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生ける屍の死 (創元推理文庫) 山口雅也

この著者の小説を読むのはこれが最初ですが、1989年に「鮎川哲也と十三の謎」で発表したこの作品が実質デビュー作です。文庫版は1996年に東京創元社、2018年に全面改稿版が光文社から出版されています。

舞台はアメリカのニューイングランドにある田舎町で、主人公はアメリカ人ですが、ルーツは日本人とアメリカ人のハーフという設定です。

日本人作家が書く小説で、物語の舞台や主な登場人物が外国人という小説は意外と少なく、以前読んだ皆川博子著の「開かせていただき光栄です」などとともに珍しいパターンです。

ストーリーは、死人が生き返るというホラーの要素と、素人探偵ミステリーの基本のような事件解決スタイルが同居し、腹いっぱいになります。文庫のページ数も640ページを超え、通常の文庫2~3冊分に相当します。

過去に読んだ小説の中で、文庫1冊で長かった(分厚かった)のは、半村良著「妖星伝 終巻」や、京極夏彦著「魍魎の匣」が、それぞれ1000ページを超えてました。

さすがに1000ページを超える(約500g)と、寝転がって手で持って読んでいるとつらくなってきますが、この640ページ(約300g)は、普通の単行本と同じぐらいの重さで、ギリギリ大丈夫でした。

先日に読んだスティーヴン・キング著「呪われた町」(1975年)は、同じくアメリカで死んだ人間が生き返るという、ドラキュラ伝説を描いた物語ですが、こちらも、一度死んだ人間がなぜか生き返るという物語です。

2020年12月前半の読書と感想、書評(呪われた町)

なぜ死人が生き返るのかという謎は最後まで不明のままで、しかもドラキュラや鬼のように夜しか活動できないとか、生きている人を襲って生き血を吸うとかはなく、死人かどうかは表面上は体温がないとか、目の瞳孔が開いてよどんでいるとかしか区別がつかないというのは、あまりにも安易で都合良すぎ、何でもありの小説と言えども反則気味。

そうした死人が生き返る謎はともかく、次々と起きる殺人事件の謎に迫る、早くに毒を盛られ?一度は死人となって生き返った主人公が、刑事の謎解きを否定し、緻密な謎解きをするのは、古典ミステリーと同様な手法で、読み応えあって面白かったです。

★★☆

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こんな夜更けにバナナかよ 愛しき実話 (文春文庫) 原案 渡辺一史

進行性筋ジストロフィーという指先以外はほとんど動かせなくなった難病を抱えながらも、病院や家族から離れ、自立生活をおくる主人公鹿野靖明氏の生活を描いたノンフィクションを元とし、映画用に脚色したこの小説は、2003年に初出、2013年に文庫化されました。

この作品を原作に映画「こんな夜更けにバナナかよ」が2018年に主役を大泉洋と高畑充希で制作されました。

世の中の常識では、自分のことがほとんどできない重度障害者は、専門病院や施設で生活するのが当然という慣例?がありますが、それに敢然と立ち向かい、家を出て、また医者から入院を勧められても断り、自ら介護ボランティアを募り、不自由ながら自立した生活を送っています。

介護ボランティアをしている医学生の恋人が、そのボランティアのためにデートの約束を何度もキャンセルすることに疑惑を感じ、彼氏がボランティアをしているという家にやってきたところ、そのまま彼氏と泊まりで介護をすることになります。

全身麻痺の患者はわがままで、ボランティアに対してあれこれ遠慮なく指示をしますが、深夜になってから「バナナを食べたいから買ってきて!」と頼まれ、理不尽な怒りを抱きながら街中を走り回って買ってきます。それがタイトルになっています。

そして、その後、フリーターとしてバイトする一方でボランティアとして活動しますが、やがては身障者の生き甲斐や人権に目覚めていきます。

しかし進行性ゆえ、徐々に弱っていく患者を看取ると同時に、あきらめていた学校教師の道へ進むことを患者から提案されたことで、その気になっていくボランティア女性の成長物語でもあります。

こうした試みが、他の多くの身障者やそれに関わるボランティアや家族が、穏やかな気持ちになれて、それぞれの夢や闘病のモチベーションに少しでもなるといいですね。

★★☆

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人間の本性 (幻冬舎新書) 丹羽宇一郎

著者は伊藤忠商事社長、会長を経て日本郵政の役員、中国大使などを歴任され、あとは文化勲章だけといういわゆる上級国民の方で、この新書を読んでいてもちょっと上から目線での話しが目に付きます。ま、そういう立場が長いと、そうなりますよね。

でも人間的にはとても魅力ある方だと思います。私もこうした人と一緒に仕事がしてみたかったと思います。そうした人間的な魅力は大企業の経営者としては絶対に必要な素養でしょう。

タイトルの「人間の本性」について深く掘り下げたとはとても言えませんが、50年を超えるビジネスや国際交流の場で経験してきたこと、特に人間関係という話に重点が置かれています。

ま、タイトルは出版社の都合で「売れそうなタイトル」を編集者が付けるケースが多いですから、著者の本音が出るケースは少なそうですけどね。

「自分は仕事が楽しい」と何度も繰り返されていますが、いくら好きであっても、70過ぎても第一線の場で働くというのは、私は「百害あって一利なし」と思っています。周囲の若い人が迷惑に思うだけです。

自分はまだまだできると思っていて、さらに周囲からおだてられ、励まされ、求められというのが働くモチベーションとなっているのでしょうけど、それは、結局は若い人が成長する機会や場やお金を奪う行為で、本人は世のため人のためと思っていても、それは勝手な思い込みに過ぎません。

立派な人というのは、「Old soldiers never die, They simply fade away.」(老兵は死なず、単に消え去るのみ」が常に美しいあり方だと思っています。人の美学とでも言いましょうか。

高齢化社会と言われている今の日本では、そうしたシンプルにフェイドアウェーできる美しい老人が少なく、いつまでも第一線に立ちたがり、偉そうに自己主張を続け、晩節を汚しているのが私には理解できず良くないことに思えます。

2019年に池袋で起きたクルマの暴走死傷事故で、文化勲章までもらった元高級官僚の老人が、裁判では「事故はクルマの経年劣化による故障で自分は悪くない、無罪だ」と主張していて、被害者遺族弁護士が「クルマの経年劣化と主張しているが、ご自身の経年劣化は考えないのか」と、嘲笑気味に会見で言っていましたが、劣化した本人にはそれがわからず、しかもそれを忠告してくれる人が周囲にいない惨めで不幸な人ということでしょう。

この著者が経年劣化していると言っているのではなく、誰しも老化はあるもので、いくら人間ドックで健康体と言われても、何事も早めに後進達にすべてを委ねていくことこそ、一時代を築いてきた老人達の本当の役目ではないかなと思っています。

私が「人間の本性」というタイトルで文章を書くとすると、そうした「俺が!俺が!」の老人達の見苦しい老い方をテーマにするだろうなぁと感じました。

★★☆

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