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446
少し旧聞になりますが、9月の有効求人倍率は0.55倍、完全失業率は5.0%と厚労省から発表されました。どちらもわずかながら改善方向に向かっているという統計データですが、実感としては、逆に悪くなってきているような気もします。気のせいだったらいいのですが。

過去に厚労省の発表する完全失業率の統計データはあまり正確なものではないというようなことを書きましたが、役所批判ばかりしていても仕方がないので、今回は年代別、地域別、男女別と言った統計データを元に失業率、失業者数の推移を見ることにします。

まず、私の勝手な思い込みと想像からすると、

(1)地方の失業率は都市部に比べると高い
(2)失業者の数は圧倒的に都市部のほうが多い
(3)特に一極集中が進み、首都圏だけで全国の1/3ぐらいの失業者を抱えている
(4)若い人は非正規・正規を問わなければ仕事には就きやすいので失業率は低い
(非正規でも勤務していれば失業者のカウントにはならない)
(5)中高年者は会社のリストラや倒産で一度退職をすると再就職が難しく失業率は高い
(6)男女別では不況時は女性は就職をあきらめ結婚や家事手伝いへ向かい失業率は男性より低くなる

ですが、当たっているか、外れているか検証していきます。

  ◇◇◇◇◇ ◇◇◇◇◇ ◇◇◇◇◇ ◇◇◇◇◇

地域別 失業者・失業率推移グラフ(クリックで拡大します)
shitsugyo201011_3.jpg


この20年間の地域別失業率(%)をみると
(%)
北海道 東北 南関東 北関東/
甲信
北陸 東海 近畿 中国/
四国
九州/
沖縄
1990年 3.0 1.9 2.2 1.4 1.4 1.5 2.5 2.0 2.7
2000年 5.6 4.4 4.9 3.7 3.6 3.8 5.9 4.1 5.4
2010年 5.2 5.6 5.2 4.7 4.1 4.2 5.8 4.4 5.5


全国的にまんべんなく上昇しています。中でも大幅な上昇なのが、東北(+3.7%)、近畿(+3.3%)、北関東/甲信(+3.3%)、南関東(+3.0%)、九州・沖縄(+2.8%)です。

おや、大阪を含む近畿や、東京を含む南関東の悪化がベスト5に入っていてひどいようです。つまりこの20年間の推移では、比較的地方より都市部の失業率が高くなったということですね。したがって(1)の「地方の失業率は都市部に比べると高い」は×間違いのようです。

  ◇◇◇◇◇ ◇◇◇◇◇  ◇◇◇◇◇ ◇◇◇◇◇

失業者数2010年(万人)

  北海道 東北 南関東 北関東/
甲信
北陸 東海 近畿 中国/
四国
九州/
沖縄
2010年 14 27 98 25    12 34 60 26 40


南関東98万人+東海34万人+近畿60万人=192万人(全体の57%)


完全失業者の全体総数334万人のうち192万人(57%)が工業地帯を有する東名阪の都市部ということで、全人口比率の56%よりわずかだけ高くなっています。

やはり失業者数は都市部に多いとも言えますが、これは各地域の人口比や勤務先の多さからすると当然のことで、逆に地方の142万人の失業者数という大きさにも驚かされます。

(2)「失業者の数は圧倒的に都市部のほうが多い」の「圧倒的」と言えるかどうかは微妙なところで△

首都圏≒南関東とすると、首都圏の失業者98万名は全体の29%(南関東の全人口比率は27%)にあたり、1/3には届きませんが人口比率よりは少し高めになっています。

(3)「特に一極集中が進んでいるので、首都圏だけで全国の1/3ぐらいの失業者を抱えているのでは」は僅差なのでこちらも△

  ◇◇◇◇◇ ◇◇◇◇◇ ◇◇◇◇◇ ◇◇◇◇◇

次に年代別失業者数、男女別の失業率をみていきましょう。

年代別失業者数推移(クリックで拡大します)
shitsugyo201011_1.jpg


年代別失業者数(万人)の最新データでは、

(万人)
15~24歳 25~34歳 35~44歳 45~54歳 55~64歳
2010年 51 82 70 53 64


となっていて、比較的若い年代の25~34歳の完全失業者が飛び抜けて多くなっています。様々な理由や統計の取り方にもややクセがありますので、一概には言えませんが、これが最近ちまたでよく言われている「若年層の雇用対策を!」に根拠となっているに違いありません。

ちなみに、派遣でもアルバイトでもパートでも仕事をしている人や、仕事探しをあきらめて家事手伝いや学校へ通って勉強をしている人は完全失業者にカウントされません。

したがって、

(4)「若い人は非正規・正規を問わなければ仕事には就きやすいので失業率は低い(非正規でも勤務していれば失業者のカウントにはならない)」は間違いで、2000年頃から急激に25~34歳の若年層の失業者数が増えてしまい、今まではずっと安定していた35~44歳の中堅層の失業者まで上昇傾向にあります。

そしてこのもっとも高い25~34歳の失業者の層が、やがて上の年代に移っていくことにより、さらに35歳以上の中堅層の失業者数が高まっていく危険があると言えます。

(5)「中高年者は会社のリストラや倒産で余儀なく一度退職をすると再就職が難しく失業率は高い」は、確かに55歳以上の年代の失業者数はここ4年間連続して増加していますが、45~54歳の年代の失業者数は比較的少なく、必ずしも他の年代と比べて高いとは言えないので間違いです。

統計では取られていませんが、もし「再就職までにかかった期間」というのを取ると、この世代は目立って長期になるのではないかと推測します。

  ◇◇◇◇◇ ◇◇◇◇◇ ◇◇◇◇◇ ◇◇◇◇◇

男女別失業者数推移(クリックで拡大します)
shitsugyo201011_2.jpg


男女別失業者数推移(万名)

  男性 女性
1990年 74 56 18
2010年 196 124 72
  +122 +68  

(6)「男女では不況時は女性は就職をあきらめて結婚や家事手伝いなどへ向かい失業率は男性より低くなる」は理由は定かではありませんが、1990年では失業者数の男女差は18万人とそれほど大きくなかったものの、2010年では72万人と差は4倍に拡大しています

特に2009年までは男女ともほぼ同じ傾向を示していますが、2010年は男女が反対(男性の失業者が増え、女性は減る)に動くという、過去には例がない異常な状況を示しています。

そのひとつには、厳しい就職活動や厳しい労働環境に見切りを付けた女性が、就職以外の行動に出ているのではないでしょうか。かろうじて(6)は正解

  ◇◇◇◇◇ ◇◇◇◇◇ ◇◇◇◇◇ ◇◇◇◇◇

結果、

(1)地方の失業率は都市部に比べると高い→×
(2)失業者の数は圧倒的に都市部のほうが多い→△
(3)特に一極集中が進んでいるので、首都圏だけで全国の1/3ぐらいの失業者を抱えているのでは→△
(4)若い人は非正規・正規を問わなければ仕事には就きやすいので失業率は低い(非正規でも勤務していれば失業者のカウントにはならない)→×
(5)中高年者は会社のリストラや倒産で余儀なく一度退職をすると再就職が難しく失業率は高い→×
(6)男女では不況時は女性は就職をあきらめて結婚や家事手伝いなどへ向かい失業率は男性より低くなる→○

1勝、3敗、2引き分け、、、惨敗な結果でした。

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445
あらためて言うまでもないのですが、アルコールを摂取することは害です。タバコと同様20歳未満は禁止されているのも害があるからです。
 
WHOのInternational Agency for Research on Cancer (IARC) は、2007年アルコール飲料が口腔癌、咽頭癌、喉頭癌、食道癌、肝臓癌、女性の乳癌、直腸結腸癌の原因となり、アルコール飲料に含まれるエタノールに発癌性の十分な証拠があると結論づけました。

またアルコール依存症男性では、2人に 1 人は大腸腺腫(腫瘍性ポリープ)があり、4%で大腸癌が診断されています。
 
アルコールを飲むと、体内のアルコール脱水素酵素(alcohol dehydrogenase:ADH)によりアセトアルデヒドに酸化され、さらにアルデヒド脱水素酵素(aldehyde dehydrogenase:ALDH) により酢酸へと代謝されます。

ALDHには複数の種類があり、ALDH2と呼ばれる最も重要な酵素がアセトアルデヒドの分解酵素です。日本人の4割はこのALDH2の活性が欠損していると言うことです。
 
このADHやALDH2の酵素が体内で高活性化する人ほど、アルコールを分解する力が強く、従って酒に強くて顔にも出ません。

これらは遺伝的なもので、当初はすぐに顔が赤くなり弱かった人(低活性化の人)が、次第に強くなっていくのは、体質が変わって酵素が急に増えるわけではなく、逆に分解が追いつかなくなり、酔いが覚めるまでに時間がかかったり、しばしば二日酔いになったりします。そして発ガン性のリスクが格段に高まっていくことになります。
 
久里浜アルコール症センターのデータでは、ALDH2欠損の40歳以上のアルコール依存症男性では15%以上に初回検診で食道癌が診断され、初回検診で癌がなくても、その後の5年間に30%以上の頻度で食道や口腔・咽喉に癌が発生しています。
 
ALDH2欠損の飲酒者の食道発癌は、複数の研究から安全な量と関わりがあり、日本酒換算で1.5合以上の飲酒での発癌リスクは著しく高く、女性でも同様と報告されています。

また最近の研究では、食道と連続する下咽頭癌のリスクも、 ALDH2欠損の1.5合以上の飲酒者で著しく高まることが報告されています。
 
またやせはある種癌の危険因子で、やせた人で食道癌のリスクが高く、緑黄色野菜や果物を毎日食べる人では消化管癌を含む種々の癌が少ない。大量飲酒はDNA障害を起こしやすく抗酸化作用やDNA修復に関わる種々のビタミンは発癌を予防すると考えられています。
 
疫学学では胃癌と飲酒との関連を指摘されることがあり、証拠としては未だ限定されているものの、久里浜アルコール症センターの内視鏡検診では胃癌の頻度が1.5%であり、全国集計の0.2%と比べると著しく高くなっています。
 
これらのアルコールの害は、飲んだ本人だけの害ですから、緩やかな自殺ということで、別に構わないのですが、タバコと違ってお酒の害は本人だけにとどまりません(タバコも副流煙被害やポイ捨てによる環境破壊という側面はありますが、お酒も同様に乾杯の強制、一気飲み流行、返杯など周辺の被害はあります)。
 
まず泥酔した人が川に落ちたり、滑って転んだりしてよく死亡したり大怪我をします。飲酒運転による死亡ひき逃げ事故など悪質で重大な交通事故は後を絶ちません。

酔った勢いか本能が現れたのかわかりませんが、酔っぱらいが絡む喧嘩や暴力沙汰も日々起きています。また痴漢やセクハラ、盗撮行為で捕まると「酔っていてよくわからない」というのが犯人の常套句となっています。
 
これらはタバコの害とは比べものにはならない重大な事故、事件であり、また犯罪行為なのですが、それにしてもタバコの禁煙権、喫煙者排除は、国や自治体、市民運動まで活発におこなわれるのに、禁酒権、アルコール排除の運動はなぜか起きません。

1960年代のアメリカや現在のイスラム圏諸国ではアルコール規制は厳しいのですが、日本はお酒が絡んだ失態(事件や事故含む)には寛容で、酒が強いことが一種ステータスとなり尊敬されるという変な慣習を持っています。
 
犯罪でなくても夜の電車の中では、混雑している中でも大声でしゃべる酔っぱらい、満員なのにシートに寝ころんだまま起きない人、座っていると居眠りして寄りかかってくる人、ゲロで汚れた床やホームなど、酔っぱらいが引き起こすマナー違反や迷惑は枚挙にいとまがありません。
 
結局は、酒に緩やかな社会慣習とともに、酒やアルコール業界の、酒税という形での上納金と、様々な業界天下り先の提供などにより、アルコール規制派を封じ込めているということでしょう。

タバコの場合は気の毒なのはJTと数少ない生産者、町の小売り店ぐらいですから、巨大な酒・アルコール業界と数多くのアルコールを提供する飲食店と比べると、どうしても軽くみられてしまうことになります。
 
しかし国民の健康と安全を考えるなら、もっと強い規制が必要なのはタバコではなくアルコールだということを知らなければなりません。


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444
中原の虹 (講談社文庫)(1)(2)(3)(4) 浅田次郎

NHKが中国と共同でドラマ化している清朝末期を描いた「蒼穹の昴(講談社文庫)」の続編です。同時代の義和団の乱(1900年)を描いた「珍妃の井戸(講談社文庫)」と合わせて3部作とも言われていて、300年続いた清朝が崩壊し中華民国ができあがっていく混乱した時代で、その完結編ということになるのでしょう。
 
清朝末期といえば映画「ラストエンペラー」が有名ですが、まさにその少し前の西太后や袁世凱、満州の馬賊の張作霖が暗躍した頃の時代で、一般的には史上最悪の悪女とも言われている西太后がそうしなければならなかった時代背景、それに愛と苦悩が壮大なスケールで描かれています。
 
小説ですので、実在の人物以外にも想像の人物も多数出てきていて、どこまでが真実でどこからが創作なのかよくわかりません。

中学校や高校の時に習った元、明、清王朝のことや、義和団事件、辛亥革命などを思い出しつつ読んでいくことになりますが、相当に浅田ロマンが込められていますので、あくまでもそうあって欲しいという著者の願望だと思って読み進めることがいいのかもしれません。
 
文庫本4冊にまたがる長編ですが、蒼穹の昴同様あっという間に読み進められます。ただ人名や地名が慣れ親しんだ漢字の日本語読みではなく、中国発音のふりがながふってありますので、それに多少とまどってなかなか覚えられないかもしれません。
 
例えば満州で活躍した馬賊で後に清朝の軍隊に加わった「張作霖」は日本の教科書では「ちょうさくりん」ですが、小説では「チャン ヅォリン」、しかも通称が「白虎張(パイフーチャン)」、字は「雨亭(ユゥ ティン)」となりますので、この3つの名前が次々と出てくることになります。

日本でも有名な袁世凱(えんせいがい=ユアン シーカイ)に至っては、字は慰亭(いてい)、号は容菴(ようあん)、また一時は洪憲皇帝を名乗ることになります。
 
現在は日本と中国の関係は非常に険悪なムードとなっていますが、この小説の舞台では、日清戦争や義和団事件で日本が大陸や満州に進出していく様子が出てきます。

と同時に反政府の革命家達は、政府軍に追われると日本へ逃げて庇護されるという微妙な関係になりたっています。

いずれにしてもこの頃から太平洋戦争までの日本の行いが、100年後の今になっても政争の道具とされ、反日運動の火種になっていることは間違いありませんので、ちょっと複雑な思いがします。
 
清王朝のきらびやかで、厳かな雰囲気と、清朝末期に起きた漢民族による革命で大きく動く大陸、権益を狙う先進諸国の思惑、隣接する領土満州で起きる新しい国作りの動きなどが相まって、混乱の極みを呈する清朝末期を、浅田ワールドがもの悲しく、しかし時には暖かく展開されるこの小説は、漢民族が主体の中国人民はともかく、きっと世界中で長く読み継がれていくのではと思います

著者別読書感想(浅田次郎)
 
  ◇   ◇   ◇   ◇   ◇
 
激流 (徳間文庫) 上・下 柴田よしき

知人にいただいた本です。一時期平積みになっていて少し興味があったので買おうかどうしようか迷ったことのある本ですが、結局買わずに現在に至ってました。
 
柴田よしき氏も売れっ子となり、書店ではよく新刊が並んでいるのですが、イマイチ作品のテーマにつかみ所がなくインパクトに欠けているようで、それが今まで手にとってはみても買わなかった理由です。

もし今回もらわなかったとしたら、おそらく読むことはなかった小説だと思います。
 
ストーリーは中学校を卒業して20年が経った主人公達に謎のメールが送られてきます。その同級生に共通しているのが、京都での修学旅行中に同じグループ行動をしていた1人の女生徒が行方不明となり、現在も生死不明のままで、そのトラウマを抱えています。

送られてきた謎のメールというのが、行方不明となった女生徒の名前だったことから、社会人になってからほとんど縁のなかった同級生達が集まってきます。
 
あっけない結末と謎には少しガッカリしたのと「思春期の頃の仲間が中年になってから再会し」というのはミステリー小説ではよくあるケースで、次第にその当時の記憶が蘇り、それに現在の仕事や恋愛が絡んできたり二つの時代を行ったり来たりする共通したパターンです。主人公達の年代はちょうど団塊ジュニア世代を意識していると思われます。
 
同様の同級生が集まるパターンでは恩田陸の「黒と茶の幻想」や、たまたま最近読んだ重松清の「カシオペアの丘で」などが思い出されますが、「黒と茶の幻想」がしっとりとした大人のミステリーに対して、「激流」はわかりやすくドタバタと動きの激しいミステリーという感じです。ま、人それぞれに趣味が違いますので両方あっていいと思います。
 
あとこの小説はたぶん週刊誌かなにかで連載をされていたのでしょうけど、同じ話しが何度も何度も繰り返して出てくるのが気になります。

もしこの作品を有能な編集者が担当していたら、単行本や文庫化するにあたりそういう繰り返す部分はバサバサとカットして、上下巻で850ページを超えるこの大作も500ページぐらいまで圧縮してくれるのではないかなと読みながら思ったり。

売れっ子作家の書いたものを、バッサリ削ったりできる度胸のある編集者はもうほとんどいないのでしょうけど。
 
あと、世間ではあまり縁のない出版業界のことがたびたび小説に登場するのも、作家と出版社の深い関係性や、柴田氏もそのようですが、作家自身が元出版社の編集担当だったというケースが多く、やや食傷気味です。
 
決してハッピーエンドではないですが、お気楽に読むのには、わかりやすく、スピード感があって、団塊ジュニア達にとっては懐かしいところもあったりして、いいのではないかというのが感想です。 

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443
円高により特に輸入業界が儲かっているハズなのにあまり表面には出てこないというようなことをブログ書いたら、Twitterで「石油会社は原料の供給過剰と精製ロスのため儲かっていない」「原油はマネーゲームの渦中にあり投資家の気まぐれで大暴落した日にゃ円高差益などブッ飛ぶ」との業界に詳しそうな方から意見を賜りました。
 
確かにそういう一面はあるのだろうと思います。
 
しかし「供給過剰と精製ロス」は、消費者(=国民)にはまったく預かり知らぬことで、供給過剰は経営上の見積りの甘さや保守的な体質ゆえ先見性がないだけでありますし、精製ロスに関しても、それは技術力や工夫のなさ、それを見越した経営の問題だと思います。

JALのように政治家や官僚達にいいように食い物にされてしまっていたとしても悪いのはやっぱりJALなんですから、石油会社がそれを理由に稼げないというのは、経営者がバカだから儲かりませんと言っているように聞こえます。
 
日本の化学系会社(積水化学、東レ、三井化学など)が、苦労しながらも世界を相手に数々の発明や工夫をして戦っているのに対し、国内石油会社は国策という名の官僚主導により原油を輸入し精製するだけで、なにもしなくても自動的に大儲けできる仕組みを作ってきました。

そしてそのために、自ら努力をして世界に通じる商品開発や画期的な工夫、国際社会へ打って出ていくことを怠ってきたのは自然の理です。
 
石油業者と言えば国家のエネルギー政策という名の下に、国内の各種規制に守られ、また巨額の投資が必要な装置産業でもあるので、新たな競争相手の参入は少なく、最後に残された完全護送船団と言ってもいい産業です。

ちょうど少し前のNTTや郵便事業、巨大ゼネコンと同じようなものでしょう。おまけに、その膨大な利益構造をわかりにくくしているのが為替相場原油価格です。
 
国内のガソリン販売総量は、ここ10年間でほとんど変わっていませんので、国内のシェアを大手数社の間でせいぜいコンマ数パーセント取り合って一喜一憂していればよかったのです。

バブル時期に乱立させたガソリンスタンドを次々と閉鎖をしているのは、商品力がなく売れないからではなく、消費者の利便性よりも経営効率をあげて利益を少しでも多く確保するためです。

見方を変えると競争してお互い切磋琢磨するのではなく、あうんのカルテルを結んで楽な商売をしていこうという現れです。
 
上記の通りガソリンなどの高品質な石油製品の需要は決して下がっていませんが、石油輸入業者が同時に輸入している重油や軽油とプラスティック原料のナフサの需要はここ10年間で大きく下がっています。そこに利益率が悪くなってきた原因があります。
 
しかし原油代金と一般小売り価格との差であるマージン(利益)は、リーマンショック後の2009年12月を底にして2010年はわずか1年でリーマン前の水準までV字回復をしています。

同じく需要が減ったとは言え重油や軽油のマージンも2009年7月を底にして絶好調に伸びています。量が減ってもマージンを上げて儲けはちゃんと確保できているというわけです。
 
・・・
 
でも企業としての売上や利益(経常利益)は、それほど高くない?
 
大手の新日石の2010年3月期(2009年4月~2010年3月)の経常利益は、前年から大きく伸ばして2000億円を超す上々の利益を上げています。

この不景気の中で2000億円以上の経常利益を上げている上場会社と言えばトヨタや富士写真などを筆頭に日本で100社もありませんし、トップクラスの超優良企業と言って間違いないでしょう。
 
いえ、別に儲けるのが悪いと言っているのではなく、石油会社の狡いところは、以前「原油代の高騰」「円が不安定」などを理由に原油価格と小売価格との差(マージン)を少しずつ引き上げていったことと、環境破壊推進企業の罪滅ぼしなのか、荒稼ぎしたお金を様々な団体や関連会社、その他エコ・環境活動など本業と違う儲かりもしないところに湯水のごとく使っていることです。
 
それは古くからの慣習で所管の役所や認可権限者と出来レースとなっているのでしょう。つまり儲けは役所や高級官僚に割り戻すことが義務づけられていると想像します。

この業界の規制だらけで、純外資系企業やベンチャー企業が新規参入できない構造にして利権を守るためでしょう。
 
ま、これは戦前からある「鉄は国家なり」のイメージと同様に、太平洋戦争の原因でもあり散々苦労した「油の一滴は血の一滴」という政府の方針からして、手厚く保護してやろうという仕方ない面もあるのですが、現在でもまだそれに乗じて甘い汁を吸い続けている人達が多くいることも見逃せません。
 
中でも最大級の業界団体の石油連盟や全石連に、数多くの通産官僚が天下っていますが、その他にも関連団体は数え切れないほどあり、一例では社団法人(全国石油協会、石油学会、日本ガス石油機器工業会、日本計量機器工業連合会、潤滑油協会、日本ガス協会など)や財団法人(石油産業活性化センター、国際石油交流センター、日本エネルギー経済研究所、新エネルギー財団、省エネルギーセンター、全国危険物安全協会、エルピーガス振興センター、化学技術戦略推進機構など)、独立行政法人(石油天然ガス・金属鉱物資源機構、新エネルギー・産業技術総合開発機構、産業技術総合研究所など)、その他任意のわけのわからない団体があり、経産省の天下り先は相当数にのぼるでしょう。
 
さらに上記のように明らかに石油やエネルギーという名称がつかなくとも、環境やエコロジー、貿易、船舶、化学、輸送、計量、電力、アラブ、中東関連に関連している団体や会社とはなんらかの関係がありそうです。
 
・・・
 
2010年度は昨年度と比べると大きく円高に振れ、原油高は比較的安定しています。下手をすると日本企業の中でトップクラスの利益が出てしまうのではないかと思いますが、そこはうまく赤字部門と調整をおこない、また様々な環境問題を唄う天下り団体等に支出して消してしまうのでしょう。
 
次に、原油がマネーゲームの一環として原油価格に与えるインパクトが大きいのは誰もが知っています。

そしてそれを知っているだけに原油代が騰がれば市場価格を同様に騰げることが容易に可能ですし、騰がったからと言って買わずに済ませられるような贅沢品ではありません。

つまりどちらに転んでも決して損はしないのが石油会社なのです。原油価格と市場価格とを並べてグラフ化すれば見事にその釣り合いが取れています。企業努力なんていう言葉はこの業界にはありません。
(画像をクリックで拡大) 
gas01.jpg
 
ただ将来的に20年とか30年とかの長いスパンで見ると、やがてガソリンの消費量は確実に落ちていくことになるでしょうし、大きな油田開発が難しく、環境破壊問題もあり、舵取りは今までよりもずっと難しくなるでしょう。
 
しかし残念ながら、自分達で考えることをやめてしまい、官僚や業界団体の言いなりで、長年我が世の春を謳歌してきた石油会社に、国際競争という幕が下ろされ、国からの手厚い支援がなくなれば、明るい未来が訪れることは決してないでしょう。
 


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442
10月の大幅な値上げにより喫煙者が急速に減ってきたことや、健康志向で世間からの風当たりが強いことから、もはやタバコやそのパッケージは我々の身近にあるモノではなくなりました。
 
そうなると今までの長い間、様々な場面でモノの大きさの比較対象として使われてきたタバコやパッケージに代わるものが新たに必要となります。
 
おそらく従来はタバコのパッケージはほぼ統一がなされていましたし、国民的なタバコだったハイライトやセブンスターは大量に出回っていて、身近な人が吸っているのを誰もが見て知っていたので、大きさのイメージがよくつかめたのだと思います。

20101029_2.jpg
 
しかしタバコが身近なモノではなくなり、さらにこれほどまで嫌煙家が増えてくると、今までのように商品の大きさを認知してもらうため、タバコやパッケージを横に置いて使うというのは、商品のイメージ的にもあまり好ましくありません。健康増進器具の横に大きく健康被害の注意書が書かれたタバコのパッケージを置くなんてのはジョーク以外考えられません。
 
タバコのパッケージに代わるものとして思いつくのは、身近にある携帯電話ということになると思われますが、あまり見かけたことはありません。

ひとつには携帯電話というのは通信会社とメーカーの「色」がついていることから、例えばNTTの家庭向けFAXのPR写真に大きさの比較用にauの携帯電話が置いてあるなんてミスが起きないとも限りません。
 
同様に、ペットボトルやお菓子のパッケージというのもどうしても「そのメーカーと関係あるのか?」みたいな先入観をもたれてしまったりするので、避ける傾向にあるのでしょう。
 
先日、通販で自動車のバッテリー充電器を購入しました。確かに写真と縦・横・奥行きのサイズは書いてあったのですが、それではイメージが全然わきません(というかほとんど数字の羅列なんか見ません)。

大きさではなく機能と値段で決めて早々に頼んだところ、送られてきたものは写真だけを見て想像していたよりずっと小さな筐体で驚きました。
 
今や通販が全盛を迎えようとしています。今回は思っていたより小さくてもなにも困ることはないのですが、やはり実寸サイズよりも、写真の横にタバコのパッケージのような比較対象となるものが一緒に写っているほうが、購入前に消費者にとっては製品の大きさがイメージしやすく、ありがたいなと思った次第です。
 
もし大きいことに価値のある商品、逆に小さい方が価値のある商品が、比較対照するモノがなくそれだけで写っている場合、撮影の構図やバックのデザインなどでいくらでも大きく(小さく)見せることができてしまいます。その写真だけを見て買ってしまい、送られたモノを見てガッカリするようなことが起きかねません。
 
通販で売られるモノがますます増えていて、その写真に比較対象物を置くかどうかにもよりますが、製品の大きさによってその比較対象物も代わるでしょう。

机上で使うような大きさのモノであればタバコや携帯電話で十分ですが、ソファな家具や衣服などは人の大きさがたぶん基準となります。
 
その場合、商品を大きく見せたいときには小柄で細い人がモデルとなり、逆に商品を小さく見せたいときには体格のいい人がモデルになることでイメージを操作することができます。
 
勘違いを誘発させるという意味では、iPhoneが比較に横に置いてあると思ったら、実は倍以上の大きさのiPadが置いてあり、商品は想像していたよりずっと大きく狭い場所では使い物にならないと言ったことが起こるかもしれません。

また携帯電話に似せたモックアップを作り、実物よりも大きい(小さい)ものが比較用として使われる可能性だって絶対に否定できませんのでイメージだけで買う場合は注意が必要です。
 
その点タバコというのはJTの独占販売なので「メーカー色」を気にせず、サイズも一定でなんにでも使えるというメリットがありました。
 



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