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今から45年ほど前、私が小学生の頃は夏休みになると母方の実家へ毎年泊まりがけで出掛けていました。

そこは住んでいた町からバスと汽車(電車ではなく)を乗り継ぎ約3時間以上かかる山の中の田舎ですが、母の実家を継いでいた母の長兄は学校の教頭先生というのと同時に広大な農地や山を引き継いだので大規模な農業を人を雇っておこなうというその地域では豪農と言ってもいい大きな家でした。

そんな家ですから泊まりに行っても部屋はいくらでも余っていて、また家の周囲の多くはその家の農地だったりするので、子どもが遊ぶのに困ることはありません。

しかしその地域は盆地と言うこともあり、夏場はものすごく暑く、農作業は明け方の早朝から午前10時頃まででいったん終わり、暑い日中は部屋の中でできる仕事をして、夕方にまた出ていくというのが大人達の日課です。

そこの主(私にとっては叔父)は、行くときは教職員のお仕事は夏休み期間中なので、もっぱら農民という姿しか記憶にありません。

田舎での食生活は、自前の農地で栽培した野菜や、飼っていた鶏肉と鶏卵などがメインで、朝に畑で摂れたばかりの新鮮な野菜は味がしっかりしていて美味しかたことを子どもながらよく覚えています。

その野菜ですが、その家ではトマトにはウスターソース、スイカには塩をふって食べるのが流儀でした。また夏場には欠かせないナスやキュウリのぬか漬けには、醤油とすり下ろした生姜をつけて食べます。

スイカは「塩をまぶして食べると甘さが引き立つ」と今でもそうする人もいますが、最近のスイカは改良が進みそのままで十分甘くてその必要はありません。そしてスイカに塩の愛好家はたいてい年配者で、しかも元農家や肉体労働系の人です。

私はトマトもスイカもそのままで食べるのが普通だと思っていましたから、それらの様子は変に見えましたが、モノは試しと同じようにやってみたところ、やっぱり美味しいとは思えず、その風習に同化することはありませんでした。

子どもの頃には単に「変わった食の風習」ぐらいにしか思っていませんでしたが、今思えば、これは夏の農家の知恵で、暑い屋外で作業をする人達にとって、トマトやスイカを食べて水分を補給する際に、塩分も同時に取らなければそれこそ熱中症や日射病に罹ってしまうという、長い経験から身につけた健康法だったのでしょう。

スイカやトマトには水分補給とともに、ミネラル成分もたっぷり含まれていて、農作業などで多くの汗をかいた人にはそれと少量の塩やソースに含まれる塩分を一緒に食べることで、熱中症対策にはもってこいです。

またぬか漬けにおろし生姜をつけて食べるのは、夏場の栄養面と同時に、水道水は井戸水、トイレはくみ取り式、そして人糞肥料がまだ普通に使われている時代で、衛生環境が悪く、食材が傷みやすい夏場に、殺菌成分を含んだ生姜を最後に食べるというのが必然だったのかも知れません。現代のように冷蔵技術が発展していない時代に生魚を食べる握り寿司に、殺菌効果の高い生姜やわさびが必ずついているのもそれと同様な考え方でしょう。

現在、我が家でも「夏にはぬか漬けを」と所望し、漬けてもらっていますが、その際にはおろし生姜(最近はチューブに入ったものが売られている)と一緒に食べています。若い人は臭いのきついぬか漬けに辛い生姜は苦手かな?と思いましたが、子ども達も結構気に入っているようで、親子で取り合って食べています。

ぬか漬けを始め発酵食品について詳しく書かれているのが、宮本輝著の「にぎやかな天地」という小説です。

主人公が実家からもらってきた少量のぬか床のタネを毎日欠かさず大事にかき混ぜたり、捨てる魚の頭をぬか床の中に入れておくと、数日で分解され、跡形もなくなってしまい、ぬか漬けの風味が増すことなど、発酵食品全般にうんちくが満載です。


【関連リンク】
735 遠い夏の記憶
729 まだかなえられていない夢がある
720 そして次男坊は希少価値を持つ
712 最近気になる食品の安全性
700 なにもかも懐かしい新入社員の頃

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前回の「日本人が罹りやすい病気」に続いて、今回は「日本人の死因」についてです。厚生労働省人口動態統計データ(2009年)からの抜粋です。


まず5年ごとの年齢別に、最も多い死亡原因はなにかというのが下の表で、数値はその原因1位の死亡者数(2009年)です。



10歳までは赤ちゃん特有の「遺伝的な病気」か交通事故など「不慮の事故」がもっとも多く、10代後半から20代、30代の死因の一位はなんと「自殺」。

これだけをみると「若者の自殺を減らそう!」という運動もわからなくはありませんが、過去に何度か書いている通り、自殺者数がもっとも多い年代は50代でその次は60代です。50代以上は他の原因での死亡者数が多いため自殺者数が目立たないだけなのですね。

それはともかく、黄色でマーキングした55~59歳あたりから1位の「悪性新生物」での死亡者が急速に増えています。

40代前半と50代前半とを比べると3倍、50代後半と比べるとおよそ7倍という多さです。癌は長生き病と言われる所以で年齢が高くなるほど死亡者数急激に増えていきます。

私も50代半ば、そろそろ手遅れの癌が発見されても決して不思議ではありません。

その癌など「悪性新生物」も70代後半にいったん死亡者数の上ではピークを迎え、あとは緩やかに減少し、90歳以上となると心疾患(高血圧性を除く)が死亡原因の1位となります。

90歳まで生きれば死因最強を誇る癌も愛想を尽かしてしまうのでしょうか(そんなわけない)。

心疾患(高血圧性を除く)で多いのは急性心筋梗塞、狭心症、心不全などですが、老衰との区別がどうもつきにくいそうです。

ちなみに、検視した医者が死亡理由がハッキリしないときにはよく「心不全」を原因にすると聞いたことがあります。心臓が止まったから死亡したということですから間違いではないのでしょう。

健康だった若い人が突然死した場合も「急性心不全」でくくられてしまう時があります。

次に、10歳ごとの年齢層と日本人に多い死亡原因ベスト10を棒グラフにしてみました。縦軸の数字は人数です。



これでも50代から急速に「悪性新生物」(ブルー)が突出しているのがよくわかります。

ちょっと下位のグラフが見にくいので下位だけを拡大したものが次のグラフです。



自殺者数(赤色)は50代~60代で最大数となっているのがわかります。若い人の自殺防止も結構だけど、まずはこの層の自殺を減らさなければ、統計的にはあまり減ったことにはなりません。

上の表やグラフは、死亡者数(絶対数)なので、各年代ごとの人口の違いによってその割合に差が生じます。

下のグラフは、10歳ごとの年齢層と日本人に多い死亡原因ベスト10を人口10万人あたりの死亡者数を縦軸にしたものです。



よく中高年(一般的に40代後半~60代)になると、「親しい人との雑談は病気の話しになる」と言われていますが、その理由がよくわかるグラフです。

死に至る健康を害するのは主に50~60代から始まり、80代ぐらいに完結するという図です。

同様に、上の部分をカットして下位の詳細がわかるようにしたのが下のグラフです。



「悪性新生物」は50代から、その他の病気は主に60代以降から死に至らしめるというグラフになっています。唯一「自殺」だけは50代にピークを迎え、その後は減少していきます。

前回も書きましたが、病気等で身体が動かなくなってしまう50代、60代になる前の元気なうちに、好きなことを思いっきりやっておくことを特に勧めておきます。

いくら会社に尽くしたところで、重病や末期の癌に罹れば、あとは体よく放り出されるだけですよ。

若くても年老いても死ぬ間際に「あぁ面白い人生だった」と言い残せる人が一番幸せでしょう。


【お勧め過去記事リンク】

719 道の駅は次の段階へ進めるか
709 Amazonにガチ対抗できるのはイオンかセブン&アイか
689 自分の終焉をどう演出する
678 東北巡り
670 我が家のテレビ視聴環境改善 準備編その1 

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概ね40歳を超えると世間話の多くは健康に関するものと相場が決まっています。ちょうどその頃からそれまで健康だった人も、長年の酷使から身体のあちこちに不具合が出だし、また仕事や家庭でもちょうどその頃からストレスの多い時期にさしかかり、体調をさらに悪化させるということなのでしょう。

男の厄年、特に本厄が42歳(数え年)というのは、古来からこの頃には不吉なことが起きるので注意しなさいよというご先祖からの教えです。

少し前のデータからですが、厚生労働省の「平成23年(2011年)患者調査の概況」から、日本人がよく罹る病気の種類や怪我について調べてみました。

まずどのような疾患や怪我が多いのか、1996年から2011年までの人口10万人当たりの傷病別推移グラフです。



「高血圧性疾患」というのが圧倒的に多く、大きく開いて「歯肉炎及び歯周疾患及びう蝕」、「糖尿病」の順となっています。

次に男女別の傷病種類はどうかというグラフです。



男女間で違いが出ているのは、「高脂血症」と「高血圧性疾患」で、いずれも女性の罹患率が高くなっています。逆に男性が女性よりも高いのは「悪性新生物」「糖尿病」あたりですが大きな差ではありません。

次はざっくりとした年代別に見た場合の入院患者数です。このグラフは率ではなく入院患者数ということで、年代によって人数が違うので統計的に正確ではないものの、高齢者の入院割合が異常に高いと言うことがわかるグラフです。



年代によって罹りやすい病気があるのは明らかですが、それにしても65歳以上は「精神及び行動の障害(一般的には統合失調症やうつ病など)」以外は他の年代をはるかにしのぎます。

グラフの「新生物」とは良性・悪性の腫瘍や白血病など、「神経系疾患」は白内障、外耳疾患など、「循環器系疾患」は高血圧、脳梗塞など、「呼吸器系疾患」は肺炎、喘息、気管支炎など、「消化器系疾患」はう蝕、歯肉炎、歯周病、胃や十二指腸潰瘍などです。

次は同じく入院患者数ですが、1996年からの推移です。



うつ病などの「精神及び行動の障害」や「循環器系疾患」は近年減少傾向にあります。これは昔と違い専門医が増え治療法が確立されてきたことによるものと推定しますが、二つともストレスに大きく影響を受ける病気ですから、ストレスが減ってきているのか、それともストレス耐性ができてきたのか、よくわかりません。

他にも入院数が減る傾向にあるのが「新生物」や「筋骨格系及び皮下組織疾患」です。「筋骨格系及び皮下組織疾患」はリウマチなど関節障害や骨密度低下などです。

逆に上昇傾向にあるのは、「神経系」「呼吸器系」で、「呼吸器系」は肺炎や喘息、気管支炎など、「神経系」は眼や耳の病気です。このあたり、やはり高齢化によって増えてきた病気っていう気がします。

最後は年代別に入院・外来を受けた受療率(人口10万人あたりの率)です。



10歳ごとに区切りましたが、産まれたての時期は例外として、50代を境にして急速に受療率が上がります。

90歳以上がまた落ちるのはどういう理由か不明ですが、90歳以上まで生存している人は概して健康で、入院したり通院したりあまりしないのかも知れません。なんらかの持病持ちの多くは90歳までに亡くなるということで。

しかし70歳以上の高齢者の約1/3が入院または通院をしているという結果ですが、これって意外と少ない気もします。

自分の身近で考えると、少なくとも半分以上の高齢者はなにかしらの病気で入院または通院しているようですが、案外地方の農家に住む高齢者の多くはみなさん健康なのかもしれません。

今働いている会社の中で、私は年齢的には上の方に位置しますが、若いときは、歳を取ると身体のあちこちに不具合が起きてきて思うように動かなくなるというのがわからないものです。私も若いときはそうでした。

若いときに健康であればあるほど、自分は年を重ねても健康だと信じているのが普通でしょう。でもそれは大きな間違いで、年を重ねて経験や知識はたまっていくけれど、それと引き替えのようにして、心身の自由や酷使に耐える力が奪われていくことは誰にも共通することでしょう。

なので、仕事を引退してからあれをやろう、これをやろうと若いときに決めていても、その歳になると、身体が思うように動かずできないということもまま起きます。

若い人に「高齢者を敬え」と言うのはすでに死語となりつつあるようで、むしろ「高齢者の年金のために若者がつらい思いをする」などとののしられる状況で、無理は言いませんが、それでもアドバイスをしてと、「いつかはやりたいこと、行きたいと思っているなら、なるべく早く実現しておくのがいいよ」ということ。先へ延ばしていいことなどなにもありません。

昔なら、それこそ先輩を差し置いて遊ぶために会社を休むなんてことはできませんでしたし、また仕事で暇がないと言い訳してましたが、今は完全週休二日に祝日も増え、会社もワークライフバランスが肝心とか、ダイバーシティの時代と言うようになり、遊ぶために有給休暇をとったり、リフレッシュ休暇をとることにも後ろめたさがなくなってきました。

お金は高齢者と比べると若者は持っていないでしょうけど、知恵をフル動員すれば、昔と違ってそれを安く実現する方法が見付けられるでしょう。

歳を取ってからではできないこと、できなくなることが、健康で若いときなら簡単に実現できます。考えるよりもまず動いてなんでもやってみるというのが若い人へのアドバイスです。

【関連リンク】
712 最近気になる食品の安全性
689 自分の終焉をどう演出するか
644 うつ病に罹った人との関係は難しい
621 中高年者の活用について
602 ついに変形性股関節症の診断下る
556 塩の話
433 股関節唇損傷についての続編

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716
1年前に変形性股関節症と診断された右足(右股関節)の痛みを感じ始めてからもう10数年が経ちますが、症状が日々悪化していくのを感じ、過去には様々な痛みをとる試みをしてきました。

当初変形性股関節症とはわからなかった頃に検査した内科(リューマチ科)や整形外科で処方された薬はまったくと言っていいほど意味をなさず、2005年に1年ほど通った民間療法の整体カイロプラクティックでは最初のうちアクティベータという器具でツボを刺激する施術を受け、これが最初のうちは抜群の効きで絶賛しましたが、半年ぐらい経つとやがて効果がなくなり、最終的にはほとんど効かなくなってしまいました。

その整体が効かなくなった旨を整体師に恐る恐る言うと、ご機嫌を損ねてしまったらしく、結果的には喧嘩別れとなってしまい、それ以来、正直に言っただけなのにどうして整体師に気を使わなければならないんだと、もうこりごりで、他の整体院へ行く気も失せてしまいました。

様々な書籍やネットで調べてみる限り、この変形性股関節症は自然に治癒することはなく、保存療法(つまりこれ以上酷くならないように気をつける)か、人工関節の置き換えをするしかないようです。

特別な場合のみ骨切り手術で改善するケースがあるそうですが、私の場合は年齢的なこと(若いほどいい)や、収入を得るため仕事をしなければならず、手術とそのリハビリにかけられる日数も限られる(骨切り手術をすると最低でも1ヶ月は歩行できない)のでどだい無理な話しです。

中には保存療法で劇的に改善が可能というやり方も紹介されたりしていますが、どうもうさん臭く、結局は股関節に近い筋肉を鍛え、股関節にできるだけ負担がかからないように生活を改善していくしかないようです。

と言っても仕事を続けている以上、毎日嫌でも歩いたり階段を上り下りしなければならず、ちょっと動かすだけでも痛むときはつらいです。

ただ運動不足で足の筋肉が落ちてしまうのだけはなんとか防がなくてはならないと思い、スポーツクラブで股関節を使わない運動や、プールにつかって歩行をしたりしましたが、それらはやっていても本当に退屈で、数回でやめてしまいました。よほど意志が強くないと面白くも楽しくもないスポーツは続きません。

ただ最近では毎日欠かさずおこなっている軽体操があり、それをやると痛みが多少緩和されているようです。

イスに浅く腰掛けて、両足は軽く開いて膝は90度。背筋は軽く伸ばし、腰から少し下の股関節辺りに両手を添えてゆっくりと前屈。その前屈を10~20回繰り返すだけ。この体操では股関節に痛みはありませんし、いつでもどこでもすぐにできるのが便利です。

下手な絵ですが、こんな感じ。
henkeisei1.jpg

当初の頃は、その体操を忘れた翌日は、少し歩くだけで股関節に痛みが走るのに、その体操をやった翌日は普通にゆっくり歩いている分には痛みを感じません。もちろん重心が右足にかかったり、ひねったりすると激痛が走るのは同じです。

それと普段寝るときに痛む側を下にするとそれだけで痛くなってくる(体重が痛む股関節にどーんと乗っかってくる感じ)のが、この体操を始めてからは、それがなくなりました。

今は左右どちら向きでも横になっている限り痛みはほとんどありません。この体操のおかげかどうかは定かではありませんが、いまのところそれ以外には考えられません。

この体操は以前読んだ「股関節の痛み―変形性股関節症の治療がよくわかる (別冊NHKきょうの健康) 」に書かれていた骨盤おこしの体操ですが、いくつか載っていた体操を半信半疑でやってみた中では、これが一番お手軽で、あくまで私感ですが効果があります。

あとは、歩くときに少しでも股関節の負担を減らすため、少しでも体重を減らそうと努力しています。いえ別にそんなに太っているわけではないのですが、それでも20代前半の頃から比べると、身長は変わらないのに、30数年後のいまは体重が15kgぐらい増えてしまっていますから、せめて5kgは減らそうと、食事の量を抑えています。

節制が効いたのか一時期よりは5kgほど減すことに成功し、それだけでも歩くのが少し楽になったのが実感でき、あわよくばあと5kg減を目標に減量しようと鋭意絶賛努力中です。

【関連リンク】
変形性股関節症の人工股関節全置換手術(1)初診編
変形性股関節症の人工股関節全置換手術(2)手術前検査編
変形性股関節症の人工股関節全置換手術(3)入院手術編
変形性股関節症の人工股関節全置換手術(4)リハビリ、退院編

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654
3ヶ月前に「優先席に思うこと」という記事を書きました。その中では、

よく「大人が優先席に座ったまま、高齢者や身体障害者が近くに来ても席を譲らないのはけしからん」という偽善的な話しをよく目にします。しかし優先席に座っている「普通に見える大人」にどのような障害や優先席に座っている事情があるなんて、外見だけではわかりません。一見健常者に見えても、長くは立っていられない怪我や病気、苦痛を持っていないと、どうしてわかるのでしょうか。
(中略)
よぼよぼで今にも死にそうなお年寄りや、足に包帯を巻いて松葉杖でもついていれば、そのようなことは思われないのでしょうけど、世の中には身体にハンデを抱えながらも、できるだけ健常者と同じ仕事や生活をしようと努力し、そしてその努力をすればするほど、健常者と同じ扱いをされてつらい思いをします。

と、一見すると健常者に見える障害をもった人達が優先席を利用するのには様々な抵抗があることを書きました。

私の考えていることなどは、すでに周知の事実だったようで、同じような悩みで困っている人も多く、すでに昨年から「わたしのフクシ」を運営されている方が、さりげなく障害があることをわかってもらえるような「見えない障害バッジ」運動を展開されています。

(引用)
難病、内部疾患、発達障害など、社会で認知されず、福祉政策でも「制度の谷間」に落ち込み、サポートが受けにくい「目に見えない」障がい、困難、痛みをもつ人が数多くいます。
電車で席を譲られることもなく、「怠けている」「わがまま」「やる気がない」と思われることもめずらしくありません。
「バッジをつけて、見えない障害を知ってもらおうよ。」
twitter のみんなの声から、このバッジはうまれました。障害をもつひとに当事者用と、もたないひとには啓発用を。

fukushi.jpg果たしてこの「見えない障害バッチ」がどれほど認知され、意味を持つのかはわかりませんが、単に私のようにぼやいているだけではなく、素早く行動に移されているのがすごいです。なにごとにもスタートすることが重要ですね。

本当ならこうした小物が必要でなく、座りたい人が誰でも座れるような余裕のある社会、生き方、文化、教育が日本に根ざしていくと一番いいのですが、まだまだ遠い道のりです。

特に少子化で甘やかされて育った若者が心配です。いつの世も高齢者が若者に対していう言葉と同じですが、かの国中国でも一人っ子政策で大事に大事に甘やかされて育ってきた若者が、バスの中で隣の空き席に自分のカバンを置き、目の前に高齢者が立っていても無視をする動画が投稿されていました。

そのようなひとつを見て、それがすべてと思い込むのはいけませんが、日中両国とも子供を大事にするあまり、乗り込むと真っ先に子供を座らせ、親の席まで確保させたり、子供だけ座らせて親は立っているような躾けをするとこうなるのは自然の摂理です。



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紆余曲折の人生を歩む、しがないオヤヂです。
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