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その女アレックス (文春文庫) ピエール・ルメートル

カミーユ・ヴェルーヴェン警部シリーズ第1作目の「悲しみのイレーヌ」(2006年刊、日本語版は2015年刊)は今年2月に読んでいますが、この作品がシリーズとしては2作目(2011年刊、日本語翻訳版2014年刊)となります。

2019年2月後半の読書と感想、書評「悲しみのイレーヌ」

この作品は日本でも「このミステリーがすごい!2015 海外部門で1位」、「本屋大賞翻訳小説部門で1位」などに輝きましたが、世界的にも大ベストセラーとなっています。

このシリーズは、「わが母なるロージー」(2011年、翻訳版2019年)、「傷だらけのカミーユ」(2012年、翻訳版2016年)がすでに既刊です。

ストーリーですが、ミステリー小説ゆえ、深い内容には触れませんが、主人公は夜道を歩いていたとき、突然誘拐される女性(アレックス)と、フランス警察のカミーユ警部。

女性が誘拐されたのを目撃したとの通報で、警部が担当することになりますが、まったくその足取りや被害者が特定できず、捜査は難航します。

この警部は、過去に自分の妻が誘拐されて惨殺されてしまうと言う経験(前作「悲しみのイレーヌ」 )があり、本来は精神的にもこうした誘拐事件の捜査にはふさわしくないのですが、周囲の仲間から過去を早く吹っ切るためにも事件を担当させられます。

ただし、普通の犯罪小説と違うのが、その誘拐事件は本作品の1/3ぐらいの部分を占めるに過ぎず、その女性の本性や過去に起きた凄惨な出来事が次第に明らかになっていくというものです。

ま、最後のトリックとクライマックスについては、少々どころかかなり無理な感じもしますが、それが小説だ!ということなのでしょう。

長い作品ですが、テンポもよくサクッと読めてしまいます。できればシリーズ1作目の「悲しみのイレーヌ」を先に読んでおくと、主人公の警部の苦悩やレギュラー陣のこともよくわかって良いかも知れません。

★★★

著者別読書感想(ピエール・ルメートル)

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レオナルドの扉 (角川文庫) 真保裕一

2015年に単行本、2017年に文庫化された長編歴史小説です。タイトルにあるようにレオナルド・ダ・ヴィンチ(1452年~1519年)にまつわる話しがテーマになっていて、小説の舞台となっているのは、ダ・ヴィンチの死後300年のイタリアとフランスで、ナポレオン(1769年~1821年)が皇帝となり武力で支配している地域です。

前からずっと不思議に思っていたことがあり、それが本書にも出てきますが、フランス革命(1789年~1799年)では圧政と堕落した王政に対し民衆が立ち上がり、革命を起こして王政と旧体制を壊したわけですが、その後すぐに軍人であり元貴族ののナポレオンが登場し、革命終結後わずか数年で自らが皇帝になるとというのはどうにも理解できませんでした。

もう王政はこりごりと国民は思って革命を起こしたはずなのに、そうした不可思議な事情は本書の主人公の言葉で出てきますが、その理由は書かれていません。

本書のストーリーは、元ダ・ヴィンチ村に住んでいた祖父とともに、流れ着いたイタリアの小さな村で時計屋を営んでいる若い孫の男の子を主人公として、レオナルドが300年前に書き遺した新兵器などのアイデアを書いたノートのありかをナポレオンが率いるフランス軍よりも早く見つけ出そうとします。

途中、同じくそのノートを手に入れようと、レオナルドの良きライバルでもあったミケランジェロの末裔とも一悶着が起きますが、和解ができて、協力し合い、少年がレオナルドのノートに書かれた新兵器を次々と実現化して、イタリア全土を支配するナポレオンの軍隊を圧倒するなどというエンタメ感満載のストーリーです。

さすがに波瀾万丈、快刀乱麻、よほどの予算がなければ実写映画化は難しいでしょうけど、せめてアニメ映画化しても不思議ではないかなと思います。そのうちできるかも知れませんね。

★★☆

著者別読書感想(真保裕一)

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「やりがいのある仕事」という幻想 (朝日新書) 森博嗣

普段新書を買うときは、いわゆるジャケ買いで、タイトルを見て面白そうなものを買ってきます。つまり著者は誰でも構わないし知らないケースが多いのです。そのあたりは必ず著者名を見て買う小説と違う点です。

この新書もタイトルを見ただけで買ったので、実際に読むだすまでは誰が書いた作品かは知りませんでした。

で、読む前に、著者名を見ると、おっ!なんと、「スカイ・クロラ」などの作品で有名な作家さんじゃない!ということを知りました。

この著者は数多くの作品を出されていますが、過去にその中の「すべてがFになる」と「ZOKU」という小説を読んでいます。「スカイ・クロラ」はアニメ映画で見ました。

この著者とはまったく同世代で、誕生日が数日違うだけという、なにか不思議な親近感があります。

きっと小学生の頃にはツイスターや人生ゲームで遊び、中学生の頃には好きなアーチストのレコードを買い求め、高校生の頃には深夜ラジオとアーケードゲームのブロック崩しを楽しみ、大学生になってからインベーダーゲームに夢中となったのではないでしょうか。著者は国立大に入った秀才なので、子供時代とは言え、凡人の私と比べるのもなんですけど。

内容はタイトルにあるとおり、最近の若者がよく言う「やりがいのある仕事がしたい」に、著者なりの反論というか考え方を述べたものです。著者は大学で教鞭をとっていたこともあり、学生やOBから就職などについてよく質問や相談があったそうで、そうした経験からです。

一度も民間企業の会社員になったことがない著者にしては、世の会社の道理をよくご存じで、机上の空論ばかりを述べる学者先生や、自身が有名大学&大企業出身であることをベースにして上から目線でモノ言う有識者と違い、若い人にはなかなか役立ちそうな話しが満載です。

舌鋒鋭く、少し突き放した冷淡な感じもしますが、会社に入ってから「思っていたのと違う」と嘆くより、こうした器用で名をなした人の話を聞いてみるのも悪くはないでしょう。もっとも著者と同レベルに生きられるか?というものとは違いますが。

★★☆

著者別読書感想(森博嗣)

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ノボさん(上) 小説 正岡子規と夏目漱石 (講談社文庫) 上・下巻 伊集院静

2013年に単行本、2016年に文庫化された小説で、若い頃からの正岡子規と夏目漱石の友情と、正岡子規が後世に残した偉大な文化などの話しが中心となっています。

正岡子規(1867年~1902年)というと、真横から撮影されたはげ頭の頭部が異常にでかい?写真がすぐ思い浮かび、ちょっととっつきにくそうな感じがしますが、四国松山から上京し、東大へ通っていた頃は誰もから好かれる好男子だったのですね。

それとその横顔でひげを生やした写真からは、お爺さん?って感じを受けていましたが、35歳という若さで亡くなっていますから、やや老け顔だったのでしょう。

その正岡子規、ほぼ同世代に夏目漱石や同じく松山出身で日露戦争で活躍する秋山真之、俳句で知り合った森鴎外も懇意で、その他にも歴史的人物が子規の周囲に次々と登場してくるのは驚きです。

特に東京大学入学後からの夏目漱石との仲は深く、お互いにその才能を尊敬し合い、行く道は違っていてもその友情はずっと変わりませんでした。

また正岡子規は野球が日本に入ってきてまもなくプレーヤーとして日本での普及に大きな影響をもたらし、ベースボールをもじって野球、バッターを打者、ランナーを走者、四球をファーボールなど訳した最初の人でもあり、野球に対して一家言ある著者(伊集院静)にとっては、この正岡子規を取り上げなければならない運命だったのかも知れません。

松山から希望が叶って上京し、予備門から東京帝国大学へ入学、その間にも俳句や短歌、随筆、浄瑠璃などを書き、自分には小説が向いているのではと創作活動を続けます。

タイトルは、正岡子規の幼名正岡升(のぼる)から、松山時代の友人達から「ノボさん」と親しみを込めて呼ばれていたことからです。

そのハチャメチャで貧しく短い人生ですが、多くの人に影響を及ぼし、明治という時代を駆け抜けていった一人の人間正岡子規を魅力ある人物として描いた小説として秀逸です。

★★★

著者別読書感想(伊集院静)

【関連リンク】
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