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若者の活字離れと言われて久しいですが、確かに新聞や書籍の発行数や販売低下から、それが推測されています。

でも考えたら、紙媒体が減って電子書籍を含む、ネットニュースやSNS等で活字を読む機会は若者を中心に増えていて、実質的にはその差と、2010年以降人口が減ってきていることも考え合わせると、実際はそれほどでもないんじゃないかな?と思っています。

まずは、紙媒体の書籍とその中の文庫本の販売推移を全国出版協会のデータで見てみます。

書籍の販売推移


文庫本の販売推移

出典はいずれも公益社団法人全国出版協会

このデータは、紙媒体の販売データです。確かに月刊誌、週刊誌、書籍とも年々見事に下降しています。

次に文化庁の平成30年度「国語に関する世論調査」から1ヶ月に何冊の本を読むかどうかを調べたデータからグラフを作ってみました。

2013年と2018年の比較


2018年の割合


1ヶ月に1冊以上(年間12冊以上)読む人は52.6%、ギリギリ読書家と言える1ヶ月に3冊以上(年間36冊以上)読む人は15%です。15%というのは少ないのか?それとも多いのか?よくわかりません。

これらのデータをみると、書籍販売数は減っていますが、世論調査による1ヶ月に読んだ本の数は5年前と比べて特に減ってきたということでもなさそうです。

つまり紙媒体以外の書籍、電子書籍などを読んだ人が増えたのか、人口減少の影響をうえけての書籍消費が減ってきているのか、あるいは書籍販売数にカウントされないブックオフなどの中古本のシェアリングで読む人が増えたのか、図書館の活用が上昇したのか、その他にも理由があるのかわかりませんが、そんな感じでしょう。

つまり、紙かデジタル化はともかく、日本人の活字離れはそれほど進んでいないとも言えそうです。

電子書籍を読む人のデータもグラフ化しておきます。2018年と2013年の比較です。



この5年間で、電子書籍の「よく利用する」「たまに利用する」合わせると8ポイント増加し、「紙の本・雑誌・漫画しか読まない」は6.5ポイント下がっています。

中でも電子書籍はコミックの割合が高いので、それはデジタルに強い若い人が紙からデジタルへ移っているということでしょう。

また別のデータでは、昨年のコロナ禍で巣ごもり時間が増えたことで、読書量が増えたという人が約4割もいたということです。

さらに「鬼滅の刃」の大ヒットで、コミック本がバカ売れしましたから、もし2020年のデータを取れば、そうした特殊要因があるとは言え、書籍の販売数や1ヶ月に読んだ本の数はおそらく増加しているでしょう。

【関連リンク】
1434 新聞の発行部数推移など
1281 毎年書籍や雑誌はどれぐらい出版されているか
1097 出版不況と電子出版の行方
954 書店数や出版業界売上減と未来

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