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沼地の記憶 (文春文庫) トマス・H. クック

今年64歳になったアメリカの作家さんで、「死の記憶」「夏草の記憶」「緋色の記憶」「夜の記憶」の記憶四部作で有名です。私も記憶シリーズ含め八作を読んでいますが、どれも新鮮でたいへん面白いミステリー作品で気に入ってます。もっとも「記憶シリーズ」というのは翻訳出版している日本の会社が勝手に名付けたもので、原題にはそのような関連はまったくありません。

この「沼地の記憶」はよく売れた記憶シリーズの再来を期して名付けられたのか不明ですが、日本では2010年に刊行されています。内容は過去のシリーズなどとも共通して、暗くて重い歴史を開くことによって、現代に悲劇が起きることになります。

アメリカの過去の歴史は日本やヨーロッパなどと比べると遙かに短く、国ができたのはわずか235年前です。その短い歴史の中にも、奴隷制度、南北間の格差、そして移民が持ち込んだ階級制度などにより、数世代に渡る勝ち組と負け組が存在し続けます。

勝ち組の教師が、負け組が多く通う高校で教鞭をとり、その中に殺人犯と思われる父親をもつ生徒に優れた文才を見出し、それを開花させようと努力をしていきますが、結果的にはそれが仇となってしまいます。その過去の出来事を年老いた教師が語るという構成です。

何度か途中で予防線的に語られる話の内容から、もっと強烈で衝撃的な結末を予想していたのですが、それはなく、なにか普通に終わってしまいました。ま、いくらフィクションだと言っても、よくある荒唐無稽なものよりは現実的で私にとっては納得感があります。

著者別読書感想(トマス・H・クック)

  ◇   ◇   ◇   ◇   ◇

はちまん(角川文庫) 上下巻 内田康夫

著者の内田康夫氏についてはwikipediaに「西村京太郎、山村美紗とともに、旅情ミステリー作家の代表的人物として知られる。代表作に『浅見光彦シリーズ』『岡部警部シリーズ』『信濃のコロンボシリーズ』など。」とあります。御歳76歳で、1981年に第1作を上梓されているので今年で作家歴30年というベテラン作家さんです。私は7年ぐらい前に「氷雪の殺人」を読んだきりです。

今回は、そのタイトルにひかれ、全国にその名のつく神社が数多くあり、自宅の近所にもある八幡神社のことについて、多少雑学のネタになるかなと思って読み始めました。

さすがに紀行小説の名手だけあって、長野、秋田、熊本、高知、呉の街が次々と出てきます。その立役者には主人公の女性カメラマンとその婚約者、そして内田氏の小説には欠かせない、謎解きの名手で数々のミステリーで主人公となっているルポライターの浅見光彦が全国を駆けめぐります。

また実在する八幡神社も、有名な宇佐、石清水、鶴岡の八幡宮ではなく、地方にある無名の八幡神社が次々と登場してきます。物語の途中で、政治家と土建屋が結託する場面がありますが、そこだけはなにか唐突すぎて多少違和感があります。しかし巨悪の犯罪が絡むストーリー展開上やむを得ないのでしょう。

八幡神社の歴史や謂われ、神仏習合、日本人の歴史認識から文科省管轄のサッカーくじ問題などまで含め、雑学を知るためにも十分に楽しめる小説です。

登場する実在の八幡神社(リンク先は公式サイトがない場合、個人または企業サイトです)
小内八幡神社(長野県中野市)
亀山神社(亀山八幡宮)(広島県呉市)
久礼八幡宮(高知県中土佐町)
千田聖母八幡宮(熊本県山鹿市)

著者別読書感想(内田康夫)

  ◇   ◇   ◇   ◇   ◇

若者殺しの時代 堀井憲一郎

作品を読んでいると、団塊世代に対してフツフツと沸いている怨念というかよからぬ一家言がありそうで、そうなると私と歳が近そうだなぁと思ってましたが、同学年の人でした。ただ堀井氏は勉強が大好きらしく大学(早稲田)に7年も在籍していたので、アルバイトではなくプロの社会人として勤めに出たのは私が3年先輩ということになります。おまけに出身は同じく関西で、近いところで共に少年時代をおくっていました。

なので、道理で、70年代のバブル前、80年代後半のバブル全盛期、90年のバブル後のことが集中して書かれているはずです。私も著者もお金はないけど暇とやる気と体力だけは人一倍あるという青春時代をその頃に過ごしていたからです。最初タイトルからすると「現在の若者の育ってきたこの20年間の環境をあれやこれやと検証し、大人達から搾取されているな」というものを想定していただけに、あれまという感じです。

タイトルは無理矢理あとでこじつけたような気がしますが(タイトルありきで書いたものとは違う印象)、要は団塊世代が先陣を切り、若者文化を開花させ、それをやがてビジネスへと変えてしまう戦略を創りだし、それに次の世代(我々)はよくわからないまま勢いで乗っかってしまい(多少いい思いをして)、やがてペンペン草も生えない焼け野原をその次の世代や今の若者へ引き継いだと、わかりやすく縮めるとそんな感じの本です。

著者は「ホリイのずんずん調査」というコラムを長く週刊文春に書いていたこともあるフリーライター氏ですが、フリーライターの多くは元出版社に所属していた文学少年少女という人が多い中、大学卒業後いきなりフリーでライターを始めるというまったく怖いもの知らずの人のようです。最近の雑誌、週刊誌等を含む活字不況の中で、どうやって食っているのでしょうか、他人事ながら同郷&同世代なのでちょいと心配になってきます。

ちなみに私の若い頃(20代独身時代)の象徴と言えばディスコやユーミンではなく、ホイチョイプロダクションでした。彼らの作る映画や雑誌に連載していたコラムが私の聖書となっていました。そして今でもその頃の名残として、TAG社に買収される前のホイヤーの腕時計と、レンタルDVD屋の会員になるときぐらいしか役に立たない小型一級船舶操縦免許があります。

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