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個人的なことですが、テレビを見るときは基本事前に番組を予約しておき、それを早回しで見たり、テレビコマーシャル(以下TVCM)や毎回同じ画面のオープニングなどを飛ばして見ることが多くなっています。
テレビを生で見るのは、夜のニュース番組と、スポーツ生中継ぐらいでしょうか。メジャーリーグの試合など、海外のスポーツ中継は、日本の深夜に行われていることが多いので、やはり録画をしておき、あとで飛ばしつつ見ることもあります。
結局なにが言いたいかと言うと、TVCMの無意味さ、鬱陶しさを、最近特に感じるようになってきました。売らんかな、認知をあげたいという主張がやたらと鼻につきます。
もちろん、見ていて面白く、役に立つTVCMもごくまれにはあります。それはわかっていますが、でも個人の感想を言えば95%は見なくても全然困らないし、見たくないものです。
ところで、日本の媒体別広告費はどういうことになっているのでしょうか?
電通の調べでは、
・2018年 日本の広告費は6兆5,300億円、前年比102.2%
・総広告費は7年連続のプラス成長
・インターネット広告費は、5年連続の二桁成長
と、割と景気の良い話しとなっていますが、広告が飯のタネでもある電通の発表ですから、大本営発表と変わりはないのかも知れません。
その大本、いや、電通発表のデータから、媒体別の3年間の売上推移を表とグラフにしてみました。
新聞、雑誌、ラジオ、テレビが旧来からある既存の4大媒体として長く君臨してきましたが、ここ数年でネットメディアが次々と追い越していき、規模が最大のテレビメディアに肉薄しているというところです。
すでに広告は、旧来の媒体からネットへと移っていると言っても良さそうです。
それでもテレビの広告はインパクトがあり、今のところ影響力もネットの比ではありません。それは事実でしょう。
しかし広告の売上が落ちてくると、テレビ局も審査が甘くなり、また広告を出す側も、イメージの訴求だけではなく、直接利益に結びつけようと、商品名をがなり立てるような品のない粗悪な広告もしばしば混ざってきます。例えば、携帯電話や、なんとかルーペのような広告です。
また制作費を抑えるためなのか、とにかく同じ広告ばかりが流されるので、見飽きたという感覚も多くあります。そのTVCMを見たくないからチャンネルを変えても、また同じ広告をやっているという場面によく出くわします。
テレビの視聴率も落ち気味で、しかも視聴者の年齢構成が上がり気味で、CM効果も限定的になりつつあります。
今後TVCMを積極的に出す企業というのは、
1)社長が出たがりやで有名になりたいと思っている
2)社長が広告制作のアイデアに自信がある
3)儲かりすぎていて税金を払うぐらいならTVCMへ
4)広告代理店にうまく丸め込まれる(自社に有能なマーケターがいない)
5)手っ取り早く芸能人と知り合いたい
6)一発勝負を賭けて後は野となれ山となれ
と言ったところでしょうか。
いずれにしてもTVCMで成功するとそれが成功体験となり、その後も長く続けざるを得なくなるので、それを狙って広告代理店や制作側も必死です。
ところが私のようなTVCMはカットして番組を見たり、特定のCMが流れると嫌悪感を感じてチャンネルを変えてしまうような人が増えてくると、テレビ局は厳しい状況へと追いやられていくことになります。
また不買運動絡みで、その企業がスポンサーとなっている番組を糾弾するというような流れも起きることも考えられます。
過去には番組にクレームがついてその番組をスポンサーする企業への不買運動というのが起きましたがその逆もあり得るということです。
すでに全番組を録画することができ、いつでも過去の番組を見ることができるテレビなどもありますが、今後はますますそうした多チャンネル録画機能に拍車がかかり、結果的に、TVCMは見られないという結果になってしまいそうです。
それに対処するため、すでにいくつかの番組で実験的におこなわれていますが、番組の中でそっと商品やサービスを紛れ込ませたり、番組出演者が商品名を読み上げたりして通常の時間売りのTVCMとは違う形も考えられますが、ドラマや映画というのは、その時だけでなく再放送や再々放送などでも使われるので、スポンサーがその都度変わってしまうというややこしい事情もあり、そうしたことができる番組は限られてくるでしょう。
ネット広告は、TVCMとは違い、極論すれば「誰がいつどれだけ見たか」がわかります。やろうと思えば個人を特定することもできます。
すべての年代がネット環境に不便なくアクセスし、その利用時間がテレビの視聴時間をしのぐようになってくれば、やがて時代遅れとなるTVCMは、一部の大手メーカーや、成金で社長の自己顕示欲が強い会社以外はなくなっていくのでしょう。
テレビ局も、いつまでも旧来の時間売りの広告収入ばかりに頼るのではなく、スポンサーに納得してもらえる新しい収入の仕組みを早く考えることが必要です。
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