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夜と霧の隅で (新潮文庫) 北杜夫

1960年に出版された短編と中編の小説集で、1960年上期の芥川賞受賞作です。著者は医者として勤務をしながら、数多くの著作がありますが、中でも「どくとるマンボウ航海記」「楡家の人びと」などが有名です。また若い頃から始めた登山にも造詣が深く、本書にも登山をテーマにした短編が含まれています。

収録されている作品は、「岩尾根にて」「羽蟻のいる丘」「霊媒のいる町」「谿間にて」「夜と霧の隅で」の6編で、その中の表題となっている中編の「夜と霧の隅で」は、ナチスドイツでヒトラーが抵抗勢力や病人等を社会から排除するよう命じた「夜と霧」と言われる命令をモチーフとした作品です。

その「夜と霧」は戦後に小説や映画になっていますが、当時のナチスが捕虜やナチスに反抗する思想犯、ユダヤ人、異教徒などを収容所に送り込み、最終的には誰にも知らされることなく、夜霧に紛れるかのようにして殺してしまうという1941年にヒトラーが命じた作戦ですが、その中には精神病などの患者も含まれていたと言うことです。

その「夜と霧」作戦下の精神病棟で、ユダヤ系の妻が連行され、それをきっかけに精神に異常をきたし治療を受けていた日本人外交官の姿と、なんとか患者達をひとりでも多く救いたいと、絶望的な治療に取り組む医師達の物語です。

「岩尾根にて」は、命綱もなく危険な登山を見かけ、その後会話をすると、ほとんど意識がない状態で崖を登っているという人だったり、崖を登っていると、墜落死した人を見つけたりと、本格的な登山をする人ならあるあるなのかも知れませんがゾッとします。

その他の短編も、著者の経験から発想した物語っぽくて、なにかリアリティがあってドキドキします。

★★★

 ∟ ∟ ∟ ∟ ∟ ∟ ∟ ∟ ∟ ∟ ∟ ∟

我が家のヒミツ (集英社文庫) 奥田英朗

2015年単行本刊、2018年文庫版刊の短編小説集です。

著者の作品は好きで、文庫になっているものはほとんど読んでいます。こうした短編小説も多くありますが、著者の作品では、本格的なミステリー小説が秀逸と思っています。でもN木賞に輝いたのは、コミカル路線の連作短編小説でしたね。

今回の著者と同様の短編小説集では、「家日和」(文庫版2010年刊)は2010年に、「我が家の問題」(文庫版2014年)は2019年にそれぞれ読んでいます。

2019年7月後半の読書「我が家の問題」

今回収録されている短編は、「虫歯とピアニスト」、「正雄の秋」、「アンナの十二月」、「手紙に乗せて」、「妊婦と隣人」、「妻と選挙」の6編です。

実は上記の「我が家の問題」は、著者の作品としては、あまり面白く感じず、昭和時代の夫婦関係を引きずったままのように見えて、低い評価をしました。

しかし今回の著書は同じような一般家庭と夫婦をテーマにしながらも、もっと奥深い感じがして面白く読めました。

著者からすれば、「別に前作から変化はない」ということでしょうけど、読み手側のその時々の精神状態によっても変わってくるのか、今回は別物?と感じました。

「虫歯とピアニスト」は、昔に憧れていたピアニストが、自分の勤務する歯医者へやってきた話し。「正雄の秋」は熾烈な会社の中での出世競争で、好きではなかった同期に負けてしまった話し、「アンナの十二月」は、自分の出生の秘密を知り、実の父親に会いに行った話し、「手紙に乗せて」は、妻を亡くした男性同士の相哀れむ手紙、「妊婦と隣人」は産休のため家にいることになり、それで知ることになった不可解な隣人、「妻と選挙」は、N木賞作家で今は落ち目になった作家の妻が、市会議員選挙に出馬するという出来事。

どれも上々の出来と言えます。

★★☆

著者別読書感想(奥田英朗)

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朽ちないサクラ (徳間文庫) 柚月裕子

著者の作品は「最後の証人」(2010年刊、文庫2011年刊)を2012年に読んで以来7年ぶりとなります。

2012年4月後半の読書「最後の証人」

この作品は、2015年刊(文庫は2018年刊)の長編小説で、女性作家としては割と珍しい、警察ものミステリー小説です。

元々、法廷もの小説がお得意な著者ですから、その延長線というか手前にある警察署や刑事、公安といった知識もお持ちなのでしょう。

タイトルの「サクラ」は一般的には警察をイメージしますが、ここでは警察内部の符丁として使われているらしい公安警察を指しています。

女性作家らしく、主人公は民間企業を辞めて、地元に戻り、地方の警察署に事務職員として勤務する女性で、その主人公の親友だった女性新聞記者が何者かに殺害されたことで、事件に首を突っ込んでいくというパターンです。

警察と公安(警備局)との関係など、内部の事情はあまり外部に出てくることはありませんし、まして最近の骨抜きされたメディアが警察を敵に回すようなスクープを掲載するとも思えなく、リアリティはどこまであるのかというのはよくわかりません。

しかし過去に現実に起きた、ストーカー殺人事件や、新興宗教団体のテロ活動など、身近なテーマも盛り込み、サスペンスドラマとしてうまく仕上がっています。

終わり方が、主人公の続編も期待できるような感じでしたが、現在のところ、出てはいないようです。

★★☆

著者別読書感想(柚月裕子)

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天魔ゆく空(上)(下) (講談社文庫)(上)(下) 真保裕一

2011年に単行本、2014年に文庫化された長編時代小説です。この著者には珍しい時代小説ですが、過去に明智光秀を主人公にした「覇王の番人」を読んでいます。

2013年11月後半の読書「覇王の番人」

元々、著者の作品は、現代の外交官や警察官、自衛隊員などを主人公としたハードボイルド系ミステリーや、原題のお仕事系小説から入ってきたので、こうした時代小説というのは最初はちょっとどうかな?って思っていました。

しかし上記の「覇王の番人」がそこそこ堪能することができ、心配は杞憂でした。またそれら以外にもコミカル系の小説などもあり、幅が広い知識と才能はお見事です。

同じように、ハードボイルド小説と時代小説を取り混ぜて発表されている直木賞作家佐々木譲氏と、なにか作風にも共通するところがあるような気がします。

内容ですが、多くの日本人にはなかなか理解しにくい、室町幕府を開いた足利幕府の末期、応仁の乱の終盤からこの物語は始まります。

幕府内で権力を持つ細川本家筋の細川政元を主人公にして、鎌倉時代を築いた源氏の係留で、150年ほど続いてきた足利将軍時代が跡継ぎ争いで弱体化し、やがて全国各地で将軍の言いなりにはならない有力者が続々と登場し、国盗り物語の戦国時代へと入っていく時代の話しです。

戦国時代のまっただ中、織田信長がおこなった、家族を政略結婚に出す、一揆弾圧、比叡山焼き討ち、将軍の追放などをこの幕臣の細川政元がすでに70年前におこなっていたのですね。

私もこの時代のことはまったく知識がないまま読み始めたのですが、これを読むと、なぜ応仁の乱が起きて、それが収束した後に室町幕府が壊れていったのかがよくわかります。

主な登場人物は、足利義政(第8代将軍)、日野富子(義正の正室)、足利義視(義正の弟)、足利義稙(義材、義視の子、10代将軍)、清晃(足利義澄、11代将軍)、細川勝元(細川京兆家当主、守護大名)、細川政元(勝元の子)、洞松院(勝元の娘)、細川政国(政元の後見人)、畠山政長、畠山義就、山名宗全、赤松政則、大内義興、六角高頼、上杉房定など。

とにかく似たような名前の登場人物が入り乱れていっぱいいるので、誰が誰やら混乱します。

この物語の数十年後には、本格的な戦国時代が到来し、武田信玄、上杉謙信、織田信長など地方の有力者が力を付け、覇権を争い群雄割拠することになります。

いや、当時の事実関係は誰にもわかりませんが、これほど難解な時代をわかりやすく整理して読ませてくれる小説として面白かったです。

★★☆

著者別読書感想(真保裕一)

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