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凶悪な事件で少年が関わる殺人事件が起きると「最近こうした殺人事件が増えてきている気がする」という声を耳にすることがありますが、データを見る限り、もちろんそういうことはありません。

それに気がつかせてくれるのは中井英夫著の「虚無への供物」(1964年刊)です。

と言ってもこれは私はまだ生まれたすぐの幼児の頃に出版された小説で、こうしたものを今になって読んだり、その他の様々なデータや小説などで、その当時のことを知るようになっています。

この小説の舞台と登場人物は、昭和29、30年(1954~1955年)、東京の目白にある古い豪邸に住んでいる宝石商の末裔達です。

今は没落してきたとはいえ、一時は財をなしてきた名門家とその関係者や友人達が、身近で起きた密室殺人事件を推理するものですが、それと同時になにか殺伐とした当時の時代背景も描かれています。

この小説にも殺人ではありませんが千名を超える死者を出した洞爺丸の沈没事故により、主人公の親族が亡くなり、その他にもコメット機の連続墜落事故、文京区小2女児殺害事件などの世相を表す暗い話題が次々と登場してきます。

その昭和29年に起きた大事件、大事故を列挙しておくと、

1月2日 皇居一般参賀者が皇居二重橋で将棋倒しとなり16人が死亡(二重橋事件)
1月10日 コメット連続墜落事故: 英国海外航空781便墜落事故起こる。35名死亡
3月1日 マグロ漁船第五福竜丸が米国の水爆実験で多量の放射性降下物を浴びる
4月8日 コメット連続墜落事故: 南アフリカ航空201便墜落事故起こる。21名死亡
4月19日 文京区小2女児殺害事件
6月13日 カービン銃ギャング事件
8月31日 北海道釧路市の太平洋炭礦で爆発事故、39人死亡。
9月26日 洞爺丸事故。死者行方不明1155名
9月26日 岩内大火、北海道岩内郡岩内町。焼損棟数3299棟、死者33名。
10月8日 相模湖で遠足の中学生らを乗せた遊覧船が沈没し22名が死亡。(内郷丸遭難事件)

そして、この時代(1950年代)の特徴として言えるのは、日本で殺人事件がもっとも多くあった年代です。

ピークの1955年には殺人事件の被害者数は2,119人に達し、人口10万人あたりにすると2.3人が殺人事件で殺されていました。

その数がどれほど多いかというと、2016年の殺人事件の被害者数は290人、10万人あたりにすると0.27人となります。10倍までには達しませんが今と比べると8~9倍の多さです。

当時と現在とを比較すると、殺人被害者数は当時から14%へ減少、10万人あたりの被害者数も12%に減っています。つまり、現在の凶悪事件の件数は1950年代の2割以下にまで減っているということです。

そんな60年以上も前と比べても~という人がいると思うので、今から19年前の2000年の殺人被害者数は768人、10万人あたり0.61人で、上記の2016年と比べると、38%、44%とやはり半数以下に減少してきています。

つまり、殺人事件においては近年は件数自体や人口比双方とも大幅に減少していることは明らかなので、「最近増えている」というのは明らかに間違った感覚と言えます。

ただ、ここ10年ほどに限ってみると、凶悪犯罪件数自体は下げ止まりしているようで、刑法犯による死亡者の数は漸減傾向ですが、重傷者の数は横ばいという感じが続いています。



同様なことは交通事故死でもあり、過去もっとも交通事故死が多かったのは1970年(昭和45年)の16,765人で、2018年の3,532人の5倍近い死者をだしていました。

こちらは凶悪犯罪と違い、警察が得意げに交通事故の死亡者激減は自分たちの成果だと広報していますので、相当数減ってきているという認識と実感は多くの人にありそうです。

もちろん交通事故死亡者が減ってきたのは、警察の力などではなく、交通マナーの向上、クルマの安全性の進化や、救急医療体制の充実などが最大の要因です。

一方では、この1950年代は映画「ALWAYS 三丁目の夕日」で描かれているように、貧しい時代ながらも将来に大きな夢を持って成長していくという側面もありました。

その映画に出てきたような美しく表現された躍進する日本、元気いっぱいな日本人というイメージだけでその時代を懐かしがったり、評価をすると、上記のような凶悪な犯罪が跋扈していたことが見逃されてしまいます。

殺人事件にしても、交通事故死にしても、過去と比べると現在は遙かに改善しているということをちゃんと認識しておき、気分で「多い」とか「増えている」とか言ったりすると、あとで大恥をかくことになります。


【関連リンク】
1177 年間8万人の行方不明者の行方
914 殺人事件の国際比較
850 少年犯罪は増加、凶悪化しているのか?



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