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様々な経済書がある中で「少子高齢化」という言い方がよくされていますが、著者は「少子化と高齢化とは別物の事象であり、子供さえ増やせば高齢化が防げるという誤解が蔓延している」と書き、さらにこの「少子高齢化という言葉を使う識者やこの言葉が使われる論説は信用しない」とまでバッサリと切り明快です。私も過去に何度もこの言葉を使ってきましたので反省しなくちゃいけません。
 
著者の藻谷浩介氏(46歳)は山口県出身で東大卒業後、日本開発銀行(現・日本政策投資銀行)に入行、現在も日本政策投資銀行地域振興部参事役の根っからのバンカーで地域エコノミストです。ちょうどこの4月に朝日新聞社が立ち上げた「ニッポン前へ委員会」の委員に委嘱されましたので、今後朝日新聞紙上でも論説などを読むことができそうです。
 
著者が指摘する日本経済の長期的な不況とデフレは単なる少子高齢化ではなく「生産年齢人口の減少」であると言い、いままではGDPや失業率など「率」で見てきた数字を「実数」の生産年齢人口、完全失業者数などで見るべきとしています。

そしてこの事態は何十年も前からわかっていたことで、その生産年齢の減少を1人あたりの生産効率をあげることや外国人労働者で埋め合わせることができると考えた学者や経済人を批判しています。
 
ただいま日本に近いアジア各国はこれからしばらくのあいだは生産年齢人口の増加が見込まれ、日本の高度成長期と同様活況をおびることとなるので、それらをスイスやイタリアのように観光やブランドを盛り上げてうまく利用していくべきとまとめています。

頭ではぼんやりと理解していたつもりでも、こうハッキリと事実と根拠を指摘してもらえるとガーンと頭を殴られたような感じがします。20年前に読みたかったところです。
 
  ◇   ◇   ◇   ◇   ◇
 


将棋について興味のない人は読んでもさっぱり理解できない本です。伝統あるプロ棋士の世界に今から25年前、わずか15歳でデビューし、その後ずっと将棋界のトップで活躍した羽生善治名人のことは多くの国民にに知られていますが、なにがそれほど凄いのかはやはり将棋をこよなく愛する人でなければわからないところです。
 
その羽生名人の対局や棋譜を見ながら、羽生世代、その前の世代、後の世代などを比較していきますが、羽生名人へのインタビューや過去の言葉からその強さと凄みをあぶり出していきます。と、いうことで、本の内容については、私のレベルでは棋譜を追うのに必死で、特に感想もなにもありません。
 
私と将棋の関わりですが、将棋を一番よくやったのは小学生の頃で、最初は4つ離れた兄に教わり、兄に勝ちたい一心で、必死に将棋のノウハウ本や故大山康晴15世名人の書いた本などを読み、毎週日曜日の午前中に教育テレビでやっていた将棋対局を興味を持って見ていました。
 
その時に初歩的な定跡をいくつか覚えたものの、その後、中学生以降は滅多にしなくなり、最近は何十年もやっていません。子供に教えてやるべきだったかと反省ですが、子供は小さいときからもっぱら携帯ゲーム機に夢中なので、将棋のような動きに乏しい割に、頭をたいへん使う奥深いゲームにはなかなか興味を示さなかっただろうというのも事実でしょう。
 
いつだったか社会人になり立ての頃に、将棋にはまっている先輩がいて、嫌がる私と無理矢理に対局をすることになりました。当時は体育会系風貌の私に、そういう将棋の経験があるなんてまったく想像できない油断もあり、私にコテンパンにやられて愕然として落ち込んだのを思い出します。その後何度も何度も誘われてヘキヘキしました。
 
そんなウ~ンと昔の知識だけですので、この本を読んでもその対局中継のポイントや世代による違いなんてものはまったくわかりませんが、なにか小学生の頃に一生懸命に櫓やミノの効率的な作り方、相手の陣の崩し方を研究してきた頃を懐かしく思い出します。
 
世界中に将棋と似た対戦ゲームは数々ありますが、将棋にしかないルールがあり、それは相手の駒を取ったらそれを今度は自分の駒として使えるというルールです。このルールがより一層ゲームの展開を複雑にしていて、ずっと防戦一方で負け寸前だったのが、相手から奪った駒を使って一気呵成に相手を追い詰め逆転するなんてことがアマチュア将棋ではよくあります。
 
確かに日本では戦国時代までの戦争では敵の大将の首さえ取れば、生き残った家臣達まで皆殺しとせず、逆に有能な武士や参謀は味方につけて重用する場面がよくありました。そういうところから来ているのかどうかは知りませんが、敵将以外は打ち取れば(生け捕りにして)、その後は味方として働いてもらうという発想はとてもよくできています。
 
  ◇   ◇   ◇   ◇   ◇
 
著者伊藤計劃(いとう けいかく)は2009年3月20日に34歳という短い生涯を終えてしまった作家です。書いた長編小説は「虐殺器官 (ハヤカワ文庫JA)」「メタルギア ソリッド ガンズ オブ ザ パトリオット (角川文庫)」とこの「ハーモニー」の三冊だけですが、いずれもクセがあるものの強烈なインパクトのある作品ゆえ多くのディープなファンがいます。
 
また「伊藤計劃:第弐位相」という自身のブログは2009年1月7日の記述で最後となっていますが、その中にも早く退院して見たいDVD?が紹介されており、旅立つ前に見ることができたのか気にかかるところです。そしてこの作品「ハーモニー」を書き始めたのは2008年8月29日のブログで「第一稿上げた」と書かれています。
 
すでにデビュー作の「虐殺器官」は読んでいますが、読んだときのなんというべきか、新鮮さと緻密なプロットがこの本でも伝わってきます。

このようにして徐々に読者を拡げていき、文章もテーマもこなれていって数年後には大ヒット作を世に出し、映画化もされていくのが期待される人気作家の流れですが、それを望むことができないとは残念至極です。
 
ストーリーは、21世紀も終わりの近い世界で、SFではよくある健康至上が蔓延し、テクノロジーが精神世界にまで達しています。

様々な技術が進化した中で、100年前(つまり現在)から残り続けているものもあり、例えばガソリンで動く機械や鉛玉を発射する拳銃が骨董品としてではなく現役で出てくるのにはちょっと違和感を感じたりします。

ま、それらの未来予想については私が生きているあいだに知ることはなさそうですが。

著者別読書感想(伊藤計劃)
 



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ドーン (講談社文庫) 平野啓一郎

近未来のSF小説ですが、その設定はかなり近くて今から20数年後の2036年頃となっています。それだけに現在のテクノロジーの延長線上にある新しいサービスや、近々起こると想定されている災害などが盛り込まれていてなかなかリアル感があります。
 
主人公は外科医出身の日本人宇宙飛行士でJAXAからNASAへ出向し無事火星探査から帰ってきた日本人と、もうひとり、アメリカの大統領選挙において不利な闘いを強いられている地味な民主党の候補をPRする広告会社のアメリカ人です。
 
その日本人宇宙飛行士は、外科医だった頃、東京で起きた大地震のため、幼児だった自分の子供を亡くしていますが、なにか先月に起きた東日本大震災を彷彿させるものがあります。もちろんこの小説のほうがずっと先に書かれています。
 
ストーリーは大きく分けて2つのことが同時に進行します。ひとつは火星探査の長い旅のあいだに起きたとんでもない話し。もうひとつが、アメリカ大統領選に絡み、火星着陸を無事成功させたことを政治的に利用しようとする与党共和党の弱点となる「混迷する東アフリカ」への軍事介入問題です。
 
この小説でも、先月読んだ「KATANA」と同様、2000年代のブッシュ大統領時代から始まったアメリカの軍隊や軍備の民間企業へのアウトソーシング化が触れられており、その行き着く先は?というのが焦点になっています。
 
日本人の作家が描くアメリカとアメリカ人をメインに配置したSFといえば、以前読んだ伊藤計劃著「虐殺器官」や、SFではないですが前述の服部真澄著「KATANA」がそれに近いものと言えます。そして結末も意外と似たようなところがあります。
 
20数年後の話しですから、生活などはそう大きく違うところはありませんが、ネット上で誰でもが創作することができる「Wikiノベル」、街角や店内に設置されている数多くの監視カメラをネットワーク化して利用する顔認識システム「散影」、顔の整形手術がより進み、いくつもの顔を持つことができる「可塑整形」など、現代のテクノロジーやシステムなどが進化した想像というか予想図が描かれています。
 
ちょっと面白かったのは、『…とりわけ昨年50周年記念として《ウィー・アー・ザ・ワールド》のリメイクの制作に参加した民主党支持のミュージシャンたちが、《ウィー・アー・ザ・ワールド アゲイン》コンサートに参加してからは、その差は顕著なものとなった。ライヴで放送されたこのステージでは、87歳で闘病中のブルース・スプリングスティーンが車椅子で登場し、…』なんていうのが出てきてニヤリとさせられます。1949年生まれのブルース・スプリングスティーンが2025年まで無事生きていられるかは微妙って感じでしょう。
 
  ◇   ◇   ◇   ◇   ◇
 
前作「怪しいお仕事!」の続編で、前作と同様買ったのではなく会社の書棚にあったので暇つぶしに借りてきました。

北尾トロ氏はフリーのライターで、面白そうなネタを週刊誌などに持ち込んで、それを自ら体験してそのレポートを書くというスタイルが多そうです。
 
出版は2006年ですから5年ほど前の文庫ですが、実際に体験して書いたのはさらにその2~3年前というところでしょう。
 
この書で実際に体験したり、関係者にインタビューした危ないお仕事とは、
・万引きバスター
・私立探偵
・警察マニア
・超能力開発セミナー講師
・フーゾク専門不動産屋
・ダッチワイフ製造業者
・新聞拡張団
などです。
 
読んで面白かったのは、新聞拡張団に実際に応募し、体験したレポートです。あとはテレビなどで時々レポートされたり、お笑い芸人が突撃レポートしたり、あるいは社会問題として事件が起きたりしますので、その仕事の内容はだいたい想像ができます。
 
その新聞拡張員というのは、その販売地区の配達員が昼間の暇な時間に営業として回っているのかと思っていたらどうもそうではないようです。

もちろん配達員が営業しているケースもあるでしょうが「新聞拡張団」とあるように、全国にいくつもの拡張員を束ねている組織があって、各地の系列販売店からの依頼でその地区を回わり、片っ端から家を訪ねていく拡販専門部隊です。ベテランとなると月80万円近い収入の人もいるようです。
 
北尾氏はそのひとつのグループにアルバイトとして入社し、完全歩合制で契約を取っていく体験レポートを書くというものです。

レポートの中にその仕組みが書かれていましたが、どう考えても拡張団へ支払う費用は月々2~3千円の新聞代ではペイしませんが、それにはちゃんと裏がありました。
 
ただ近年は特に若い人(共働きの夫婦も)は、あまり新聞を取らないので、この拡張員という仕事も末路をたどっているのだろうなと思ってしまいます。
 
私も時々自宅へ来る拡張員と話しをすることがありますが、人気プロ野球チームのチケットやビール券、洗剤をチラチラと見せながら、お試しで1ヶ月だけでも購読しませんか?という営業で、それはそれで案外コロッと「じゃぁ1カ月だけ」とか言う人もいるのでしょう。
 
あいにく私はパリーグのファンで、家ではアルコールは飲まず、洗濯は家人がやってくれるので、そのようなありきたりのサービスではまったく食指が動きませんでした。
 
  ◇   ◇   ◇   ◇   ◇
 
美丘 (角川文庫) 石田衣良

日本テレビ系列で昨年放送されたドラマの原作小説で、よくあるパターンのお涙ちょうだい不治の病の少女との純愛小説で、片山恭一氏の「世界の中心で、愛をさけぶ」が地方の高校生カップルだったのに対し、こちらは都会の大学生カップルで、より大人の恋愛風景に振ってあるという感じです。
 
ま、それ以外にあまり感想も解説もありません。 

著者別読書感想(石田衣良)

  ◇   ◇   ◇   ◇   ◇
 
アフガンの男 (角川文庫) 上・下 フレデリック・フォーサイス

ジェフリー・アーチャーと同様、当たり外れのない英国の作家です。ただ作品数は少なく、でも寝る間を惜しんで一気に読みたくなる作品を書いてくれます。

ちなみに私はフォーサイスの本(翻訳本)はすべて読んでいますが、その半数は文庫ではなく単行本です。文庫になるまで待てなかったという意味です。
 
古くは実在した元ナチ高官の秘密組織を追い詰める「オデッサ・ファイル」や、映画で大ブレークした「ジャッカルの日」など、戦争、諜報、暗殺、政治、東西冷戦などに鋭く切り込み、徹底した取材と緻密なストーリーで読む人を引きつけます。
 
1996年に突然断筆宣言をして長くその作品を読むことができませんでしたが、8年後の2004年に「アヴェンジャー」など数作品を次々と発表、この「アフガンの男」は2008年に発刊され今年2011年に文庫化されたものです。
 
ストーリーはSIS(英国特殊部隊)を引退して、英国の田舎で古い農家を買い取り、余生を過ごすためゆっくりと自分で直していこうとしていたマイク・マーティン元大佐が、中東での戦闘などを買われ、しかもアフガン人の特徴を有していることから、オサマ・ビンラディンらが率いるアルカイダに潜入し、9.11に続く、謎の大規模テロの情報を掴んでいくというものです。
 
このマイク・マーティンという主人公、もちろん実在の人ではありませんが、どこかで聞いたような記憶がありました。読後に真山仁氏の解説文を読むと、同作家の小説「神の拳」(1994年)に登場していることが書かれていました。

この小説の舞台はやはり中東で、サダム・フセイン率いるイラクがクエート侵攻をおこない、対する多国籍軍に多大な被害を及ぼすであろう新兵器「神の拳」を探り出して撃退するまでのストーリーで、非常に読み応えがありました。
 
相変わらずストーリーの切れ味は抜群なのですが、中東、アラブ界隈の地名や人名はとにかく覚えにくく、当然それに加えて米英両国のスパイマスター、中東問題専門家、コーラン研究家などが加わりますので、作中にはカタカナばかりが羅列されることになります。

逆に読むなら一気に読んでしまわないと、あいだを置くと、誰と誰がどうだったのかがこんがらがってしまうということになります。
 
ハリウッド映画のようにすべてがハッピーエンドで終わるというものではありません。そして国際的には不合法な身代わりの不法入国でスパイ活動をするわけですから、その功績を表だって顕彰できるはずもなく、事実を知っているわずかな人達の思いと、改装中で残されたままの農家が、最後にジワリと涙を誘うことになります。

著者別読書感想(フレデリック・フォーサイス)




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481
太平洋戦争の終盤、日本軍がアメリカ軍に押されている小さなサイパン島で、陸海軍の兵隊と民間人数百名を率い、玉砕してこそ日本人というのをこらえ、命を粗末にしないで闘い続けた大場栄陸軍大尉の実話を元にした小説です。
 
当時そのサイパンで敵味方で戦ったアメリカ兵が、戦後この大場大尉の元を訪れ、大場大尉の監修の元、アメリカでこのサイパン激戦の模様の本を出版したかったそうなのですが、内容があまりにも日本寄りの話しであり、アメリカではまとまらず、結局翻訳をして1982年に日本で出版されました。
 
その当時はあまり評判にはならず、埋もれてしまいましたが、今回、映画化の話しが決まり、それに合わせて今回2011年2月に復刻版として文庫となりました。
 
題名の「タッポーチョ」はサイパン島の山の名前ですが、これをタイトルに選んだ時点で売れないことは明らかでしょう。

映画の題名にもなっている「太平洋の奇跡」だけでよかったと思います。バカバカしい『「敵ながら天晴」玉砕の島サイパンで本当にあった感動の物語』という、まるでテレビのバラエティ番組や90分ドラマのような、つまらないサブタイトルもまったく不要です。
 
サイパンと言えば、北の端にバンザイクリフと言って追い詰められた島民が身投げをした崖があることでも有名ですが、日本軍兵士のほとんどは命令により、圧倒的な攻撃力と兵員を送り込んだアメリカ軍に玉砕をするしかなかった北海道の利尻島や瀬戸内海の小豆島とほぼ同程度の小さな島です。
 
圧倒的な攻撃力とおよそ4万人と言われる米軍上陸部隊に対して、実在した主人公は散り散りになって逃げまどう日本兵や、行き場をなくした民間人を組織化し、米軍の様々な攻撃をかわしていきます。

その時はまだ捕虜になると殺されると聞かされていたので、誰もが逃げるのに必死です。また兵隊の多くは戦陣訓の「生きて虜囚の辱を受けず」が徹底されていたので、降伏という考えは誰も持っていません。
 
そのような中で「きっと連合艦隊が島を奪回しにきてくれる」「それまで我々は犬死にしないで、日本軍が上陸するとき後方から米軍を攻撃する」と信じ、米軍の攻撃をジッと堪え忍ぶことにした主人公の大場栄大尉の考え方とリーダーシップがとても魅力的です。
 
そのため、アメリカ軍は最終的に日本が無条件降伏するまで、結局サイパンを完全に支配下に置くことができず、終戦後になって大場大尉の上官から命令書を届け、下山させたことになっています。

最後にその降伏し下山してきた時の模様の写真が掲載されていて、なにか感慨深いものがあります。映画はぜひレンタルDVDになってからでいいので観たいと思います。
 
  ◇   ◇   ◇   ◇   ◇
 
信長の暗号 (ハルキ文庫) 上・下 中見 利男

う~ん、どういう感想を書けばいいのか非常に迷うところですが、まず「タイトルに騙されてはいけません」「エンタメ小説としては面白い(かな)」「ちょっとやりすぎの感も」といったところです。
 
たぶんですが「信長」とか「秀吉」とか「家康」とかをタイトルに入れると、ある一定数の強烈なファンがいますので、まだ有名ではない作家さんが売り出すためにはいいのかも知れませんが、その一方手厳しい評論も覚悟しなくてはいけません。
 
著者は新人というわけではなく、過去にも様々な歴史物の小説を書いていますので、腕のほうは確かな方なのでしょうが、いまいちブレークしていません。

この本がそのきっかけになるといいのですが。そう言えばこの著者の得意とする暗号は世界的ベストセラーとなった「ダ・ヴィンチ・コード」とも、残された記録からの謎解きという点で共通します。
 
内容は壮大で、元々空海が手に入れたユダヤ教の宝(十戒など収めた箱)が、「いろは歌」に暗号として込めて四国の山に隠されていることを信長が見つけ、その事実を信長がバチカンへ贈った安土城を描いた屏風絵にやはり暗号として仕込み、それが解けたときにはバチカンが日本にひれ伏すようにしてやろうという計画があります。
 
しかし信長は本能寺で裏切りに遭って殺されますが、その宝をめぐりバチカンからの使者や徳川家康の子秀忠、家康に刃向かう独眼竜伊達政宗のそれぞれ暗号師と言われる一種の霊能者や忍者が、信長が仕掛けた謎を追いかけて四国の剣山へ集まります。
 
読んでいる途中には、この小説の主人公がいったい誰なのかわからないのと、主人公がわからないと言うことはつまり誰が勝つのか、負けるのか、もっと言えば誰が正義で誰が悪なのか一切不明のまま読み進めていくことになります。その点はとても新鮮です。
 
特に現在NHKでは大河ドラマ「江」が放送され、その中で織田信長は「実はいい人で正義の味方」のような設定になっていましたから、もしそのようなイメージを持っていると、この本では最後に裏切られてしまうことになります(多少ネタバレ)。
 
  ◇   ◇   ◇   ◇   ◇
 
なぜか下巻から読みましたが、ストーリーがあるわけではないので問題はありません。難解な哲学をこれほどまで身近な興味のある問題へと変換し、うまく講義をおこなった人は過去にいなかったでしょう。

大衆迎合の権現でもあるNHKで放送され、視聴者の多くが感銘を受けるのですから、決してハーバード大学に入学できる特定のエリートだけのものでないことは確かです。
 
哲学のベースを作ったと言われるアリストテレスやカントの考え方と、それが現在の社会や政治にどのように生きているのか、生きていく上での正義とは?善とは?家族とは?を深く考えさせられる内容となっています。
 
1回テレビで見たからもういいやと最初は思いましたが、こうして文章で読むと、わかりにくかったところを何度も読み返したり、前の講義へ戻って、復習してみたり、教授の質問に自分ならどう答えるか時間をたっぷりかけて考えたりできますので、サッと通り過ぎてしまうテレビとは違って、やはり本はいいです。
 
あるテーマや過去の判例を元に教授がわざと生徒を挑発するような考え方を披露し、それに対し間髪置かず生徒が反論したり、視点を変えていったりと、論理的に進めていく授業のスタイルは有名ですが、こうやってアメリカの大学ではディベートの技術が磨かれていくのだなぁというのが、いまさらながら読んで実感できます。でも実際に反応できているのは何百名の中の十数名だけなんでしょうけどね。
 
最後の数ページには昨年来日したときの東京大学での特別講義の模様が収録されています。それを読むとディベート慣れしている米国学生と、教授の話をひたすら聞くことが一般的な授業のスタイルの日本の学生とでは、そのやりとりに明らかな差を感じます。
 
あとハーバードの学生の発言には道徳や正義に宗教感が色濃く影響していますが、当然のことながら日本の学生にはまったくそれはありません。

これが実際に切った貼ったのビジネスの場において、欧米(カトリック)、中東・アラブ(イスラム)、東アジア(無宗教かその他の宗教)で、価値観や商道徳、さらには国家観にまで渡りなかなか理解しあえないところなのかなぁと思ったりします。
 

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476

小説の中で事件が起きるのは昭和35年と書いてありますから1960年頃のちょうどあこがれの団地生活がブームとなり始めた頃で、実在する東京世田谷区の新興大規模団地「大蔵団地」がこの事件発生場所のモデルとなっているようです。
 
小説では「日の出団地」となっていますが、随所に出てくる「近所にある映画撮影所(東宝スタジオ)」「歩いて小田急S駅(成城学園)へ」「最寄りのバス停は団地名(大蔵団地前)」「高台からは川崎方面が望め」「近くの多摩川からボートを借りてくる」などなどから簡単に推測ができます。

この団地の近所に横溝正史氏自身が住んでいたと言うことですが、実は私にとっても何度か訪れたことのある非常に懐かしい場所でもあります。
 
横溝ミステリーと言えばやはり金田一耕助シリーズで、しかも地方に伝わる伝承や忌まわしい過去の出来事が引き金となった事件が謎として登場するイメージが多いのですが、この作品は金田一耕助シリーズでありながら、上記のように東京都内の新しくできたばかりの巨大団地の中で、次々に殺人が起きる内容という少し変わった趣向となっています。
 
タイトルの「白と黒」は、殺人現場に残された手紙の切れ端に書かれていた言葉なのですが、一般的には様々な意味で使われることが多い表現です。「白黒つける」「白星と黒星」「囲碁」「陰陽道」「目が白黒」「犬の名前でシロとクロ」「白人と黒人」・・・昭和35年の小説ですから、私がすぐに白黒ですぐに連想した「オセロゲーム」は含まれません。
 
この小説には、意外とエロチックな場面も多く、妖しげな関係が多く登場するのは、大人が毎月発行される文芸誌を買って、密かに楽しんで読む連載小説という側面があったのではないかと推測しています。

なかなか最後は想定外の展開となり、やはり名作ミステリーはこうでなくっちゃと思った次第です。最近の安易なミステリー小説があまりにもミエミエ過ぎるか、逆にあり得そうもない複雑な設定や展開になっているのと大違いです。
 
但し、こういう小説はもう普通の書店には滅多に置いてないので、ふと手にとって買ってみるということがなくなっているでしょうね。私もこの本は購入したのではなく、会社の書棚に誰かが置いていったのを借りたもので、そういう機会でもなければまず読むことはなかったでしょう。
 
  ◇   ◇   ◇   ◇   ◇
 

服部真澄と言えば、国際的なスリラーから国内の金融事情にも詳しく、カバーエリアの広いエンタテーメント小説家だと理解しています。

この小説のタイトルの意味は「刀」ですが、その文字は「KATANA」、はて、どういうことか?ということでまったく内容は知らずに読み始めました。
 
前半は数多い登場人物達の説明を兼ねた地味な話しが長々と続くので、ちょっとつらいですが、そこでの役割や事情を知っておかないと、あとで苦労することになります。

もっとも海外ミステリー小説のように本文の最初に「登場人物一覧」が書かれているので、もし混乱したらいつでも確認することができます。
 
内容は読んでからのお楽しみということですが、少しだけネタバレすると、この小説の中でアメリカ政府が進めようとする「KATANA」プロジェクトとは、安土桃山時代の日本で豊臣秀吉が天下統一を果たした後におこなった有名な「刀狩り」から来ているものです。アメリカでの刀狩りとはつまり銃規制のことです。
 
100年以上前の治安が悪かった時代に作られたアメリカの憲法に、武器の携帯を認める条項があり、それを盾にして一般市民が銃を持ち、政財界に多大な影響力を持つ銃器メーカーが新しいモデルを提供するという関係を政府は断ち切ることができるのか?そしてその方法は?と興味が尽きません。
 
それと同時に2000年頃から増えてきているらしい軍隊のアウトソーシング化についても触れられていて、その行き着く末もなかなか面白く描かれています。

著者別読書感想(服部真澄)
 
  ◇   ◇   ◇   ◇   ◇
 

柳広司氏の作品を読むのは「トーキョー・プリズン」に続いて2作目ですが、この「新世界」のほうが数年早く書かれています。

「トーキョー・プリズン」はその主人公や舞台の設定にたいへん驚きとても面白く読めましたので、今回も多大な期待をして読み始めました。
 
物語は、日本のある作家のところにアメリカ人がアメリカの出版社では出版できない原稿を持ち込むところから始まります。

その原稿の作者は原爆の父と呼ばれるロバート・オッペンハイマー氏が書いたもので、第2次世界大戦中に原爆の開発をおこなっていたロスアラモス国立研究所で起きた殺人事件に関するものです。
 
ただ場面があちこちに飛ぶので、いったいこれは誰が語っているのか(基本はオッペンハイマー氏の友人の語りのはずなのだが)が混乱してしまうことがあります。
 
時代もドイツ降伏後、当初はドイツに先を越されないようにと開発を始めた原子爆弾を開発を中断することもなく核実験をおこない、成功するや広島や長崎へ投下することや、その原爆投下直後、広島の街の中で起きた地獄絵図、研究所内で放射能漏れを起こし被曝する研究者、そして研究所内でおこなわれた戦勝パーティの殺人、やがてより強力な水爆開発に反対をしたオッペンハイマーが、赤狩りのターゲットとされて軍や警察にマークされていることなど時代を行きつ戻りつします。
 
作者的にはプロットを組み立てて、あちこちが最後に結びつくように意外性を持たせたのかも知れませんが、最初から最後までを一気に読んでしまうならともかく、毎日少しずつ寝る前に読む私としては結構つらいものがありました。

著者別読書感想(柳広司)
 
  ◇   ◇   ◇   ◇   ◇
 
のぼうの城 (小学館文庫)  上・下巻 和田竜

今年の9月に映画として上映されるとかで、急に文庫の販売に力が入りはじめ、多くの書店で平積みされていますが、元々は著者が2003年に映画のオリジナル脚本として書いた「忍ぶの城」を、2007年に小説化して出版された和田竜氏のデビュー作といっていい小説です。
 
舞台は戦国時代の末期、ほぼ天下を手中に収めた豊臣秀吉が、最後に残る関東攻め(関東を治めていた北条氏の本拠小田原城を攻撃した小田原の役)と同時に、側近の石田三成に手柄を立てさせようと、現在は埼玉県行田市にあった北関東の小さな城「忍城」を攻めろと指示します。
 
実はこの忍城の当主から内密に「刃向かわず、すぐに開城するから助けてくれ」と秀吉に密使がきていて、単に形だけの攻撃をするつもりでしたが、当主が小田原へ出向いた後に留守役として忍城に残った甥がとった行動は「降伏はしない」でしたから、敵も味方も出来レースと知っていましたので唖然とします。

このあたりは、本当は生きるか死ぬかの緊迫する中にあって、笑い事ではないのですが思いっきり笑えます。
 
ちなみに忍城側は付近の農民を入れて2千名、攻撃する三成勢は2万と言われています。しかし勇猛果敢でならした坂東武士の活躍と地の利を生かした防戦でなかなか城は落ちません。

そこで三成がとった史上最大級の作戦とは、、、この城が後世に「浮き城」と呼ばれることから想像ができると思います。
 
映画では、忍城を守る側は臨時総大将となる成田長親役に野村萬斎、武将役には佐藤浩市や成宮寛貴、山口智充など、攻める側は豊臣秀吉に市村正親、石田三成役に上地雄輔となかなかユニークな配役と思えます。ちなみに「のぼう」とは野村萬斎演じる成田長親のことで、でくのぼうの省略形です。

著者別読書感想(和田竜)
 
  ◇   ◇   ◇   ◇   ◇
 

会社に転がっていた本ですが、暇つぶしに借りて読んでみました。元々は様々なアングラっぽい仕事を取材をして1998年頃に「怪しい人々」として書かれたもので、内容は、例えばインターネットではなくパソコン通信や草の根BBSが出ていたりします。そのあたりが今読むとちょっとレトロっぽく思えます。
 
この著者の北尾トロという人、年齢は私とほぼ同年代で主にフリーライターとして活躍されている一方、早くからネットを使った古書店を開設したりとなかなかアイデアマンです。
 
おそらく一番有名な著書は「裁判長!ここは懲役4年でどうすか-100の空論より一度のナマ傍聴」と思われますが、その裁判の傍聴体験やこの怪しいお仕事の従事者へのインタビューなどフリーライターの本領発揮で体験型執筆を得意とされているようです。
 
この怪しいお仕事の中では、悪徳興信所、競馬の予想屋、野球賭博師、お寺売買のコーディネーター、「車で融資」の金融業者などが経験談を元に取材されています。

ま、概ね想像の範囲内で、特にビックリしたという内容はありませんでしたが、お寺や住職の生臭い世界はちょっと興味がわきました。これからの超高齢化社会、お寺と坊主の仕事は当面数少ない成長産業でしょうから。
 

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遥かなる未踏峰 (新潮文庫)  上・下巻 ジェフリー・アーチャー

数年に1冊ぐらいのペースでしか文庫が出ないアーチャーですが、毎回楽しみにして購入しています。

この人の本、古くは「百万ドルをとり返せ! 」「ケインとアベル 」「チェルシー・テラスへの道 」など20数冊にのぼりますが失敗したと思ったものは1冊もなくすべて当たりです。

今回もアーチャーお得意の古き良き時代の英国の話しですが、間違いなくいい作品です。
 
ストーリーは、北極点、南極点への到達が他国に先を越され、最後に残された未踏峰エベレストへ、第一次世界大戦が終了した1920年代に果敢に挑戦した英国人(実在の人物)を主人公にした小説です。登場人物のほとんどが実在の人達ですから、基本的に悪役はいません。
 
主人公(ジョージ・マロリー)は、アメリカの新聞記者に「なぜ、あなたはエベレストを目指すのか?」と問われて「そこに山があるから(Because it is there)」という返答をしたという有名な話しがあります。私も子供の頃にその話を聞いたことがあります。
 
少し出来すぎに思えるぐらい登場人物がそれぞれの役目をキッチリと果たし、未踏峰征服の大プロジェクトへ向かって進んでいきますが、小説では2回となっているエベレスト行きが実際には下調べを含め3回行っていることや、登山家として活動すると従来勤めていた教職には就けず、生活費に困ってしまうことなど、やや端折った部分もあるようです。(Wikipedia等には詳しく書かれている)
 
おそらくいずれはこれを原作とした映画も制作されるのでしょう。今から100年近く前の装備で、エベレスト登頂というのは考えただけでも無謀な冒険ですが、小説ではわかりにくい当時の貧弱な装備が映画で見られるとそれが実感できるのではないかと思います。

著者別読書感想(ジェフリー・アーチャー)
 
  ◇   ◇   ◇   ◇   ◇
 

北海道警シリーズの「笑う警官 」「警察庁から来た男 」「警官の紋章 」に続く第4弾となるこの本は2009年10月に発刊されましたが、2011年1月時点ではまだ文庫化はされておらず、知人からいただいた単行本を読みました。
 
以前のシリーズ作品と登場人物含め共通した点は多いのですが、今回の事件はそれらとはほとんど関係ない(関係なくはないのですが)、ストーリーとなっています。

特に過去の一連の作品で共通した「腐敗した北海道警のキャリアや幹部達」という流れは、今回は抑えた内容となっています。

その代わりに札幌の名物となっている「YOSAKOIソーラン祭り」をメイン舞台とし、シリーズを通して出てくるレギュラー陣の北海道警警察官が活躍します。
 
小説の中で一箇所、犯人とおぼしき男が乗っていたバイク(スーパーカブ125cc)のナンバー照会を、警官が陸運局に問い合わせをする場面がありましたが、この原付2種のバイクの登録は市区町村なので、陸運局に問い合わせるのは間違いです。

この点は本田技研で働いていたこともあり、バイクをテーマにした作品をいくつか残しているバイク好きの作者にしてはちょっと残念なところです。

著者別読書感想(佐々木譲)
 
  ◇   ◇   ◇   ◇   ◇
 

先月読んだ「封印されていた文書(ドシエ)―昭和・平成裏面史の光芒〈Part1〉 」の続編です。

続編ですから前作を読んだときほどのインパクトはなくなってしまいますが、逆にパターンを先読みできるようになり読むスピードが速くなりました。
 
このPart2で選ばれた事件や事故は下記の通り
 
 ・国松長官狙撃事件 平成7年3月
 ・金大中拉致事件 昭和48年8月
 ・中川一郎怪死 昭和58年1月
 ・グリコ・森永事件 昭和59年3月
 ・全日空機函館ハイジャック事件 平成7年6月  
 ・吉展ちゃん誘拐事件 昭和38年3月
 ・小渕恵三首相死亡 平成12年4月 
 ・日本赤軍・重信房子逮捕 平成12年11月
 ・沖縄サミット医療オペレーション 平成12年7月
 ・金正男不法入国・国外強制退去事件 平成13年5月
 
この中ではやはり吉展ちゃん誘拐事件(昭和38年)は、私がまだ幼少の頃に起きた事件なので、リアルタイムでは記憶にありませんが、昭和の犯罪史を語る上でよくその名前が登場しますので、いまでは概要については知っていました。

それ以外の事件や事故は、新聞やテレビなどのリアルタイムの報道を通じて知っています。
 
先日2月5日に元連合赤軍幹部の永田洋子(65歳)死刑囚が、刑を受けるのではなく、病気にて死亡しましたが、この本に登場する重信房子とは同い年の極左女性リーダーで、二人は直接的な関わりはなかったようです。

二人は似たもの同士という気がしますが、私は全共闘世代ではなく、そのしばらく後の世代なので詳しくは知りません。
 
  ◇   ◇   ◇   ◇   ◇
 
告白 (双葉文庫)  湊かなえ

湊かなえ氏のデビュー作で、いきなり第6回本屋大賞を受賞するという快挙を達成した小説です。

すでに松たか子主演で映画化もされ有名になりましたが、とにかく新人の作品としては「凄い!」のひと言です。
 
最近の小説としては短めな部類に入りますが、登場人物のモノローグだけで構成され、その告白や日記等がとても新鮮で読者をグイグイと引き込んでいきます。そして最後には驚愕の結末が待っています。
 
主人公の愛娘を事故に見せかけて殺した犯人やその動機は、早々に判明しますが、物語はそこからさらに深みへとはまっていきます。

最後はとてもおぞましい結末というか、決してハッピーエンドではないことだけは言っておきます。映画(DVD)も見たいと思いますが、後味が悪くならなければいいのですが、、、

著者別読書感想(湊かなえ)
 

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