃れやすくなりますから。
 
その電車への飛び込み自殺は悲しいかな、毎日、日本のどこかで起きているというのが現状です。
 
(グラフ)
(上)平成18年の鉄道事故総数は769件 1日平均2.1件が起きていることになります。この11年間で列車事故や踏切事故は減ってきていますが、飛び込み自殺を含む人身事故は増える傾向にあります
(下)平成17年の死傷者数が飛び抜けて多いのは107名が死亡、562名が負傷した「JR福知山線脱線事故」の影響です
tetsudoziko.jpg
 
特にこの不況により、精神的、経済的、肉体的に追い詰められた人や、校長先生は責任を問われたくないので絶対に認めませんが、相変わらず陰湿なイジメが浸透する子供達が安易にホームや踏切で電車に飛び込む悲惨な状態が後を絶ちません。
 
鉄道自殺の場合は、遺族のみならず、他に多大な迷惑をかけることは他の自殺の比ではありません。

どのような理由があったとしても、そのような方法はとるべきことではありませんが、身近にあって、かつ確実に死ねるとあれば、このご時世、増えることはあっても減りそうもないのが現実です。
 
電車で人身事故が起きた場合、およそ最低でも1時間は運休することになります。その間に救急隊が救助活動、警察が現場検証、鉄道会社が車輌や施設の点検や、復旧後のダイヤ見直しなどがおこなわれます。
 
乗り合わせた乗客は最寄りの駅で強制的に降ろされ、後続の車輌も最寄りの駅で降ろされたり、ひどい場合は何十分も満員状態のまま電車内に閉じこめられます。
 
日常の仕事ならば「今朝は電車事故で1時間も遅れちゃったよ~」で済みますが、これが就職の試験や入試のタイミングだとしたら、それこそ後の人生を左右しかねない大ごとになってしまいます。
 
先日、朝一番に来客の予定があり、その際にお渡しする資料は鍵のかかるデスクの中に入れた状態で、私の乗る電車の何台か前で人身事故が起き、しばらく運休する見込みと放送があり、一瞬青ざめました。
 
しかし最寄りで停まった駅がたまたま他線との接続駅だったので、躊躇うことなくダッシュしてすぐに乗り換え、来た電車に飛び乗って迂回していったところ、遅刻することもなく勤務先に到着できてホッとしました。

もしもうひとつ前か後の電車に乗っていたら、そのようなことはできず、途方に暮れていたかもしれません。
 
そんなことがあったので、ふと電車の事故について書いてみた次第です。

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紆余曲折の人生を歩む、しがないオヤヂです。
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