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今日から令和元年です\(^o^)/
令和元年5月1日

1326
ガール・オン・ザ・トレイン (講談社文庫)(上)(下) ポーラ・ホーキンズ

原題はThe Girl on the Trainで、国内では2015年に文庫として発刊されました。また2016年には監督テイト・テイラー、エミリー・ブラント主演で映画が製作され、日本でも公開されています。

主人公の女性は離婚をした女性で、その前の夫だった男性は、結婚当時に買った家で、別の女性と再婚して暮らしています。そしてその家の隣には幸せそうな若い夫婦が暮らしています。

主人公の女性は、ロンドンへ向かう電車の中から、その前の夫と暮らしていた家で再婚相手が幸せそうに暮らしている姿や、その隣の理想的な夫婦の姿を毎日鬱積した気持ちで眺めています。

それだけで、この女主人公ちょっと変なヤツ?って感じですが、そう、主人公の女性はアル中で、飲み過ぎたときには記憶をなくしてしまい、暴言を吐き、前の夫を始め多くの人に迷惑をかけ、仕事もそれで失っています。

そうした「電車の中から家をのぞいている」「アル中で記憶をなくす」というのがこのミステリーの最大要素というあまりにもお粗末な内容でした。

最後のクライマックスで判明する極悪人も最初の方でわかってしまいましたし、ミステリーファンにとっては物足りなさでいっぱいでしょう。

当然、記憶を失っていたことに起きたことはそのうちに思い出すし、電車の中から見たことの説明は無理矢理に意味を付けられるしという、それまでのモヤモヤしたのはなんだったの?ってくらい中身が浅く乏しいものです。

ま、暇つぶしぐらいに考えて読むには良いでしょうけど、映画までは見たいとは思わないです。
★☆☆

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自由とは何か (講談社現代新書) 佐伯啓思

著者は団塊世代の最後尾で育ってきた、今年暮れには70歳となる経済学者です。

この新書は今から15年前の2004年に発刊されています。2003年に米国を始めとする有志連合軍が、フセイン大統領が率いるイラクを攻撃した2003年の翌年にあたり、本書でもそのイラク攻撃に関して触れられています。

正直言って難解で哲学的で、やたらとヨーロッパの哲学者の主張が出てきて、自由というものをこれだけ難しく解説?した本って過去にあったでしょうか。知らないだけかも知れませんが。

一般的にいう「自由でいいなぁ~」って言葉は、現在の北朝鮮や、中東の難民キャンプ、軍事政権で圧政を強いられているアフリカ国々、80年前の日本では出てこなかったでしょう。

じゃ、今の日本社会やアメリカは自由なのか?と言えば、そうだという人もいれば、そうじゃないと言う人もいて問題は複雑になっていきます。

そうした自由に関する歴史や過去の哲学者などがこの自由についてどのように理解し定義していたのかなど、ハッキリ言ってどうでも良いかな?って話しが延々と続きますので、興味のを持った方は、蛍光ペンでも握りしめながら、覚悟してかかってください。

私は一応嫌々ながらも最後まで全文に目を通しましたが、「よくわからん、あと10回は読まないとわかりっこない」という結果に達し、自分の限界を痛切に感じたのでした。

★☆☆

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きらきらひかる (新潮文庫) 江國香織

1991年に単行本、1994年に文庫化された小説で、長編小説としてはこれがデビュー作品です。

1992年には松岡錠司監督、薬師丸ひろ子、豊川悦司などの出演で映画が製作されています。

上記の「ガール・オン・ザ・トレイン」の主人公と同じで、アル中、精神的にいっちゃっている女性が主人公という、同時期に読みつつちょっと混乱しかけました。

キッチンドランカーが増えているとか、女性の社会進出が増えて、ストレスフルになってその分精神障害になる人も増えているとかという話しも聞きますが、それにしてもこう続けて女性の精神にちょっときているアル中小説とはなんてこったです。

主人公は、結婚に積極的ではなかったものの、無理矢理設定されたお見合いで、訳ありの医者と意気投合してしまい、形だけの結婚をすることになります。

訳ありとは、つまりその男性医師はゲイで、男性の恋人がいるものの、両親から結婚すれば女性を好きになってくれるのではないかと無理にお見合いを設定されたという状況。

お互いに精神的に異常と同性愛者ということを相手の両親には伝えず、形式上の結婚をしてその後の日々が描かれていきます。

ま、LGBT活動華やかな時代ですから、こういうカップルがいても不思議ではないでしょうけど、夕飯は毎日ゲイの夫が作ってくれるし(医者ってそんな暇だっけ?)、妻は夫に恋人の彼氏のことをいつも聞きたがるし、どうなんでしょうかね。

そして、夫の彼氏や、主人公の友人、夫の勤務先病院の同僚(これまたゲイ)とか、入り乱れての、いかにも小説的でよくわからない人間関係です。

★☆☆

著者別読書感想(江國香織)

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Yの悲劇 (創元推理文庫 104-2) エラリー・クイーン

原題は「The Tragedy of Y」で、ドルリー・レーンを探偵役とする「悲劇」4部作のうち、前作「Xの悲劇」に続く第2部として1932年に発表された不朽のミステリー作品です。

ちなみにその4部作というのは、Xの悲劇(1932年)、Yの悲劇(1932年)、Zの悲劇(1933年)、レーン最後の事件(1933年)の4作品です。

エラリー・クイーンという名前は誰もが知っているほど有名で、私も若いときに何作かは読んだ記憶があります。

しかし、このエラリー・クイーンというネームは、二人の男性作家が共通で使っていたペンネームで、二人の漫画家の名前を統一した藤子不二雄みたいな感じなのですね。ハハ、今の今まで知りませんでした。

この作品を含む4部作は、そのうちのひとりの作家のペンネーム「バーナビー・ロス」で最初は発刊されたそうです。

これだけ古い作品ですから、いくつもの出版社から出版されています。私が買って読んだのは、1959年に第1刷が発刊された鮎川信夫訳の創元推理文庫です。

1959年と言えば、今とは違って、文庫の文字は小さく、今で言うところの差別用語が普通にバンバン使われていてなにか時代を感じます。

先般読んだ日本の古典的なミステリー小説で、中井英夫著「虚無への供物」の発刊は1964年ですから、これらの本場英国ミステリーを参考にし、影響を受けているなというのが読んでいて節々でわかります。

さてストーリーですが、お金持ちだった主人が水死体で発見され、どうもそれが自殺っぽいとされます。

その亡くなった主人の家族は大きなお屋敷で暮らしていて、その後連続してその屋敷内で不幸が襲います。

ロンドン警察に頼られて、前作「Xの悲劇」で活躍した老齢の探偵が、コツコツと調べていきますが、やがてとてつもなく恐ろしい事実をつかんでいくというミステリーです。

いやー、探偵ものミステリー小説は数多く読んできましたが、この小説では、犯人はまったくわかりませんでした。予想だにしなかったというか。さすが、長く名作として残るだけの作品です。

しかし最後のオチというか、決着の付け方は、うまくぼやかしてありますが、現代だと倫理上も読者の感情的にも許されないことのような気もします。

さすがというか、歴史に残るだけのことはある面白しろい小説です。

★★★

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デッドエンド (双葉文庫) 柴田哲孝

2014年に単行本、2016年に文庫化された長編ハードボイルド小説です。

この著者は私と同年齢ということもあり、同じ社会を同じ期間だけ生きてきた、なにか作品に共鳴するところがあり、「私立探偵・神山健介シリーズ」や「有賀雄二郎シリーズ」など面白く読ませてもらっています。

この作品はシリーズ物ではなく、主人公は独自の設定で、東大卒、通産官僚ののち雑誌のライターへと転職していましたが、妻殺しの容疑で逮捕され、終身刑で千葉の刑務所で服役をしているという設定です。

ここでは詳しく書くとこれから読む方の興味がそがれるので書きませんが、読み進めていくうちに、主人公がなぜ妻殺しで逮捕されるに至ったのか?ということが明らかになっていきます。

逮捕されたのも、裁判で終身刑を受けたのも、千葉刑務所に収監されるのも、すべて計算ずくだったというのには驚かされます。

その主人公を付け狙う黒幕と、黒幕に依頼された殺し屋との対決がハードボイルドの魅力となっていきます。

ちょうど、この小説の前年に書かれた、「漂流者たち 私立探偵・神山健介」(2013年)で、ラストの堤防の上での死闘を彷彿させるようでゾクゾクします。

2017年8月後半の読書「漂流者たち 私立探偵・神山健介」

★★☆

著者別読書感想(柴田哲孝)

【関連リンク】
 4月前半の読書 虚無への供物、未来の年表2 人口減少日本であなたに起きること、白いしるし、フォルトゥナの瞳
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