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震える天秤(角川文庫) 染井為人

震える天秤
2019年に単行本、2022年に文庫化されたミステリー小説ですが、探偵ではないフリーライターが、高齢者のブレーキ踏み間違えによる死亡事故の深層に迫っていくという探偵ものに近い内容でした。

生活保護受給に群がる様々な群像を描いた著者の2017年の小説「悪い夏」を読んで、この著者は社会派ミステリーが得意?ということで、他も読んでみることにしました。

社会派小説は、自分の身近にありながら、ほとんど知らないことが多く、そうしたテーマが割と好きです。

今回は上記に書いたように、地方(福井県)で起きた高齢者の暴走事故で、そうしたよくある社会問題を取り上げようと、雑誌社から依頼を受けて東京から福井までベスパに乗って取材に行くフリーライターが主人公です。ベスパに乗る主人公っていうのも、探偵物語を意識したのでしょうか。

当初は、単なるブレーキとアクセルの踏み間違いでコンビニへ突っ込み、そこの店長が死亡したものと思われていましたが、取材を進めていく中で、様々な疑問と疑惑が湧き出してきます。

そうした地方の高齢化と認知症ドライバーの問題以外にも、コンビニのFC経営者(遺族)と、コンビニ本社との問題、地方の限界集落や、そうした集落内のみんなが顔見知りの共存共生する仕組みなど、様々な社会問題が出てきます。

最後にはそこで起きた事故の真相が語られますが、それを表沙汰にするかどうかは主人公に委ねられてしまいます。

ま、真っ当な終わり方だと思いますが、スクープライターや敏腕ジャーナリストとしての未来はなさそうです。

★★☆

著者別読書感想(染井為人)

 ∟ ∟ ∟ ∟ ∟ ∟ ∟ ∟ ∟ ∟ ∟ ∟

それでも読書はやめられない 本読みの極意は「守・破・離」にあり(NHK出版新書) 勢古浩爾

それでも読書はやめられない
団塊世代の著者にはベストセラーになった「定年後のリアル」(2010年)、「定年後7年目のリアル」(2014年)など多くの著書があります。本書はコロナ禍真っ最中の2020年3月に出版された新書です。

2006年に勤めていた会社を定年で退職し、その後はコンスタントに年2~4冊の本を出版されています。現役時代より忙しいんじゃないかな。

読書の数も半端ない数で、過去には「定年後に読みたい文庫100冊」(2015年)というお勧め書籍の紹介本も出版されています。

読書好きになったきっかけや、いきなり難しい哲学書などに興味を持ち、しかもそれらの多くは難しくて完読できずにいたなど、興味深い話が満載です。

読書が好きと言ってもどんな本でも軽々と楽しく読むという感じではなく、そのあたりは共感を覚えます。

読書家のそうした話を読むと、「あぁ過去に断念した難しい本がいくつもあったのは凡人の自分なら仕方がないことだったのか」と、意図はしていないでしょうけど妙に励まされます。

さらに読書批評家や評論家達の、「あーしろ、こーしろ」という勝手な読書法について、かなり辛口に批判しているのも胸がすきます。

要は、書籍は「おもしろいから読む」でいいのだと。そしてその「面白さ」や「有意義さ」は個人によってまちまちだから、「これぐらいは読まないとダメ」のような決めつけた書籍紹介は断固として受け入れません。

また年齢により読書がどう変わるかという経験を「春夏秋冬」やサブタイトルにありますが「守・破・離」で、うまく分類されています。

そういう解釈では、私も定年が過ぎ、「あとはもう好きな小説だけを好んで読めばいいのか」という気持ちになってきます。

個人的には哲学の書籍はほとんど読まない(読んでこなかった)ので、違いはありますが、小説ではかなり一致した趣向があり、嬉しくなります。

私自身は、できるだけジャンルを決めず、ビジネス書から国内外の小説、健康などのハウツー本まで意図して混ぜながら読む工夫をしていますが、著者は最近(と言っても発刊は6年前)はもっぱら時代小説に凝っているようです。

★★☆

著者別読書感想(勢古浩爾)

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屍泥棒(新潮文庫) ブライアン・フリーマントル

屍泥棒
原題は「The Mind Reader」で、直訳すれば「読心術師」という意味ですが、ここでは、FBIが犯罪捜査に役立てることに成功し、その後世界に広がったプロファイリングを駆使した犯罪捜査に協力する心理分析官のことを指しているようです。

珍しいことに1996年にまず最初に日本(語)で出版された連作短篇集で、その後シリーズ化されることになる「ユーロポール心理分析官クローディーン・カーターシリーズ」の第1作目です。

連作短篇集なので、その短篇ごとに主人公の所属や役割、チームメンバーなどをいちいち説明する面倒なことになりますが、これはよく月刊誌などに連載するときに起きる現象と思っていたら、やはり1996~1997年に月刊小説誌の小説新潮に読み切り短篇として掲載されていたそうです。

全部で12話が収録されていてそれぞれのタイトルは、「最後の被害者」、「屍泥棒」、「猟奇殺人」、「天国への切符」、「ロシアン・ルーレット」、「神と呼ばれた男」、「甦る切り裂きジャック」、「モルモット」、「秘宝」、「誘拐」、「裁かれる者」、「人肉食い」です。

いずれもひと癖も二癖もある犯罪で、EUがアメリカのFBIをモデルに共同で設立した実在するユーロポールに所属する分析官が活躍します。

しかし個人的には、小説や映画などでよく出てくる「天才ハッカー」という存在は、マジシャンのように政府でも金融機関でもどこへでも都合良く不正アクセスができて、都合良く他人の秘密を暴けるドラマでは安易な手法ですが、それはあまりにも現実的ではないので、そういう内容は好きではありません。

そういう「天才ハッカー」が薄給の公務員として重要なチームメンバーになっているのが笑えます。

逆に言えば、そういう全能の神みたいなメンバーが部下として近くにいないと、主人公のプロファイリングも成り立たないということなのかも知れません。

★★☆

著者別読書感想(ブライアン・フリーマントル)

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宿屋めぐり(講談社文庫) 町田康

宿屋めぐり
2008年に単行本、2012年に文庫化された野間文芸賞を受賞した長編小説で、以前読んだ同じ著者の「告白」の850ページには及びませんが、こちらも750ページとボリュームたっぷりです。

一般的な文庫本の3倍ぐらいの分量(川端康成著「雪国」は224ページ)なので、一冊で長い間楽しめますが、寝転がって読むため、文庫としては重量級で多少腕が疲れてしまいます。

さらに中身は町田ワールド全開で、私の場合は先に「パンク侍、斬られて候」や「告白」などを読んで免疫ができていていて、さほど違和感を感じませんが、もし初めて読む著者の小説がこれだと「なんじゃーこりゃ!」となるのは必至です。でも野間文芸賞ですから、公には純文学の範疇です。

例えば、草鞋を履いて袷(あわせ)の服をきて徒歩で旅に出ていることから、小説の時代背景は、たぶん江戸時代と思われますが、時代考証など関係なく、お金の単位が万とか億とか、ロイ・ブキャナン、ウタダヒカル、ダーリンダーリン、メルセデスベンツ、ヒットラーの髪型、イオン交換膜などなんだかよくわからない話がいくつも登場します。

主人公は、落ちぶれていた時に身を救ってくれた主(あるじ)の命を受け、権現様(金毘羅大権現がモチーフっぽい)へ大太刀を奉納するため旅をする物語ですが、序盤でいきなり湖から出てきたよくわからない何物かに巻き込まれて別の世界へ移ってしまいます。

そのようなパラレルワールドの世界を旅することこそ純文学ではあるまいか、アルマイト(その謎は文庫本文378ページ参照)

それにしても、一人称でずっと主人公が語る、長い長い苦難が連続する権現様への旅の模様は読んでいて飽きません。

そして最後にはかなり痛々しい拷問風景や、もはやここまでというクライマックス、そして恐ろしい主の謎などが徐々に明らかになっていきます。

★★☆

著者別読書感想(町田康)

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