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1601
毎年恒例の自己中で選ぶ「昨年読んだ中でのベスト書籍」大賞の発表です。

通常の賞がその年か前年に発刊されたばかりの新しい書籍が対象になることが多いのに対し、あくまでこの1年間に私が読んだ書籍からの選考となります。したがって何十年も前の古い本も含んでいます。

って言うか、新刊本、しかも単行本はほとんど買わないので(著者さんの印税にはあまり貢献できていません)、いずれも数年前の書籍(文庫か新書)がメインです。古くても新書とはこれ如何に。新刊でも古典と呼ぶが如しです、、、

一昨年の2020年に読んだ書籍は計105冊(94作品)で、そのうち「新書・エッセイ・ビジネス・ノンフィクション」が29作品(30冊)、「海外小説」は14作品(19冊)、「国内小説」は、51作品(56冊)でした。1作品で上下巻とかありますので冊数と作品数は違います。

完全にリタイア後の昨年2021年に読んだ全書籍は計112冊(93作品)でした。作品数は2020年から1作品減ですが、冊数は7冊の増加となりました。リタイア後、しかもコロナ禍で自宅にこもっている時間が多かった割にはあまり伸びずです。

「武田信玄」と「錨を上げよ」が1作品で各4巻、「オリジン」が3巻、「クリフトン年代記」の5部から7部や、「王妃マリー・アントワネット」、「黄砂の籠城」などの10作品が各2巻と、1作品で複数巻(冊)の書籍が昨年は多かったので作品数は減っても冊数が増えた理由です。

比較的よく読書をした2019年は115冊(108作品)でしたので、それとは3冊(15作品)及びませんでしたが、ここ10年間ではそれに次ぐ冊数となりました。

2019年は今と違ってまだ仕事をしていましたが、読書量からすると、どれだけ暇だったんだ?って感じです。

それはともかく、「新書・エッセイ・ビジネス・ノンフィクション」は22作品(22冊)で前年から7作品減(8冊減)、「海外小説」は13作品(21冊)で前年比で1作品減(3冊増)、「国内小説」は、58作品(69冊)で前年比で7作品増(13冊増)となりました。

大雑把に言えば、新書、エッセイ等が減り、海外小説は横ばい、増えたのは国内小説で、その国内小説では作品数も増えましたが冊数がより大きく増加しました。やはり仕事を引退すると、ビジネス書やハウツー本を読まなくなってしまいます。

それでは部門ごとに大賞の発表です。

  ◇   ◇   ◇

「新書・エッセイ・ビジネス・ノンフィクション」部門は22作品読みましたが、その中から大賞候補は、

生きて帰ってきた男 小熊英二
カラー版 宇宙を読む 谷口義明
無人島に生きる十六人 須川邦彦
桶川ストーカー殺人事件 清水潔
獄中記 煉獄篇 ジェフリー・アーチャー
官報複合体 牧野洋

の6作品です。どれも選りすぐりの面白さで、選ぶのが毎年苦労するのがこの部門です。

その中から大賞は、、、、、、

無人島に生きる十六人 須川邦彦著

に決定です!パチパチパチ・・

読書感想は、
7月前半の読書と感想。書評(無人島に生きる十六人)2021/7/14(水)

このノンフィクションは今から120年前の明治32年(1899年)に海洋漁業調査中の日本の帆船が、ハワイから日本へ向かう時に嵐に遭いミッドウェー近海で難破し、木が1本もない珊瑚礁でできた平らな小さな無人島に流れ着きます。

優れたリーダー(船長)がいて、生き抜くために様々な工夫と、お互いが助け合い、約4ヶ月後に偶然近くを通った日本船に救助されるまでの実話が元になっています。

映画にでもなっていれば、この出来事は有名になっていたでしょうけど、ほとんどの日本人には知られていないことだと思います。

もうひとつ、特別にどうしても大賞を与えたいのが、

カラー版 宇宙を読む 谷口義明著

読書感想は、上記「無人島に生きる十六人」と同じ

7月前半の読書と感想。書評(宇宙を読む) 2021/7/14(水)

これは壮大で夢のある科学(天文学)の話しで、数値や事象など理解できない面もありましたが、晴れた夜空を見上げる度にこの本に掲載されていた美しいカラー写真や、宇宙の謎を解き明かそうとする科学者の奮闘が思い浮かびます。

小さなお子さんや彼女がそばにいて、雑談しながら星を見上げ、本に書かれていたネタ(「あのミルキーウェー(天の川銀河)の中には太陽のような明るい恒星が2000億個以上もあるんだよ~それだけあれば地球とそっくりな環境の星もありそうだね」とか)をしてあげると、もう尊敬されること間違いなしです。

ただ、未来ある子供や彼女には、いくら本書に書かれていても、「あと50億年もすればついに太陽が燃え尽きて、地球も滅亡するんだけどねぇ、、」など、暗くなる話しはしないようにしましょう。

  ◇   ◇   ◇

次に「海外小説」部門は13作品の中から大賞候補作品は下記の7作品です。

剣より強し クリフトン年代記 第5部(上)(下) ジェフリー・アーチャー
機は熟せり クリフトン年代記 第6部(上)(下) ジェフリー・アーチャー
永遠に残るは クリフトン年代記 第7部(上)(下) ジェフリー・アーチャー
運命のコイン(上)(下) ジェフリー・アーチャー
そして誰もいなくなった アガサ・クリスティー
死の接吻 アイラ・レヴィン
オリジン(上)(中)(下) ダン・ブラウン

大賞は、、、、

そして誰もいなくなった アガサ・クリスティー著

読書感想は、
2月後半の読書と感想、書評(そして誰もいなくなった) 2021/2/27(土)

古典の名作の部類ですけど、さすがに82年前(1939年)に発刊されたこの作品を上回るミステリーはそうそう現れないでしょう。名前だけはよく知っていながら、読んだのは(たぶん)初めてです。

昨年は、ジェフリー・アーチャー著の本が多かったですが、この著者の小説は当たり外れがないというか、どれもたいへん面白く、自ずと大賞候補に多く上がってきます。

クリフトン年代記は、1部から7部までの大河小説的に長く、登場人物達の過去に起きた対立や曰くを思い出すのがたいへんでしたが、どれもドキドキのスリルがあり面白かったです。

ただ初期の頃の「ケインとアベル」が私にとってはあまりに衝撃的でしたので、それと比べると、ストーリーのつくりかたが大枠では似ているので、インパクトは薄れてしまっています。

ダン・ブラウンの小説は、「ラングドンシリーズ」他、長編小説はすべて読んでいますが、今回の「オリジン」も古い宗教と新しいAI技術とをうまく融合させ、世界中の宗教家を震撼させるような壮大なストーリーで、とても楽しく読めました。

  ◇   ◇   ◇

最後にもっとも作品数が多い「国内小説」部門は、58作品の中から大賞候補作は、下記の10作品に絞りました。

シャーロック・ホームズ対伊藤博文 松岡圭祐
それまでの明日 原りょう
王妃マリー・アントワネット(上)(下) 遠藤周作
黄砂の籠城(上)(下) 松岡圭祐
沖で待つ 絲山秋子
家守 歌野晶午
海の見える理髪店 荻原浩
後巷説百物語 京極夏彦
地のはてから(上)(下) 乃南アサ
風に舞いあがるビニールシート 森絵都

この中から大賞は、、、、

後巷説百物語 京極夏彦著

に決定です!!おめでとうございます~パチパチパチ・・

読書感想は、
10月前半の読書と感想、書評(後巷説百物語)2021/10/16(土)

1冊で800ページもある連作5篇の中篇小説集ですが、魅力ある小悪党の「小股潜りの又市」が活躍し、それが粋で奇想天外、タイトルからするとなにかおどろおどろしそうで怖そうですが、実は楽しく面白く読ませます。

この巷説百物語シリーズはいくつか出ていますが、その以外で評判が良い著者の同種の小説も読みたくなり、怪談シリーズの「嗤う伊右衛門」と「覘き小平次」はすでに購入済みです。

残念ながら大賞には少し及びませんでしたが、次点は下記の2作品です。

黄砂の籠城(上)(下) 松岡圭祐著
地のはてから(上)(下) 乃南アサ著

読書感想は、
6月後半の読書と感想、書評(黄砂の籠城) 2021/6/30(水)
8月前半の読書と感想、書評(地のはてから) 2021/8/14(土)

どちらの作品も、現代ではなく、明治や大正時代の話しです。こうした近代に分類される時代の話しは学校ではほとんど習った記憶がなく、知識を得るにはこうした小説を読んだり、テレビでドキュメンタリーを見たりするしかありません。

特に「黄砂の籠城」は実際に起きた有名な事件を元に、実在する人物の名前を使ったノンフィクションに近い小説で、多くの日本人が知らなかったことが多く登場します。

昨年のリス天読書大賞を受賞した熊谷達也著「邂逅の森」も、似たような近代の時代に生きるマタギの主人公を深く描いた小説でしたが、個人的にはそういう割と最近のことなのに、知らなかったことがわかる小説が好きなんだと思います。

以上、各部門、年間ベスト大賞受賞おめでとうございました。

今年もよい本に巡り会えますように!

【関連リンク】
1500 リス天管理人が2020年に読んだベスト書籍
1295 リス天管理人が2019年に読んだベスト書籍
1295 リス天管理人が2018年に読んだベスト書籍
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1600
明けましておめでとうございます。今年もよろしくお願いします。

狙ったわけではなく、日記はちょうど1600回の節目のスタートとなりました。いやめでたい。

リタイア後の読書生活はどうなるかな?と思っていましたが、ほぼ現役時代から変わらないペースで読んでいます。

リタイア後なら時間がいっぱいあってもっと読める?と思いましたが、あれこれやること、やりたいことはそれなりにあり読書に割ける時間は現役時代と変わらないということです。

違うのは、ビジネス書を読むことはかなり減りました。そりゃそうです。

でも最新のテクノロジーや、ビジネス手法などからあまり疎くなってしまうのも怖いので、時々は少し遅れてでもそうした書籍を読みたいと思っています。

さて、今年も読書感想からスタートです。


錨を上げよ(1)出航篇 (幻冬舎文庫) (2)座礁篇 (3)漂流篇 (4)抜錨篇 百田尚樹

2010年に単行本、2019年に文庫化された長編青春小説です。青春というのは、著者自身が経験してきたことを主人公に重ね合わせた少年から青年にかけての成長物語です。

文庫4冊で計1500ページを超えるかなりの長編ですが、シンプルな一人称だけの話しなので一気に読めます。

この小説が書かれたのは、2006年に「永遠の0」でメジャーデビューするずっと前の1985年頃、著者の29歳の頃だったそうです。多彩な人ですが、若い頃から創作力と文才はあったのですね。

著者は私よりも1歳年上の同年代、しかも同じ頃に同じ京都にある大学(大学は違いますが)へ通っていたということで、大学生時代の風俗やバンカラな描写はたいへん懐かしく感じます。

そう言えば五木寛之氏の「青春の門」でも大学時代の様々な出来事が主要な小説のテーマになっていましたが、時代背景や主人公の性格が全然違うとは言え、なんとなくそれを思い浮かべました。

京都の大学生活を描いた小説と言えば、時代は違いますが、万城目学著の「鴨川ホルモー」や、森見登美彦氏の小説にも時々出てきます。

大学生ではないですが、京都のバンカラな風土を描いていた花村萬月著の「百万遍 古都恋情」が面白かったです。

今でこそ大学授業料はとんでもなく高騰していますが、当時(1970年代)はまだ国立で年間10万円台、私立でも15~30万円と破格でした。ただ著者が通った同志社は突出して高かった記憶があります。

学費が比較的安かったことで、本書でも出てきますが、将来の展望が見えず、大学8回生など留年をしている人は多かった時代です。

著者やこの主人公が通っていた同志社や学連の巣窟京都大学と違って私が行っていた大学は学生運動とはまったく縁がないところだった(本書にも出てくるキャンディーズを学園祭に呼んだ学校)のと、4年間ずっとアルバイトに明け暮れていたので、小説に出てくる学生運動家との接点はありませんでした。

ただ、バイト先で一緒に働いていた某大学の学生が、明治政府の最高権力者を祀る神社の爆弾放火事件に関係していたということで、警察が家にまで聞きに(調べに?)来たことはありました。

さて、本書の内容ですが、(1)出航篇は、主人公は3人兄弟(ずっと後にもうひとり弟が生まれて4人兄弟)の長男で、大阪の淀川近くの貧しい家で育ちます。勉強はさっぱりですが腕力と度胸だけあって喧嘩にはめっぽう強い典型的な不良少年です。

そしてさすがに中卒では将来困るだろうと、偏差値が低い商業高校へ進学しますが、そこは勉強ができない不良の吹きだまりで、学校側は生徒会と応援団と組み、生徒を規則と権力と暴力でがんじがらめにするという今ではすぐに問題となりそうな校風で、主人公は何度も事件を起こして謹慎処分を喰らい、4年をかけてようやく卒業することになります。

また在学中にバイクの免許を取り、中古バイクを買って夏休みに行き当たりばったりのツーリングをしますが、途中でバイクを盗まれたり、逆に暴走族のたまり場へ行き、他人のバイクを盗んだり、東京のぼったくりバーで呼び込みのアルバイトをしたりと、もうハチャメチャです。

(2)座礁篇では、高校卒業後に大阪のスーパーへ就職し、アパートでひとり住まいを始めます。

しかし根っからの遅刻クセや、気に入らない上司との軋轢、さらにスーパーにアルバイトに来ていた女子大生への一方的な恋愛感情が破綻(ほぼストーカー)したこともあり3ヶ月で辞めてしまいます。

その後、遠回りしたもののアルバイトをしながら大学を目指そうと猛勉強を開始し、東大は落ちますが、関西私大の雄、同志社大に合格し入学することになります。

大学ではまだ60年代の学生運動の残り火がある中で、文系サークルに加入しますが、そこの上級生の女性に一方的に惚れてしまい、今なら十分ストーカー規制法に抵触しそうな行動から、散々な目に遭います。懲りない主人公です。

主人公の中学生の頃から何度も惚れて討ち死にしている女性に対する強烈な思い込みとその行動は、当時だからまだ許されますが、とにかく自己中で勝手なものですが、あくまで小説ですから仕方ないですね。

(3)漂流篇では、大学を途中で投げ出し、あてもないまま東京へ向かい、野宿をしながら様々なアルバイトをして糊口をしのぎます。

その中で、長く続いたのがレコード販売会社で、クラシックレコードの販売で才能を発揮し、新たに輸入版販売を手がけます。

しかしそこでも女性関係でトラブり、仕事をキッパリ辞めてテレビで見た北海道の漁業へ飛び込みます。

そこでは未経験ということもありまともな仕事にはありつけず、声がかかったのはソ連領に入ってウニを採るリスクは高いが一攫千金の特攻隊漁船で、そこで地力を付け自ら船を調達し、船長となってぼろ儲けの仕事を始めます。

(4)抜錨篇は、大阪で一目惚れで結婚し、テレビの放送作家の仕事を始めますが、あるとき妻の浮気を目の当たりにし離婚、そして風俗店の店長と共にタイへ渡り女性を日本へ送り込む仕事や、タイ人の元恋人を連れ戻しにやってきた日本人とヤクザの騒動に巻き込まれていきます。

まったくとんでもないストーリーです。以上

★★☆

著者別読書感想(百田尚樹)

【関連リンク】
 12月前半 しゃばけ、深海のアトム(上)(下) 、ノモンハンの夏、玻璃の天
 11月後半 海の見える理髪店、ダナエ、それまでの明日、死の接吻
 11月前半 風に舞いあがるビニールシート、探偵刑事、桶川ストーカー殺人事件、白い声

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1596
しゃばけ(新潮文庫) 畠中恵

著者は1959年生まれということで私とほぼ同年代です。数多くの小説を出されていますが、読むのは今回が初めてです。

本著は実質的なメジャーデビュー作ですが、2001年に単行本、2004年に文庫化された小説で、日本ファンタジーノベル大賞の優秀賞を受賞しています。

その後もこの「しゃばけシリーズ」が2021年から毎年1巻ずつ、2021年には20作品目の「もういちど」まで続いています。

ファンタジーと言うと、私のもっとも苦手なジャンルですが、できるだけ好き嫌いを言わず、「精霊の守り人」や「英雄の書」「光の帝国 常野物語」「陰陽師」「妖星伝」など、頑張って読んでいます。

本著が面白かったのは、時代は江戸時代、主人公は身体が弱い大店の若旦那で、隔世遺伝?で妖怪が見えて話しができる上、亡くなった祖母の依頼で妖怪達が自分を守ってくれる存在という変わった主人公の話しです。

もちろんファンタジーですからリアリティなどクソ食らえですが、江戸の夜は現代と比べるとそれはそれは真っ暗闇の世界ですから、日本独自の奇怪な妖怪とは相性が良さそうです。

ともかく、パッと読んでサッと忘れてしまうのがファンタジーで、映画で見た「ハリーポッターシリーズ」ももうほとんど忘却の彼方です。それで良いのがファンタジーでしょう。

★★☆

 ∟ ∟ ∟ ∟ ∟ ∟ ∟ ∟ ∟ ∟ ∟ ∟

深海のアトム (上)(下) (角川文庫) 服部真澄

2014年に単行本、2017年に文庫化された長編小説です。

日本の東北地域を日本の特別な自治地域「陸滸国(リアス)」として、そこで暮らしている少年が主人公のひとりで、政治と大企業の癒着、エネルギー問題(原発誘致)、漁業の衰退がこの地域で様々起きています。

別の主人公、アメリカで鉱物や微生物を研究している日本人学者はこの陸滸国の出身で、陸滸国の海洋学者とともに一発逆転の放射性元素の処理技術を作り上げていくという流れです。

そして東北、リアスとくれば起きるのが大地震であり、大津波であり、原発事故です。

少年は鉱山トンネルの中で落盤事故に遭い、少年の姉は漁船に乗っている時に避けられない大津波に遭い、登場人物の多くがこの大地震や津波に襲われるシーンは迫力のあるシーンとなっています。

ともかく、サイエンスとサスペンス、それにエンタメなどがギュッと詰まった内容で、ひと言で説明は難しいです。

★★☆

著者別読書感想(服部真澄)

 ∟ ∟ ∟ ∟ ∟ ∟ ∟ ∟ ∟ ∟ ∟ ∟

ノモンハンの夏 (文春文庫) 半藤一利

今年2021年に亡くなられた著者の1998年のノンフィクション作品で、2001年に文庫化されています。

司馬遼太郎氏が最後に書くつもりで共に取材を進めてきた中、司馬氏が1996年に亡くなったあとにその思いを継ぐつもりで書かれた作品です。

ノモンハン事件と言えば、太平洋戦争前に、日本軍とソ連軍が戦い、大きな損害を受けたという簡単な知識しかもっていませんでした。

実際は満州国とモンゴルの国境の一部が明確になっていなかったことから、互いの都合が良い国境ラインを守るため「相手が侵略してきた」と双方の軍が激突したわけです。

しかも満州は日本が、モンゴルはソ連がそれぞれの国の防衛を担っていて、厳密に言えば代理戦争ということになります。

事件が起きたのは1939年のことで、三宅坂にある陸軍参謀本部とその満州の出先機関である関東軍参謀部とで、不明瞭だった満州とモンゴル国境線の取り扱いについて意見が割れます。

モンゴルの背後にいる極東ソ連軍など恐るるに足らずとなめきっていた関東軍エリート幹部達が、国境付近にいるソ連軍を追い払おうと暴走気味に戦端を開きます。

最初のうちは調子が良かったものの、ドイツと不可侵条約を締結することでソ連の西側に憂いがなくなり、スターリンの指示を受け近代兵器を大量に極東地域に投入したソ連軍に関東軍がコテンパンにやられてしまうという国境紛争です。

タイミング的には、中国との戦争が泥沼状態に入り込み、英国や米国との関係が悪化、しからばとヒットラー率いるドイツと同盟交渉をしますが、陸軍と海軍で意見が割れ、さらに英国大好きで陸海軍の最高責任者でもある天皇陛下への説得もままならず、陸軍参謀本部は混乱の極みに陥っている時期でした。

その結果、能なしで危なくなると自分たちはとっとと逃げ出す最高幹部達に命令された最前線の哀れな兵士達はソ連軍の近代兵器に蹂躙され、日本軍だけで7千人以上の戦死者(ソ連軍は9千人以上の戦死者)を出すことになります。

「その地に重要な資源が埋まっているとか石油が出るとかでもなく、目印になるような木も1本もなく、ただ広いだけの寒冷地域の草原で、国境線がわずか数キロあっちだこっちだと言って殺し合いすることの無意味」という感想は確かにその通りに思います。

でも威勢の良いところを見せて、新たな勲章を胸に飾りたいエリート国粋主義者にはそれが許せなかったのでしょう。

本著では、実名で戦後までのうのうと生き続けたノモンハン事件の首謀者の参謀などをバッサリと斬り捨て、陸軍組織や幹部達の愚かな一面をさらし、さらにその反省がまったく生かされることなく、太平洋戦争でも繰り返すことを辛辣に書いています。

★★☆

著者別読書感想(半藤一利)

 ∟ ∟ ∟ ∟ ∟ ∟ ∟ ∟ ∟ ∟ ∟ ∟

玻璃の天 (文春文庫) 北村薫

以前、昭和初期の帝都で起きる推理小説シリーズ、「ベッキーさんシリーズ」では、直木賞を受賞した3作目の「鷺と雪」を読んでいます。

2013年12月後半の読書(鷺と雪)

本著は、2007年に単行本、2009年に文庫化されたそのシリーズ第2作目で、「幻の橋」「想夫恋」「玻璃の天」の中篇3作が収録されています。

現在の明仁上皇、当時の第一皇男子(皇太子)が誕生した1933年頃の東京が時代背景で、主人公は大企業の令嬢と自家用車の運転手(別宮、愛称ベッキー)のコンビです。

同時期に読んだ半藤一利著「ノモンハンの夏」のノモンハン事件が起きたのが1939年ですから、その6年前という、日本では軍部勢力が拡大し続け、民主主義的なことが徐々に抑圧されつつある時期です。

そうした時代ですが、財閥系大企業社長令嬢として上流階級にいる主人公が、自家用車の女性運転手とともに、女学校の同級生の家の悩み事や、駆け落ち騒動、新築祝いに招待された先での転落事故に首を突っ込んで推理し解決していくという内容です。

所々に出てくる銀座の町並みや三越百貨店ビル天井のステンドグラス、資生堂パーラーのクロケットなど、まだ戦災に遭う前の平和な時代が偲ばれます。

そうしたまだ私も生まれてはいない時代ですが、なにかしら懐かしい日本の都市の原風景が頭の中でイメージできて楽しいです。

★★☆

著者別読書感想(北村薫)

【関連リンク】
 11月後半 海の見える理髪店、ダナエ、それまでの明日、死の接吻
 11月前半 風に舞いあがるビニールシート、探偵刑事、桶川ストーカー殺人事件、白い声
 10月後半の読書 沖で待つ、瑕疵借り、熊野古道殺人事件、東京消滅、最後の命


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1595
一般的にニュースなどで報道される刑法事件は、芸能人など有名人でもなければ刑法犯の中でも重大な殺人事件などごく一部だけです。

過去にも刑法犯の種別など書いたことがありますが、国内刑法犯の割合と認知件数の推移について不定期でも見ておくため、書いておきます。

刑法犯は、2019年1年間で748,559件の認知件数があります。

認知件数ですので、検挙数や逮捕者数とは違い、犯罪が発生しそれが警察事案となった件数と言ってもよいでしょう。

刑法犯は比較的軽いものは万引きや空き巣などの窃盗や詐欺、風営法違反など、凶悪なものは飲酒運転でのひき逃げや暴行、強盗、殺人などがあります。

その中でなんと言っても数的に圧倒的に多いのは窃盗(自転車盗、車上狙い、万引き、ひったくり、置き引きなど)です。

窃盗だけで刑法犯全体の71%(侵入盗8%+侵入盗以外63%)も占め、その窃盗犯の中の1割(刑法犯全体では8%)が空き巣や店舗荒らしなどの侵入盗になります。


  データ出典:警察庁 警察白書

2019年は認知件数は748,559件ですが、実際に逮捕や検察官への送致(警察が被疑者の身柄や記録を検察官に引き継ぐこと)等される検挙数は294,206件で、検挙人数は192,607人です。

但し、逮捕や検挙されても微罪などの場合は、検察(司法手続き)へ送致されずに微罪処分(前科は付かず前歴が残る)で済ませる場合もありますから、すべて裁判にかけられるというわけではありません。

つまり刑事犯として認知したものの、誤解から生じたことだったり、被害者が告訴を取り下げたり、軽微ですぐに和解が成立していたりすると不起訴になるケースも多いと言うことでしょう。

桶川ストーカー殺人事件のように、面倒だから告訴状を被害届に警察が勝手に書き換えたり、殺人事件でもまともに捜査をしないで放置し、警察の失態を隠そうと事件をうやむやにしておくとかでなければ良いのですけどね。

未だに「最近、犯罪が増えている!」と勘違いしている人が時々いますが、もちろんそんなことはなく刑法犯は大きく減少しています。


  データ出典:警察庁 警察白書

2002年(平成14年)には刑法犯が285万件を超えていましたが、その後は17年連続して減少し、2019年は75万件と2002年の1/3以下へと減少し、戦後もっとも少なくなっています。

刑法犯が多かった20年前、2002年と言うと、サッカーW杯日韓大会が開催され日本代表が初のベスト16入り、ノーベル賞では小柴昌俊氏(物理学賞)、田中耕一氏(化学賞)のW受賞など明るい話題もありましたが、三島女子短大生焼殺事件、北九州監禁殺人事件、平野母子殺害事件、群馬女子高生誘拐殺人事件、マブチモーター社長宅殺人放火事件、石井紘基刺殺事件など凶悪事件も多く発生した年でした。

その2002年以降はずっと下降傾向でしたが、ここ1~2年は、コロナ禍で自粛を強いられ、閉塞感が高まり、さらに仕事がうまくいかない、モノが売れない、客が来ないなどで経済的に追いつめられての犯行というのが増えている気がします。

値上げラッシュで生活が厳しくなる年金生活の高齢者の犯罪も、この世代の人数が元々特出して多いだけに目立ちそうです。

そうした犯罪を防止し、取り締まる警察官ですが、日本の警察官の人数はおよそ26万名(2017年)で、人口千人あたりにすると、2.06人(0.2%)人です。

人口が減ってきているのにこの10年間でなぜか1万人近く(2007年25.1万人)も増えています。

最近は交番の中はいつも不在で電話が置いてあるだけになっているのに不思議ですね。

この数は他国と比べてどうなのか?と思って調べたものの、新しい適切なデータが見つかりません。

ちょっと古いですが、2008年のeurostatのデータでは、人口千人あたりで警察官が多いのはスペイン4.9人、トルコ4.8人、ギリシャ・ポルトガル4.5人で、少ないのは、フィンランド1.5人、ノルウェー1.6人です。

日本はデンークやスウェーデン、カナダと同じ2.0人と全体で見ると少数派に入りそうです。

その他の国では、オーストラリアが2.2人、米国2.3人、英国2.7人、ドイツ3.0人、フランス3.6人、イタリア4.1人などとなっています。

国によっては、国内の治安を維持するのは警察官だけではなく、様々な制度や形態があるので、一致した数値を求めるのは難しいかも知れません。特に共産国や非民主主義国の実態は不明です。

北欧の国は比較的安全と言われていますが、最近はテロ事件なども起きています。一番良いのは、街の風景の中には武装した警察官の姿が一切見えず、万が一なにか起きたときには素早く警察官が現場に到着するような国家です。

少なくとも、武装した警察官が市民側に向いて銃や盾で威嚇するような事態だけはなってもらいたくないものです。

【関連リンク】
1402 警察官の年齢構成はどうなっている
914 殺人事件の国際比較
850 少年犯罪は増加、凶悪化しているのか?

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1592
海の見える理髪店 (集英社文庫) 荻原浩

2016年に単行本、2019年に文庫化された短篇集で、2016年の直木三十五賞を受賞した作品です。1997年に「オロロ畑でつかまえて」でデビューしてから22年目での受賞となりました。

私はそのデビュー作含め過去に23作品を読んでいますが、もっと早く受賞していても全然おかしくはない活躍ぶりです。

この短篇集は、それぞれ独自の「海の見える理髪店」、「いつか来た道」、「遠くから来た手紙」、「空は今日もスカイ」、「時のない時計」、「成人式」の6篇が収録されています。

共通するテーマはハッキリとは書かれてはいませんが「家族」とか「血縁」というところでしょうか。

中でも本のタイトルにもなっている「海の見える理髪店」は短篇ながら2世代の濃い人生が語られ、読者もあれこれと想像を膨らませる展開で、最後に感動と涙を誘う展開へ向かいます。これは素晴らしい。

著者の長編小説にも素晴らしいものがたくさんありますが、それと比べると短篇にはコミカルな妖怪モノなどちょっと息抜き?って感じで印象深いものはあまりなかったのですが、これは大人の深い小説で確かに一級品です。

「海の見える理髪店」が男同士の関係なら、「いつか来た道」は同じテーマでの女同士の関係を描いています。この二つはペアと言っても良いかも知れません。

★★★

著者別読書感想(荻原浩)

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ダナエ (文春文庫) 藤原伊織

ちょっと古い2007年単行本、2009年文庫化された短・中篇小説集で、「ダナエ」、「まぼろしの虹」、「水母(くらげ)」の3篇の構成です。

本のタイトルになっている「ダナエ」とは私は知らなかったのですが、オランダの画家レンブラントがギリシャ神話をテーマにして1636年に描いた大きな裸婦(ダナエ)の絵画のことです。(レンブラント以外にも多くの著名画家がダナエをテーマに絵画を描いています)

そしてこの絵画は1985年にリトアニア人の青年に硫酸を浴びせかけられ、さらに刃物で切りつけられたという過去があります。

それになぞった形で、そこそこ著名になった主人公の画家が描いた妻の父親で大企業のオーナーの肖像画を展示中、硫酸をかけてナイフで傷つけられるという事件が起きます。

神話では美しいダナエは権力者の父親に軟禁されていましたが、全知全能の神ゼウスの子を産むことになり、その子がダナエの父親を殺すというストーリーに沿った形で、絵のモデルとなった主人公の義理の父親の元へ殺人予告メールが届きます。

絵画の世界に詳しくないとさっぱり理解できないところですが、小説の中でそうした説明がちゃんとされますので安心して読めます。ギリシャ神話って深いですからね。

惜しむらくは中篇なので、事件やギリシャ神話の解説などでバタバタとしているうちにアッという間にクライマックスに入ってしまい、「起ーーーー承ーー転/結」って感じ。尻切れトンボじゃないですが、終わり方が慌ただしくてちょっと残念な感じです。

あとの2篇は印象の薄い短篇で、ちょっと迫力に欠けてしまっています。

★★☆

著者別読書感想(藤原伊織)

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それまでの明日 (早川書房) 原りょう

そして夜は甦る」(1988年)、「私が殺した少女」(1989年)、「さらば長き眠り」(1995年)、「愚か者死すべし」(2004年)に続く5作目の長編小説です。過去の作品はいずれも文庫化されてまもなく買って読んでいます。

もちろんこれも前作に続きレイモンド・チャンドラーに影響を受けて創造した「私立探偵沢崎シリーズ」で、2018年に単行本、2020年に文庫化されました。

東野圭吾氏や貫井徳郎氏のように1年に何冊もの長編小説を書く作家さんも多い中、30年で5作品だけです。

しかもこの「それまでの明日」が出たのはその前の「愚か者死すべし」が出てから14年が経っていました。


これでちゃんとプロの作家として生活ができているのかは大きなお世話ですが心配になります。

それはそうと、この作品も過去の作品同様たいへん面白く読めました。ちょっと冗長な感じはしましたが。

シリアスな場面とコミカルな思いがうまくマッチしていて、読むのに疲れません。ただ登場人物の半分が過去のシリーズに出てきた人なので、それらを読んでいないとどういう関係なのかわかりにくいかも知れません。

ストーリーは、赤坂にある老舗の料亭への融資に関連してそこの女将を調べて欲しいと、ある消費者金融会社の支店長に頼まれたものの、調べるとその女将はすでに亡くなっていてそれ以上調査するのかどうかを依頼人に聞くため勤務場所へ行くと、そこで二人組の武装強盗に遭ってしまいます。

そこから話しはややこしくなってくるのですが、暴力団の抗争と裏金の隠し資金、強盗事件で一緒に人質になった謎の若いベンチャー企業経営者の関わり、依頼人の支店長の失踪、腐れ縁の新宿警察署警部補との丁々発止、探偵事務所のビル取り壊しによる移転交渉と連絡先不明の隣部屋の写真家などなど。

マーローと同様、一人称で語られていくストーリーなので、登場人物が多くても会って話しを聞いているのは常に誰か一人だけですので、混乱することがなく次々とやっかいごとが降りかかってきても順序よくこなれていきます。

そして最後には、次作へつながりそうな終わり方をしていますので、また十数年後になるのかも知れませんが、楽しみに待つことにします。

いや~マーローは消え、スペンサーもいなくなり、スカダーは時の流れと共にすっかり老人になってしまい、頼みはこの探偵沢崎だけです。

そう言えば、文庫あとがきに、著者はギャビン・ライアル著の「ハリイ・マクシム少佐シリーズ」が気に入っているということが書かれていたので、今後はそちらも読んでみようと思っています。その文庫帯の推薦文を著者が書いていたりしています。ライアルの作品では有名な「深夜プラス1」だけは25年前に読んでいますから懐かしいです。

★★★

著者別読書感想(原尞)

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死の接吻 (ハヤカワ・ミステリ文庫 20-1) アイラ・レヴィン

著者はアメリカの作家で、今回の「死の接吻(原題:A Kiss Before Dying、1953年)の他にも有名な「ローズマリーの赤ちゃん(1967年)」や「ブラジルから来た少年(1976年)」など大ヒット作を残した方で、いずれも原作を元に映画化されています。

著者の作品を読むのは今回が初めてですが、昨年、映画の「ブラジルから来た少年」を見ました。そちらもとても面白かったです。

この作品は今から68年も前に書かれたサスペンススリラー小説ですが、まったく古くささは感じられません。

貧しい出ながら容姿に恵まれた男性が、大企業オーナーで富豪の三女に狙いを付けてうまく関係を持ちますが、予想外の妊娠が発覚します。

まだお互い大学生同士ということもあり、このままデキちゃった結婚をすると、風紀に厳しい父親から絶縁されかねないと判断し、殺人に手を染め、さらにその上の姉の次女に乗り換え、さらにはその上の長女へと、、、

うーこれ以上は書けません。

とにかく、発刊の時期や時代背景はなにも知らずに読んでいたので、現代の小説か?ぐらいに思っていました。それほど新鮮で素晴らしい内容です。

その中で、その主人公とも言える犯人の男性が、大学に入る前に陸軍に所属していた時、太平洋戦争で日本軍兵士を目の前で殺した回想シーンが出てきますので、「あ、これは70年も前の物語なんだ」と感じた次第です。

著者にとってはこの作品がデビューの長編小説で、いきなり著名なエドガー賞処女長編賞を受賞します。

その後の活躍は上記に書いたとおりで作品数は少ないものの、出せば世界的なベストセラーという才能のある方で、今後他の作品も読みたいと思います。

★★★


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